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大人のデートと強キャラストーカー
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ひ、ゲフンゲフン美江とのライブから2日経ち。
また俺はあの日と場所も時間まで同じと言う状況で待ち合わせ相手を待っていた。
いや、正確にはあの日と違う。
待ち合わせ時間はとうに過ぎてるし連絡すら寄越して来ない。
あいつ...!まさかドタキャンするつもりじゃないだろうな...!
当日ドタキャンは損害賠償案件なんだぞ!
お店ならな!あ、はいお店じゃないです。
「あたしと大人のデートしない?」
そう言って俺を誘ったのは瑞穂だ。
そんな瑞穂は、昨日俺にメールで予定を聞いてきた。
特に予定も無かった俺がそれを伝えると瑞穂は明日、つまり今日のこの時間(30分くらい過ぎてるが...。)に駅前で、と約束を取り付けてきたのだが...。
来ない。
あんな思わせぶりな事言っといて全く来ない!
「あ、ごめんごめんー遅くなったー。」
突如後ろから聞こえてきた全く反省の無さそうな軽い声。
「お前なぁ...遅れるなら遅れるで...」
文句を言いながら振り返り、言葉を止める。
「ん?どった?」
そうニヤニヤと笑う瑞穂は、普段と全く印象が違っていた。
綺麗な黒髪は普段と違って毛先だけカールされたストレート。
口元にはリップが塗られ、服装は夏らしい水色の足首まで隠れるキャミワンピに上には青のジャケットシャツ。
化粧もしているようで、なんと言うかいつもより...。
「大人っぽい...な。」
「ふふ、そうでしょ?
だって今日は大人のデート、だからね。」
「な、なるほど。」
普段の瑞穂は背も低い方だし童顔だし何がとは言わないが大きくないしで幼く見られがちだが、印象を変えるだけでこんなにも大人っぽく見えるのか...。
「失礼な事考えてるのはこの頭かな?かな?」
笑顔のままこめかみを指でグリグリしてくる。
「滅相もありません!!」
「ま、良いや。
時間も過ぎてるし行こっか。」
誰のせいで...とは言わんとこ...。
それにしても...。
なんだかさっきから視線を感じるなと思って目を後ろに向ける。
どうせ志麻だろって?いや志麻じゃない......いや志麻も居るな...。
ストーカーされ過ぎてもはや全然気にならなくなってたわ。
いや...字面にしたらだいぶ酷いな...。
まぁ志麻だしいいか。
それより気になったのはもう一人である。
そう言えば...こんなくだり前にもあったな...。
あの時は絵美だったが(※ep37参照)今回は違う。
いやむしろそんなのまだ可愛いぐらいだ。
変装目的なのか目には横にいる強そうな黒スーツおじさん同様にグラサンをかけていて、口にはマスク。
なんで隣に黒スーツのおじ様がいるのかはツッコんじゃダメなんだろうなぁ...。
やだなぁ……怖いなぁ……。
と言うか...ひ...美江と言い変装のセンスが無さすぎなんだよなぁ...。
なんと言っても元が美人なのである。
当然変装したところでそれを隠し切れる筈もなく...。
会長...だよな...あれ...。
まさかのハルたん会長がストーカーに仲間入りである。
しかも頼もし過ぎる保護者まで付けての...である。
「何々?デート相手ほったらかして他の女ばっか見ちゃってさー。」
「いやでもお前あれ...。」
「あぁ、ハルたんでしょ?」
まさかのつけられてる二人ともが普通に気付いてて草。
いや...だって本人は隠れてるつもりなんだろうけど普通に目立ってるんだよなぁ...。
でも隣の黒スーツのおじ様の迫力で気になりはしても誰も目を合わそうとしない...。
俺も出来れば見たくなかったです...!
「だって昨日あたしが明日だって言ったし。」
いや...お前のせいかい...!
