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片思い
第1話
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またか……。
私はすこし離れた場所で、毎度繰り返される光景に心の中で溜め息をつく。
「千夏、どうしたの?」
後ろから聞こえた、同僚の美耶子の声に私は苦笑した。
「ああ、また高遠がモテてるの?」
美耶子も呆れたように声を発した。
「今度の子は……千夏知ってる?」
「知らないけど、可愛い子だよね」
そこから視線を外していった私に、美耶子は「そう?」と首を傾げた。
「どこがいいのよ?あんな顔だけの男……。あっ、ごめん」
しまったと言った顔の、美耶子に私も笑ってみせる。
「美耶子いいよ。謝らなくて。本当にその通りだもん」
近藤千夏、27歳 ごく普通の会社員だ。
大学を卒業後、この輸入食品を扱う企業に入社5年目。
国内営業部の事務をしている。
ダークブラウンの長い髪だけが、人に自慢できるぐらいで、あとは至って普通だ。
そして、美耶子と同じく、同期の高遠涼真は私と違い、完璧な容姿を持った人間だ。
身長は180㎝ぐらいだろうか?男なのに、私よりぱっちりとした二重の目に、すっと通った鼻筋、色気さえある唇。
いつも社内の女の子からの告白が後を立たない、国内営業部のエースだ。
「まあ、仕事はできるし、顔もいいしね」
フォローするように言った美耶子の言葉に苦笑する。
「美耶子、本当にいいって。私だって自分がわからないんだから」
そう、もうかれこれ3年以上私は彼に片思いしている。
顔もよく、仕事もできるが、涼真は自分の魅力がわかっている人間で、とりあえず軽い。
どんな女の子からの誘いも、断らないんじゃないかと思う。
そんな女関係にだらしのない人を、どうして好きになってしまったのか……。
私自身まったくわからなかった。
「ちなに松川、お疲れ」
アイドルも真っ青な完璧な笑顔を浮かべながら、涼真はさっきの女の子に手を振ったあと、私たちのところに歩いてきた。
初めの研修が同じで仲がよかったからか、涼真は私のことを"ちな”と呼ぶ。
そして美耶子には嫌悪感を持たれているのを本人も気づいているようで、少し気を使っているような気がする。
「高遠も元気そうね」
美耶子のその言葉に、涼真は少し苦笑すると私をみた。
「ちな、いまから昼?」
「うん、涼真は?」
「俺は今からでないといけないから、外で適当に食べようかと思ってる」
ふわりと笑った昔からの笑顔に、胸の奥がキュンとする。
私も本当に大概だな……。
そんな事を思いながら、心の中で小さくため息をつく。
「じゃあな。2人とも」
「いってらっしゃい」
そう声をかけると、涼真は少しだけ笑みを浮かべて早足でいってしまった。
「先輩たちいいなー」
そこへ、後輩の女子社員数名がやってきて、涼真の後ろ姿を眺める。
「同期だからよ。早く大きくなりなさい」
美耶子の言葉に、後輩たちは「そんなの無理じゃないですかー」と口々に声にしていた。
私はすこし離れた場所で、毎度繰り返される光景に心の中で溜め息をつく。
「千夏、どうしたの?」
後ろから聞こえた、同僚の美耶子の声に私は苦笑した。
「ああ、また高遠がモテてるの?」
美耶子も呆れたように声を発した。
「今度の子は……千夏知ってる?」
「知らないけど、可愛い子だよね」
そこから視線を外していった私に、美耶子は「そう?」と首を傾げた。
「どこがいいのよ?あんな顔だけの男……。あっ、ごめん」
しまったと言った顔の、美耶子に私も笑ってみせる。
「美耶子いいよ。謝らなくて。本当にその通りだもん」
近藤千夏、27歳 ごく普通の会社員だ。
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ダークブラウンの長い髪だけが、人に自慢できるぐらいで、あとは至って普通だ。
そして、美耶子と同じく、同期の高遠涼真は私と違い、完璧な容姿を持った人間だ。
身長は180㎝ぐらいだろうか?男なのに、私よりぱっちりとした二重の目に、すっと通った鼻筋、色気さえある唇。
いつも社内の女の子からの告白が後を立たない、国内営業部のエースだ。
「まあ、仕事はできるし、顔もいいしね」
フォローするように言った美耶子の言葉に苦笑する。
「美耶子、本当にいいって。私だって自分がわからないんだから」
そう、もうかれこれ3年以上私は彼に片思いしている。
顔もよく、仕事もできるが、涼真は自分の魅力がわかっている人間で、とりあえず軽い。
どんな女の子からの誘いも、断らないんじゃないかと思う。
そんな女関係にだらしのない人を、どうして好きになってしまったのか……。
私自身まったくわからなかった。
「ちなに松川、お疲れ」
アイドルも真っ青な完璧な笑顔を浮かべながら、涼真はさっきの女の子に手を振ったあと、私たちのところに歩いてきた。
初めの研修が同じで仲がよかったからか、涼真は私のことを"ちな”と呼ぶ。
そして美耶子には嫌悪感を持たれているのを本人も気づいているようで、少し気を使っているような気がする。
「高遠も元気そうね」
美耶子のその言葉に、涼真は少し苦笑すると私をみた。
「ちな、いまから昼?」
「うん、涼真は?」
「俺は今からでないといけないから、外で適当に食べようかと思ってる」
ふわりと笑った昔からの笑顔に、胸の奥がキュンとする。
私も本当に大概だな……。
そんな事を思いながら、心の中で小さくため息をつく。
「じゃあな。2人とも」
「いってらっしゃい」
そう声をかけると、涼真は少しだけ笑みを浮かべて早足でいってしまった。
「先輩たちいいなー」
そこへ、後輩の女子社員数名がやってきて、涼真の後ろ姿を眺める。
「同期だからよ。早く大きくなりなさい」
美耶子の言葉に、後輩たちは「そんなの無理じゃないですかー」と口々に声にしていた。
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