魔力食いの令嬢は魔力過多の公爵に執着される

三園 七詩

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22.不快な描写あり2

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「きゃあ!」

私は胸元の服を破られるが必死に抵抗する。
しかし男の人の力に叶うはずもなく両手首を掴まれると頭の上で固定された。

「あっ……うっ!」

兵士はもう片方の手で胸元を触るとそのまま下の方へと手を滑らせる。

「や、めて……」

必死に抵抗するが体に乗られて身動きも取れない、手が這う感覚にゾワッとして涙がこぼれた。

襲われた女性と婚約する人などいない、公爵家となればなおのこと傷物の娘など言語道断だ。
そうなれば王命でこの婚約も破棄されるだろう。

なんでこんなことに……大人しく妹や両親の言うことを聞いていれば良かったの?
私のようなものが公爵様と婚約なんてしたから?

色んな思いが頭の中を巡った。

「フィオナ」

その時オニキス様が優しく私の名前を呼び手を差し出してくれる姿が頭に浮かぶ。

今まであんな風に私の手を取ってくれた人はいなかった。

私にはオニキス様には相応しくないとそう思っていたが……彼以外に触られるのがこんなにも不快だと思わなかった。

もう彼のそばから離れることなんて考えられなかった。

「お願い……やめて!」

涙を流してる場合じゃない!
オニキス様や屋敷のみんなが私を大事にしてくれる、そんな私を私自身が守らないでどうするの!

私は抵抗するのを諦めず必死に身を捩る。

「うっ……うっ」

すると上からポタッと何か垂れてきた。

兵士の顔をみると涙を流している。
必死に何か抗おうとしているのか唇から血が流れていた。

「もしかして……私の声がきこえるの!」

「あっ……」

少しだけ兵士の力が弱まった気がした。

「こんな事に負けないで!」

この人はきっとカリーナに何かされているんだ。

そうだ! 私がこの人の魔力を吸えば!

必死に手を動かして兵士の腕を触ろうとする。

「お願い、少しだけ、少しだけ手を緩めて……」

そうお願いすると兵士が苦しそうな顔をした。彼は必死に抗おうとしてくれてるみたいだった。

下に伸びた手が止まった。

やった!

と思った瞬間カリーナが真後ろに来ていた。

「あれー?私のお願い聞けないのー?」

兵士の体に触るとまた苦しそうな声をあげた。
そして手が動き出す。
手首を掴んでいた手はさらに力が入りビクともしない。

「カリーナ!あなたこの人に何したの!」

私はカリーナを怒鳴りつけた!

「おねえさまこわーい。私何もしてないよーこの人にお願いしただけだもん、そしたらみーんな私のお願い聞いてくれるの……そうだ!おねえさまも楽になって?」

カリーナがニヤニヤと私に視線を向けるとお願いしてくる。

しかし私はキッと睨みつけた。

「私は諦めない。だからあなたも頑張って!」

私はカリーナを無視して兵士に語りかけた。

今この人が私に手を出してしまったらこの人の意思では無いにしろ罰を受けるに決まってる。

そんな事この人にさせたくなかった。

「お願い!」

私は必死に祈った。この人を助けたいと……

するとパァと目の前が光った。

光は兵士を包むとスっと力が抜けたように私に倒れ込んだ。

「きゃっ!」

兵士の頭が胸の上に落ちてきたのだ。
私は慌ててそれを退けると兵士は力なく横に倒れ込む。

「な、何したの」

カリーナは信じられないとその様子を見ていたが、すぐに兵士を揺すった。

「起きなさい!早くこの女を襲うのよ!」

しかし兵士はダランと力が抜けていて起き上がる様子がなかった。

「フィオナ様ー!」

するとジーナの声が遠くから聞こえてくる。
私を探しているようで他にも声が聞こえてきた。

「クソクソクソクソ!」

カリーナは兵士を蹴りつけると私を睨みつけ、そのまま襲いかかってきた。

「全部、全部、全部あんたのせいあんたがいなければーー」

カリーナは唾を吐きながら喚き私の首に手をかけた。

私はカリーナの手を掴んだ、そしてその体から魔力を吸い出す。

「あっ……やっぱり……あんたばけ、もの……」

カリーナは魔力を吸われると手の力が抜けてきた。そして私を睨みながらその場に倒れ込んだ。

「はぁ……はぁ……」

私はカリーナが覆いかぶさったまま目を閉じる。
耳には泣きそうなジーナの私を呼ぶ声やルカリオ様の声まで聞こえてきた。

「フィオナ!」

オニキス様?

オニキス様の声を聞いた途端安心してさらに力が抜ける。

もう無理……

私はオニキス様がいるならと意識を手放した。

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