141 / 188
学園編 6章
第141話 決闘④ (リリス視点)
しおりを挟む
私は歯を食いしばって何とか立ち上がる。
目の前の相手、敵であるルイ君を睨む。
彼は、こちらを見下したように口元に笑いを浮かべていた。
それに怒りを感じながらも、私は勝てない事に焦りを感じ始めていた。
もちろん、相手の言い分は間違っていると思いたい。
でも、どこか心にぐさりと突き刺さる言葉ばかりだった。
反論をしようにも、その度に頭を上から抑えつけるような意見を言われる。
「ねぇ、どうして貴方はそこまで私達平民をを見下すの!?身分が低いから?そういう世界だから?」
私の質問に薄ら笑みを浮かべてルイ君は答える。
「さっきからお前は本当に何も分かっていないな!?自分が正義だと思い込んでいるのか?だったら能天気のただの馬鹿だ!」
私が馬鹿?
「選ばれた人しかこの世界では生きてはいけない。お前はその選ばれた方か?いや、違うな。選ばれなかった方なのさ!」
グサリと心を刺される。
彼の言うとおり、私は選ばれなかった人間だ。
両親に捨てられ、周りから馬鹿にされ。
たまたま精霊術を使えるだけの無能なんだよ。
『お前のような無能者は我が家の恥曝しなんだよ!』
父の言葉が脳裏に蘇る。
『あんたを産んだことが一番の後悔よ!』
母の言葉が胸に響く。
『今のあなたは本当に滑稽だわ。無能姉さん。オホホホ!』
妹の笑いが記憶の底にこびりつく。
[おい、リリス!しっかりしろ!]
クロの言葉で正気を取り戻す。
[相手に飲まれないように気を付けなさい]
[そ、そうです!あんな悪い奴の言うことなんて気にしちゃだめです!]
フィーンとタルルが励ましてくれる。
そうだった、危なかった。
少し疲れているせいけ、鵜呑みにするところだった。
私は負けてはいけない。
勝って、自分の正しさを証明しないといけない。
[大丈夫だ、リリス。お前は負けない。毎日特訓をして努力してきたのだから。家柄を鼻にかけ、あんな傲慢で才能しか無い奴には、きっと勝てる]
「そう、よね」
私は気持ちを切り替える。
[でも、どうやって倒すんだ?妾たちの攻撃はすでに見切られていたぞ]
それが問題だ。
どうしてか見切られているのかは分からない。
でも、こちらだって向こうの使える魔法を知らないわけじゃない。
「やっぱり最後は水魔法で決めてくると思うよね?」
[確かにな。奴の得意魔法だろうからな。ああいう輩は大体華々しく勝ちたいから、最後は盛大に打ってくるであろう]
「そうね。だったら接近戦に持っていくしか無いわね」
[動けるか?]
問題ないわ。
私は踏み込んで一気に距離を詰める。
【ストップ】
[どう向き合ったほうがいい?]
[相手の左側面だな。剣が振りにくい位置だ]
私は指示通り左側面へと回り込む。その瞬間、スキルが解除される。
だが、相手はそれを知っていたかのように片手で剣を持ち替えて対処してくる。
今度は【エレク】で相手の頭上に雷雲を発生させて注意を引く。
しばし剣がぶつかり合う。
[ライトニングを使ったほうがいいかな?]
[いや、視界を塞いでも探知魔法で簡単に対処される]
私はそれにうなずき、次の攻撃を模索する。
そこで相手の隙を見つけた。
微かにではあるが、右足の動きが遅れていた。
罠かもしれないが、賭けてみる価値はある。
私は【グラビティー】で相手の剣を軽量化し、自分の重い剣で上へと払いあげる。
そこで相手の注意を剣の方に向け、姿勢を低くして足を払おうとする。
しかし、それを見越したように後ろへと半歩下がるルイ君。
でも、私も追撃をやめない。
振り下ろされる剣の直前に、足を払おうと姿勢をさらに低くする。
たまらず後ろへと軽く飛んで剣を構え直そうとするが、その隙を私は見逃さない。
【ストップ】
ここで一気に決着をつけたい。
後ろに飛ぶ相手のわずかな滞空時間に合わせるように、一気に間合いを詰める。
私は自分の剣を相手に向かって投げ、姿勢を低くする。
相手の注意が投げられた剣に取られて、私への対応が一瞬遅れた。
相手を気絶させれば勝ちのはず。
私は、ルイ君のみぞおちを狙って渾身のパンチを入れようとした。
「取った!」
全てが上手くいった・・・はずだった。
目の前の相手、敵であるルイ君を睨む。
彼は、こちらを見下したように口元に笑いを浮かべていた。
それに怒りを感じながらも、私は勝てない事に焦りを感じ始めていた。
もちろん、相手の言い分は間違っていると思いたい。
でも、どこか心にぐさりと突き刺さる言葉ばかりだった。
反論をしようにも、その度に頭を上から抑えつけるような意見を言われる。
「ねぇ、どうして貴方はそこまで私達平民をを見下すの!?身分が低いから?そういう世界だから?」
私の質問に薄ら笑みを浮かべてルイ君は答える。
「さっきからお前は本当に何も分かっていないな!?自分が正義だと思い込んでいるのか?だったら能天気のただの馬鹿だ!」
私が馬鹿?
