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4.新たな被害者
しおりを挟む婚約破棄の次の日の昼休み。
友人である伯爵令嬢のエミール様が話しかけてきた。
「ミレイユ様。ガスパル様もリリアン様の餌食になったと噂でお聞きしましたわ。」
「あら、噂は早いのですね。ええ、エミール様。思った通りでしたわ。」
「リリアン様も困った方ですわね。もうこれで何人目でしょうか。リリアン様が原因で揉めたり婚約破棄されたりする方は…。私の知っている方だけで4?いえ、ミレイユ様を入れて5組ですわ。」
「凄いですわね…。エミール様の婚約者も気をつけた方が良いですよ。エミール様の婚約者であるジョセフ様も顔は整っていらっしゃるから…。」
「ミレイユ様、"顔は"だなんて…ふふ。でも、最近ジョセフ様もリリアン様と一緒にいる所を見る事が多くなってきたように思えます。でも…幼い頃から共に過ごして来て親同士も仲が良いので流石にそんな事は…。」
そんな話をしていると…。
「こんな所で何をこそこそ話しているのだ!?エミール!やはりリリアンの話は本当だったのか!」
エミール様の婚約者、ジョセフ様が現れた。………。噂のリリアン様を連れて…。
「あらジョセフ様。こそこそだなんて人聞き悪いですわ。ミレイユ様とお茶を頂きながらお話していただけですわ。ジョセフ様こそ、リリアン様と何をしてらしたのですか?」
エミール様が答えると、ジョセフの後ろにいたリリアンがビクッと飛び跳ね、ジョセフの後ろに隠れる。ご丁寧に背中に手を添えて。
「エミール!!またそうやってリリアン嬢を虐めるのか!」
「虐め…?ジョセフ様。私もミレイユ様もそんな覚えはありませんわ。リリアン様とあまり話した事もありませんし…。」
「嘘をつくな!ではなぜこんなにリリアンは怖がっているのだ!?リリアンは、この可愛さを妬まれて他の女子生徒に避けられたり仲間外れにされたりすると悩んでいるのだ!」
(まぁ…。それはそうでしょうね…。婚約者を片っ端から奪って行く女とは関わりたく無くて当たり前ですわ…。)
「ジョセフ様…。良いのです…。リリアンが悪いのです…。うぅ…。」
「な、泣くなリリアン。エミール!!見損なったぞ!!昔のお前はもっと素直で優しくて可愛げがあった!!それなのにこんな卑劣なマネを…!!私の気を引きたい一心か…!?」
(卑劣……とは……?)
「エミールが考え方や態度を改めないのならば、婚約破棄を考えても良いのだからな!?こ・ん・や・く・は・きだぞ?よく考えろ!では、行こうリリアン。」
「まぁ…!!」
エミール様が驚き固まる。
「えっ、でもエミール様は良いんですかぁ…?なんかリリアン、エミール様が可哀想に見えて来ちゃいましたぁ…。」
「リリアンは優しいな…。しかし良いんだ!これくらいしないと分からないのだ!」
そう言って寄り添いながら去っていく2人。
(嵐が去ったわ…。)
静かにエミール様の顔を伺うと、エミール様は能面のような表情をしていた。
「ミレイユ様。たった今リリアン様の犠牲者が6組に増えましたわ。そして私、婚約破棄されるそうですわ。婚約破棄ですって…?大歓迎ですわ!!」
「そう…みたいね…。分かります。私も同じ気持ちですわ…!!エミール様。頑張りましょう…!」
2人で手を握り合うのだった。
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