「でも、それにしたってまさか本当についてくるとは思わないじゃん?」
「いやそれはそうだが...。」
うーん...。
いや、でも瑞穂が俺を大人のデートに誘った時話を聞いてたハルたん会長反対してたっけ。
でもその反対を受けてなお、瑞穂はこの約束を半ば無理矢理に取り付けた。
答えは聞いてないし反対意見なんか聞く気もない、とばかりに。
さしずめハルたん会長は口で言っても聞かずに大人デートとやらを敢行しようとする瑞穂を監視する為にやってきた追跡班、と言ったところか...。
いや、それにしても黒スーツのおじ様はいるのかしら...。
まぁナンパ避けとかかなぁ...。
おかげで通報されにくくなってるってのは多分無意識なんだろうなぁ...。
え、これそう言う意味でだよね?
俺と瑞穂が何かやらかした時にハルたんチョップだけじゃなくておじ様からの制裁まで待ってるとかないよね...。
と、一人恐れおののいていると、ハルたん会長のスマホに連絡が入る。
「誰よ...こんな時に...。」
「あ、もしもしハルたん?
普通にバレてるし目立ってるよ?」
ストレートに言った!
「っ!?」
それを聞いたハルたん会長は一瞬驚いた顔をして、その後に俺の方に目を向ける。
よく分からないがとりあえず俺も気付いてた訳だから、一応頷いておく...。
それに更に驚いた顔をするハルたん会長。
本当に気付いてないと思ってたのか...。
「こ、こっそり後をつけると言うのは難しいのね。」
「ハルたん会長、こっそりしようとするからダメなんだよ。
慣れてるやつはバレてるって分かってても堂々としてるから逆に気にならなくなるから。」
「何の話!?
ねぇ悠太君それなんの話!?」
今まさにあなたの更に後ろの方に居ますよって言ったらどんな反応するかなぁ...。
まぁ志麻だしなぁ...。
「どう言うつもりでついてきたかは知らないけどさ、あたしはあたしのやりたいようにやらせてもらうから。」
「や、やりたいようにって...!へ、変な事したら許さないから!」
「ひゃー怖い怖い。
ま、じゃあ行こ、悠太。」
「お、おん。」
色んな意味で心臓が高鳴りっぱなしの大人デート開幕...。
俺は無事に乗り切る事が出来るのか...。
後半に続く...。
また俺はあの日と場所も時間まで同じと言う状況で待ち合わせ相手を待っていた。
いや、正確にはあの日と違う。
待ち合わせ時間はとうに過ぎてるし連絡すら寄越して来ない。
あいつ...!まさかドタキャンするつもりじゃないだろうな...!
当日ドタキャンは損害賠償案件なんだぞ!
お店ならな!あ、はいお店じゃないです。
「あたしと大人のデートしない?」
そう言って俺を誘ったのは瑞穂だ。
そんな瑞穂は、昨日俺にメールで予定を聞いてきた。
特に予定も無かった俺がそれを伝えると瑞穂は明日、つまり今日のこの時間(30分くらい過ぎてるが...。)に駅前で、と約束を取り付けてきたのだが...。
来ない。
あんな思わせぶりな事言っといて全く来ない!
「あ、ごめんごめんー遅くなったー。」
突如後ろから聞こえてきた全く反省の無さそうな軽い声。
「お前なぁ...遅れるなら遅れるで...」
文句を言いながら振り返り、言葉を止める。
「ん?どった?」
そうニヤニヤと笑う瑞穂は、普段と全く印象が違っていた。
綺麗な黒髪は普段と違って毛先だけカールされたストレート。
口元にはリップが塗られ、服装は夏らしい水色の足首まで隠れるキャミワンピに上には青のジャケットシャツ。
化粧もしているようで、なんと言うかいつもより...。
「大人っぽい...な。」
「ふふ、そうでしょ?
