魔力食いの令嬢は魔力過多の公爵に執着される

三園 七詩

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21.不快な描写あり

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私は部屋の外で待っていたルカリオを拾い屋敷へと急いだ。

「オニキス様、何があったのですか!」

ルカリオは王宮から借りた馬に跨り走りながら問いかけてくる。

「フィオナのあの妹が逃げ出した!」

「え?カリーナですか?」

ルカリオが信じられないと聞き返す。
それもそうだろう、いくら魔力が高い令嬢とはいえ王宮の牢屋から脱獄するなど普通ありえない。

「あの女、魅了魔法が使えたようだ」

「魅了魔法?  話をしてる時にはそんな感じありませんでしたが……」

一度あの女に会っているルカリオには信じられないようだ。それは私も同じだ、フィオナの事で精神にダメージを受けて魔法が開花したのかもしれない。

「フィオナをかなり憎んでいる様子だったから心配だ」

「確かに……」

ルカリオも同意するように頷く。

「飛ばすぞ!」

私は話を終わりにして馬を走らせることに集中した。







私はオニキス様を乗せた馬車が見えなくなるまで見送った。

オニキス様が窓際にいたので顔が何となく見える、表情までは分からないので何を見ているのかわからないが、私はそれでも見ていたかった。

「フィオナ様、屋敷に入りましょう」

ジーナが声をかけてくれるがせっかく外に出た事だし、少し火照った顔を冷やすためにも庭を歩きたい気分だった。

「少し散歩してもいいかしら?」

ジーナに確認するともちろんですといい、従者に何か話をしてから一緒に歩き出す。

広い庭には色んな花が咲いていて、綺麗に整えられていた。

結構歩いたがまだまだ庭は広い、少し行くと休憩できるスペースがありパーゴラには綺麗に蔦が絡まり日陰を作っている。その下にはテーブルと椅子が置いてあった。

「フィオナ様、あちらで少しお茶にしませんか?」

ジーナの提案に私は顔を輝かせた。

「素敵、いいのかしら?」

喜ぶとジーナは「もちろんです。お茶を用意して来ます」と屋敷の中へと向かった。

私は椅子に腰掛けて風を感じながら目をつぶる。
耳をすませると草木の風に揺れる音や鳥のさえずりが聞こえ心を和ませてくれた。

こんな穏やかな気持ちでゆっくりできるのはオニキス様のおかげだろう。

やっぱりもっと何かお返しがしたい……

そんな風に思っていると庭の方から誰かが歩く音がする。

ジーナが戻ってきたと思い私は顔を上げた。

「おねえさま~見つけた~」

するとそこにはドレスがボロボロに汚れ、髪も化粧も乱れた様子のカリーナの姿があった。

「カ、カリーナ?」

その姿に私は自分の目を疑う。

「おねえさまひどいです!私がこんな目に合ってるのにあなたは綺麗なドレスを着て優雅に休んでるんですか?」

カリーナは大きな目をこれでもかと開きながら私に近づいてきた。

私は椅子から立ち上がり距離を取ろうとするが、カリーナはあっという間に間合いを詰めて来て手を伸ばすと私の髪を掴んだ。

「きゃっ!」

私は髪を引っ張られてカリーナの前で転んでしまう。

「何処に行く気?」

いつものように倒れた私を冷たい目で見下ろしてきた。

「カ、カリーナやめてこんな事をしたらまた罪が重くなるだけよ!」

私が反抗するとカリーナは信じられないと言った顔を向けてくる。

「あんなに大人しかったお、お、お、おねえさまが私に口答え? あの男のせいね、そうだ!おねえさまか居なくなれば全部元に戻るんじゃない?」

「何を言ってるの?」

カリーナは空に向かって一人事を言っている。
そんな事をしたって何も元に戻るわけない。

「うるさいうるさいうるさい!」

カリーナは髪を掻きむしりながら叫んだ。

すると奥から兵士の姿をした人がやってきた!

助かった!

私は彼に助けを求めようと声をかける。

「助けてください!」

しかしその人はフラフラとしていて私達の事に気がついて無いように見えた。

「あはは、おねえさま本当に男が好きね。誰もが自分を助けてくれるとでも思ってるの?」

カリーナを見るとゾッとするような顔で私を見て笑っている。
そしてその兵士に声をかけた。

「ねぇあなたこっち来て」

すると私の声には反応しなかった兵士はカリーナの声に従うように歩き出した。

「おねえさま、そんなに男が好きならこの人あげますよ~」

ニタニタと笑い私を見る姿にゾクッとする。
この人をあげる?
何を言っているのか意味がわからなかった。

「ねぇあなた、私のお願いきいてくれる?」

カリーナは兵士の胸に寄りかかりながら甘えた声を出した。

「あっ……あ」

兵士が何か言おうとするがそれは声になっていなかった。

「あそこに寝ている女を襲って、見るも無惨な他の男の元にはいけないようにしてあげて」

兵士の耳元でそう囁くと兵士は私の方に目を向けた。

「い、嫌……」

私は立ち上がり逃げようとするが足が震えて上手く走れなかった。
すぐに兵士に捕まり押し倒される。

後ろではカリーナが楽しそうに笑っている声が聞こえた。

「おねえさま、その男に抱かれてもあの公爵はおねえさまを妻に迎えるかしら?  誰の子かわからない子供が生まれるかもねー」

カリーナはそう言うと私が座っていた椅子に腰掛ける。

「ほら、早くやりなさい」

兵士はカリーナの声に私の着ていた服を掴み破ったのだった。




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