175 / 188
留学編 3章
第175話 戦い
しおりを挟む
「おい、これはどういう状況だ?」
目の前の少年が僕を、いや僕の後ろを睨む。
「おいおい、僕が相手だぞ。こっちを向け」
そう脅すが、そいつに鼻で笑われる。
「ふっ、家柄しか誇れないような奴が何を偉そうに。ここは帝国ではないんだ。全員が平等に人権が与えられている国なんだ!」
性懲りも無く、またそんな事を言う。
本当にこういう奴らはそう思っているのだろうか?
だとしたら、何も分かっていない。
「ん?何だ?何でニヤけている」
「いや、別に。ただ、可哀想な奴らだなと思って」
えっと、こいつの名前は、
「ルーベルトです」
アルスが教えてくれる。
そうだそうだ、そんな名前だったな。
「ルーベルト、お前を潰すのは僕だ、覚悟しろ。精々足掻いてくれよ」
そう煽ると、掛けていたメガネをクイッと持ち上げる。
「何を言うかと思えば、学年成績・実戦トップのこの僕にむかって、覚悟をしろ!だと?貴族様は、面白いことを言うねぇ。君とは違い、こっちは努力してこのスタンフォルス進学コースに入学したんだよ!実力が違いすぎるだろうよ?」
まあ、優秀であることは認めてやる。
でも、所詮はこいつもどこかの金持ちの息子。
勉強できる環境なんていくらでも揃っていただろう。
これが結局、この国、民主主義・資本主義社会の実情を表している。
同情するとすれば、彼らは営々と努力し続けなければならず、でなければ、その「競争社会」の中では生き残れないことだ。
いや、努力しなくても生き残ることはできるかもしれない。
しかしその場合は、競争社会の落伍者、負け組として、プライドはズタズタにされ、場合によっては家(イエ、家系)の存続さえ保証されない「転落社会」に様変わりする。
僕はこの世界の主人公リリスという存在がいたから努力した。
だが、もし普通に貴族の家に転生していたら気ままに一生を過ごしていたはずだ。
逆にそれ以外することがあるか?
「で、内容はこっちが決めていいんだな?」
「ああ、そうだ。僕は心の広い貴族だからね!」
モブ民たちを分からせてから三日。
背後からモブ民たちを操る黒幕を潰すべく、表に引っ張り出した。
こういう妙に自分に自信がある奴ほど簡単に釣れる。
相手は僕が無謀にも挑んだ、と思っているかもしれない。
だが、残念だったな。
まず僕の実力が相手に知られていない時点で、この勝負は僕の勝ちだ。
お前ら、明らかに僕の調査不足だ。
「よし、じゃあクラス同士のチーム戦にしようじゃないか。それなら公平だ!」
相手はニヤニヤと僕の後ろを見ながら言う。
別に、後ろの奴らを戦力として僕は期待していない。
「いいだろう」
「親に泣きつくんじゃないぞ!」
煽ってくるが怒りを抑える。
「とっとと始めるぞ」
そう言って僕らは運動場へと向かう。
「馬鹿だな。たまたま、こっちの罠を見破ったくらいで大きな顔をしやがって」
そう言われたが無視をする。
僕らが向かったのはスタンフォルスの近くにある大きな運動場。
ここはスタンフォルスの所有地で、実戦訓練を行える広い場所だ。
実戦を想定して木が多く生えていたり、泥沼があったり。
帝国にもない、なかなか立派な訓練施設だ。
それぞれが指定の位置に向かう。
敵は三十人以上。
対するこちらは・・・僕とアルス、そしてレーナ。
ルルドにはあまり期待していないし、モブ民たちも論外。
まあ、余裕だろう。
「そっちの準備は整ったか!?」
遠くの方からルーベルトの声が聞こえる。
それにアルスが答えた。
審判などいない。
どちらかが降参するまでの勝負だ。
今回は正当に手順を踏んで行っているので、だからこそ勝てば官軍だ!
向こうでは、
慌ただしく人が動く音が聞こえる。
おそらく、戦陣を組んでいるのだろうけれど、そんなの僕らに対しては意味が無いのだが。
「それでは始めるぞ!」
向こうからの合図と共に戦いが始まった。
こちらのモブ民は一歩も動かない。
「アルス、レーナ。両翼を頼んだ」
「了解しました」
「ルイ様は?」
「僕は真正面からやる」
僕の返答を聞いて、アルスが厳しい顔で僕に注意する。
「ルイ兄様、お願いですから、あまりやりすぎないでください!」
「分かった、分かった」
適当に答えて、僕は数歩前に出る。
そして手を前にかざし、意識をそこに集中させる。
周囲の魔力を感じ取り吸収していく。
そして魔法のイメージをして、魔法陣を構築する。
そして詠唱する。
「【ドラレスファイヤー】!!!」
そう聖級魔法を放つと一瞬にして目の前が豪火の炎に包まれる。
木々は燃え、泥沼は乾き、視界がどんどん良くなっていく。
黒煙は上へ上へと立ち昇り、外へと出ていく。
気づいたときには、口をアングリと開けてすでに絶望した奴らのアホ面が目の前に広がっていた。
さあ、ショーの開幕だ!
目の前の少年が僕を、いや僕の後ろを睨む。
「おいおい、僕が相手だぞ。こっちを向け」
そう脅すが、そいつに鼻で笑われる。
「ふっ、家柄しか誇れないような奴が何を偉そうに。ここは帝国ではないんだ。全員が平等に人権が与えられている国なんだ!」
性懲りも無く、またそんな事を言う。
本当にこういう奴らはそう思っているのだろうか?
