(完結)相談女とお幸せに!(なれるものならの話ですけども。)

ちゃむふー

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20.卒業式1(ミレイユ)

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今日はいよいよ卒業式。

この学園の卒業式は卒業式の後にある祝賀会も貴族の大きな1つの社交界の場となっているので、卒業生の親も参加する。

そのため参加人数はとても多い。


式が滞りなく進んで行く。


そして最後に卒業生の名前が呼ばれ、卒業証書を1人ずつ配られた。


が、ガスパルの名前は呼ばれ無かった。

きっと卒業する事が出来なかったのだろう。

まあ、私には関係無い。


「~~~以上の生徒の卒業を認める!」


卒業生全員の名前が声高々に読み上げられ、学園長がそう宣言され皆が拍手をしようとした…その時。


バンッ!!!!


会場の扉が勢い良く開いた。


「ちょっと待ってくださいっっっ!!!!」


ガスパルだ……。


会場全員の視線がガスパルに集まる。

しかし、そんな事はお構いなしにガスパルは続けた。

「学園長!!私の卒業もお認めください…!!」

「ガスパル・ヨーデリアか…。」

「はい!なぜ私が卒業できないのか理解できませんっっ!!」

代々この学園の学園長は、この国の王族がなる。王族に向かってそのような口をきくなんて……

側近が学園長に何か書類を渡した。

「ガスパルよ…。お前は最終試験を不合格となり、追試というチャンスを与えられたものの、追試中に居眠りをしたりボーッとしたりして不真面目な態度だったと報告を受けている。普段から真面目に取り組んでこなかったようだな。お前が卒業出来なかった事は至極当然の事だと考える。」


「しかし学園長…!これは他の者の陰謀なのです!!」


会場が小さく騒つく。
ガスパルが王族である学園長に恐れ多くも口答えした事。
"陰謀"だなんて物騒な言葉を口にした事が理由だろう。


学園長は顔色ひとつ変えずに聞き返した。

「ほう。陰謀とな。」

学園長が聞き返した事にガスパルは嬉々とした様子になり、あたりを見渡して誰かを探したかと思えば、私と目が合った。そして自身満々にこちらを向いた。


(あ、とてつもなく嫌な予感がしますわ。)


「はいっっ!!私が卒業出来なかったのは、そこにいるミレイユ・ハーブスのせいなのです!!」

足を肩幅程開き、腕を上から振りかぶり私を指差してそう叫んだ。


ちらっと私の父と母の顔を見ると、父は怒りで震え、その目は血走っている。母はただただ心配そうにオロオロしている。


「ほう、それはどういう事だ?」


「実はですねっ!!」

ふふんっと鼻を鳴らし得意げに話し始めるガスパル。


「先日、私は真実の愛を見つけてこのミレイユめと婚約破棄を致しましたのです。」


(まず手始めに自分の不貞を暴露しましたわ……。)


「その時はスムーズに婚約破棄したのにも関わらずミレイユめは私の事を妬み、いつも私に見せている試験用のノートを試験直前にわざと見せなかったのです!!」


(次に試験の不正を暴露しましたわ……。)


何より婚約者でも何でも無い男に"ミレイユめ"と呼ばれる事にこれ以上無い嫌悪感がある。


「この女ミレイユは嫉妬に駆られ、私を卒業させまいと企んだのです!!」


その言葉に会場全体が騒つく。

その会場の反応に満足したかのようにガスパルがほくそ笑む。

きっと、会場全体が私を軽蔑したとでも思ったのだろう。


しかし会場の、特に親達が口々に囁き出す。


「リリアン様って、あの噂のダーソン子爵のですわよね?」

「リリアン嬢は確かタバリア侯爵のクロード様と婚約していたのでは…。」

「リリアン様ったらガスパル様の事を愛していたのですか!?驚きですわ。」

「リリアン嬢とガスパル殿は不貞関係に当たるのでは……。」


ちらりとリリアンを見ると、リリアンは真っ赤な顔をして震えている。


「私は卒業してリリアンと結婚をして守って行かなければならないのです!!愛のない婚約者から!!数多くのストーカーから!!なので学園長!!私の卒業をどうか認めて……」


「断る。」

ガスパルの話を遮り学園長が言った。


「へっ!?」


「その願いを聞き入れる事は断ると言ったのだ。」

「そんなっ…どうか…!!」

「ガスパルよ。お前は婚約者がいるのにも関わらず不貞を働き、試験は自分の力で乗り越えるものであるがミレイユ嬢の力を頼りにした。そして王族である私に向かいそのような態度。卒業どころか貴族界から追放しても良いと考える。」


「そっっそんな!!!」


「お前の処罰を追って連絡する。ここは祝いの場だ。すぐにここを去るが良い。」


「くっ……!!だめだ…リリアンッッ!!2人でここを逃げ出そう………!!!」



ガスパルは胸から一輪の萎びた薔薇を取り出し、リリアンに向かい手を伸ばした。








次回リリアン視点です。



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