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2章〜フォレスト王国王都〜
94、名無しな変人さん。
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結局変人さんは助けてくれず、(おい!)しばらくして皆満足したのか離れた。
そして待ってましたと言わんばかりの勢いでルビクルとチカが飛びついて来た。
じい~~ん。
あ、ちょっと涙腺緩んできた。チカ、少し遠慮がちだったからね。普通に飛びついてきてくれたのが嬉しい。……たとえこの後距離が戻ったとしてもね。
パンパン。
「感動の再会の中申し訳ない気がしないでもないけど、僕、そろそろここから出たいな」
皆一斉にコイツ誰だ?と訝しげに変人さんを見た。
いや、変人さんについて何も言わないな~とは思ってたけど気付いていなかったの!?
……結構存在感あると思うんだけどな、この変人さん。なんせ変人だし。
仕方なく私は変人さんを紹介する。
「この人は……この人は?……初代国王の名無しさんです!」
「「「「「「「「「『『は?』』」」」」」」」」」
……ですよねー。はい。予想通りの反応です。
だって建国王だとは聞いたけど名前は聞いてないから私知らない。だか名無し。ウン、ワタシマチガッテナイ。
「いやいやいや!僕名無しじゃないからね!?勝手に名無しにしないで!?」
「だって名前聞いた事ないもん」
「え?……あ。確かに言った覚えがない」
「ほら」
「でも君も名乗ってないから!」
あ。……まあ。まあまあまあ、ね?
「じゃあ自己紹介!私リティアって言います!はい、貴方だけ名無し!!」
「え、酷い」
こういうものは言ったもの勝ちだから酷いとかはないんだよ。
「僕はホォリビル。今更だけどよろしくね?」
「「え」」
そうなのかと皆サラッと流している中、二人だけ驚いている人がいた。
ソークとロークだ。
「二人共どうした?」
私達の代表としてリチャードくんが聞く。
因みにそれまでの0点一秒間で私達は誰が聞くのかを押し付けあった。だって面倒臭い事になりそうでしょう?
それを他の皆も直感で理解したという事だ。
じゃあ負けたのは誰か。
答えはとっくの昔に出してあるじゃないか。勿論聞いたリチャードくんである。
「いや、名前なんて王族が引き継いでいる話にも無かったから……。名前があったのか、と驚いただけだから大丈夫」
「ちょっと待って!?僕が大丈夫じゃないからね!?え、何、僕、名無しで歴史に載っているの?」
え、本気で?嘘だよね?言葉には出していないけどそう顔に書いてある。
本当に名無しだったのか。合ってたんだね。適当だったのに。私、ナイス!
皆無関心だったんだけど心なしか皆 哀れみの表情を浮かべている。
というか何故皆喋らない。
ここまで来ておいて厄介ごとには巻き込まれたくないと言うの?それは駄目だよ?厄介ごとが出たらしっかりと皆を巻き込みます!
……でもそれ以前に誰もこの変人さんが建国王だという前提で進めている。
皆の信頼は嬉しいけど、そこまで簡単に人を信じちゃ駄目だよ?皆が優しすぎておばちゃん(頭脳は三十路、見た目は幼女)、心配になっちゃう。
そして待ってましたと言わんばかりの勢いでルビクルとチカが飛びついて来た。
じい~~ん。
あ、ちょっと涙腺緩んできた。チカ、少し遠慮がちだったからね。普通に飛びついてきてくれたのが嬉しい。……たとえこの後距離が戻ったとしてもね。
パンパン。
「感動の再会の中申し訳ない気がしないでもないけど、僕、そろそろここから出たいな」
皆一斉にコイツ誰だ?と訝しげに変人さんを見た。
いや、変人さんについて何も言わないな~とは思ってたけど気付いていなかったの!?
……結構存在感あると思うんだけどな、この変人さん。なんせ変人だし。
仕方なく私は変人さんを紹介する。
「この人は……この人は?……初代国王の名無しさんです!」
「「「「「「「「「『『は?』』」」」」」」」」」
……ですよねー。はい。予想通りの反応です。
だって建国王だとは聞いたけど名前は聞いてないから私知らない。だか名無し。ウン、ワタシマチガッテナイ。
「いやいやいや!僕名無しじゃないからね!?勝手に名無しにしないで!?」
「だって名前聞いた事ないもん」
「え?……あ。確かに言った覚えがない」
「ほら」
「でも君も名乗ってないから!」
あ。……まあ。まあまあまあ、ね?
「じゃあ自己紹介!私リティアって言います!はい、貴方だけ名無し!!」
「え、酷い」
こういうものは言ったもの勝ちだから酷いとかはないんだよ。
「僕はホォリビル。今更だけどよろしくね?」
「「え」」
そうなのかと皆サラッと流している中、二人だけ驚いている人がいた。
ソークとロークだ。
「二人共どうした?」
私達の代表としてリチャードくんが聞く。
因みにそれまでの0点一秒間で私達は誰が聞くのかを押し付けあった。だって面倒臭い事になりそうでしょう?
それを他の皆も直感で理解したという事だ。
じゃあ負けたのは誰か。
答えはとっくの昔に出してあるじゃないか。勿論聞いたリチャードくんである。
「いや、名前なんて王族が引き継いでいる話にも無かったから……。名前があったのか、と驚いただけだから大丈夫」
「ちょっと待って!?僕が大丈夫じゃないからね!?え、何、僕、名無しで歴史に載っているの?」
え、本気で?嘘だよね?言葉には出していないけどそう顔に書いてある。
本当に名無しだったのか。合ってたんだね。適当だったのに。私、ナイス!
皆無関心だったんだけど心なしか皆 哀れみの表情を浮かべている。
というか何故皆喋らない。
ここまで来ておいて厄介ごとには巻き込まれたくないと言うの?それは駄目だよ?厄介ごとが出たらしっかりと皆を巻き込みます!
……でもそれ以前に誰もこの変人さんが建国王だという前提で進めている。
皆の信頼は嬉しいけど、そこまで簡単に人を信じちゃ駄目だよ?皆が優しすぎておばちゃん(頭脳は三十路、見た目は幼女)、心配になっちゃう。
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