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第28章 SE、収穫祭を祝う(2回目)
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秋の風が、熟れた果実とパンの香りを運んでくる。
街は黄金色に染まり、また――収穫祭の季節が巡ってきた。
そして、
かのイベント“第2回冒険者すもう大会”も
開催されることが決定している。
ギルドの掲示板には、すでにこんなポスターが張り出されていた。
「優勝者は、レイナさんへのデート申込“第一優先権”を獲得!」
……懲りないな、みんな。
もちろん、うちのパーティーも全員参戦する。
収穫祭当日。
街の中央広場には、巨大な円形の土俵が特設されていた。
木製の観覧席はすでに満席で、屋台では焼き肉と酒の香りが立ちのぼる。
笑い声と太鼓の音が混ざり合い、空気そのものが祭りの熱を帯びていた。
ルールは去年と同様。
トーナメント方式で、相手を投げ飛ばしたら勝ち。
使用できるのは己の肉体と魔法のみ。
武器や防具、魔道具の使用は禁止――
やはり、魔道具は禁止か。
俺にとって厳しい戦いとなりそうだ。
しかし、俺も去年とはわけが違う。
弓矢で鍛えた体は、去年よりも筋肉に厚みが出て、
より引き締まっている。
第1トーナメントでは、俺とルナの対決となった。
去年のレオ―リオン対決に続き、
今年も、うちのパーティー同士の対決だ。
俺は考える。
弓も《リンク》も使えない俺は、
魔法使いルナに対して圧倒的に不利だ。
だが、勝率ゼロということはない!
魔法使いルナは、
試合開始直後に攻撃魔法を仕掛けてくるはず。
それをどうかわし、
ルナの懐に飛び込むか――勝負はそこだ。
太鼓が鳴る。観客の息が止まる。
瞬間、俺はルナに向かって突進した。
ルナは魔法を唱え……ない。
そのまま俺に突進してきた。
俺たちは、がっつりと組み合った。
――なぜ、魔法を使わない?
観客席からもざわめきが起きる。
「なんで魔法を使わねぇんだ?」
「ルナ、手加減してるのか?」
ルナは、魔法使いと言えど、日々山中を駆け回る冒険者だ。
その体は引き締まっていて、力もある。
あなどれない。
俺も、今となっては弓使いの端くれ。
腕力なら、負けはしない。
しかし――
所詮、腕力専門外の者同士の試合。
非常に地味な展開になった。
押し合い、へし合い、すべる、また押す。
観客たちは次第に飽きはじめ、
屋台のほうへ目をやる者も出てきた。
そして、ようやく勝負がついた。
ルナの出足払いがうまく決まり、俺は見事に転倒。
俺が倒れた瞬間、観客席から拍手が起きた。
「長かったな……」という空気だった。
その後、我らが戦士レオは善戦するも準決勝で敗退。
そして、
バイキルト・リオンは、
さらに研ぎ澄まされた増強魔法戦法で挑むも、
やはり準決勝で敗退。
結局、第2回冒険者すもう大会は、
ギルド最強と名高い別パーティの某戦士が、
大会2連覇で幕を閉じた。
すもう大会が終わり、いよいよ――“本番”の時間がやってきた。
「これより、受付嬢レイナさんへのデート申し込みタイムを開始する!」
ギルドマスターの声に、広場がどよめく。
レイナさんの前には、勝者も敗者も関係なく冒険者たちが列をなしていた。
革鎧を磨き上げる者、香水をふりかける者、花を抱えた者までいる。
その顔には緊張と期待と――少しの絶望が入り混じっていた。
まるで戦場へ向かう直前のようだ。
先頭には優勝者の某戦士。
その後ろに、レオ、リオン、ルナ
――そしてまたしても、最後尾に俺が並んでいた。
少し離れたところでは、
他のスタッフに交じってミカが
冷めた表情でこちらを見ていた。
そして、先頭の某戦士を皮切りにアプローチが始まる。
「レイナさん、俺と星を見に行きませんか!」
「ごめんなさい。」
「一緒にパンケーキを!」
「ごめんなさい。」
……今年も変わらない。
去年から何も学ばないこの連中の逞しさには、
もはや敬意すら覚える。
レオも玉砕。
リオンも玉砕。
そして――ルナの番が来た。
レイナさんの表情が、わずかに険しくなったように見えた。
その瞬間。
ルナは、静かに踵を返した。
ざわめきが起きる。
ルナはまっすぐミカの前に歩み寄った。
そして、
ルナは、迷いのない瞳で言った。
「ミカ、今日は――おれと、収穫祭を見て回らないか?」
差し出された手。
会場全体が、風すら止まったかのように静まり返る。
ミカは一瞬、何が起こったのかわからないように瞬きをした。
だが次の瞬間、涙目の笑顔を浮かべて答えた。
「……よろしくお願いします。」
ふたりは手を取り合い、
笑顔で人混みの中へと駆け出していった。
一瞬の静寂――そして、
「うおおおおおっ!!!」
冒険者たちから、盛大な喝采が上がった。
こうして、
今年の“レイナ争奪戦”は
――予想外のハッピーエンドで幕を閉じた。
その後、冒険者たちはそのまま酒場へ流れ込み、
“祝いの宴”と称して夜更けまで大騒ぎになった。
「ミカ、ルナ、末永くお幸せに!」
「俺たちのミカがぁぁぁ!」
今年は、レイナさんも参加していた。
「ミカ、良かったね……良かったね……!」
と涙目で言いながら、
ジョッキをぐびぐびと飲み干していた。
その光景を眺めながら、
俺の胸の奥にもまた、静かな温かさが広がっていく。
――いや、待て。
なにか忘れている気がする。
……そうだ。
俺の告白タイムの出番は??
