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白龍使いの騎士にとって必要なこと(ランス視点)
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「さて、と。昨日はケインズがすまなかったな」
俺とユーズ団長は応接室から移動し執務室で話をしていた。
ケインズ団長の態度に対して俺があまりにも怒りを顕にしていたことで、ユーズ様に気を使わせてしまったようだ。
「いえ、こちらこそ……態度に出てしまい申し訳ありませんでした」
俺の謝る様子を見て、ユーズ団長はやれやれと頭をかく。
「しかしあれだな、お前どうかしたのか?あんなに態度に出すのは珍しいだろう。それに少し気が立ってる様子だったが」
顎に手をかけてこちらを伺う。団長は目敏いし、嘘をついても見抜かれてしまうのはわかりきっている。
「実は……」
浄化の任務の際に起きたことを伝えると、ユーズ団長は渋い顔をしてため息をついた。
「ミゼルがそんなことを……なるほどな。それは確かに気も立つだろうな。お前、セシルのことをもう本気で好きなんだろ」
団長にそう言われて思わず無言になる。
「そう、ですね。好きになってしまってるんだと思います。ですがそのせいで白龍使いの騎士として大切なことが疎かになってしまっているとしたら、俺はこのまま白龍使いの騎士としてやっていけるのかどうか」
「疑問になってしまっている、ということだな」
ユーズ団長に問われてすぐに頷いてしまう。
「ランスは白龍使いの騎士として大切なことってなんだと思う?」
「白龍へ力の供給をきちんと行うこと。白龍と聖女を何があっても守り抜くこと、でしょうか」
俺の答えにふむ、とユーズ団長は軽く頷いた。
「そのどちらももちろん大切だ。だが、もうひとつ大切なことがある」
言われてユーズ団長の顔を見る。
「自分のパートナーとなった聖女を心の底から愛し抜くことだ」
思ってもみなかった言葉に思わず驚く。
「聖女とはあくまでも契約結婚だ。だが、その聖女から力をわけてもらうために、聖女とキスや交わりを行わなければならない。それが人としてお互いにとってどれほど重要なことかきちんと考えなければならない」
ユーズ団長は俺の目を見ながらしっかりと言い放つ。
「別に契約だからと割り切る騎士や聖女ももちろんいる。だが、そうでない騎士や聖女の方が多い。そして、気持ちはあった筈なのにいつしかお互いに向き合い愛し合おうとしない二人の末路は悲しいものばかりだ」
白龍との任務以外聖女を放ったらかしにする騎士のせいで、騎士との力分けを拒み始めた聖女が白龍へ直接力分けを行うことで騎士への心が離れ、白龍もまたそんな騎士を不要と見なした。
聖女がパートナーである騎士以外の男性と恋仲になったせいで、白龍の力は弱まり白龍使いの騎士もまた白龍使いの騎士特有の病に倒れてしまった。
そんな騎士と聖女が過去に何組もいたという。
「俺達も聖女様達も騎士と聖女である以前に一人の人間だ。相手を思いやり愛しいと思えなければ関係は簡単に壊れてしまう。だからこそ、相手を心から愛し抜く覚悟が必要なんだ」
ユーズ団長はきっとそれを実際にきちんと行ってきたのだろう。だからこそベル様とあれほどの絆を強めることができているのだ。
「そしてそのために必要なことはなんだと思う?」
ユーズ団長に聞かれ考えてみる。
「お互いを知ろうとすること、でしょうか」
「そうだ。そしてそのためにちゃんとコミュニケーションを取ること。お前はセシルとちゃんと話をして、気持ちを伝えているか?」
ユーズ団長に言われてぐうの音も出ない。
「俺なんかが気持ちを伝えて、もしも拒否されたり少しでも嫌な気持ちになられたらと思うと……」
「そんなの、言ってみなきゃわからんだろが。それに、あのセシルがあからさまにそんな嫌な態度とると思うか?」
そう言われると、セシルはそんなことしないだろうと思う。むしろ優しいから、たとえ嫌だと思ってもそれを見せないように気を使うかもしれない。それはそれで申し訳なくなってしまうのだが。
「また一人であれこれ考えすぎているな。お前は考えすぎる節がある。考えることは大事だが、考えすぎて前に進めないのは意味が無い」
ユーズ団長はポン、と俺の肩を軽く叩いた。
「お前はもうちょっと気楽に構えていい。それに、セシルはきっとお前と同じ気持ちだ」
