辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ

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11話

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 ガイウスの愛の告白を受け入れた後、ミサキは名実ともに「ガイウスの光」となった。同居生活は続いているが、以前のような緊張感と支配ではなく、甘い独占欲と愛情に満ちたものに変わっていた。

 ガイウスは、ミサキの料理を味わうたびに、「この幸福を永遠に失わない」という決意を新たにしていた。彼は騎士団長としての公務で不在の間も、ミサキの安全確保に過剰なまでの注意を払った。

「ミサキ。このログハウスの周囲には、私が特殊な結界を張った。君の料理の香りは漏れない。だが、万が一の事態に備え、私が訓練した影の騎士が常にログハウスを監視している。私が帰るまで、扉を開けるな」

 ミサキは、騎士団長の極端なまでの庇護に苦笑しつつも、彼の愛の深さを感じていた。

 ミサキは、騎士団のために作る「余り」の料理にも、以前より心を込めるようになった。

 ある日の夕方、騎士団が大規模な魔物討伐から帰還した。全員が深い疲労と軽傷を負っていた。

 ミサキは、騎士団長に許しを請い、騎士たちのために大鍋いっぱいの回復スープを作ることを提案した。ガイウスは一瞬渋ったが、ミサキの真剣な目に折れ、「君の身体に負担をかけないこと」を条件に許可した。

 ミサキが作ったのは、滋養強壮に優れ、疲労回復に効くハーブと、異世界の食材を組み合わせた、現代の薬膳スープに近いものだった。

 騎士たちは、そのスープを飲んだ瞬間、体中の疲労が溶けていくのを感じた。

「なんだ、これは!体が内側から熱くなる……傷の痛みまで引いていくようだ!」

「これが、ミサキ様が団長に作っている料理の力なのか……!」

 ゼノンをはじめとする騎士たちは、ミサキの料理が、ただ美味しいだけでなく、戦う者にとって不可欠な力を持っていることを肌で感じた。

 その夜、ガイウスはミサキを強く抱きしめながら言った。

「ミサキ。君の料理は、もはや一個人の命の源ではない。君は、この辺境を、そして私の騎士団の全てを支えている。君の才能は、この地の平和そのものだ」

 ガイウスは、ミサキの能力が辺境の守り神であることを自覚し、その独占欲は「愛する妻と、愛する領地を守る」という大義へと昇華していた。

 ミサキの料理チートは、騎士団全体の絆と強さを強化した。

「ミサキ様の料理を守ることは、辺境の平和を守ることだ」

 騎士たちは、ミサキの存在を崇拝するようになり、彼らの心には、「ミサキの料理を奪おうとする者は、たとえ王族であっても容赦なく排除する」という、絶対的な決意が芽生えた。

 ミサキは、スローライフという当初の目標は失ったものの、代わりに最強の男と、その騎士団全体からの、絶対的で甘い庇護を手に入れたのだった。
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