11 / 34
11.クロードの来訪理由(ミレイユ)
しおりを挟む「私にお話出来る事があるかわかりませんが、私が知っている事で宜しければお話しますわ。」
(とは言ったものの…。もし、私の元婚約者ガスパルがリリアン様と仲良くしている事をお怒りでここに来たのならばどうしましょう…。)
思わず緊張で手をギュッと握ってしまう。
クロード様は、改めて座り直し、私をしっかり見つめて話始める。
「まずは、仮にも私の婚約者であるリリアンが原因でミレイユ嬢の婚約が破談となった事を謝らせて欲しい。申し訳なかった…。」
………そのような心配は杞憂だったようだ。
「そんなっ、謝らないでください。クロード様は何も悪くありませんわ。ガスパル様との婚約解消はリリアン様が1つの原因であったかもしれませんが、引き金に過ぎません。それに、私、婚約解消できて嬉しいのです!今とても心が晴れ晴れしていますの!」
クロード様の罪悪感を少しでも減らそうとして、一気に捲し立ててしまう。
(あ…。流石に言い過ぎてしまった…。はしたなかったですわ…。)
そう思いクロード様をチラッと見ると、クロード様の肩が震えている。
(え…?怒らせてしまった…?)
そう思った時、
「あははっ…ははっ!あぁ可笑しい。いや、笑ってしまいすまない。そのまさかそんな返しが来ると思っていなくて…。」
「えっと…。」
(は、恥ずかしい…。)
「学園で見るミレイユ嬢は、とても美しくて…いつも凛としていて近寄り難いイメージがあったんだけど、勘違いだったようだ。」
「ありがとう…ございます…?」
(褒められているのか、貶されているのか分からないわ…。確かに、私はきつめの顔をしているし、仲の良い友人と言えばエミール様しかいないし、よく1人でいたから近寄り難かったかもしれないですね…。)
「在学中、もっとミレイユ嬢に声を掛けておけば良かったかな。っと…。話が逸れてしまった。リリアンが私の婚約者である事は、ミレイユ嬢もご存知だよね?」
「はい。」
タバリア侯爵が何者かに襲われた事は貴族界で大きな話題となったが、
その事件が原因で身分違いの子爵家のリリアンと、侯爵家のクロード様が婚約を結んだ時は、さらに大きな話題となった。
「私の父が2年前、夜会の帰りに何者かに襲われ、たまたま居合わせたダーソン子爵が私の父を助けたんだ。父は肩に切り傷を負ってまで自分を助けてくれたダーソン子爵に感謝して、私とリリアンの婚約を約束した。」
「風の噂でお聞きしました。侯爵様、その節は大変でございましたね…。」
「父は、良く言えば情に熱いのだが、悪く言えば騙されやすい。騙されても大声で笑い飛ばすような人なんだ…。」
「騙され……??」
「私は、父を襲ったのはダーソン子爵の手の者では無いかと疑っている。」
「えっ……!?」
タバリア侯爵を襲った者がダーソン子爵の手の者だった…?
「という事は、自作…自演…?」
「まだ確証は無い。はっきりとした証拠が無いのだ。だから、その証拠を掴むために私は色々動いている。学園にも、信頼できる者を送り込んでいる。」
「なぜ…私にそのお話を…?」
「なぜだろう…。ミレイユ嬢と、ハーブス伯爵なら信頼できると確信しているからだ。」
真っ直ぐ見つめられ、クロード様の瞳から目が離せない。
「ミレイユ嬢。面倒事に巻き込んでしまった事を許して欲しい。そして、どうか真実を明らかにする為協力してくれないだろうか。」
私はすぐに返事ができなかった。
貴族の中には大きな派閥が3つある。
第一王子派、第ニ王子派、中立派だ。
我がハーブス伯爵家は中立派だ。
対してクロード様のタバリア侯爵家は第一王子派…。
クロード様の力になりたい気持ちもあるが、貴族の派閥の争いにもなりかねない。私の一存で
安易に返事をして良いものなのか…。
そう悩んでいると、
「ミレイユ。クロード様にご協力差し上げるのだ。」
父がそう言うのであれば…。
「分かりました。私に出来る事ならば。…そして、私は何をお手伝いしたら良いのでしょうか。」
「何かを特別にして貰う事は無いんだ。ダーソン子爵の悪事を暴くその時が来たら、ただあった事を証言して欲しい。」
「分かりましたわ。」
その後リリアンの学園の様子なども話したが、ほとんどは他愛も無い話をしてその日は別れる事になった。
クロード様が帰ってから、色々と考える。
(リリアン様はなぜあんなに素敵な人が婚約者であるのに他の男性と親しくしたがるのかしら…。本当にストーカーに困っている…??何かに依存していないとダメなのかしら…?それに、ダーソン子爵が本当にタバリア侯爵を襲った張本人なら……なぜそこまでして娘を侯爵家に嫁がせたかった…?その上そこまでしてリリアン様はクロード様の婚約者になれたのになぜ大人しくしていないの……??)
「あぁ……。謎が深まるばかりですわ…。」
その日は試験がやっと終わったと思った所なのに、考え事をして中々眠れないのだった…。
次回クロード視点です。
108
あなたにおすすめの小説
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?
水垣するめ
恋愛
主人公伯爵家のメアリー・キングスレーは公爵家長男のロビン・ウィンターと婚約していた。
メアリーは幼い頃から公爵のロビンと釣り合うように厳しい教育を受けていた。
そして学園に通い始めてからもロビンのために、生徒会の仕事を請け負い、尽していた。
しかしある日突然、ロビンは平民の女性を連れてきて「彼女を正妻にする!」と宣言した。
そしえメアリーには「お前は妾にする」と言ってきて…。
メアリーはロビンに失望し、婚約破棄をする。
婚約破棄は面子に関わるとロビンは引き留めようとしたが、メアリーは婚約破棄を押し通す。
そしてその後、ロビンのメアリーに対する仕打ちを知った王子や、周囲の貴族はロビンを責め始める…。
※小説家になろうでも掲載しています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる