アルファのアイツが勃起不全だって言ったの誰だよ!?

モト

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平凡モブのオメガがアルファから逃げられない。

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おかしい。

俺は、どうやらタイムスリップしたようだ。





気が付いたら、工藤の家のベッドの上で、日付が3日も過ぎてしまっていた。

目が覚めて、ベッドに置かれている日付入りのデジタル時計を見て愕然とした。

金曜日の放課後、工藤の家へゲームをやりにきた。それで今、月曜日の朝とはどういう事だ。



「なぁ、工藤……」



俺はなぜ裸で寝ているんだ? そして、なぜ、工藤はいつまでも、俺の身体をチュッチュしてるんだ……。

どういうことだ。



「あれ? 満? 意識ハッキリしたの?」

「み、満って……!」



なんだ!? その満面の笑み。ひーーー!! モブが見ていいもんじゃない。目が潰れる!?



いつの間にか、近藤から満呼びになっているし、雰囲気がドロドロに甘い。

とりあえず、工藤から逃げようと身体を動かすも、全く力が入らなくて下半身が鉛のように重い…

…。



「どういう事だ? これは……」

「身体動かないの? 大丈夫? 今日一日まだ寝ていて?」



心配した工藤が腰をさすってくれる。それからシーツでくるんと俺を包んで膝に乗せた。そう、裸の工藤の膝上に。



「よ、よせよっ! あっ」



ずるんとベッドから落ちてしまった。

それほど高くないベッドだし、クッションが敷かれていたから落ちた衝撃はそれほどなかった。けど、くっ!!! 全身に鈍痛が。しかも、このお尻に感じる猛烈な違和感はなんだ!?



「大丈夫? 無理しないで」

よっと、また再び工藤の膝上に戻される。

「……すまん」

抵抗しようにも身体が重いし……。あっ! どうしよう、3日も無断外泊してしまった。



「あぁ、満の親にも、学校にも連絡入れているから大丈夫だよ。満は安心してゆっくりして、ね?」

何という手回しの良さ……恐ろしい。

この工藤の態度、俺の身体の違和感(主に尻の穴がな!)さすがに鈍感って言われる俺だってわかってしまう。……この3日間、どうやら俺たちはセックスをしてしまったようだ。





すると、当たり前のように工藤の唇が俺に覆いかぶさってきた。

「うぐっ!? なに? 手邪魔なんだけど。満?」

「……」

そりゃ、いきなりキスされかけたら手でおさえるだろう。

工藤は、何も答えない俺を見つめる。

「あれ? もしかして、覚えてない?」



一瞬、ショックを受けた顔をしていたが、すぐにいつもの優しい顔に戻る。



「そっか。まだ慣れてない二度目の発情期に、アルファのラットを至近距離で受け止めたから、ヒートがきつくなったのかも。他に変な所ない?」



変な所ありまくりだわ! 腰も股関節も痛いし、尻の違和感半端ないし、何より工藤の態度が変だろう!?



「あ、あのさ、世間的には、こういうのって、レ、レイプって言うんじゃないのかよっ! 俺、意識ねぇもん。それって最低じゃねぇかよ」



いくら、俺がモブだって平気なわけないだろう。

優しい仮面をかぶって、なんて奴だ。

じわっと涙が溢れてきた。

俺の気持ちを無視して。



「あれ? そこも覚えてないの? 僕、ちゃんと了解とったよ? あぁ、泣かないで。」

ちゅっと目にたまった涙を唇で吸い取られる。

「わーっやめろ」



この雰囲気に置いてけぼりだ。



「ね? 僕が満の事好きだって伝えたら、いいよって言ってくれたんだよ?」

「え……好き?」

「うん。そう。満が好き」



好きって、こんな完璧なアルファが……ううん、工藤が俺の事好き……?



ぶるっと身体が震える。



「僕、満の事、中学の頃からずっと好きだったんだ。でも、満は僕の事全く眼中になくてさ、これでも結構アピールしてたのに、いつも軽く流されてた。」



そんな事言われても、工藤は、皆に優しかっただろう?全然わかんねぇよ。



「席が隣になった時とか、ずっと満にキスしてセックスする妄想ばかりしてた。満が発情期くるまで待つって決めていたけど、誰かにとられるんじゃないかって気が気じゃなかった。」



え……、お前、その爽やかな顔面で何考えてんの!?

中学の時って、俺はまだ恋愛なんて全然考えたことなかったよ。それに、誰も俺なんて特別視してねぇよ。



「もし、僕が普通に告白したら『俺とかないでしょー』とか笑って逃げていきそうだよね。満は。」

「う。」

「だから、逃げられないような部屋で告白したかったんだ」





結構、計画的なんだね……。どう考えても、この工藤がそういう方法をとった事に頭が追い付かない。



しかし、まぁ、普通に告白されたら罰ゲームとかかなって思うだろうな。それで、疑心暗鬼になって距離おく。絶対する。

俺なんてモブに告白なんて信じられるわけがないもん。こんなことになってしまった後だから信じられるのかもしれない。



「やっぱりキスしたいな。ダメかな? 僕と恋人になるって言ったことも覚えてないの?」

恋人……? 覚えてない。



覚えてないけど、工藤が、俺の事好きだっていう事は正直嬉しい。



工藤の唇が許可も待たず、また近づいてくる。近づいてくるから思わずまた手でおさえる。

「は、恥ずかしいから、無理。んっ」

工藤が手をペロっと舐めた。

「いいよ。じゃ、手にキスしちゃうから」



ちゅっちゅっと手にキスを落とされる。指、なめんなよっ! く、くすぐったい。

手を離すと、待ってましたというように、後頭部を固定され唇を貪られる。

「んっく、くど、ぉ……」

このキス……感覚が覚えてる。



そうだ。俺、2日前、工藤に告白されたんだ。

『中学の頃さ、苗字が近くて整列や席が傍になる事が多かったでしょ。近藤のそばにいると、なんか良くて、居心地がよくて。傍にいると嬉しくて』

『近藤がオメガだと分かった時は、本当に嬉しかった』

『他の子? 近藤以外に勃起するわけないでしょ……』

この二日間、好きだ、好きだとうるさいくらいに言われた。



そうだった……。



俺は、ゆっくり目をつぶって、その情熱的なキスを受け取った。

なんだよ。両想いだったのかよ。



くちゃっと唾液が音をたて、工藤の舌が俺の口の中をかき回す。角度を変えて、口の中全部味わっているようだ。優しく舌が巻き付く。

きもちいい。



「……満ってキス好きだよね。トロンとしてきた。すごい色っぽい」

俺みたいなモブがトロンって気持ち悪いだけだよね。でも、俺を映す瞳がとても欲情していることが分かったから嬉しくなった。



「はぁ、その様子だと、まだ発情期抜けきってないね? 今度は意識ちゃんとあるままで、セックスしようね」

「え……?」

「そう。ここで、僕のを受け止めてね」

工藤の指がするっとお尻の割れ目に添えられる。クッと軽く指で押しただけなのに、指がお尻の中に挿いってしまった。

「んっ!?」

どこか、うっとりした感覚が、急にはじけた。



「わーっ!!!! 無理無理。無理。そんなの絶対に無理!!」



だって、さっきからお尻を押してくるその物体……めちゃくちゃデカい。



アルファは皆、ちんこデカいって言うけど、ホントにそうなんだもん。そんなん、銭湯とかでも見たことねぇよ。怖いっ! 凶器!

だから、なんで、そんなにギンギン勃ってんのぉ!?

このアルファがEDって言ったのホント誰だよぉぉ!?



「大丈夫。もう、何度も挿れちゃってるから。よくお尻も解して気をつけたから、お尻も切れていないでしょ?」

大丈夫、大丈夫とニコニコとお尻の穴の指をゆるゆると動かす。

知らなかった……。工藤ってめちゃくちゃ強引なんだ。優しいふりして、その強引さはアルファそのもの。



「ひ、ひぃい、うぅ。無理ぃ」



なのに、なんでだ!? また、指が動く度、身体の奥が熱くなってグジュグジュっと音が出てくるほど愛液が溢れてしまう。



「……ねぇ、満? まだ高校生だから番にはならないけど、いつかなって」

「ん? ん、んあぁあん、ゆ、指増え、っそこ、そんなに擦らないでぇっ」



いつしか指は三本に増やされている。工藤が何か言っているけど、きつい快感で何言っているのか頭に入ってこない。



「今は、項噛まないけど……。もし、僕から逃げたら噛むからね。浮気しても噛むから」

「ん、んあぁあん、ひ、ひ、強いっ」



指をずるッと抜かれ、工藤のモノがお尻にあてがわれる。ひくひくとお尻が期待にひくつき、愛液が股に滴り落ちる。

「満……、挿れるよ」

「あ!? まっ! あぁあっんん!!」



ぐっと、工藤が入ってきた。

目一杯苦しいのに、奥に工藤が埋まっていくことが嬉しい。なんで? なんで、こんなに嬉しいんだろう。



俺、そんなに好きだったのかな。

モブだってことで自分を抑えてたけど、本当は好きで憧れて仕方なかった?

俺ってば、自分の気持ちまで鈍かったのかよ。

「満? 大丈夫?」

笑顔を忘れ、切なく欲情しきった雄の顔の工藤。

お前、笑顔の下にはそんな顔隠してたのか。俺を欲しくて堪らない顔……。



そんな顔、皆知らないだろう。

「ははっなんだ、これ? うれしいっ」

俺は、工藤の首に抱き着いた。抱き着くとお尻の中の工藤のモノが益々デカくなって内部の全部が擦れて頭が沸騰しそうな程気持ちいい。



腰を揺らし始めて、俺の名前を馬鹿みたいに呼ぶ工藤。

「ああぁ、んあああんっく、工藤、く、どうっんあっ」

いやらしい音が部屋に鳴り響く中、俺達はまた、意識を失うほど抱き合った。











なんだ。コレ。

俺は、工藤の服を着て、工藤の膝上でご飯を食べさせられている。

「はい、あーん」

これは、アルファが気に入ったオメガに尽くしてしまう本能的な部分なのだろうか。

「俺、自分で食べられるよ」

ベッドから起き上がれはしないけど、手は動かせるんだからな。

「ふふふ。満って本当にオメガっぽくないよね。そこが可愛いけど。だけど、アルファってそういう生き物なんだから、ベッドの上くらい堪能させて?」

「……」



いや、もう何も言うまい。諦めも大事だ。

もぐ、もぐっと工藤から食べさせてもらっていると、また、お尻に押し付けられてるモノが……。



「おい」

「ふふ」



なんで、そんなに勃起してるんだよ。万年発情期か。どんだけヤッたと思ってるんだ。こっちは下半身丸ごと感覚ないくらい疲労してるんだぞ。

怪訝な顔で睨んでいると、さらにデカくなってくる。ひぃい。







「このアルファ勃起不全だって言った奴、誰だよーーーーーーー!?」









END
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