(完結)相談女とお幸せに!(なれるものならの話ですけども。)

ちゃむふー

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16.おかしい2(ジョセフ視点)

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その日を境に、リリアンといる姿をわざとエミールに見せるようになった。



リリアンといる姿を見るエミールは、嫉妬や怒りを含んだ目をしていて何とも私を興奮させた。


しかし、何にも私に言ってこない…。


("リリアン様と仲良くしないで!私を見てっ!"くらい言ってきたら可愛いものの…強がって…。)


ある日、エミールと友人のミレイユ嬢が何かを話している姿を見つけた。

(ちょうどリリアンもいるし…。よし!)

もっともっとヤキモチを妬くんだ…!!私をもっと求めてくれ…!!
息を吸って、叫ぶ。


「こんな所で何をこそこそ話しているのだ!?エミール!やはりリリアンの話は本当だったのか!」


悲しそうな顔をするかと思いきや、エミールのその目は嫌悪感に溢れていた。


(な、なぜそんな目をするのだ…!)


返ってくる言葉も反抗的で愛が感じられない…。
違う!!違う!私が欲しいのはそのような言葉では無い…!!

こうなったら…奥の手だ………!!



「婚約破棄しても良いんだぞ!!」


そう言ってその場を去る。
なるべくリリアンに寄り添って。


(泣いて縋ってくるんだ……!!婚約破棄は嫌です、考え直して欲しいと!!なぜ来ないんだ……!!!)


しかし、エミールが追ってくる事はなかった。


そして数日後、いつもエミールと食事をする日が来た。

流石に先日は言い過ぎたかもしれない…今日、謝ろう…。


そんな事を考えながらエミールを待つ。
しかし、いくら経ってもエミールは来ない。もう昼休みは半分は過ぎてしまった。

(この間の事を拗ねているのか!?)

そう思いエミールを探すと、他の令嬢達と楽しそうに談笑していた。


(私はこんなにエミールの事を考えて悩んでいたのに…!エミールはやはり私の事なんて考えていない…!!)


悲しみと怒りが沸々と湧き上がる。

他の令嬢の前だと言うのに、抑えきれず大声で叫んでしまった。

「エミール。どういう事だ!!」

しかし、返ってくる言葉は無機質で冷たいものばかりだった。

(エミールが……遠ざかってしまう…!)


「リリアンの方がずっと可愛いな!!」

なんとかエミールの気を引きたくて、都合の良い女の名前を出す。

さらに…。

「そのような態度なら本当に婚約破棄するからな!!本当だぞ!!婚約破棄されても知らないからな!」


(お願いだ…!!婚約破棄なんて嫌だと言ってくれ……。そう言って追いかけてきてくれ…!!)



しかし、やはりエミールは追って来なかった。


それどころか、その数日後衝撃的な便りが寮に住む私の元へ届いた。

父からだ。


アルマー伯爵令嬢エミールと婚約解消したとはどういう事だ!!アルマー伯爵から連絡が来たが、お前は何をしたのだ!!お前が懇願して婚約したのだぞ!親の顔に泥を塗るな!』


(私とエミールが婚約解消…!?うそだろう…?嘘に決まっている!!そんな簡単に婚約解消できるハズが無い!!)


父からの手紙をぐちゃぐちゃに丸めてゴミ箱に投げ捨てる。


(エミールに直接問いたださねば…!) 


しかし試験前で授業が不規則な時間割になり中々会えずにいた。


試験前日…
リリアンに懇願されてノートを見せる事となった。

(前日にノートを見せろだなんて、本当にこの女は何も考えていないのだな…。)

呆れながらも、今まで勉強を見た情もあり今日でこの役目からおさらばできると了承した。



ゾクッ…………



「ジョセフ様、どうかしました?」

「いや…。なんでも無い…。」


まただ。最近リリアンと歩いていると、やたら誰かに見られている気がする…。見られているどころか、憎悪を込めた怨念のようなものすら感じる。


「ジョセフ様…本当にありがとうございます…。ノート、ちょっと写させてもらいますねっ。」

ノートをリリアンに渡す。
ノートをこの日に返して貰わないと明日の試験は困るので、写し終わるまで待とうと思い席を探していると、エミールの後ろ姿を見かけた。


(エミールだっ!)

久々にエミールを見かけ、心が一瞬躍ったが、それも束の間。すぐに地獄に落とされた。


エミールの隣に…私では無い男がいる…


エミールに駆け寄り自分の事を棚に上げてエミールを罵倒する。


(このような事を言いたい訳では無いのに…!!)

そして、エミールの口から驚くべき言葉が出た。

「もう貴方は私の婚約者ではありませんから。」

(何だと…!?嘘だろ…!?絶対に認めないぞ…!!)


その上、その男にエミールを連れて行かれた。


愕然としてその場から動けずにいた。
気付けば閉館時間になっていた。
その場から何とか寮へ戻ったが、全く眠れず試験を迎える。



(卒業だけは何とかしなければ…。)


そう気を取り直し鞄を開ける。



(ノートが………無い………)

探しても探しても見当たらず、試験が始まる。

(なぜ……こうなってしまったんだ……)

目の前の答案用紙が、歪んで見えてくる。


3年間の膨大な量の試験をノート無しでできる訳がなく、結果は追試となった。


エミールと話をする事も、リリアンを問い詰める事もできない程補習が忙しかったが何とか追試は合格し、無事卒業できる事となった。


(いよいよ明日は卒業式…。エミールに謝ろう。跪き愚かな事をした事を謝ろう。優しいエミールの事だ。きっと許してくれる……。)


そう祈り、明日の卒業式に想いを馳せるのだった。











次回、リリアン視点です。

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