「選ばれた人しかこの世界では生きてはいけない。お前はその選ばれた方か?いや、違うな。選ばれなかった方なのさ!」
グサリと心を刺される。
彼の言うとおり、私は選ばれなかった人間だ。
両親に捨てられ、周りから馬鹿にされ。
たまたま精霊術を使えるだけの無能なんだよ。
『お前のような無能者は我が家の恥曝しなんだよ!』
父の言葉が脳裏に蘇る。
『あんたを産んだことが一番の後悔よ!』
母の言葉が胸に響く。
『今のあなたは本当に滑稽だわ。無能姉さん。オホホホ!』
妹の笑いが記憶の底にこびりつく。
[おい、リリス!しっかりしろ!]
クロの言葉で正気を取り戻す。
[相手に飲まれないように気を付けなさい]
[そ、そうです!あんな悪い奴の言うことなんて気にしちゃだめです!]
フィーンとタルルが励ましてくれる。
そうだった、危なかった。
少し疲れているせいけ、鵜呑みにするところだった。
私は負けてはいけない。
勝って、自分の正しさを証明しないといけない。
[大丈夫だ、リリス。お前は負けない。毎日特訓をして努力してきたのだから。家柄を鼻にかけ、あんな傲慢で才能しか無い奴には、きっと勝てる]
「そう、よね」
私は気持ちを切り替える。
[でも、どうやって倒すんだ?妾たちの攻撃はすでに見切られていたぞ]
それが問題だ。
どうしてか見切られているのかは分からない。
でも、こちらだって向こうの使える魔法を知らないわけじゃない。
「やっぱり最後は水魔法で決めてくると思うよね?」
[確かにな。奴の得意魔法だろうからな。ああいう輩は大体華々しく勝ちたいから、最後は盛大に打ってくるであろう]
「そうね。だったら接近戦に持っていくしか無いわね」
[動けるか?]
問題ないわ。
私は踏み込んで一気に距離を詰める。
【ストップ】
[どう向き合ったほうがいい?]
[相手の左側面だな。剣が振りにくい位置だ]
私は指示通り左側面へと回り込む。その瞬間、スキルが解除される。
だが、相手はそれを知っていたかのように片手で剣を持ち替えて対処してくる。
今度は【エレク】で相手の頭上に雷雲を発生させて注意を引く。
しばし剣がぶつかり合う。
[ライトニングを使ったほうがいいかな?]
[いや、視界を塞いでも探知魔法で簡単に対処される]
私はそれにうなずき、次の攻撃を模索する。
そこで相手の隙を見つけた。
微かにではあるが、右足の動きが遅れていた。
罠かもしれないが、賭けてみる価値はある。
私は【グラビティー】で相手の剣を軽量化し、自分の重い剣で上へと払いあげる。
そこで相手の注意を剣の方に向け、姿勢を低くして足を払おうとする。
しかし、それを見越したように後ろへと半歩下がるルイ君。
でも、私も追撃をやめない。
振り下ろされる剣の直前に、足を払おうと姿勢をさらに低くする。
たまらず後ろへと軽く飛んで剣を構え直そうとするが、その隙を私は見逃さない。
【ストップ】
ここで一気に決着をつけたい。
後ろに飛ぶ相手のわずかな滞空時間に合わせるように、一気に間合いを詰める。
私は自分の剣を相手に向かって投げ、姿勢を低くする。
相手の注意が投げられた剣に取られて、私への対応が一瞬遅れた。
相手を気絶させれば勝ちのはず。
私は、ルイ君のみぞおちを狙って渾身のパンチを入れようとした。
「取った!」
全てが上手くいった・・・はずだった。
12
あなたにおすすめの小説
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第2巻発売中です!】
逞しく成長したリューク、そしてジーナ、ユフィオ、キスティーが大活躍します!
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【書籍第3巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。アニスもレムも超カワで、表紙もカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【2024年10月23日コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
異世界で目が覚めたら目の前で俺が死んでました。この世界でオリジナルの俺はとっくに死んでたみたいです
青山喜太
ファンタジー
主人公桜間トオル17歳は家族との旅行中、車の中ではなく突然なんの脈絡もなく遺跡の中で目が覚めてしまう。
混乱する桜間トオルの目の前にいたのは自分と瓜二つ、服装さえ一緒のもう一人の桜間トオルだった。
もう一人の桜間トオルは全身から出血し血を吐きながら、乞う。
「父さんと、母さん……妹をアカリを頼む……!!」
思わず、頷いた桜間トオルはもう一人の自分の最後を看取った。
その時、見知らぬ声が響く。
「私のことがわかるか? 13人の桜間トオル?」
これはただの高校生である桜間トオルが英雄たちとの戦争に巻き込まれていく物語
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる