きみはオメガ

モト

文字の大きさ
上 下
1 / 2

きみはオメガ

しおりを挟む
隣の家に住んでいる小次郎君は、僕より1つ年下の男の子だった。

出会った頃の記憶はない。僕達母さんズは僕達が赤ちゃんの時から互いの家に入り浸る程仲が良かったからだ。


小次郎君は、少し変わっている。
「小次郎君、今度は何して遊ぶ~?」
「……」
「お絵描き?それともおもちゃで遊ぶ?」
「……」
「じゃ、おもちゃで遊ぼうね!」
反応をみながら話すと、コクリと頷く。

そう。小次郎君はあまり話をしない子だった。子供なのに表情が少ない。
赤ちゃんの頃からの付き合いの僕からしてみたら、それが小次郎君の“普通”なのだと分かってあげられるけど、周りの子供はそうじゃなかった。

皆、小次郎君の事を“変わった子”だと言った。


だけど、小次郎君はとてもキラキラとした妖精のような見た目をした子供だった。
話をしない程度で小次郎君の事を嫌いになったりしない。それより小次郎君の気を引きたくて、子供も大人も仕方がないようだった。
「小次郎君、幼稚園行きたくないの?」
「嫌い」
「僕と手を繋いでいこう?」
小次郎君は僕の身体をぎゅうっと抱き首をブンブンと横に振った。
どうやら、小次郎君は女の子たちから過度なアプローチを受けていたようだ。
服を引っ張られて破られたり書いた絵がとり合いになったり、いつも幼稚園の先生が小次郎君のママに謝っていた。




「あっちゃん」
「ん~。なにぃ?」
小次郎君は僕の事を“あっちゃん”と呼ぶ。
僕の名前はあき。不破 秋。ちゃんづけは恥ずかしいけれど小次郎君に呼ばれることは気にならない。


小学校になった僕らは、学校から帰ると互いの家で約束もしていないのに過ごす。互いにそれが“普通”だと感じた。小次郎君は相変わらず無表情で言葉は少ないけれど、それは彼がおしゃべりでないだけ。彼は沢山の言葉を知っている。彼と会話をすればすぐに分かることだ。



僕は呼びかけてきて何も話さない小次郎君の顔をジッと見た。
「ん~。その顔はなに?分からないなぁ?」

ずっと傍にいる親友だけど、未だに僕は彼の事が分からない。でも、分からない事だらけで面白いじゃないか。
今日も面白さに包まれているよ小次郎君。最高にミステリーだよ。

「当ててみようか。お腹空いた?」
小次郎君は、フルフルと首を横に振る。
「じゃ、本に飽きた?」
フルフル。
「ん~。あ、ゲームしたい?」
「呼んだだけ。」

「……そっかぁ。…呼んだだけかぁ。」
なるほど。呼ばれただけであった。
僕は、呼ぶ=用件がある。と思い込んでいる所があるな。何事も思い込みはよくないね。


すると、ソファで座っている僕の肩に小次郎君の頭がコツンと乗っかってスリスリと甘えるように擦られる。
これは、小次郎君の癖だった。小さい頃から僕の肩周りは彼のスリスリゾーンなのだ。
それは、言葉の少ない小次郎君にとって甘える方法の手段なのだ。
「はは。くすぐったい」
「……」
ぎゅうっと僕の身体を抱きしめてさらに甘えたになる。




小学校高学年になると、小次郎君の頭脳がずば抜けていることが全国テストで分かった。英語も大学入試で出てくるような問題をスラスラと解けてしまうようだ。
「一度聞けば分かる」
小次郎君は一度英語を聞けばネイティブ発音で話す事が出来る。他の科目もそうだ。超天才だったのだ。

学校でも時折、彼の事を見かけるが、周りの女の子から絶大な人気を誇っていた。
先生や大人が「小次郎はアルファだろう」と呟いていたのを聞いたことがある。

あ。
そういえば、この世界には第三の性別があって、アルファ、ベータ、オメガがあるのだ。
優秀なアルファは、子供の時からその才が表立っていることが多くて、小次郎君もそうではないかと言われている。

うん。小次郎くんはアルファで間違いないな。




「小次郎君、今日はお泊り会の日ではないよ?平日だし、明日学校だよ?」
僕が中学一年生、小次郎君が小学6年生であった。まだまだ互いに一番気の合う親友同士だ。互いの家の行き来は続いている。

小次郎君の手に枕をもっている。寝る気満々だ…。
「小次郎君…もしかして…」
「うん」
「寂しいの?」
すると、こくりと頷く。
…そうだよね。小学校の5年間はずっと登下校同じだったけど、中学校は別方向だし部活動始めた僕は小次郎君との時間をあまり作れないでいた。

「そっかぁ。いいよ。おいで~」
大きくなっても小次郎君は小次郎君だなぁ。

「あ、小次郎君半ズボン、寒くない?そんな薄手だと風邪ひくよ?僕の長ズボン貸そうか?」
「あっちゃんの…ズボン?」
「うん。君は成長が早いからぼくと一緒のサイズでしょう」
「いいの?」

