異世界貴族は家柄と共に! 〜悪役貴族に転生したので、成り上がり共を潰します〜

スクールH

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少年編 4章

第65話 主人公⑫ (リリス視点)

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「は、始め!」

審査員の合図とともに私は、精霊語で唱える。

【ストップ】!

その瞬間、世界の流れが止まった。
一瞬で会場のざわめきと周囲の音、匂いが消える。

[この感覚、何時になっても慣れないよ]
[まあ、不思議な感覚だからな。時が止まるというのは普通の人にとったら考えられないだろうし]

クロの言うことに私は同意する。

初めて使ったときも、今も、時が止まっているという感覚が不思議に感じる。

私は止まっている十秒の間に相手へと詰める。

左腰に差していた剣を抜き、相手めがけて下から斬る。

「平民なんか―」

―に負けるわけ無い! そう叫ぼうとしたオルナットの目の前に、突如としてリリスが現れた。

「!!!」

オルナットは急に目の前に現れたリリスへ驚愕の表情を向ける。が、体は勝手に動く。

「防げ、【バリア】!」

あんなに偉そうに言っているが、それでも武で成り上がった家の出身。しかも当主になることは無い次男。
戦闘においては同年代より頭一つ抜けている。

リリスが振った剣は展開されたバリアに乾いた音を上げて当たる。

思いっきり振った為か、勢いよく跳ね返るリリスの剣。

一方で咄嗟の魔法だったため、反撃の一撃が繰り出せなかったオルナットは距離を取るため後退する。

[凄い、防がれた!]
[偉そうにしていただけはあるな。中々やる]

リリスとクロは感心をする。


ちなみにだが、小説内に置いてルイはここでやられていることになっている。
何も出来ず、一瞬でやられたのだ。

ただ、運命が変わったためかここで戦いは終わらない。


[相手はロングソードを持っているし、やっぱり近接系の人かな?]
[たぶんな。油断するな、結構手強いぞ]

後退した相手を観察しながら、精霊語でクロと話す。

「おい、お前!今何をした!」

私達の会話が聞こえていない相手は、こちらを睨んで聞いてきた。

「秘密です」
「なっ!平民の分際で!」

[酷い言われようだな。能力のこと黙っただけなのに]
[貴族だから、ね]
[・・・それって凄い魔法の言葉だな]

貴族だからと言えば、平民である私達・・にとっては全ての話の解決ができる言葉だ。

[で、どう行くんだ?]

先程の会話の後、私と相手は間合い取りながら睨み合う。

[恐らく、相手が動き出すよ]
[本当?]

クロは訝しむが、予想通り相手が剣を構えながらこちらへと向かってくる。

[凄い!何で分かったんだ!?]
[貴族だから、ね]

お決まりの事を言って、私も駆け出す。

両方の剣と剣が中間でぶつかり合う。

会場には高い金属音が響き渡る。

[力では負けるな]

剣と剣の押し合いとなっていたが、僅かに女子である私のほうが不利。

[だったら、]

【グラビティー】、ヘビー!

私は押し合っていた剣を引き、斜めに体を向ける。そして、相手の剣を重くする。

「何で重くっ!」

相手は、押し合っていたため前へと力を入れていた。それを私が引いたことにより押す目標を失い、前のめりになる。更に剣を急激に重くしたことによって、持てなくなった剣が地面へと一気に落ちる。

相手は転びそうになったため辛うじて剣を離し、こちらへと向いて腰に隠してあった短剣を取り出す。が、

[リリスは理解してるんだよね]

クロの言う通り、私はある程度予想していた。

私めがけて突き出された短剣を、自分の剣でいなす。

[トドメだね]

斜めに避けていた私へと無理矢理の追尾をした相手。

無理に短剣を突き出したため、いなされた瞬間体勢を崩す。

私はいなした剣を捻って素早く相手の首めがけて剣を振り下ろす。

「し、勝者、リリス!」

地面に倒れた相手の首元で剣を止めた私。

勝敗がついたたため、審査員が終わりを告げる。

「そ、そんな、馬鹿な」

会場中が今の戦い、いやリリスを注視するのだった。
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