きみはオメガ

モト

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2 小次郎視点

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「はい。小次郎君、カフェオレどうぞ」



朝目覚めてリビングに向かうと、俺の完璧な恋人のあっちゃんがカフェオレを差し出してくれた。

ミルクたっぷりの俺好みのカフェオレ。

「ん。ありがとう」

マグカップを受け取ると、ふわりと笑って向かい側のソファに座る。俺の恋人なのにどうして隣に座らないのだろう。

あぁ、あっちに雑誌があるからか。

俺の視線を感じたのか、あっちゃんが困ったようにこちらを見た。



「小次郎君、そろそろお家帰った方がいいよ?僕の部屋に泊りにくるのはご両親心配するよ」

まるで、子供に言い聞かすような言い方なのは、彼の癖だと知っている。



「……ちゃんと親には言ってる」

あっちゃんは淡泊だ。セックスの最中はあんなに乱れるのに、セックスが終われば恋人になるまでとまるで変わらない。



俺は、立ち上がってあっちゃんが座るソファにくっついて座る。

「こ、小次郎君っ!…家族はもう出かけたけどリビングだよ!?」



あっちゃんの家族は僕が彼に執着している事を知っていた。付き合っていることもあっちゃんの家族には伝えている。怒られたけれど許された。

あっちゃんの家族には感謝して丁寧に付き合っていかないとと思っている。



あっちゃんにはその事を伝えていないから知らない。アルファは番には逃げられないように外堀を埋めるのだ。



アルファがオメガに執着するソレと同じように、僕は昔からあっちゃんだけだ。





「ただ、くっついているだけ」

「くっついているだけ…そうか。ごめん。僕はなんだか早とちりしちゃって」

苦笑いをして謝ってくる。

身構えている彼。恋人になってから少しぎこちない。



彼の肩までの髪の毛をそっと上げると、昨日付けた歯型とキスマークをつけていた。番になれるように噛んでいる。

なんで、これで本当の番にならないんだろう…。



「こ、小次郎君」

「…何?」

至近距離でじっと見つめていると、あっちゃんが身をすくませた。

「なんか怖いよ」



俺もアルファだから知らず威圧するのだろう。あっちゃんがそっと立ち上がって俺から離れた。

そのことにムッとする。



昨日は、あんなに乱れたのに。





恋人になってもあっちゃんから求められる事は皆無なので、彼にせがんで彼の部屋に泊った。久しぶりだったし、恋人になって初めての泊りだった。

柄にもなく緊張していると、彼が寝息を立て始めた。



え…恋人が横で一緒に寝ているのに普通に寝ちゃった?



あっちゃんは昔からそうだ。俺の世話を焼くし俺の事を好きだと言うけれど、それだけなのだ。昔から俺だけが片思いのまま。恋人になっても変わらない。



俺だけ興奮していたのかとガッカリして寝ようと努力をするが、あっちゃんの匂いだらけの部屋は興奮が収まらない。





我慢できなくて眠っている彼にキスした。



唇を何度も合わせてから、舌を彼の口腔内に挿れる。

あっちゃんは舌の付け根を舐めるのが好きだ。彼が気持ちよさそうな反応はすかさずチェックしている。



まだ、彼が好きなところは数えるくらいしか知らない。これからもっと知っていくんだ。





キスが深まってくると、あっちゃんのチンコが緩く勃ちあがったので愛おしい気分になった。ズボンを降ろして、構わずチンコを舐めた。



俺のキスだけで勃起する可愛いチンコ。あっちゃんの身体の部分で一番分かりやすい部分だ。すぐ勃ちあがって、すぐ愛液が溢れる。

ぺろぺろとキャンディのように舐め、顔を離して、寝ている彼の様子を堪能する。



頬が赤くなって吐息が甘い。

彼の足をよく開き、涎まみれの陰茎から奥の窄まりまでじっくりと眺める。



チンコ舐めると連動してこの窄まりがヒクヒクと動く。

まるでアルファを求めるオメガそのように、愛おしのあっちゃんの身体も俺だけのモノにカスタマイズしている気がする。



ヒクヒクする窄まりに口を近づけて舌でよく舐めほぐす。舌を挿れるとハムハムとこっちでもキスしているみたい。



充分そこが唾液まみれになったけれど、痛みがあってはいけないからローションをたっぷり垂らす。

赤く染まったそこが液体まみれになるのはいつ見ても最高に興奮する。

ぐじゅり。





そうして指を一本挿入して、唾液とローションがグジュグジュと音を立てて掻きまわす。

「…ふぁん…あぁん、あぁ」

喘ぎ声。起きたのかと彼を見るとまだ寝ている。



ここ、よかったのか。



指を腹部側にまげて触って欲しいと主張する膨らむ前立腺を押してヨシヨシと擦る。

「あぁん…ん…ん…こじ…ろ…あん」

俺の名前っぽいのが喘ぎ声に混じる。ドキドキと心臓が痛くなる。

俺の名前を呼んだご褒美とばかりに色んな液体で濡れるチンコを口に包み込む。

アナルには指三本目を挿入して前立腺を擦りながら拡げる。前立腺を押す度、口の中のチンコが飛び跳ねるのが面白い。

根本まで含んで口で少し擦ってあげると口の中に彼の精液が溢れた。

それをこぼさないように飲み干す。あっちゃんはあまり自慰しないのか、いつも濃い。



「ん。あっちゃん」

彼を気持ちよくさせている事に満たされる。



「そろそろ、挿れたい…我慢できなくなってきた」



目覚めないかな…。挿入する時はいつも顔を見て挿れたいのに。

彼の窄みに自身のチンコをピタリとあてがう。ひくっと先端を飲み込もうとする動き…。

「あっちゃん、挿いっちゃうけど…」



軽くずっと揺する。起きないから、彼の服をまくし立てて乳首を吸ったり噛んだりするのに喘ぐだけで起きない。

先端をアナルにモグモグと食べられて、我慢できなくなりズズゥっと腰を進めてしまった。

「ぁあ、んん―…」

「…っ」

半分まで挿入したのに起きない。代わりにぴょこんと彼のチンコが起きた。



俺の挿入しただけでここ勃起するようになったんだ…。えっろい。



全部を挿入してしまわず浅いところを突く。

気持ちいい。全部挿れなくても凄い気持ちい。

「あ、あ、あ…っ。あんっあ…」

「あっちゃん、浅いとこ突くの好きだもんね…起きるまで好きなとこだけ突いてあげるから気持ちよく起きてね」



リズムよく突いているとぎゅうっと特に締め付けが強まった。



「んん…んあっ!あ…?あ…?へ…?こ、じ、ろ…く?」

「起きた。あっちゃん。気持ちいい?」

あっちゃんは僕と自分の繋がっているのをみて驚いた。



「…えっ!?なんでっ、ひ…あぁああっ!!」

「あっちゃん」

あっちゃんの目を見て奥まで一気に挿入し最奥へ精を出す。アルファは精を出したら長い。射精しながら気持ちいい奥の場所を揺すり続けて自分の精液を奥に擦り付ける。



「んんっ!!お、奥っ!!お腹く、くるしい」

「ん。苦しいね。でも、ほら、擦って拡げていくから。もう少ししたら俺の大きさに馴染んで苦しくなくなるから」



射精し終えたが萎えない自身を引き抜いて、そしてまた浅く挿れ直す。

「んあぁあっひっひぅん…っあ、やぁ!!」

そして浅いところを再び擦りつける。



「いやじゃないでしょう。ちんちん挿れるの気持ちいいでしょ?ここ突くと、あっちゃんのちんちん震えて厭らしいのタラタラ出すもんね」

わざと厭らしい言葉を選んで彼の耳元で言いながら突く。



「ひゃぅ…んんっああっああん」

すると、あっちゃんが勢いよく射精した。二度目なのに。元気いいな。



「…ひゃ…はう…はっはっ」



彼の腹部は精液が溜まり最高に厭らしい。目の保養。



「あっちゃん、ここ突きあげただけで前触らずイケるようになったんだ。流石、俺のオメガだね」

「こ…こじろ、く、ん」

ヨシヨシと彼を撫でる。



息が整うのを待っていると、あっちゃんの理性が先に整ってしまい、コツンっと軽めのゲンコツが降ってくる。

「抜いて」

そう言って、自分の腰を引いて抜こうとするけれど、アルファには瘤があるから射精するまで抜けない。



「あ、あれ、抜けない…ん、ん、ん」

抜くためにくねくねと腰を動かす。半泣きになっている。

「こっち。抜くためには腰をもっと動かなさないと」

そう言って、彼の腰を掴んでゆるり始める。中出しした精液グジュグジュ音がなっている。



「ひっやだぁ!酷いよぉ、眠っていたのに…」

「そうだよ。番と一緒なのに一人で寝て酷いよ」

「だって眠たくてっ…あぁ、やだ、やだぁ、奥また深くなっちゃ…」



彼の腹部を優しく撫でる。奥までというけれど根本までは挿入していない。

彼には出来るだけ苦痛を感じさせたくなくて慣れるまで動かさない。あやすように腹部を撫でながらキスをして、乳首を指で捏ねて軽く引っ張って弄る。



「あっちゃんの乳首捏ねるとお尻もキュウキュウしてる。俺の精を搾り取ろうとしてるみたい」

「んんっあ、っち、が…うん…ひぅう」

違うと拒否するあっちゃんに見せるように乳首を引っ張った。きゅうっと締まるアナル。



「ほら、分からない?もう一回、乳首引っ張るよ」

「ひゃぁっんんっんあっ!わか、分かった…んんっあぁん」



俺によって作り変えられていく彼の身体の変化は必ず伝える。そうでなければ彼は分からないのだ。





「次は後ろから擦ってあげる」

そう言って彼を後ろから犯した。俺のサイズにようやく慣れて奥への出し入れもスムーズになる。

「ひぃうっちんちん、そこやめ……あ、ああん!」





そうして、あっちゃんの身体を堪能しまくって終わった後もベッドで抱きしめて寝た。



朝は彼が腰が立たないと思っていたのに。

エッチが終われば余韻もなくそそくさと逃げて行ってしまう。もっと、ベタベタとしたい俺と、反して素っ気ないような彼の様子。



「あっちゃん」

起きた後もキスしてひっついていたいと思うのは自分だけ。



マグカップを洗う彼を睨むように見つめる。



「だから、小次郎君…怖いよ」



「あっちゃんは俺の事好きじゃないの?」

俺はあっちゃんがエッチが終わった後も、俺にひっついて離れなくなることを願っているのに。番になったオメガはアルファから離れられないと聞く。俺はあっちゃんにそうなってもらいたいんだよ。



「…す、好きだよ」

「俺もあっちゃんが好き」



僕は時折アルファらしくないと言われる。



だけど、俺はあっちゃんに対してだけはアルファそのものだと思う。アルファのエゴ。



俺が近付けばまた彼がふわりと距離を置こうとする。俺が一度決めたからはもう君は俺のオメガになったんだ。俺がアルファで君はオメガ。唯一の番。

逃げる彼の腰を掴んでこちらに引き戻す。







「あっちゃんは俺のオメガ」



言い続けるのだ。

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