小次郎君の目がキラキラしている。なぜだろう。嬉しそう。相変わらず表情が乏しいけれど、感情の変化は実は分かりやすい。
「?どうぞ」
すると、着ていた半ズボンを脱いで僕の長ズボンを履いた。
「俺のズボンはあっちゃんが履いて」
「え~?じゃ、僕寒くない?」
フルフルと首を振った後、小次郎君は僕のベッドに入った。そして布団をめくりあげて、僕を見る。

「あっちゃんが寒くないように抱き着くから」

ん~。僕のズボン貸した意味があっただろうか。

「お願い」
「……」

僕は、この小次郎君の“お願い”に非常に弱い。
自分の欲求ほとんど言わない小次郎くんが“大したことないこと”でお願いをするのだ。

小次郎君の食べているプリンが美味しそうだと見つめていたら、小次郎君が「あーん」とスプーンを持ってくる。それを断ったら、“お願い”をされるのだ。なぜ、食べさせる方がお願いをするのか分からない。

「もう。仕方ないなぁ」
そう言って履いているズボンを脱いで小次郎君の半ズボンに履き替える。

「……」
「これでいい?」
「……凄く」
満足してベッドに入った僕の身体をギュウギュウっと抱きしめる。

その夜。小次郎君にしっかり足を絡められ、おかげで僕は全く寒くなかった。
むしろ、寒かった気候が暑く感じた。

朝起きると、小次郎君が僕に抱き着いたまま寝ていた。いつもはその光景を嬉しく思うのだけれど、今日は自分の身体に違和感を感じた。
下半身がぬめっとしている。
……まさか、この年になってお漏らししちゃった!?


僕は、まさかと急いでトイレまで行くと、白っぽいとろみの液体が下着を濡らしていた。
「……」
まさか…精通って事?精通しちゃったんだ。でも、よりによって小次郎君のズボンを履いている時になんて事しちゃったんだろう。
自己嫌悪しながら、部屋に戻ると小次郎君はいなかった。

「戻ったんだ」
すると、スマホの画面が光り、小次郎君からのメールが届く。


『おはよう。あっちゃんのズボン凄くよかった。とても嬉しくて自分でも少し驚いた状況に陥った。初めての事で慌ててしまって挨拶もなく帰ってごめん。今度は俺の部屋に泊りに来て欲しい。本当はいつでも会いたい』

小次郎君はメールだと割と長文を打ってくる。いつもはメールとのギャップの差を微笑ましいと思うけれど、今はそんな余裕がない。
「小次郎君のズボンを履いた時に精通するなんて……」

ズボンはキレイに揉み込み洗いをしたからシミは作らなかったけれど、返却しようか迷う。このまま買い取らせてもらえないだろうか。
それを次の日に小次郎君に伝えると頷いてくれた。
「俺のズボン、あっちゃんにあげる」
「あ、あげるんじゃなくて買い取るよ!」
「セットアップだから上の服もあげる。上下で着ている所見せて」

小学生の子から服を奪うなんてとブンブン首を振り断ったのに、小次郎君は上の服もちゃんと届けてくれた。
上下の服を身に着けた僕を満足げに見てパシャリと写真を撮って帰った。

小次郎君の事…まだ僕はよく分かっていないな。





中学二年生になると第二の性の検査がある。

僕はベータだった。親もベータ同士だし。ベータである事を疑った事もなかった。

「あっちゃん、ベータって本当?」
「え?」
その診断結果を見た小次郎君が涙を流した。生まれてからずっと傍にいる関係だけど小次郎君が涙を流している姿は記憶にない。
あまりの衝撃に僕は年上なのにオロオロと慌てふためいた。

「こ、小次郎くんっ!!どうして!?何故泣いているの??」
僕は長袖の袖で小次郎君の涙をぬぐう。だけど、一度流れてしまった涙は止まらないようでポロポロと流れ出した。
「……」
こんな時も、小次郎君はなぜ泣いているのか言ってくれない。
仕方ないので、小次郎君をベッドに座らせて泣き止むまで背中をさすってあげる。

「俺の部屋に全然来ないじゃないか…」

涙が止まった小次郎君がポツリと言った。
そう。僕はあの夢精してしまった時から、罪悪感で小次郎君と少し距離をとっていた。
小次郎君の部屋には遊びに行っていない。
何故だか僕が行ってはいけないような気がするのだ。
今日だって、小次郎君がどうしても僕の部屋に来たいというから…。

「ずっと一緒にいれると思ったのに」
もしかして、僕が距離を置いたことを小次郎君は気を病んでいたのか?傷つけてしまっていたのかな。

中学生になって急激に身長が伸びて大人びた小次郎君だけど、まだまだ僕と同じように子供なのかもしれない。
僕と小次郎君の友情は少し離れた程度で簡単に切れるようなものではないよ。

