彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。

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素直な心と劣等感

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「公衆の面前でそう言うの良くないと思いまーす。」

「そんなの気にしてたらストーカーなんて出来ないもん!」

自分で言ったぞこの娘…。

「いや…不純異性交友もストーカーも普通に非合法だから…。」

この返しには宏美も流石に引いてる感じだ。

「愛があればそんなの関係ないもん!」

「だからあなたの愛は重すぎるんだって!」

睨み合い、火花を散らす宏美と志麻。

第二次妹妹サバイバルに続けて今度は第二次元カノVS元カノ!

助けて助けてロリ天使!

そう思いリオに目を向けるも、また苦笑いで逸らされる。

あのロリ天使っ!

「あれ?悠太達も来てたんだ。」

「ん?」

そう背後から声をかけてきたのは瑞穂だ。

「こんばんは、悠太君。」

その横には我らがハルたん会長もいる。

二人とも先に写真で浴衣姿を見ているとは言え、リアルで見るとやっぱり全然違う。

「その、どうかしら?」

少し照れ臭そうにハルたん会長が浴衣姿を見せてくる。

「控えめに言って最高だと思いますよ?」

「そ、そう。」

「ちょ、あたしは!?

てか結局どっちが良いか聞いてないんだけど!?」

納得いかないとばかりに瑞穂が口を挟む。

「ははは、だから日奈美が1番だって言ってるんだろ。」

「はいはいシスコンシスコン…。」

呆れられた。

「あれ、お兄ちゃんも来てたんだ。」

その声を聞いて反射的に日奈美を見る!

ふぁぁ!!リアルで見ると100億倍可愛いよぉ(語彙力爆死)

「はいはいシスコンシスコン…。」

露骨にため息を吐く瑞穂。

「おっと…。」

そうこうしていたら美江がしがみついてくる。

ちなみに美江は白地に赤の紫陽花柄だ。

意味は家族団欒や和気あいあいなど。

付き合ってた時も家族を大事にしていた彼女にはピッタリな柄だろう。

「おぉひめさ…うぐっ!?」

思いっきり鳩尾を殴ってきやがった!

「馬鹿…!ホンマ馬鹿…!」

ちょっとした悪ノリなんだからそんなに怒らなくても良いじゃないの…。

「ま、まぁその、浴衣似合ってるな。」

「っ…!?」

そう褒めると今度は背中をバシバシと叩いてきやがた!

えぇ…これもだめ…?

「悠太さん…なんでそんなに浴衣の意味に詳しいんですか…。」

そんなやり取りを交わしていると、少し呆れ顔でリオが聞いてくる。

失礼なヤツめ…。

「これでも一応物書きやってたからな。

雑学には事欠かないんだ。」

「うーん…凄いんだか凄くないんだか…。」

「じゃああたしの菖蒲の意味も最初から分かってたんだ。」

「まぁな。」

「ならなんであたしを選ばなかったのかな?」

ひぃ!?笑顔が怖い!?

「悠太!私の浴衣が1番だよね!」

と、さっきまで宏美と火花を散らしてた志麻がそう言ってその場でクルリと回ってみせる。

そう言えば藤の浴衣って子孫繁栄だけじゃなくてずっと離れないとか恋に酔うって意味もあるんだよな…。

「そうだな…。

ある意味ピッタリさで言えば志麻が一番なのかもな…。」

「本当!?やった!」

「それは喜んでいいのかなぁ…。」

「悠にぃ!まりは?」

「おぉ! 」

どうやら日奈美、美江組と一緒に来ていたらしい。

茉里愛の浴衣は白地に向日葵。

向日葵の浴衣の意味は熱愛、憧れ、情熱等がある。

他にも私はあなただけを見つめるとかもあるが…。

「まりのお兄ちゃんは悠にぃだけだから!

大好きで大切なお兄ちゃんだから!」

そう言って美江の反対側にしがみついてくる。

「あ!?ちょっと!私だってお兄ちゃんが1番大切なんだから!」

それを日奈美が押し退けようとする!

第三次妹サバイバルまで…!?

「やれやれ…やっぱり悠太は悠太だよね…。」

そう言って肩を竦める瑞穂。

「なんだよ?」

「べっつにー。

てか金澤さん!

折角の浴衣姿なんだから髪いじれば良いのに。」

あっと言う間に瑞穂の興味は俺から志麻の髪に変わる。

「綺麗な髪を見るとついいじりたくなるんだよねー。 」

そう言えば合宿でもやってたな…。

なんて悠太が考えている頃、少し離れた所に来た瑞穂。

「へぇ?あなたも来てたんだ。」

「うっ…。」

そこで志麻の髪をいじりながら、宏美に目を向ける。

「わ、私だって誘うぐらいするし。」

「とかなんとか言って自分から誘った訳じゃないんでしょ?」

「うぅっ…!」

「あたしは告白したよ?」

「っ…。」

「まぁ、結果はお察しだけどね。

でもまだ諦めた訳じゃないし、これからだって手加減するつもりはないから。」

「私だって手加減しないもん!」

いじられてる志麻もそれに反応する。

「あなたはどうするの?指を咥えて見てるのはもうやめるんじゃなかったっけ?」

「だ、だから今日は…!」

「友達として一緒に夏祭りに来てるって?」

「っ…!?」

「それがあなたの言う指を咥えて見てるだけじゃない行動なの?」

「わ、私は…。」

「悠さぁん!いらしたのですねぇ!」

「千鶴さん!?」

「はぁ…相変わらず先生と妹には釘付けなんだから…。」

「私は…。」

宏美は何も言えなかった。

実際自分は特別何をした訳でもない。

ただ友達として関わって少しずつ付き合う前までの関係に戻ろうとして。

なのに、誰かに取られるのが嫌だと言う感情がどうしたって邪魔をする。

自分から突き放した癖に、彼を独り占めしたいと言う矛盾した感情が根強く残ってる。

彼の幸せを願うなら、それは駄目だと分かってる。

でも期待はしてしまう。

だから合宿の日に勇気を出して連れ出したりもした。

でも結局それだけだ。

津川さんや金澤さんのように正直に気持ちを伝えた訳じゃない。

それにあいつの周りには私なんかよりよっぽど魅力的な女の子が沢山居る。

「私なんかじゃ…。」

気が付くと宏美は足早にその場を離れ、走り出していた。





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