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親子三人
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はぁ、と思わずため息が零れ出た。
体力には自信がある方だったのに、疲れすぎてカウチソファから起き上がりたくない。
「エルシー、大丈夫?」
倒れ込んだ姿勢のまま動かない私を心配して、アスルがソファの前でこちらを覗き込んだ。
「大丈夫よ、アスル」
しゃがみこんでいるアスルの頭が撫でるのにちょうどいい位置にあって、セットされた藍色の髪を崩さないようにそっと触れた。
「エルシー様、お召し物がシワになってしまいます」
困ったように笑うユイに優しく注意されて大人しく起き上がる。この柔らかな、明らかに高級そうなドレスに何かあったら大変だもの。
綺麗に座り直してからドレスの裾を摘んでみる。
薄く光沢のある薄くて手触りのいい生地が何枚も重ねられて、縁には繊細なレースまで付いている。
それに履き心地の良い靴に首元を飾る輝くネックレス。
今の私の全身の値段がいくらかなんて考えたくない。
「贅沢がこんなに大変だったなんて……」
「エルシー様は贅沢なんてしてないと思いますけど」
弱音を吐き出す私にコルカが即答する。
私はただの庶民なのに、これ以上の贅沢なんて想像もできない。
昨日は朝から仕立て屋が呼ばれていて、それから一日着せ替え人形状態だった。普段着に外出着に、使う予定のない夜会用のドレス、それからネグリジェまで。全て同じに見えてくるくらいの服を見せられた。
服を着て脱いで好みを聞かれての繰り返しに、とりあえずできるだけシンプルなものを選ぶだけで精一杯だったわ。
だって全身に宝石が縫い付けられた派手なドレスなんて置いておくだけでも怖いのに着られるわけが無い。
「アスルは元気ね。この服、私に似合うかな?」
私に付き合って一緒に服を選んだり悩んだりしていたのに、アスルはまだ元気そう。
鬼ごっこではまだまだ私の体力が勝っていると思っていたけど、認識を改めなくてはいけなさそうね。
「うん! エルシー、とってもかわいいよ!」
「ありがとう。アスルもとっても似合ってて、小さな紳士みたいね」
今日は朝からアクセサリーや小物、それから家具の商人たちの対応をして、その後は全身磨かれてからこのドレスに着替えさせられた。髪も纏めてお化粧もして、やってくれたのはユイとコルカを中心にした侍女たちなのに私が一番疲れている気がする。座っていただけなのに領地を駆け回っていたときよりも疲労感が押し寄せているわ。
「おとうさまに早く見せたいね!」
「ふふ、そうね」
私がこの公爵家に来てから10日ほど。公爵様のお仕事が一段落したようで、このあと三人での夕食が待っている。
ずっとアスルと二人でのんびり気楽に過ごしてきたから少しだけ緊張するけど、アスルの嬉しそうな顔を見ているとそんなものどこかに飛んでいってしまう。
「坊っちゃま、エルシー様。公爵様がお呼びです」
やっぱり少しだけ緊張する。
アスルと手を繋いで、慣れない踵の高さに転ばないように足に力を入れた。
大切な親子の時間だもの。遅れる訳にはいかないわ。
気合を入れるように、繋いでいない方の拳を握りしめた。
◇◇◇
食堂にはすでに公爵様がいて、アスルはトコトコと近づいて頭を下げた。
「おとうさま、おかえりなさい」
「あぁ、長く家をあけて悪かったな。エルシーも挨拶はいいから席に座るといい」
食堂の入り口で挨拶をしようとした私に声をかけながら、公爵様が椅子を引いてアスルを席に座らせる。
その椅子には子供用に高さを合わせて椅子の上にクッションが置いてあった。私の席はアスルの隣みたいで、執事が椅子を引いてくれている。
こんなドレスとヒールで綺麗な挨拶をする自信なんてなかったから、お言葉に甘えて席に腰を下ろすことにした。
すでにテーブルの上には料理が並んでいて、美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐる。
伯爵領では食べたことがないような高級な食材を凄腕のシェフが料理しているから、公爵家での食事は本当に本当に美味しい。何度でも言うけど、毎食感動してしまうくらい全てが美味しいの。
ただ一つ心配なのは伯爵領の仕事を手伝っていた時より確実に動かなくなった私の体重だけ……。
「エルシー、この家での生活に不便はないか?」
太りたくないけれど、美味しい料理を目の前に我慢もできず悩む私は、公爵様から声をかけられて漸く顔を上げた。
「はい、皆さんとてもよくしてくださいますし、素敵なお部屋もたくさんの服も用意していただいて、ありがとうございます」
「当然のことをしているだけだ。しかし服はあまり注文しなかったと聞いている」
「そんなことは無いと思いますけど……」
今だって私の部屋のクローゼットはとりあえずと言われたドレスで埋まっているのに、注文したドレスもなんて一生かかっても全ては着られない気がする。成長期のアスルとは違って身長だって変わらないんだから。
あれだけあれば生地が痛むことも少ないだろうし、十分すぎる着数を注文したと思う。
「今日偶然王宮に来ていたロージーに散々文句を言われた。私の財産を根こそぎ持っていくつもりで来たのに妻にあれだけしか服を買ってやらないなんてどれだけドケチなのかと」
「ロージー……、あ、マダムローズのことですか?」
マダム、と言っても彼女、いえ彼はどこからどう見ても男性だったけど。胸元を大きく開いたブラウスに華美な装飾の似合う派手な、女性言葉を使う男性。だけど心が女性って訳では無いらしい。結婚もまだしていないとか。
マダムローズと言えば貴族も平民も一度は憧れる最高級のデザイナーで、素材の良さはもちろん、予約も常に埋まっている今一番人気の人物。
まさかそんなすごい方が来てくれるなんて思ってもみなかったし、しかも男性だったなんて驚いた。
「あぁ、ロージーとは同じ師の元で学んでいて顔馴染みなんだ。全くあいつはいつも煩くて仕方ない」
派手なマダムローズと公爵様が並んでいる様子は想像がつかないけど、すごく整った容姿の方たちだから釣り合いが取れるのかもしれない。
うんざりとした様子だけど、公爵様の口調からは親しさが感じられる。
「なんだかすみません……」
「いや、謝ることでは無い。しかし君が進んで望んだものは一つだけだったと言っていたが、そう言われると何だか気になるな」
「あ、それは……」
思わず隣のアスルを見ると、アスルもこちらを見あげていた。
目が合うとどちらからともなく微笑みあう。公爵様はそんな私たちを見て不思議そうな顔をしていた。
「アスルの服とセットになるようなデザインで、二人で選んだんです。ね、アスル」
「うん! エルシーとおそろいっ」
同じ生地を部分的に使って、モチーフや襟の形を似たような物で揃えてその場でデザインしてもらった。横から私とアスルで覗き込んで意見を言いながら。
実物ができるのは少し先だけど、楽しかったし我ながらかわいい物ができたと思う。アスルも喜んでくれてすごく満足。
「そうか。それはよかった」
アスルの笑顔を見て少し表情を和らげた公爵様を見て思いつく。
「あ、公爵様も一つ、同じデザインで作りませんか? またすぐに生地などを持って調整に来てくれるとマダムローズが仰ってましたので、よろしければそのときに頼んでみます。追加のデザインも考えておきなさいと言われているので」
正直自分のものはもうお腹いっぱいだけど、公爵様だってアスルとお揃いの服があったら嬉しいのではないかと思う。だって私がもうこんなに待ち遠しいのだから。
同じ服でお出かけ、なんて最高じゃない。すごく親子っぽい。
「そうだな。たまにはそういうのもいいのかもしれない」
公爵様がアスルを見ながら呟くように言った。
「おとうさまともおそろい?」
「そうよ、お揃い。それでは次にマダムローズと会う時に頼んでおきますね」
「あぁ、お願いしよう」
美形の微笑みは思わず見蕩れてしまうくらい破壊力が高かった。アスルと二人で揃えた服を着たら素晴らしく絵になるでしょうね。
絵師も呼ぶようにお願いしてみようかしら。
ついそんな考えが浮かんでしまった。
体力には自信がある方だったのに、疲れすぎてカウチソファから起き上がりたくない。
「エルシー、大丈夫?」
倒れ込んだ姿勢のまま動かない私を心配して、アスルがソファの前でこちらを覗き込んだ。
「大丈夫よ、アスル」
しゃがみこんでいるアスルの頭が撫でるのにちょうどいい位置にあって、セットされた藍色の髪を崩さないようにそっと触れた。
「エルシー様、お召し物がシワになってしまいます」
困ったように笑うユイに優しく注意されて大人しく起き上がる。この柔らかな、明らかに高級そうなドレスに何かあったら大変だもの。
綺麗に座り直してからドレスの裾を摘んでみる。
薄く光沢のある薄くて手触りのいい生地が何枚も重ねられて、縁には繊細なレースまで付いている。
それに履き心地の良い靴に首元を飾る輝くネックレス。
今の私の全身の値段がいくらかなんて考えたくない。
「贅沢がこんなに大変だったなんて……」
「エルシー様は贅沢なんてしてないと思いますけど」
弱音を吐き出す私にコルカが即答する。
私はただの庶民なのに、これ以上の贅沢なんて想像もできない。
昨日は朝から仕立て屋が呼ばれていて、それから一日着せ替え人形状態だった。普段着に外出着に、使う予定のない夜会用のドレス、それからネグリジェまで。全て同じに見えてくるくらいの服を見せられた。
服を着て脱いで好みを聞かれての繰り返しに、とりあえずできるだけシンプルなものを選ぶだけで精一杯だったわ。
だって全身に宝石が縫い付けられた派手なドレスなんて置いておくだけでも怖いのに着られるわけが無い。
「アスルは元気ね。この服、私に似合うかな?」
私に付き合って一緒に服を選んだり悩んだりしていたのに、アスルはまだ元気そう。
鬼ごっこではまだまだ私の体力が勝っていると思っていたけど、認識を改めなくてはいけなさそうね。
「うん! エルシー、とってもかわいいよ!」
「ありがとう。アスルもとっても似合ってて、小さな紳士みたいね」
今日は朝からアクセサリーや小物、それから家具の商人たちの対応をして、その後は全身磨かれてからこのドレスに着替えさせられた。髪も纏めてお化粧もして、やってくれたのはユイとコルカを中心にした侍女たちなのに私が一番疲れている気がする。座っていただけなのに領地を駆け回っていたときよりも疲労感が押し寄せているわ。
「おとうさまに早く見せたいね!」
「ふふ、そうね」
私がこの公爵家に来てから10日ほど。公爵様のお仕事が一段落したようで、このあと三人での夕食が待っている。
ずっとアスルと二人でのんびり気楽に過ごしてきたから少しだけ緊張するけど、アスルの嬉しそうな顔を見ているとそんなものどこかに飛んでいってしまう。
「坊っちゃま、エルシー様。公爵様がお呼びです」
やっぱり少しだけ緊張する。
アスルと手を繋いで、慣れない踵の高さに転ばないように足に力を入れた。
大切な親子の時間だもの。遅れる訳にはいかないわ。
気合を入れるように、繋いでいない方の拳を握りしめた。
◇◇◇
食堂にはすでに公爵様がいて、アスルはトコトコと近づいて頭を下げた。
「おとうさま、おかえりなさい」
「あぁ、長く家をあけて悪かったな。エルシーも挨拶はいいから席に座るといい」
食堂の入り口で挨拶をしようとした私に声をかけながら、公爵様が椅子を引いてアスルを席に座らせる。
その椅子には子供用に高さを合わせて椅子の上にクッションが置いてあった。私の席はアスルの隣みたいで、執事が椅子を引いてくれている。
こんなドレスとヒールで綺麗な挨拶をする自信なんてなかったから、お言葉に甘えて席に腰を下ろすことにした。
すでにテーブルの上には料理が並んでいて、美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐる。
伯爵領では食べたことがないような高級な食材を凄腕のシェフが料理しているから、公爵家での食事は本当に本当に美味しい。何度でも言うけど、毎食感動してしまうくらい全てが美味しいの。
ただ一つ心配なのは伯爵領の仕事を手伝っていた時より確実に動かなくなった私の体重だけ……。
「エルシー、この家での生活に不便はないか?」
太りたくないけれど、美味しい料理を目の前に我慢もできず悩む私は、公爵様から声をかけられて漸く顔を上げた。
「はい、皆さんとてもよくしてくださいますし、素敵なお部屋もたくさんの服も用意していただいて、ありがとうございます」
「当然のことをしているだけだ。しかし服はあまり注文しなかったと聞いている」
「そんなことは無いと思いますけど……」
今だって私の部屋のクローゼットはとりあえずと言われたドレスで埋まっているのに、注文したドレスもなんて一生かかっても全ては着られない気がする。成長期のアスルとは違って身長だって変わらないんだから。
あれだけあれば生地が痛むことも少ないだろうし、十分すぎる着数を注文したと思う。
「今日偶然王宮に来ていたロージーに散々文句を言われた。私の財産を根こそぎ持っていくつもりで来たのに妻にあれだけしか服を買ってやらないなんてどれだけドケチなのかと」
「ロージー……、あ、マダムローズのことですか?」
マダム、と言っても彼女、いえ彼はどこからどう見ても男性だったけど。胸元を大きく開いたブラウスに華美な装飾の似合う派手な、女性言葉を使う男性。だけど心が女性って訳では無いらしい。結婚もまだしていないとか。
マダムローズと言えば貴族も平民も一度は憧れる最高級のデザイナーで、素材の良さはもちろん、予約も常に埋まっている今一番人気の人物。
まさかそんなすごい方が来てくれるなんて思ってもみなかったし、しかも男性だったなんて驚いた。
「あぁ、ロージーとは同じ師の元で学んでいて顔馴染みなんだ。全くあいつはいつも煩くて仕方ない」
派手なマダムローズと公爵様が並んでいる様子は想像がつかないけど、すごく整った容姿の方たちだから釣り合いが取れるのかもしれない。
うんざりとした様子だけど、公爵様の口調からは親しさが感じられる。
「なんだかすみません……」
「いや、謝ることでは無い。しかし君が進んで望んだものは一つだけだったと言っていたが、そう言われると何だか気になるな」
「あ、それは……」
思わず隣のアスルを見ると、アスルもこちらを見あげていた。
目が合うとどちらからともなく微笑みあう。公爵様はそんな私たちを見て不思議そうな顔をしていた。
「アスルの服とセットになるようなデザインで、二人で選んだんです。ね、アスル」
「うん! エルシーとおそろいっ」
同じ生地を部分的に使って、モチーフや襟の形を似たような物で揃えてその場でデザインしてもらった。横から私とアスルで覗き込んで意見を言いながら。
実物ができるのは少し先だけど、楽しかったし我ながらかわいい物ができたと思う。アスルも喜んでくれてすごく満足。
「そうか。それはよかった」
アスルの笑顔を見て少し表情を和らげた公爵様を見て思いつく。
「あ、公爵様も一つ、同じデザインで作りませんか? またすぐに生地などを持って調整に来てくれるとマダムローズが仰ってましたので、よろしければそのときに頼んでみます。追加のデザインも考えておきなさいと言われているので」
正直自分のものはもうお腹いっぱいだけど、公爵様だってアスルとお揃いの服があったら嬉しいのではないかと思う。だって私がもうこんなに待ち遠しいのだから。
同じ服でお出かけ、なんて最高じゃない。すごく親子っぽい。
「そうだな。たまにはそういうのもいいのかもしれない」
公爵様がアスルを見ながら呟くように言った。
「おとうさまともおそろい?」
「そうよ、お揃い。それでは次にマダムローズと会う時に頼んでおきますね」
「あぁ、お願いしよう」
美形の微笑みは思わず見蕩れてしまうくらい破壊力が高かった。アスルと二人で揃えた服を着たら素晴らしく絵になるでしょうね。
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