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19.長い道のり3(リリアン視点)
しおりを挟むあの日から部長も副部長も私の顔を見ると逃げるようになった。
(初めからそうやって大人しくしておけば良いのよ。)
そろそろ帰ろうと、自分のロッカーを開くと手紙が1枚入っていた。
手紙を開くと、
『貴女の秘密を知っている。放課後裏庭で待っています。』
と書いてある。
当たりを思わず見渡したが誰もいない。
(秘密って……まさか……いや。あのゴロツキ達はまた違うゴロツキ達に口封じの為始末させたけれど……)
手紙を握りしめ裏庭に向かう。
すると、そこには風紀委員長のメアリーがいた。
「リリアン様。このような所に呼び出してすみません。しかし気になった事があって…。随分前の夜会の帰りの時の話ですが…。」
(やはりその話…。どこまで知っているの…?)
「何のことでしょうか…。」
「私の父が、リリアン様のお父様であるダーソン子爵がタバリア侯爵の後をつけている姿を見かけたと話していたのです…。そしてその後偶然事件が起こりましたよね?それから貴女の婚約が決まった…。」
(ちっ…あのクソ親父…見られてるなんて詰めが甘すぎる…!!)
「ねぇ…リリアン様…。本当に偶然だったのですか…??」
(ここまで来てこんな女に台無しにされるわけにはいかないわ…。)
「ど、どういう事ですか…?私の父がタバリア侯爵を襲ったと言うのですかっ!?なんて事を言うのですか…!?私の父も怪我を負っていて今も痺れが残り家族皆で心配していますのに……!!メアリー様ったらあまりにもひどいですわ!!!」
(まぁ、父はかすり傷ですぐ治ったけれどね。)
大袈裟に泣き崩れるふりをして大声で叫ぶ。
「ちょ、ちょっとリリアン様っ!?」
突然の事に私を止めようとメアリーが伸ばした手を払い除け、さらに叫んでみせる。
「きゃーっ!」
そして、走って人通りの多い所まで走り大袈裟に転んで見せた。
「ど、どうしたんだ!?」
周りに人が集まってくる。
「メアリー様がっっ私のお父様の事を罪人だと…!!その娘である私も罪人で学園から出て行けとっ…!!手をあげてっ…!!」
後ろからメアリーが追ってくる。
「ちょっちょっと私そこまでっ…!!」
「ひっひぃ…」
「メアリー…。このような騒ぎになって君は何をしているんだい…?」
そこに、メアリーの婚約者ジョンが声を掛けてきた。
(おっと~これは予想外……。ラッキーだわ。)
「ジョン様っ…!!これはっ…!」
その騒動に乗じて舌を出しながらその場を去る。
後から聞いた噂話によると、この事が原因で婚約破棄とは行かなかったもののかなり揉めたようだ。
その事を私のせいだと、メアリーの友人が言ってきたが、同じ目に合わせて置いた。
(はぁ…。私はただ卒業したいだけなのに…。)
そう思い学園を歩いていると、目の前に忌まわしき存在が歩いている事に気付いた。
ミレイユとその婚約者ガスパルだ。
ミレイユを見つめるクロード様を思い出し、沸々と怒りが湧き上がる。
と同時に、ミレイユに対して抱えていた劣等感が顔を覗かせる。
(いや、違うわ!最終的にはクロード様は私を選んだ…!!あんな女に私は劣っていないわ…!!そうね…思い知らせてやるわ。)
そうしてミレイユの婚約者ガスパルに、手を出した。手を出したと言っても、ちょっと相談に乗って欲しいと言って少し話しただけだ。
ガスパルはおだてれば、すぐに私の虜になった。
ガスパルがミレイユに婚約破棄を言い渡したと聞いた時は、笑いが止まらなかった。
(ミレイユ…!!なんて惨めで哀れな女なんでしょう…!!ちょっと調子に乗り過ぎていたようね!!!ふふ!!私は最高の気分よ!!!)
さぁ。あとは本当に卒業するだけ。
クロード様を追いかけ回して授業は全然受けていないけど、こんな事もあろうかと学年2位の男に手を出して置いたから試験もバッチリだわ!!
そうして挑んだ試験もジョセフのノートを見れば余裕の合格だった。
勿論ノートはしっかり焼却炉に突っ込んでおいた。私が盗んだという証拠は何も無い。盗んだというか、借りたまま返すのをうっかり忘れただけだ。
(全てが…!!全てが私の思い通りに動く……!!!なんて最高の学園生活だったのでしょう!!)
明日は卒業式。
卒業式が終われば晴れてクロード様の妻に……!!
待っていてね……
クロード様………!!
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