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21.卒業式2(リリアン視点)
しおりを挟む「くっ……!!だめだ…リリアンッッ!!2人でここを逃げ出そう………!!!」
そう言ってガスパルが私の元へやってきて汚い薔薇を差し出し、手を伸ばした。
(ここまで上手く行っていたのに……なんでっなんでこんな男に……!!)
「冗談じゃ無いわっっ!!」
その汚らわしい手を叩き落とす。
ガスパルは驚いたものの、ニヤッと笑って、
「そうだ!あぁリリアン。本当にそうだ!こんなデタラメな卒業式なんて冗談じゃ無いな!!!さぁ、私とここを抜け出そう!!2人ならばどこでも行けるさ!!」
そう言う目は焦点が合っていない。
(こ、こいつ頭おかしい……だ、誰か助けて……あっあれは……!)
恐怖を感じ当たりを見渡す。
しかし、誰も関わりたく無いようで目を逸らす。
そこに、見覚えのある顔を見つけた。
「ジョセフ様っっ!!」
ジョセフに駆け寄り、ジョセフの後ろに隠れる。
「冗談じゃ無いって言ったのは、ガスパル様!貴方と共にここを去る事が冗談じゃないって言ったのです!!私は貴方とそんな仲になった事はありません!!2人でお話した事はありますが、友人として相談させていただいただけですっ!」
「リリアン……?何を言っているんだ…?私の婚約者が羨ましいって……私の事すてきだって……そう言っていたじゃないか……」
虚な目をしてガスパルが近づいてくる。
「ひっ…。それは社交辞令というもので誰でも言うわよっ!!」
「リリアン……その男かい…?リリアンを困らせていたストーカーと言うのは……。ジョセフと言ったか……?許さないぞ!」
「きゃっ!ジョセフ様助けてっ!この方が以前相談したストーカーですっ!」
その瞬間、ジョセフに手首を掴まれ前に引っ張られよろめく。
「なっ何するのです!ジョセフ様!」
「黙れっっ!!この泥棒女がっ!!!」
「えっ?」
ジョセフが怒りに満ちた表情でそう叫ぶと、また会場が騒ついた。
「リリアン嬢、泥棒だって…?」
「というか、ガスパル様の次はジョセフ様…?どういう事…?」
「ジョセフ様が本命なの?クロード様は…?」
(ちょっと待って。まずいっ…まず過ぎるわっ!!)
「お前……。私の試験用のノートを盗んだだろう!!勉強を教えてやった恩を仇で返しやがって……!!その上お前のせいで……お前のせいでエミールと……!!」
(この間まで、婚約者のエミールに向かって私の方が可愛いとか言ってたくせに…!!どうしたって言うの!?というか盗んだってバレている…!?でも証拠は無いわ!!)
「そっそんなっ!私、盗んでなんかいませんっ!ノートを借りて、確かにジョセフ様に返しました!!なのに泥棒扱いなんて酷すぎますわっっ!」
泣き真似をして顔を手で覆う。
「その盗まれたというノートは、このノートの事ですか?」
(えっ!?)
その声にパッと顔をあげる。
そこにいたのは、風紀委員長のメアリーだった。
(メアリー!!!先日痛い目に合わせておいたのに……!!)
メアリーがノートを取り出しヒラヒラと見せてくる。
「えっ!?そのノートは確かに処分………」
(しまったっっ!!)
パッと口を手で押さえる。
「処分したはずなのに、ここにあって驚きですわよねぇ、リリアン様。」
怪しい笑みで一歩一歩近づいてくるメアリー。
そして会場に向かい大声で話す。
「私は以前リリアン様にある事件の真実を聞こうとリリアン様を呼び出しました。すると、私は何もしていないのに突然取り乱し、私を悪者に仕立て上げたのです!!」
さらに会場はざわつき、ヒソヒソ声で貴族達が話し始める。
「私もその場を見ましたわ…。」
「え?あれはリリアン様の自作自演だったのですか?」
「今リリアン嬢、ジョセフ様のノートを処分って言いかけたよな…まさか本当に泥棒…!?」
「メアリー様の言うことが本当なら隠している真実って何だろう!?」
(何を今更こんな所でっ!!このブスがぁぁぁ!!)
「そっそんなのデタラメですわ!皆様!メアリー嬢の言うことこそ嘘ですわ!!」
目を潤ませて叫ぶ。
しかしメアリーはお構いなしに続ける。
「私は、自作自演してまで誤魔化すリリアン様を怪しく思い、その後数日リリアン様を見張っていたのです。すると、試験が終わった後このノートを焼却炉に投げ入れるリリアン様を見たのです!!おかしく思ってその後このノートを取り出してみると、ジョセフ様の名前が書かれたノートだったのです!!!」
(くっっ!!ゴミ箱を漁るなんて汚い女ね……!!)
「お前!!私のノートを焼却炉に入れるなんて最低だな!!!」
「ちっちが……」
(まずいっっ!)
「静粛にしたまえっっっ!!」
そこに学園長が叫んだ。
「ここはこれからこの国を担っていく貴族達の卒業式だ!!そのような恥ずかしい姿を晒すな!」
「「申し訳ございません…。」」
ジョセフとメアリーが我に帰り学園長に向かい礼をし謝った。
(た、助かった……。)
ふーっと胸を撫で下ろす。
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