だって今日は大人のデート、だからね。」
「な、なるほど。」
普段の瑞穂は背も低い方だし童顔だし何がとは言わないが大きくないしで幼く見られがちだが、印象を変えるだけでこんなにも大人っぽく見えるのか...。
「失礼な事考えてるのはこの頭かな?かな?」
笑顔のままこめかみを指でグリグリしてくる。
「滅相もありません!!」
「ま、良いや。
時間も過ぎてるし行こっか。」
誰のせいで...とは言わんとこ...。
それにしても...。
なんだかさっきから視線を感じるなと思って目を後ろに向ける。
どうせ志麻だろって?いや志麻じゃない......いや志麻も居るな...。
ストーカーされ過ぎてもはや全然気にならなくなってたわ。
いや...字面にしたらだいぶ酷いな...。
まぁ志麻だしいいか。
それより気になったのはもう一人である。
そう言えば...こんなくだり前にもあったな...。
あの時は絵美だったが(※ep37参照)今回は違う。
いやむしろそんなのまだ可愛いぐらいだ。
変装目的なのか目には横にいる強そうな黒スーツおじさん同様にグラサンをかけていて、口にはマスク。
なんで隣に黒スーツのおじ様がいるのかはツッコんじゃダメなんだろうなぁ...。
やだなぁ……怖いなぁ……。
と言うか...ひ...美江と言い変装のセンスが無さすぎなんだよなぁ...。
なんと言っても元が美人なのである。
当然変装したところでそれを隠し切れる筈もなく...。
会長...だよな...あれ...。
まさかのハルたん会長がストーカーに仲間入りである。
しかも頼もし過ぎる保護者まで付けての...である。
「何々?デート相手ほったらかして他の女ばっか見ちゃってさー。」
「いやでもお前あれ...。」
「あぁ、ハルたんでしょ?」
まさかのつけられてる二人ともが普通に気付いてて草。
いや...だって本人は隠れてるつもりなんだろうけど普通に目立ってるんだよなぁ...。
でも隣の黒スーツのおじ様の迫力で気になりはしても誰も目を合わそうとしない...。
俺も出来れば見たくなかったです...!
「だって昨日あたしが明日だって言ったし。」
いや...お前のせいかい...!
「でも、それにしたってまさか本当についてくるとは思わないじゃん?」
「いやそれはそうだが...。」
うーん...。
いや、でも瑞穂が俺を大人のデートに誘った時話を聞いてたハルたん会長反対してたっけ。
でもその反対を受けてなお、瑞穂はこの約束を半ば無理矢理に取り付けた。
答えは聞いてないし反対意見なんか聞く気もない、とばかりに。
さしずめハルたん会長は口で言っても聞かずに大人デートとやらを敢行しようとする瑞穂を監視する為にやってきた追跡班、と言ったところか...。
いや、それにしても黒スーツのおじ様はいるのかしら...。
まぁナンパ避けとかかなぁ...。
おかげで通報されにくくなってるってのは多分無意識なんだろうなぁ...。
え、これそう言う意味でだよね?
俺と瑞穂が何かやらかした時にハルたんチョップだけじゃなくておじ様からの制裁まで待ってるとかないよね...。
と、一人恐れおののいていると、ハルたん会長のスマホに連絡が入る。
「誰よ...こんな時に...。」
「あ、もしもしハルたん?
普通にバレてるし目立ってるよ?」
ストレートに言った!
「っ!?」
それを聞いたハルたん会長は一瞬驚いた顔をして、その後に俺の方に目を向ける。
よく分からないがとりあえず俺も気付いてた訳だから、一応頷いておく...。
それに更に驚いた顔をするハルたん会長。
本当に気付いてないと思ってたのか...。
「こ、こっそり後をつけると言うのは難しいのね。」
「ハルたん会長、こっそりしようとするからダメなんだよ。
慣れてるやつはバレてるって分かってても堂々としてるから逆に気にならなくなるから。」
「何の話!?
ねぇ悠太君それなんの話!?」
今まさにあなたの更に後ろの方に居ますよって言ったらどんな反応するかなぁ...。
まぁ志麻だしなぁ...。
「どう言うつもりでついてきたかは知らないけどさ、あたしはあたしのやりたいようにやらせてもらうから。」
「や、やりたいようにって...!へ、変な事したら許さないから!」
「ひゃー怖い怖い。
ま、じゃあ行こ、悠太。」
「お、おん。」
色んな意味で心臓が高鳴りっぱなしの大人デート開幕...。
俺は無事に乗り切る事が出来るのか...。
後半に続く...。
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