街は黄金色に染まり、また――収穫祭の季節が巡ってきた。
そして、
かのイベント“第2回冒険者すもう大会”も
開催されることが決定している。
ギルドの掲示板には、すでにこんなポスターが張り出されていた。
「優勝者は、レイナさんへのデート申込“第一優先権”を獲得!」
……懲りないな、みんな。
もちろん、うちのパーティーも全員参戦する。
収穫祭当日。
街の中央広場には、巨大な円形の土俵が特設されていた。
木製の観覧席はすでに満席で、屋台では焼き肉と酒の香りが立ちのぼる。
笑い声と太鼓の音が混ざり合い、空気そのものが祭りの熱を帯びていた。
ルールは去年と同様。
トーナメント方式で、相手を投げ飛ばしたら勝ち。
使用できるのは己の肉体と魔法のみ。
武器や防具、魔道具の使用は禁止――
やはり、魔道具は禁止か。
俺にとって厳しい戦いとなりそうだ。
しかし、俺も去年とはわけが違う。
弓矢で鍛えた体は、去年よりも筋肉に厚みが出て、
より引き締まっている。
第1トーナメントでは、俺とルナの対決となった。
去年のレオ―リオン対決に続き、
今年も、うちのパーティー同士の対決だ。
俺は考える。
弓も《リンク》も使えない俺は、
魔法使いルナに対して圧倒的に不利だ。
だが、勝率ゼロということはない!
魔法使いルナは、
試合開始直後に攻撃魔法を仕掛けてくるはず。
それをどうかわし、
ルナの懐に飛び込むか――勝負はそこだ。
太鼓が鳴る。観客の息が止まる。
瞬間、俺はルナに向かって突進した。
ルナは魔法を唱え……ない。
そのまま俺に突進してきた。
俺たちは、がっつりと組み合った。
――なぜ、魔法を使わない?
観客席からもざわめきが起きる。
「なんで魔法を使わねぇんだ?」
「ルナ、手加減してるのか?」
ルナは、魔法使いと言えど、日々山中を駆け回る冒険者だ。
その体は引き締まっていて、力もある。
あなどれない。
俺も、今となっては弓使いの端くれ。
腕力なら、負けはしない。
しかし――
所詮、腕力専門外の者同士の試合。
非常に地味な展開になった。
押し合い、へし合い、すべる、また押す。
観客たちは次第に飽きはじめ、
屋台のほうへ目をやる者も出てきた。
そして、ようやく勝負がついた。
ルナの出足払いがうまく決まり、俺は見事に転倒。
俺が倒れた瞬間、観客席から拍手が起きた。
「長かったな……」という空気だった。
その後、我らが戦士レオは善戦するも準決勝で敗退。
そして、
バイキルト・リオンは、
さらに研ぎ澄まされた増強魔法戦法で挑むも、
やはり準決勝で敗退。
結局、第2回冒険者すもう大会は、
ギルド最強と名高い別パーティの某戦士が、
大会2連覇で幕を閉じた。
すもう大会が終わり、いよいよ――“本番”の時間がやってきた。
「これより、受付嬢レイナさんへのデート申し込みタイムを開始する!」
ギルドマスターの声に、広場がどよめく。
レイナさんの前には、勝者も敗者も関係なく冒険者たちが列をなしていた。
革鎧を磨き上げる者、香水をふりかける者、花を抱えた者までいる。
その顔には緊張と期待と――少しの絶望が入り混じっていた。
まるで戦場へ向かう直前のようだ。
先頭には優勝者の某戦士。
その後ろに、レオ、リオン、ルナ
――そしてまたしても、最後尾に俺が並んでいた。
少し離れたところでは、
他のスタッフに交じってミカが
冷めた表情でこちらを見ていた。
そして、先頭の某戦士を皮切りにアプローチが始まる。
「レイナさん、俺と星を見に行きませんか!」
「ごめんなさい。」
「一緒にパンケーキを!」
「ごめんなさい。」
……今年も変わらない。
去年から何も学ばないこの連中の逞しさには、
もはや敬意すら覚える。
レオも玉砕。
リオンも玉砕。
そして――ルナの番が来た。
レイナさんの表情が、わずかに険しくなったように見えた。
その瞬間。
ルナは、静かに踵を返した。
ざわめきが起きる。
ルナはまっすぐミカの前に歩み寄った。
そして、
ルナは、迷いのない瞳で言った。
「ミカ、今日は――おれと、収穫祭を見て回らないか?」
差し出された手。
会場全体が、風すら止まったかのように静まり返る。
ミカは一瞬、何が起こったのかわからないように瞬きをした。
だが次の瞬間、涙目の笑顔を浮かべて答えた。
「……よろしくお願いします。」
ふたりは手を取り合い、
笑顔で人混みの中へと駆け出していった。
一瞬の静寂――そして、
「うおおおおおっ!!!」
冒険者たちから、盛大な喝采が上がった。
こうして、
今年の“レイナ争奪戦”は
――予想外のハッピーエンドで幕を閉じた。
その後、冒険者たちはそのまま酒場へ流れ込み、
“祝いの宴”と称して夜更けまで大騒ぎになった。
「ミカ、ルナ、末永くお幸せに!」
「俺たちのミカがぁぁぁ!」
今年は、レイナさんも参加していた。
「ミカ、良かったね……良かったね……!」
と涙目で言いながら、
ジョッキをぐびぐびと飲み干していた。
その光景を眺めながら、
俺の胸の奥にもまた、静かな温かさが広がっていく。
――いや、待て。
なにか忘れている気がする。
……そうだ。
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めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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