35 / 38
最終章 夢で逢えたら
第9話 交友
しおりを挟む
月曜日、昼過ぎに起きて、腹ごしらえをするために近所のファミマへ行き、ジャンプとヤンマガをパラパラめくった。お目当ての漫画はコミックで買っているし、それ以外は読む気がしないのに、小さな頃からの癖なのか、毎週チェックしてしまう。そこで三百円のカレー・ライスと煙草を購入し、家で食べる。そしてひたすらパソコンと睨めっこをする。なんの意味もない時間の使い方だ。途中までプレイしてやめたゲームがたくさんあるのでそれをプレイするが、すぐに飽きる。映画、ドラマ、アニメも借りてHDDに取り込んで、そのほとんどは未視聴なのにも関わらず、一切観る気がしない。なんとか時間を有意義に使いたいと、溜まっていた洗濯物を処理する。小説もたくさんあるな……と本棚を一瞥する。当然読む気はまったくない。
そうやって時間を潰し、夜の八時になったので薬を飲んでのんびりしていると、前回断った女友達Sから、「暇ー」とLINEが来た。面倒くさいので適当に返事すると、「お茶しませんか?」と。「金ないよ」と返すと、「カフェぐらいあるでしょ?」ときたので、「まあそれぐらいなら……」と、押し切られるかたちとなった。
九時半に蒲田駅で待ち合わせとなった。シャワーを浴び、服を着替え、歯を磨き、イヤホンを耳にさして部屋を後にする。結局駅に着いたのは九時四十五分を過ぎていた。Sは待っていた。背は低く、少しぽっちゃりとしており、胸は大きく、まだ若干二十歳なので幼さは残るが、化粧は濃く髪色も派手。ピアスも沢山耳に開いている。
わざわざ歩いて来たのに、数時間お茶するだけというのもなんだなと思い、呑みを提案するも、高い、と断れる。「ていうかお金ないんでしょ?」と言われた。財布には九千円。五千円は来月の支払いで使うため使えないので、四千円で三日まで暮らさなければいけない。
「まああまり使えないね」
「カラオケぐらいだったらどう?」
「まあ平日だしフリー・タイムならいいよ」とカラオケに行くことになった。
ところが結局、フリー・タイムでアルコール呑み放題の二千五百円のコースを選んだ。はっきり言うと、金はないのに、ただ呑みたかった。
二人でカラオケを楽しみながら、呑み放題なので呑みまくる。結局朝の五時までにビール、シャンディ・ガフ、ジンジャー・ハイボール、モヒート、ジャスミン・ハイ、そして緑茶ハイを四杯。こんなにも呑んだのは久々なので、カラオケ後の記憶が全くない。
朝方にいつの間にか眠ってしまい、起きたのは夜の八時半を回っていた。目が覚めるなり煙草をふかしているいると、こんな時間には珍しくインター・フォンが鳴った。インター・ネット回線の案内の男性だった。
「今使っている回線を解約し、私のところを契約すると、月々のインターネット代だけでなく携帯代が、月額にして三千円近く安くなります。そして今使っている回線の解約料も全額私どもが負担します」
と言われたが、面倒くさかったので適当に話を聞き、早々に帰って貰った。すると数分後またインター・フォンが鳴ったので出てみると、男性が階段の下の自動販売機でアイス・コーヒーを買ってきてくれた。ありがたく受け取り、煙草とアイス・コーヒーを嗜んでいると、インター・ネットの会社から電話がかかって来た。相手の長々とした説明が終わるなり、僕は、「面倒くさいんで回線変えません」と伝えると、少し驚かれた。
「安くなるのに、いいんですか?」
「いいですよ」
「わかりました、ではまたよろしくお願いします」と言って電話は終わった。
それから腹が減ったので牛丼を食べに行き、帰って音楽を聞いていた。深夜に、毎週楽しみにしているテレビが放送されているので、それまで時間を潰し、それを観たあとまた適当に過ごし、時間を無駄に使い、朝になり、小説をつらつら書いていると、訪問看護の時間となった。
気の強い看護師がやってきて、事務作業を終わらせると、僕のパソコンをもの珍しそうに見た。
「もしかして、小説書いてるの?」
「あ、はい、そうです」
それから、そういう話の流れになった。驚いたのが、一般人に小説の新人賞の名称を言っても伝わらないことだった。群像新人文学賞は、村上春樹や高橋源一郎が受賞していると言っても、通じない。文藝新人賞に綿矢りさが受賞したと言ったら、ようやく通じた。小説は斜陽産業なんだとつくづく感じた。
「ところで最近喘息出てる?」
「そうですね、何日かに一回出てますね」
「明日せっかくメンタルなんだから、一緒に受診しなよ」
「うーん、面倒くさいし、煙草止めろって言われるだけですよ」
「でも薬は使った方がいいよ」
そういった話も終わり、「金曜日はAが来る……いや、違ったっけ……」と言いながら書類に目を通した。僕は心の中で、いるのかいないのかわからない神様とやらにお願いした。「……うん、Aが来る」願いが通じた。「でも前の人が重症の人だから、ちょっと時間過ぎるかもしれない」とのことだった。金曜日はいつもどおり真理さんが来る。安心した。看護師には、カラオケに行ったことも呑んだことも、当然ながらまったく言っていない。
五月も終盤戦に入り、暑い日が続いている。なにも進んではいない。
そうやって時間を潰し、夜の八時になったので薬を飲んでのんびりしていると、前回断った女友達Sから、「暇ー」とLINEが来た。面倒くさいので適当に返事すると、「お茶しませんか?」と。「金ないよ」と返すと、「カフェぐらいあるでしょ?」ときたので、「まあそれぐらいなら……」と、押し切られるかたちとなった。
九時半に蒲田駅で待ち合わせとなった。シャワーを浴び、服を着替え、歯を磨き、イヤホンを耳にさして部屋を後にする。結局駅に着いたのは九時四十五分を過ぎていた。Sは待っていた。背は低く、少しぽっちゃりとしており、胸は大きく、まだ若干二十歳なので幼さは残るが、化粧は濃く髪色も派手。ピアスも沢山耳に開いている。
わざわざ歩いて来たのに、数時間お茶するだけというのもなんだなと思い、呑みを提案するも、高い、と断れる。「ていうかお金ないんでしょ?」と言われた。財布には九千円。五千円は来月の支払いで使うため使えないので、四千円で三日まで暮らさなければいけない。
「まああまり使えないね」
「カラオケぐらいだったらどう?」
「まあ平日だしフリー・タイムならいいよ」とカラオケに行くことになった。
ところが結局、フリー・タイムでアルコール呑み放題の二千五百円のコースを選んだ。はっきり言うと、金はないのに、ただ呑みたかった。
二人でカラオケを楽しみながら、呑み放題なので呑みまくる。結局朝の五時までにビール、シャンディ・ガフ、ジンジャー・ハイボール、モヒート、ジャスミン・ハイ、そして緑茶ハイを四杯。こんなにも呑んだのは久々なので、カラオケ後の記憶が全くない。
朝方にいつの間にか眠ってしまい、起きたのは夜の八時半を回っていた。目が覚めるなり煙草をふかしているいると、こんな時間には珍しくインター・フォンが鳴った。インター・ネット回線の案内の男性だった。
「今使っている回線を解約し、私のところを契約すると、月々のインターネット代だけでなく携帯代が、月額にして三千円近く安くなります。そして今使っている回線の解約料も全額私どもが負担します」
と言われたが、面倒くさかったので適当に話を聞き、早々に帰って貰った。すると数分後またインター・フォンが鳴ったので出てみると、男性が階段の下の自動販売機でアイス・コーヒーを買ってきてくれた。ありがたく受け取り、煙草とアイス・コーヒーを嗜んでいると、インター・ネットの会社から電話がかかって来た。相手の長々とした説明が終わるなり、僕は、「面倒くさいんで回線変えません」と伝えると、少し驚かれた。
「安くなるのに、いいんですか?」
「いいですよ」
「わかりました、ではまたよろしくお願いします」と言って電話は終わった。
それから腹が減ったので牛丼を食べに行き、帰って音楽を聞いていた。深夜に、毎週楽しみにしているテレビが放送されているので、それまで時間を潰し、それを観たあとまた適当に過ごし、時間を無駄に使い、朝になり、小説をつらつら書いていると、訪問看護の時間となった。
気の強い看護師がやってきて、事務作業を終わらせると、僕のパソコンをもの珍しそうに見た。
「もしかして、小説書いてるの?」
「あ、はい、そうです」
それから、そういう話の流れになった。驚いたのが、一般人に小説の新人賞の名称を言っても伝わらないことだった。群像新人文学賞は、村上春樹や高橋源一郎が受賞していると言っても、通じない。文藝新人賞に綿矢りさが受賞したと言ったら、ようやく通じた。小説は斜陽産業なんだとつくづく感じた。
「ところで最近喘息出てる?」
「そうですね、何日かに一回出てますね」
「明日せっかくメンタルなんだから、一緒に受診しなよ」
「うーん、面倒くさいし、煙草止めろって言われるだけですよ」
「でも薬は使った方がいいよ」
そういった話も終わり、「金曜日はAが来る……いや、違ったっけ……」と言いながら書類に目を通した。僕は心の中で、いるのかいないのかわからない神様とやらにお願いした。「……うん、Aが来る」願いが通じた。「でも前の人が重症の人だから、ちょっと時間過ぎるかもしれない」とのことだった。金曜日はいつもどおり真理さんが来る。安心した。看護師には、カラオケに行ったことも呑んだことも、当然ながらまったく言っていない。
五月も終盤戦に入り、暑い日が続いている。なにも進んではいない。
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
朔望大学医学部付属病院/ White Dictator
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
White Dictator______通称:『白衣の独裁者』
<ホワイト・ディクテイター>
⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯
圧倒的な「実力」と「技術」で捩じ伏せ・現場を支配する凄腕たち。
___ ごく僅かな一瞬の隙も逃さない神手の集まり。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる