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第2部
第7話:濃霧の町に潜む③
しおりを挟む【side:ディア】
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情報を整理しよう。
私たちはある目的の為、濃霧の町『ミスカルタウン』にやってきた。
町に入ろうとした時の事だ。足を踏み入れた主が転移魔法に引っかかり、町の中のどこかへ転送されてしまった。
元々町の中に入る予定だったので入る事自体は構わない。問題は何故こんな罠を張ったのか、町のどこへ飛ばされたのかだ。
主は強い人間だ。ただでやられるとは思えないが、命に関わるような場所に飛ばされたとしたら早々に助けに行くべきだ。
それなのに私の目の前では厄介な人間4人が立ってこちらを見ている。
悪魔討伐専門組織『エクソシスト』、我々悪魔の天敵の一つだ。
町の中の悪魔に気取られぬよう、悪魔の力を抑えていて正解だった。
堂々と羽でも出していれば、こちらが魔法陣を解析している内に奇襲してきた事だろう。
エクソシストたちは不審そうにこちらを見ている。両者の間に緊張感は漂っているが、いきなり飛びかかってくる様子はない。
「失礼、ちょっといいかな?」
その中の一番背の高い人間が話しかけてくる。
私が『はい』と返事をすると、その人間がこちらへ歩み寄ってきた。人間は私から2mほど離れたところに立ち止まり、話を続けた。
「そう固くならないでくれ、私の名前はプルームと言う。『フォレストレイク』と言う場所から、ある調査の為ここに来た。少し質問したいだけさ。
君たちはどうしてここへ? ここが悪魔が多く、エクソシストもまず来ない辺境の町だ。危険な場所だと知らなかったのか?」
「ディアと申します。危険は承知の上で来ました。詳しい目的は、先程転移魔法で飛ばされた者がよく知っています」
「ということは、先程の青年も君の連れかい?」
「はい。正確には私が彼の連れ。私は言わば、お手伝いです」
腹の探り合いはしばらく続いた。
適当に言い訳を並べて、全て嘘の言葉で話していたらバレたとき厄介だ。慎重に言葉を選んで答えていく。私たちが話している間も残りの3人は遠くからこちらを見ている。逃げる隙もない。
「話をまとめさせていただきますと、貴方たちは旅をしており、遠い町から危険を承知で探し物をする為にここに来た。探し物の詳細は同行者の青年が知っている。この時期来たのは偶然でオズマとは一切関わりがない、と」
「はい。むしろ私たちはそのオズマを知りません。オズマとはなんでしょうか?」
エクソシストの面々が顔を合わせて答えるかどうか考えあぐねているようだ。
しばらくすると誰かが『教えても良いと思う』と呟いた。周りが少しざわつくが、目の前にいるプルームと名乗った男も納得したようだ。
「そうですね。外から人は来ないと思い込んでいた我々の落ち度です。我々が巻き込んでしまった以上、貴方たちも無関係ではないですし、我が故郷ではオズマのことは特別珍しい情報ではない。その代わり連れの方と合流できたら早々に『ミスカルタウン』から離れてください」
「強引な方なのでうまくいくか分かりませんが、必ず話し合ってみます」
「有難うございます。ではオズマについてですが…オズマは我々のチームが討伐対象にしている強大な力を持つ悪魔です。その年齢は1000を超えると言います」
年齢を聞いて思わずビクッと肩を震わせる。
寿命のない私が言うのもなんだが、1000年生きられる悪魔は本当に稀で、魔界の奥深くに住んでいる王族クラスの悪魔だろう。
それほどまでに強くて珍しい悪魔だ。そんな強さの悪魔がわざわざ人間界に出てきていることも驚きである。そしてそんな悪魔をこの人数で退治しようだなんて、1000年前より人間が強くなっているとはいえ無謀すぎるだろう。
「恐れながら申し上げます。1000年生きる悪魔を4人で倒すのは無謀かと」
決してこのエクソシストたちを助けたいわけではない。むしろ居なくなってくれた方が助かる。
だが1000年生きるほどの悪魔なら、こんな廃れた町に大きな被害をもたらすことなど容易だ。このエクソシストたちがそのオズマを刺激し、暴れさせれば主にも探し物にも何かしらの被害が出かねない。
しかしプルームは両手を広げて落ち着けと言いたげなポーズをとる。
「ご安心を。オズマは我々と激戦の末、現在瀕死の状態です。数週間前、瀕死のオズマは誰かと協力してこの町へ逃げました。我々の仕事は最後の後始末なので、この人数でも十分すぎるほどです」
「なるほど…ではどうして入り口に魔法陣を? オズマを逃さないようにする為なのはなんとなく分かりますが…」
オズマという悪魔の状態は知らないが、それほど長寿の強い悪魔なら魔法陣を突破して外へ出てもおかしくない。プルームは一瞬何やら言い淀んでいたが、言った方が良いと判断したのか言葉を続ける。
「…『フォレストレイク』の町には、悪魔では通過できない、もし無理やり通過すればエクソシストの本部に危険信号が送られる結界が張られています。それが一切反応しなかった。オズマは『フォレストレイク』の人間と協力して町を出たと言われています。その人間も捕縛対象です。そして結界が反応しなかったということは、今の状態のオズマでもこの魔法陣を突破することは不可能だと考えました」
「と言いますと?」
「オズマは擬態している可能性が高い」
なるほど、悪魔の身体を捨てて人間に擬態しているのか。それならすぐにこの魔法陣を突破する力は戻らないだろう。しかしオズマは余程危機的状況だったと見える。
このエクソシストたちはそれほどまでに手練れだという事が分かった。これは私にとってもいい状況とは言えないな。
「危険ですので貴方はここで待っていてください。そのお連れの青年も必ず連れて戻ると約束します。お連れの青年のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「了解しました。離れたところで待機させていただきます。連れの名はアカツキ。彼をよろしくお願いします」
話はまとまったので解放されることに。
さて、どうしたものか。私は飛べるので離れた場所から魔法陣を飛び越え侵入することも可能だ。霧が深いから隠れやすいがそれはあちらも同じ。魔法陣が発動する前、私たちはエクソシストの存在に気づかなかった。全員気配を消すのが上手いようだ。
うっかり町で鉢合わせしたらそれこそ言い逃れ出来ないだろう。
「おい、待て」
プルームの前から去ろうとした時、後ろで待機しているエクソシストの1人が声を張り上げた。
一番右端に居る男が一歩前に出てきて、羽織っているローブのフードを取る。
長い赤髪を後ろで束ねた厳格な雰囲気を漂わせる男騎士だった。
眉間にしわを寄せた黒い瞳が訝しげに私を睨む。面と向かってじっと見ると、強い魔力を秘めていると感じた。佇まいや魔力は先ほど話していたプルームとは格が違う。おそらくこのチームのリーダーだ。
「貴様、悪魔だろう?」
赤髪の男の言葉に私だけでなくプルームも目を見開く。
チラリと目をやると、プルームは警戒するかのように私から距離をとった。
しかし驚いたな。魔力の制限は出来ていたはず。今までいろんな町や国に出向いたが、人間に正体を見抜かれたのは初めてだ。
「何故そう思います?」
「先にこちらの質問に答えてもらおう」
話し合いに応じてくれそうな雰囲気ではない。適当に違うと言っても見逃してもらえそうもない。
どう対応すべきかと少し考え込んでいると赤髪の男はプルームに視線を向ける。何かを察したプルームはこちらに近づき、手のひら大の瓶を手渡してきた。
中には透明な液体が入っていた。強い封魔の力が込められているのが分かる。
「…聖水ですか?」