俺の観察眼は鋭いんだぞ、と言われてしまったけれど、本当にそうだとしたら嬉しいんだけどな。
俺とユーズ団長は応接室から移動し執務室で話をしていた。
ケインズ団長の態度に対して俺があまりにも怒りを顕にしていたことで、ユーズ様に気を使わせてしまったようだ。
「いえ、こちらこそ……態度に出てしまい申し訳ありませんでした」
俺の謝る様子を見て、ユーズ団長はやれやれと頭をかく。
「しかしあれだな、お前どうかしたのか?あんなに態度に出すのは珍しいだろう。それに少し気が立ってる様子だったが」
顎に手をかけてこちらを伺う。団長は目敏いし、嘘をついても見抜かれてしまうのはわかりきっている。
「実は……」
浄化の任務の際に起きたことを伝えると、ユーズ団長は渋い顔をしてため息をついた。
「ミゼルがそんなことを……なるほどな。それは確かに気も立つだろうな。お前、セシルのことをもう本気で好きなんだろ」
団長にそう言われて思わず無言になる。
「そう、ですね。好きになってしまってるんだと思います。ですがそのせいで白龍使いの騎士として大切なことが疎かになってしまっているとしたら、俺はこのまま白龍使いの騎士としてやっていけるのかどうか」
「疑問になってしまっている、ということだな」
ユーズ団長に問われてすぐに頷いてしまう。
「ランスは白龍使いの騎士として大切なことってなんだと思う?」
「白龍へ力の供給をきちんと行うこと。白龍と聖女を何があっても守り抜くこと、でしょうか」
俺の答えにふむ、とユーズ団長は軽く頷いた。
「そのどちらももちろん大切だ。だが、もうひとつ大切なことがある」
言われてユーズ団長の顔を見る。
「自分のパートナーとなった聖女を心の底から愛し抜くことだ」
思ってもみなかった言葉に思わず驚く。
「聖女とはあくまでも契約結婚だ。だが、その聖女から力をわけてもらうために、聖女とキスや交わりを行わなければならない。それが人としてお互いにとってどれほど重要なことかきちんと考えなければならない」
ユーズ団長は俺の目を見ながらしっかりと言い放つ。
「別に契約だからと割り切る騎士や聖女ももちろんいる。だが、そうでない騎士や聖女の方が多い。そして、気持ちはあった筈なのにいつしかお互いに向き合い愛し合おうとしない二人の末路は悲しいものばかりだ」
白龍との任務以外聖女を放ったらかしにする騎士のせいで、騎士との力分けを拒み始めた聖女が白龍へ直接力分けを行うことで騎士への心が離れ、白龍もまたそんな騎士を不要と見なした。
聖女がパートナーである騎士以外の男性と恋仲になったせいで、白龍の力は弱まり白龍使いの騎士もまた白龍使いの騎士特有の病に倒れてしまった。
そんな騎士と聖女が過去に何組もいたという。
「俺達も聖女様達も騎士と聖女である以前に一人の人間だ。相手を思いやり愛しいと思えなければ関係は簡単に壊れてしまう。だからこそ、相手を心から愛し抜く覚悟が必要なんだ」
ユーズ団長はきっとそれを実際にきちんと行ってきたのだろう。だからこそベル様とあれほどの絆を強めることができているのだ。
「そしてそのために必要なことはなんだと思う?」
ユーズ団長に聞かれ考えてみる。
「お互いを知ろうとすること、でしょうか」
「そうだ。そしてそのためにちゃんとコミュニケーションを取ること。お前はセシルとちゃんと話をして、気持ちを伝えているか?」
ユーズ団長に言われてぐうの音も出ない。
「俺なんかが気持ちを伝えて、もしも拒否されたり少しでも嫌な気持ちになられたらと思うと……」
「そんなの、言ってみなきゃわからんだろが。それに、あのセシルがあからさまにそんな嫌な態度とると思うか?」
そう言われると、セシルはそんなことしないだろうと思う。むしろ優しいから、たとえ嫌だと思ってもそれを見せないように気を使うかもしれない。それはそれで申し訳なくなってしまうのだが。
「また一人であれこれ考えすぎているな。お前は考えすぎる節がある。考えることは大事だが、考えすぎて前に進めないのは意味が無い」
ユーズ団長はポン、と俺の肩を軽く叩いた。
「お前はもうちょっと気楽に構えていい。それに、セシルはきっとお前と同じ気持ちだ」
俺の観察眼は鋭いんだぞ、と言われてしまったけれど、本当にそうだとしたら嬉しいんだけどな。
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