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ミゼル様とユイン様
しおりを挟むベル様とお屋敷近くの芝生でお茶をしているとユーズ様の白龍であるユイン様がいらっしゃったので、ユイン様も含めて3人でお茶をしている。
こうして間近でユイン様を拝見していると、本当に人間離れした美しさなのがわかる。中性的で肌は毛穴が見当たらないほどすべすべで白く、髪の毛は透き通るようなツヤツヤでユイン様の瞳はルビーのように美しい。ミゼル様もそうだけれど、白龍が人の姿になるとこれほどまでに人外な美しさになるんだ。
「ふふふ、ミゼルのこともこんな風にじっと見ていたの?」
ユイン様に言われてハッとする。あぁ、見過ぎてしまったわ!恥ずかしい!!
「す、すみません。あまりに美しくてつい……」
「仕方ないわよね、私もユインを初めて見た時にはあまりに美しくて本当に驚いたもの」
ベル様が私の腕にそっと手を回してねーっと微笑みながら相槌を打つ。そうなんです、あまりに美しくて驚いているんです!
「人間は面白いね。ベルだってセシルだってこんなに可愛らしいのに」
ユイン様に可愛いと言われて思わず顔が赤くなってしまう。あぁ、そんな美しいお顔でサラリとそんなこと言わないでください。
ユイン様はお茶を一口飲んで微笑む。そういえば白龍様って人間のものを口にしても平気なんだ?
「白龍でも人の姿になれば人のものを口にすることはできるよ。美味しいという感覚はよくわからないけどね。もっと色々と口にしてみれば違いも好みも出てくるのかもしれないけれど」
疑問が顔に出ていたのだろうか、私が質問する前にユイン様が答えてくれた。
「セシルはとてもわかりやすいね、すぐ顔に出ている。素直でそんな所も可愛らしい。あぁ、ベルも素直だからもちろん大好きだよ」
そう言って私とベル様を見てにっこりと笑う。な、な、なんかすごい人たらし!でもこんな美しい人にサラリとそんなこと言われたらつい嬉しく思ってしまう。
「おやおや、こんなところで聖女を二人もたぶらかすなんて困った白龍だな。うちのセシルにまで近づくとは」
フワッと清らかな力を感じて振り返ると、そこには人の姿をしたミゼル様がいた。あぁ、こちらもこちらでやっぱり美しい!!!!
「あら、ミゼル。人の姿なのは久しぶりね」
「こんにちは、ベル。相変わらず美しさと可愛らしさを兼ね備えている素敵な女性だ」
ミゼル様はそう言ってベル様の片手をとり、甲にそっと口付ける。ベル様は片手を頬に添えてまぁ、と言いながらもまんざらではない様子だ。
「こらこらミゼル。うちのベルに勝手に触らないでくれるかな」
ミゼル様からベル様の手を強奪してユイン様はベル様を守るように肩を抱く。そんなユイン様を見てミゼル様はほう、と目を細めた。
「君だってうちのセシルに可愛い可愛いとたぶらかしていたじゃないか。うちのセシルは純真無垢なんだ。困るんだよ、君みたいな人たらしな白龍に近づかれるのは」
そう言って私の肩を優しく抱く。わ、わ、ミゼル様近すぎます!!それからミゼル様はそうだ、とベルを見た。
「ベル、君のことを純真無垢じゃないと言っているわけではないからね。君だっていつも真っ直ぐで優しく清らかで美しい。そんな君も大好きだよ」
にっこりとベル様に微笑むミゼル様。えぇと、この場は一体なんなのかしら!?
「ユインもミゼルもそのくらいにしてちょうだい、セシルがびっくりしているわ。セシル、ごめんなさいね。白龍は嘘がつけないの。それに思ったことはすぐ口にしてしまうから、まるで口説いているかのように見えてしまうでしょう。白龍の良いところでもあり悪いところでもあるの」
そのせいで聖女を奪われまいと白龍に対して怒りを顕にする騎士たちもいるそうだ。なんだかとても物騒……。
「私達は白龍に選ばれた聖女だけれど、騎士とパートナーになるために選ばれたの。それって白龍にとってはこの騎士とこの聖女は合うと見越してのことなのよ。だから白龍だって騎士と聖女が仲良くなるのは喜ばしいと思っているの」
「そうそう、そうなのだけれど、なぜか聖女への気持ちを伝えると怒ってしまう騎士もいるんだよね。私達白龍は別に二人の仲に割って入ろうだなんて思ってもいないのに」
「そうは言っても、その光景だとこちらとしては複雑な心境にならざるを得ないんだよ、ユインとミゼル」
ふと声がする方へ目を向けると、そこにはやれやれというような顔をしたユーズ様と神妙な面持ちのランス様がいた。
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