「ほう、珍しいな。『フォレストレイク』の人間ですらほぼ知らないものだ」
赤髪の男がニヤリと笑った。
参ったな、失言だったようだ。
私は主から聖水の事を聞いたことがあった。悪魔の身体を溶かし、魂の魔力を鎮火させるほど強力な水だと。まさか他の町や国ではほぼ知られていないものだったとは初耳だ。だが確かに、それほど強力なものでありながら他の町では聞いたことがなかった。
「聖水は元々20年ほど昔、エリックという1人の男が我らエクソシスト本部に直接売りに来たものだ。他国でもそれの存在は一切聞いたことがない。特殊な液体でな、量産に成功し実用化したのも最近の話だ。何故知っているかも気になるが、まずはそれを飲んでもらおう」
誰だか知らないが、そんなものを作る人間が居たとは迷惑な話だ。
今手渡された聖水は、主から聞いた話よりかなり効果が低いように感じる。おそらく私なら死にはしないだろうが目の前の人間全てを騙せるほど自然に飲み込むことも出来ないだろう。私が悪魔である時点で喉が一瞬溶けるなど何かしらの反応が出るはずだ。
エクソシスト全員の視線が集まる。
どうする? 力を解放して本来の姿に戻り、抵抗すればこの4人も消すことが出来る。
しかし私が全力を出せば町にいるというオズマを刺激するかもしれないし、万が一町が巻き込まれれば主に迷惑がかかる可能性もある。
それにそれほど大きな力を使えば、こんな霧の深い町の中に居ようと魔力感知能力の高い主なら気付くだろう。慌ててこちらに向かってくるかもしれない。出来れば主に人間を殺すところを見られたくない。最終手段が良い。
「…飲めません」
「何故だ? 念の為補足しておくが、人間にとってはただの苦い水だ」
「悪魔だからです」
これが無理ならば諦めて力を解放しようと決め、私は一か八かの賭けに出た。
赤髪の男以外のエクソシストがどよめき、すぐさま私に武器を構え、陣形を組む。統率の取れた無駄のない動きに思わず感心した。
私は両手の手のひらを広げて無抵抗を示すように手を挙げる。
私の行動にはエクソシストたちも理解が追いつかず一瞬固まった。だが決して態勢は崩さず、いつでも攻撃できるよう構えている。
私も本心ではいつでも指を鳴らせるよう心構えをしながら『何もしません』と手を軽く振った。
「私は、先ほど飛ばされてしまった人間に飼われている弱い悪魔…所有物です。聖水を飲んでしまえば役目も果たせません。それは主も困ります。貴方たちの故郷ではどうかは分かりませんが、私が知る場所では飼われている所有物に勝手に手を出すのは禁止されています」
「嘘をつくな。自ら人間の所有物であると主張する悪魔なんぞ聞いたことないわ」
まあそう簡単に信じられないだろう。
半分くらい嘘だとはいえ、そこは本当なのだがな。
「正直に人間を脅して連れていると言え。それとも貴様の連れも悪魔か?」
「主は間違いなく人間です。悪魔の私には魂の姿が見えますから間違いありません。疑うのならば主にこの聖水を飲ませましょう」
先ほどプルームから受け取った聖水入りの瓶を軽く振った。
「それで我々が貴様を見逃すとでも?」
「では本当に主が人間で、所有物である私を勝手に殺した場合、貴方たちは主にどう償いますか? 私が言うのもなんですが、私はすぐ後ろを拘束具無しで着いて歩く許可をもらえているくらいには気に入られています。悪魔の命は金銭に置き換えるとかなり高額ですよ? お気に入りとあればそれ以上の価値かと」
エクソシストたちも動くに動けない様子でこちらを見ている。
私の言葉を信じてはいないだろうが、万が一本当だった場合のトラブル対応は非常に困るだろう。
悪魔の命の取引は、一部の人間界の国では実際に行われている非道な行為だ。国際問題にもなっているという話も聞く。数人のエクソシストが喚いてなんとかなる問題ではない。
そもそも、飼っているものの命を奪うなど謝罪や金で解決できる問題でもないのだ。
さらに私は一つの提案をする。
「私を今殺さぬメリットはもう一つありますよ。貴方たちもご存知だと思いますが、悪魔は魂の姿を視認することが出来ます。貴方たちは人間の皮を被って擬態している悪魔の判断は困難なのでしょう? しかし魂を視認できる私なら擬態を見抜くことが出来ます。オズマを知らないのでオズマかどうかまでは見抜けませんが、一緒に町へ同行できるなら擬態した悪魔を全て伝えましょう」
決して警戒は解かないがエクソシストたちがざわつく声が聞こえる。擬態した悪魔とその協力者を捕獲する為、この町全体にわざわざ転移魔法を仕掛けるくらいだ。
逐一人間か悪魔か確認しながら早急に捕縛することは出来ないのだと容易に想像できた。
赤髪の男は苦虫を噛み潰した顔で睨みつけてくる。どうやら図星のようだ。
「悪魔の事は信用しきれん。貴様が先ほど町に転移された同行者の所有物である証拠もないのであろう?」
しばらく待ってから言い放ってきたのはそんな言葉であった。
「証拠…ですか。不十分かもしれませんが、一応ありますよ」
「ほう、見せてもらおうか」
「恥ずかしいですが仕方ないですね…」
私はその場で着ている衣類を脱ぎ始めた。
私が動き始めたのを見たエクソシストたちに緊張が走るが、私がただ今着ているものを脱いでいるだけなので困惑しているようだ。
荷物を地面にそっと置き、コートもばさりと落とす。そしてタートルネックのセーターをその下に着ているシャツと一緒に脱いだ。
肌寒い風が身に染みる。上半身の衣類を全て脱ぎ、素肌を見たエクソシストたちは全員愕然とした顔をしていた。赤髪の男も気味悪そうに表情を歪めている。
まあ無理もない。私の素肌には昨晩主に沢山付けられた行為の痕が生々しく残っているからだ。
私の肌の色は人間より白い。首と手首に締め付けられた拘束具の赤い痕に、首の下から全身にまばらに散らばった内出血の痕がよく見えるはずだ。
少しでも力の制御を緩めればすぐに回復して消せるのだが、私自身はこの痕を気に入っているのでそのままにしていた。可視化された、人間が抱え込んでいるものとは思えない歪な独占欲と支配欲…狂おしいほどに愛しい。
私にとってはこの執着心を向けられることが、何よりも心を満たす劇薬なのだ。だからよほどの事か自然治癒しない限り残すと決めている。
鎖骨付近に付けられた痕を指の腹で撫でると、僅かに痺れるような痛みがする。
昨晩の事を思い出して思わず笑みを浮かべてしまった。その様子も見られたせいか誰かが『ウエッ』と嘔く声が聞こえた気がした。
「私の主、ああ見えてかなり情熱的な方なのですよ。積極的にアプローチしてくださり、私が誰の所有物なのか全身を使って何度も教えてくださるのです」
そういえば昨晩は一段と刺激的だった。主も疲れて道中お眠りになられていたほどだ。
痕を見ていると、何度も私の名を呼ぶ恍惚とした顔を思い出して、幸福感で胸が一杯になる。逃げる気などないのに、主は鎖に繋がれている私を見るのがお好きなのか、行為の時はいつも魔法の鎖で拘束される。その後の事はその日の主の気分次第だ。
今の主の封魔の力はかなり強くて、全身拘束されれば本来の姿で暴れないとなかなか抜け出せないだろう。
私が逃げないので乱暴にされることは決して無いが、止めもしないので好き勝手に痕を付けられる。
「気色悪い野郎だ」
「私がボトムなので不可抗力ですよ。見せたくはなかったですが、こうでもしないと証明出来ないでしょう?」
もう見せておく必要もないのでそそくさと脱いだ衣類を着込んだ。
不快感を一切隠せていない彼らに続ける。
「必要であれば詳細をお伝えしましょう。そうですね、この首と手首の拘束具の話題は外せませんね。私の為にわざわざ立派な首輪を魔法で作ってくださるのです。行為の時は先に首輪と鎖で拘束されることから始まり…」
「もういい!! 黙れ変態が!!」
それまで冷静であって赤髪の男が声を荒げて話を遮る。流石にこの男も動揺しているようだ。私たちの関係をつらつらと話をしたのがよほど効いたらしい。
私自身もいろいろ思い出しながら話すたびに口角が上がっているのを感じていた。
「ご納得頂けましたか? 私を殺す事は貴方たちに不利益をもたらします。私を連れて行けば、貴方たちにとっては監視も出来ますし、一目で確実に悪魔か人間かを選別できる。私にとっては主と会えて早めにこの町から去ることが出来る。悪くない条件でしょう?」
赤髪の男はかなり悩んでいる様子だった。
しばらくして決心したようで、分かりやすいくらい不機嫌そうに大きな舌打ちをした。
「分かった。貴様にも手伝ってもらうことにしよう」
「スカーレット殿! 正気ですか!?」
プルームや他のエクソシストたちが次々と声を上げる。
赤髪の男はスカーレットという名前らしい。
「皆の気持ちはよく分かる。だが今回の任務…最優先事項はあくまでもオズマの討伐だ。この変態悪魔を殺す事ではない。死にかけとはいえオズマは油断ならない。確実に息の根を止める為、使えるものはなんでも使う」
スカーレットがそう言うと、他のエクソシストたちは何も言わなくなった。
どうやら話はまとまったようだ。
「ただし、貴様には最前面を歩いてもらう。不審な動きや嘘をつけばすぐさま背後からその首を切り落とす」
「分かりました。感謝します」
「さっさと行くぞ変態悪魔」
私はぺこりと頭を下げたが、スカーレットはただこちらを睨んできただけだった。
その後は言われた通り私が先導して町を歩くことになった。
背後にナイフを構えたエクソシストが立ち、私を警戒した目つきで睨んでくる。
プルームやスカーレットの話から、名前はクロノアだと分かった。おそらくナイフも封魔の力が込められた悪魔用の武器のはずだ。私が少しでも変な動きをすれば振り返る前に背中を刺されるだろう。
もう一人のエクソシストはこのメンバーの中では唯一の女のようだった。プルームにオズマの事を聞いた時、『教えても良いと思う』と言ったのは彼女だ。名前はリザと言うらしい。
さらに少し離れた後ろ側にプルームとスカーレットがついてくる形だ。
監視されながら歩くのは落ち着かないが、見つからないよう気をつけながら町に入る必要もなさそうだ。
不本意だがエクソシストたちの最優先事項がオズマ討伐であるように、私にとっての最優先事項は主の安否の確認だ。
主、どうかご無事でいてください。
◆―――――――――◆
【side:スカーレット】
―――――――――――
「スカーレット殿、本当によろしかったのですか?」
話がまとまり、ディアが町に向かって歩き始めた頃、離れた位置にいるプルームはスカーレットに話しかけていた。プルームもこうなったのは苦肉の策であるのは理解していたし、諸々の事情を考えると全ての問題解決にはこの方法が良いのはなんとなく分かっていた。
だがやはり、悪魔が嘘をついている可能性を拭えなかった。
「プルーム、お前あの変態を悪魔だと見抜けなかったな」
「は、はい。お恥ずかしながら…そしておそらくクロノアとリザも気付かなかったかと」
「私も確信があったわけではない。勘に近い。聖水がなければ見逃していただろう。…プルーム、正体に気付けない悪魔とはどんなものだと思う?」
スカーレットの質問の意図が理解出来ないプルームはポカンと口を開いた。
そして顎に手を添え、しばらく考え込む。
「人間に擬態している悪魔、もしくは魔力のない、人間に近い本当に弱い悪魔とか…?」
「そうだ。99%以上それだろう。だが本当に稀に例外というものが存在する」
「例外?」
「ああ、もし擬態や人間に近い悪魔なら、油断せず背後をとっている状態なら我々でもすぐ対処できる。だが…」
スカーレットは何やら言い淀んでいる。どうかこの最悪な想像が杞憂であることを願って。
「…何も起きないことを祈るしかない」
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