だとしたら、何も分かっていない。
「ん?何だ?何でニヤけている」
「いや、別に。ただ、可哀想な奴らだなと思って」
えっと、こいつの名前は、
「ルーベルトです」
アルスが教えてくれる。
そうだそうだ、そんな名前だったな。
「ルーベルト、お前を潰すのは僕だ、覚悟しろ。精々足掻いてくれよ」
そう煽ると、掛けていたメガネをクイッと持ち上げる。
「何を言うかと思えば、学年成績・実戦トップのこの僕にむかって、覚悟をしろ!だと?貴族様は、面白いことを言うねぇ。君とは違い、こっちは努力してこのスタンフォルス進学コースに入学したんだよ!実力が違いすぎるだろうよ?」
まあ、優秀であることは認めてやる。
でも、所詮はこいつもどこかの金持ちの息子。
勉強できる環境なんていくらでも揃っていただろう。
これが結局、この国、民主主義・資本主義社会の実情を表している。
同情するとすれば、彼らは営々と努力し続けなければならず、でなければ、その「競争社会」の中では生き残れないことだ。
いや、努力しなくても生き残ることはできるかもしれない。
しかしその場合は、競争社会の落伍者、負け組として、プライドはズタズタにされ、場合によっては家(イエ、家系)の存続さえ保証されない「転落社会」に様変わりする。
僕はこの世界の主人公リリスという存在がいたから努力した。
だが、もし普通に貴族の家に転生していたら気ままに一生を過ごしていたはずだ。
逆にそれ以外することがあるか?
「で、内容はこっちが決めていいんだな?」
「ああ、そうだ。僕は心の広い貴族だからね!」
モブ民たちを分からせてから三日。
背後からモブ民たちを操る黒幕を潰すべく、表に引っ張り出した。
こういう妙に自分に自信がある奴ほど簡単に釣れる。
相手は僕が無謀にも挑んだ、と思っているかもしれない。
だが、残念だったな。
まず僕の実力が相手に知られていない時点で、この勝負は僕の勝ちだ。
お前ら、明らかに僕の調査不足だ。
「よし、じゃあクラス同士のチーム戦にしようじゃないか。それなら公平だ!」
相手はニヤニヤと僕の後ろを見ながら言う。
別に、後ろの奴らを戦力として僕は期待していない。
「いいだろう」
「親に泣きつくんじゃないぞ!」
煽ってくるが怒りを抑える。
「とっとと始めるぞ」
そう言って僕らは運動場へと向かう。
「馬鹿だな。たまたま、こっちの罠を見破ったくらいで大きな顔をしやがって」
そう言われたが無視をする。
僕らが向かったのはスタンフォルスの近くにある大きな運動場。
ここはスタンフォルスの所有地で、実戦訓練を行える広い場所だ。
実戦を想定して木が多く生えていたり、泥沼があったり。
帝国にもない、なかなか立派な訓練施設だ。
それぞれが指定の位置に向かう。
敵は三十人以上。
対するこちらは・・・僕とアルス、そしてレーナ。
ルルドにはあまり期待していないし、モブ民たちも論外。
まあ、余裕だろう。
「そっちの準備は整ったか!?」
遠くの方からルーベルトの声が聞こえる。
それにアルスが答えた。
審判などいない。
どちらかが降参するまでの勝負だ。
今回は正当に手順を踏んで行っているので、だからこそ勝てば官軍だ!
向こうでは、
慌ただしく人が動く音が聞こえる。
おそらく、戦陣を組んでいるのだろうけれど、そんなの僕らに対しては意味が無いのだが。
「それでは始めるぞ!」
向こうからの合図と共に戦いが始まった。
こちらのモブ民は一歩も動かない。
「アルス、レーナ。両翼を頼んだ」
「了解しました」
「ルイ様は?」
「僕は真正面からやる」
僕の返答を聞いて、アルスが厳しい顔で僕に注意する。
「ルイ兄様、お願いですから、あまりやりすぎないでください!」
「分かった、分かった」
適当に答えて、僕は数歩前に出る。
そして手を前にかざし、意識をそこに集中させる。
周囲の魔力を感じ取り吸収していく。
そして魔法のイメージをして、魔法陣を構築する。
そして詠唱する。
「【ドラレスファイヤー】!!!」
そう聖級魔法を放つと一瞬にして目の前が豪火の炎に包まれる。
木々は燃え、泥沼は乾き、視界がどんどん良くなっていく。
黒煙は上へ上へと立ち昇り、外へと出ていく。
気づいたときには、口をアングリと開けてすでに絶望した奴らのアホ面が目の前に広がっていた。
さあ、ショーの開幕だ!
15
あなたにおすすめの小説
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第2巻発売中です!】
逞しく成長したリューク、そしてジーナ、ユフィオ、キスティーが大活躍します!
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【書籍第3巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。アニスもレムも超カワで、表紙もカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【2024年10月23日コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
異世界で目が覚めたら目の前で俺が死んでました。この世界でオリジナルの俺はとっくに死んでたみたいです
青山喜太
ファンタジー
主人公桜間トオル17歳は家族との旅行中、車の中ではなく突然なんの脈絡もなく遺跡の中で目が覚めてしまう。
混乱する桜間トオルの目の前にいたのは自分と瓜二つ、服装さえ一緒のもう一人の桜間トオルだった。
もう一人の桜間トオルは全身から出血し血を吐きながら、乞う。
「父さんと、母さん……妹をアカリを頼む……!!」
思わず、頷いた桜間トオルはもう一人の自分の最後を看取った。
その時、見知らぬ声が響く。
「私のことがわかるか? 13人の桜間トオル?」
これはただの高校生である桜間トオルが英雄たちとの戦争に巻き込まれていく物語
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる