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公爵様の呟き(ディアン)
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一人目の妻とは、どこにでもあるようなありふれた政略結婚だった。
彼女は物静かで大人しく落ち着いた女性で、親の決めた婚約にも反対は無かった。適度な距離感でそれなりにやっていけるだろうと思っていたが、それは彼女の本性を本人と家族がうまく隠していただけだったと気づいたのは息子のアスルが生まれた後のこと。
幸い、というべきか、初夜で授かったアスルは公爵家の特徴を持っていた。タイミングが違えば生まれてくるのはアスルで無かっただろう。
昔とは違い、貴族でも恋愛がある程度は自由になっていて、私たちの婚約は大人に差し掛かるような年齢になってから整った。婚約前に付き合いのある男がいてもおかしな話では無い、と彼女の大人しい見た目にも騙され過去の交際関係は特に気にしていなかったのがいけなかった。
本来の彼女は非常に自由奔放な性格だったらしく、婚約してから婚姻まで大人しくできていたことを褒めるべきなのかもしれない。
結婚してからアスルの妊娠が発覚するまでには、すでに何人もの男と関係を持っていて、アスルを産むと同時に公爵家から追い出した。アスルが彼女ではなく私に似ていたことは正に奇跡と呼ぶべきか。彼女そっくりに生まれていたならここまで愛を感じられたか分からない。
アスルは母親の存在を知らない。生まれた瞬間から傍に居なかったのだから当然だ。
だが、周りには当然母という存在がいる。物語の中にだっている暖かな存在に、アスルは憧れを抱いてしまったらしい。
どうして僕にはお母様がいないの? 僕もお母様が欲しい。
泣きそうな顔で懇願されてはどうしようも無い。当然のことながら父である私は母にはなれないし、乳母や使用人にも懐いているがやはり母親という存在とは違うものだ。
実の母親だからとあの女を連れ戻すことはできない。
後は後妻を見つけるしかないか、と何人か話をもちかけ、最終的に辿り着いたのが私の二人目の妻でもあるエルシーだった。
予想外に陛下からのお墨付きもある女性で、私より年は下だが実際に会ってみた印象も悪くない。自分で言うのもなんだが、女性にとって魅力的らしいこの容姿と身分に媚びる様子もない所は気に入った。
アスルとの仲も順調なようでまだ日は浅いのにすっかり彼女に懐いている。
アスルもあまり我儘を言わないが、エルシーも欲が無いらしい。仕立て屋を呼んでも宝石商を呼んでも目を輝かせるどころか遠慮するばかりで、彼女が唯一自らデザインを望んだというアスルとの揃いの服が今日やっと出来たところだ。
私の分も作ろうと言ってくれたエルシーに私は頷いた。だからこそ今日という日をそれなりに気にしていた……のだが。
目の前に広げられた大小の服は全く同じでは無いが対になっているのだと一目でわかる。
二つの服を両手に持っている派手な男はご機嫌だ。
「お揃い、と言うから三人で同じなのかと思っていた」
「違うわよ~。貴方と奥様、それぞれが息子くんとセットの服で二つ」
奥様とペアの方は可愛くしちゃった~とはしゃぐ男には未だに慣れることがない。くねくねとした動きは気色悪いとさえ思うが口に出しても面倒になるだけだと分かっているから黙っておく。
ロージーに呼ばれた時にエルシーとアスルの揃いの服を見た。ちょうど着替え終わったところだったのか二人で手を繋いで嬉しそうに鏡の前に立っていて、その姿は親子そのものに見えた。
彼女を選んだのは正解だった。
しかし本当に彼女は。
「私に興味が無いんだな」
私に見向きもしない彼女の姿が浮かんで思わず心の声が漏れ出ていて、気づいた時にはロージーが頬を緩ませきった顔でこちらを覗き込んでいた。本来の身長は対して変わらないが、今のロージーは踵の高いヒールを履きこなしている。頭一つ分高い大男に顔を覗き込まれるのはあまりいい気がしないものだ。
何よりそのニヤついた顔が癪に障る。
「なんだ、お前も気に入ってるのか」
「何が言いたい」
「いや? ふーん。ディアンが見向きもされてないの珍しくて笑える」
「うるさい」
似合うから、という理由だけで女装を好んでいるこの男の素は女性からはかけ離れている。
私の中ではこちらが慣れ親しんでいる口調だが、この格好で言葉遣いを戻されるとなんともいえない気持ち悪さを感じてしまうからやめてもらいたい。
「結婚式もするつもりなんだろう?」
「あぁ、もう少し落ち着いた後でにはなるだろうが」
公爵夫人としての役割を背負わせる気は無いが、邪険にするつもりも無い。
アスルの母親として尽くしてくれる以上、彼女の幸せのためには努力も金も惜しまないつもりでいる。
「もちろん、ドレスはうちに任せてくれるのよね?」
目立つ色のリップを塗った唇が弧を描く。この切り替えの早さはなんなんだ。
「一応そのつもりだが、マダムローズの店は常に予約が埋まっているんじゃないのか?」
今回のエルシーの衣装も知り合いのよしみで無理やりねじ込んで貰っている。少し先になると言っても婚姻衣装を作るほどの時間の空きがあるのかどうか。
「そりゃぁ、うちは常にキャンセル待ちだけど、あたしは作りたいものを作るのよ。こういうのは別腹ってやつなんだから、任せなさい」
すでに私の存在を無視してスケッチブックを取り出してアイデア出しを始めているロージーは奇行が目立つ変人だが、腕だけは良い。昔から器用で、美的センスは群を抜いていた。
エルシーと合わせた物より落ち着いた色味の大小の紳士服。試しに自分の分に袖を通してみるがサイズはぴったりで着心地も良い。子供服にはリボンなどの装飾は少なめで裾の広がりも抑えられている。一人でいてもどこかに引っ掛けることが無いようにデザインされているのだろう。
しかし三人で合わせるのだろうと思い描いた理想が頭から抜けていってくれない。
「ねぇ。暇な時に三人お揃いでのデザイン、考えてあげてもいいわよ、公爵様」
スケッチブックから顔を上げたロージーがにんまりと笑う。その顔の横で親指と人差し指を合わせた丸が掲げられている。その丸の中に金貨が光り輝いている気がした。
「……頼もう」
「まいどあり~」
望み通り懐から金貨を一枚放り投げてやれば、派手な女装姿の男は機嫌良さそうに掴み取った。
彼女は物静かで大人しく落ち着いた女性で、親の決めた婚約にも反対は無かった。適度な距離感でそれなりにやっていけるだろうと思っていたが、それは彼女の本性を本人と家族がうまく隠していただけだったと気づいたのは息子のアスルが生まれた後のこと。
幸い、というべきか、初夜で授かったアスルは公爵家の特徴を持っていた。タイミングが違えば生まれてくるのはアスルで無かっただろう。
昔とは違い、貴族でも恋愛がある程度は自由になっていて、私たちの婚約は大人に差し掛かるような年齢になってから整った。婚約前に付き合いのある男がいてもおかしな話では無い、と彼女の大人しい見た目にも騙され過去の交際関係は特に気にしていなかったのがいけなかった。
本来の彼女は非常に自由奔放な性格だったらしく、婚約してから婚姻まで大人しくできていたことを褒めるべきなのかもしれない。
結婚してからアスルの妊娠が発覚するまでには、すでに何人もの男と関係を持っていて、アスルを産むと同時に公爵家から追い出した。アスルが彼女ではなく私に似ていたことは正に奇跡と呼ぶべきか。彼女そっくりに生まれていたならここまで愛を感じられたか分からない。
アスルは母親の存在を知らない。生まれた瞬間から傍に居なかったのだから当然だ。
だが、周りには当然母という存在がいる。物語の中にだっている暖かな存在に、アスルは憧れを抱いてしまったらしい。
どうして僕にはお母様がいないの? 僕もお母様が欲しい。
泣きそうな顔で懇願されてはどうしようも無い。当然のことながら父である私は母にはなれないし、乳母や使用人にも懐いているがやはり母親という存在とは違うものだ。
実の母親だからとあの女を連れ戻すことはできない。
後は後妻を見つけるしかないか、と何人か話をもちかけ、最終的に辿り着いたのが私の二人目の妻でもあるエルシーだった。
予想外に陛下からのお墨付きもある女性で、私より年は下だが実際に会ってみた印象も悪くない。自分で言うのもなんだが、女性にとって魅力的らしいこの容姿と身分に媚びる様子もない所は気に入った。
アスルとの仲も順調なようでまだ日は浅いのにすっかり彼女に懐いている。
アスルもあまり我儘を言わないが、エルシーも欲が無いらしい。仕立て屋を呼んでも宝石商を呼んでも目を輝かせるどころか遠慮するばかりで、彼女が唯一自らデザインを望んだというアスルとの揃いの服が今日やっと出来たところだ。
私の分も作ろうと言ってくれたエルシーに私は頷いた。だからこそ今日という日をそれなりに気にしていた……のだが。
目の前に広げられた大小の服は全く同じでは無いが対になっているのだと一目でわかる。
二つの服を両手に持っている派手な男はご機嫌だ。
「お揃い、と言うから三人で同じなのかと思っていた」
「違うわよ~。貴方と奥様、それぞれが息子くんとセットの服で二つ」
奥様とペアの方は可愛くしちゃった~とはしゃぐ男には未だに慣れることがない。くねくねとした動きは気色悪いとさえ思うが口に出しても面倒になるだけだと分かっているから黙っておく。
ロージーに呼ばれた時にエルシーとアスルの揃いの服を見た。ちょうど着替え終わったところだったのか二人で手を繋いで嬉しそうに鏡の前に立っていて、その姿は親子そのものに見えた。
彼女を選んだのは正解だった。
しかし本当に彼女は。
「私に興味が無いんだな」
私に見向きもしない彼女の姿が浮かんで思わず心の声が漏れ出ていて、気づいた時にはロージーが頬を緩ませきった顔でこちらを覗き込んでいた。本来の身長は対して変わらないが、今のロージーは踵の高いヒールを履きこなしている。頭一つ分高い大男に顔を覗き込まれるのはあまりいい気がしないものだ。
何よりそのニヤついた顔が癪に障る。
「なんだ、お前も気に入ってるのか」
「何が言いたい」
「いや? ふーん。ディアンが見向きもされてないの珍しくて笑える」
「うるさい」
似合うから、という理由だけで女装を好んでいるこの男の素は女性からはかけ離れている。
私の中ではこちらが慣れ親しんでいる口調だが、この格好で言葉遣いを戻されるとなんともいえない気持ち悪さを感じてしまうからやめてもらいたい。
「結婚式もするつもりなんだろう?」
「あぁ、もう少し落ち着いた後でにはなるだろうが」
公爵夫人としての役割を背負わせる気は無いが、邪険にするつもりも無い。
アスルの母親として尽くしてくれる以上、彼女の幸せのためには努力も金も惜しまないつもりでいる。
「もちろん、ドレスはうちに任せてくれるのよね?」
目立つ色のリップを塗った唇が弧を描く。この切り替えの早さはなんなんだ。
「一応そのつもりだが、マダムローズの店は常に予約が埋まっているんじゃないのか?」
今回のエルシーの衣装も知り合いのよしみで無理やりねじ込んで貰っている。少し先になると言っても婚姻衣装を作るほどの時間の空きがあるのかどうか。
「そりゃぁ、うちは常にキャンセル待ちだけど、あたしは作りたいものを作るのよ。こういうのは別腹ってやつなんだから、任せなさい」
すでに私の存在を無視してスケッチブックを取り出してアイデア出しを始めているロージーは奇行が目立つ変人だが、腕だけは良い。昔から器用で、美的センスは群を抜いていた。
エルシーと合わせた物より落ち着いた色味の大小の紳士服。試しに自分の分に袖を通してみるがサイズはぴったりで着心地も良い。子供服にはリボンなどの装飾は少なめで裾の広がりも抑えられている。一人でいてもどこかに引っ掛けることが無いようにデザインされているのだろう。
しかし三人で合わせるのだろうと思い描いた理想が頭から抜けていってくれない。
「ねぇ。暇な時に三人お揃いでのデザイン、考えてあげてもいいわよ、公爵様」
スケッチブックから顔を上げたロージーがにんまりと笑う。その顔の横で親指と人差し指を合わせた丸が掲げられている。その丸の中に金貨が光り輝いている気がした。
「……頼もう」
「まいどあり~」
望み通り懐から金貨を一枚放り投げてやれば、派手な女装姿の男は機嫌良さそうに掴み取った。
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