「小次郎君が傍にいたいだけいればいいよ。ね?」

小次郎君がハッとしたように僕を見た。小次郎君の目が潤っていてキラキラしている。
「いいの?」
小次郎君の顔があまりにキレイすぎて少しドキドキしてしまう。
「う、うん」
頷くと小指同士の約束をさせられた。



その一年後、小次郎君の性はアルファだと診断を受けた。
診断結果に皆、やっぱりと頷いた。
僕も彼がアルファである事を喜んだ。

彼は益々勉強に運動に輝きを帯びていく。

これから現れる小次郎君の番はとても可愛いオメガなんだろうなぁと想像する。

まだ、早いけど小次郎君の子供が出来たら抱っこさせてもらおう。あと、僕も誰かと結婚して彼の隣の家に住めたらハッピーだなぁ。

そんなことを勝手に考えているけれど、小次郎君はまだ性が成熟していないのだろう。オメガの子を見ても無表情は変わらないまま興味もなさそうだった。
僕が中学校を卒業するまでの間、小次郎君に恋人どころか親しい友達は出来なかった。





僕らは高校生になった。小次郎君は同じ学校へ進学した。

「なぁ。秋。お前ってさベータだよな?」
クラスメイトの吉岡が僕を見て怪訝そうな顔をする。
「ん?その通りだよ。僕はベータだ」
「だよなぁ。じゃ、その首の噛み痕はなんだよ」
吉岡が僕の後ろ髪に隠れた首の噛み痕を指でつついた。後ろ髪を伸ばし始めて見つからないと思ったのに。
「……あぁ。これは……噛み癖の悪い人が噛むんだ」
「……」
嘘が大変下手なので、上手く説明できない。

実は、この首の噛み痕は小次郎君がつけたものだ。
元々僕の肩周りは彼のお気に入りのポジションだった。でも小次郎君はアルファだから、噛みたくなるのだろう。まだ恋人になるような相手がいないので仕方なく僕の首を噛んで誤魔化しているようなのだ。


「あっちゃん」
小次郎君が二年の教室まで来ていた。一年生の彼が二年の教室に来ることでざわりと一瞬ざわついた。
「どうしたの?」
「だれ?アイツ。あっちゃんの首触ってた…」
無表情ながらとても怒っているのが分かる。どうしたのだろう。

こんな目立つ所で話すのは気が引けると屋上まで彼の手を引いた。
屋上まで着くと小次郎君が僕をぎゅうっと抱きしめた。
「首、誰にも触らせないで」
「……それは、小次郎君が僕の首を噛んでいるから…噛み痕を心配してくれただけだよ。」
僕は小次郎君の背中をポンポンと叩いてなだめた後、彼から離れた。

「それより、何の用だったの?」
「……国語辞典貸して」
あぁ。国語辞典を借りに来ただけなのか。それなら教室前で聞いて渡せばよかった。僕はせっかちだ。
すると、誰かが屋上のドアノブを回した。
入ってきたのは、可憐な男の子だった。たしか、小次郎君と同級生の一年の子だったかな?
見る限りオメガという風貌の子。

その子は僕に会釈をして小次郎君に近づいてきた。
あ…この場合、僕がお邪魔虫では…。
「あ、後で国語辞典を教室に持っていくね」
そう声をかけて急いで屋上から離れた。




僕が家に帰ると、小次郎君が僕の部屋に来ていた。相変わらず小次郎君は僕の部屋に入り浸っている。
「君は、もう少し他の誰かと遊べばいいのに」
「いい」
端的に言って小次郎君は僕の傍に座りなおした。んん。いい匂いがする。
なんだろう?

不思議に思っていると小次郎君が持っている袋を開けた。プリンだ。
「プリン買ってきてくれたの?わぁい。うれしいなぁ」
僕はプリンが大好きだ。
小次郎君が二つあるプリンの蓋を開ける。カスタードプリンとチョコレートプリン。どちらも美味しそうで迷うなぁ。
「半分こしてもいい?」

許可をとる前に小次郎君が僕の口にカスタードプリンをあーんする。
「俺もチョコプリン欲しい」
「…はい。あーん」
強請られるままに彼の口にプリンを持っていく。

これ、絶対この家以外でやっちゃダメだよなぁ。そうと分かりながらも今更な感じもして続けている。

パクっと小次郎君が僕の指まで食べてしまった。
「ん。小次郎君。んふ。それ僕の指…」
小次郎君は僕の手からスプーンととり、指を本格的に舐め始めた。
くすぐったがりの僕の反応が面白いのか、最近小次郎君の中でこうした遊びがブームらしい。
「んんっ。あん。くすぐったいよ」
指の付け根まで舐められてまた別の指に移動する。終わらないその攻撃に僕が根をあげた。

「ふふ。もう僕の降参だよ。もう~。小次郎君はお茶目なんだから」
「……」
小次郎君は僕の指を舐めるのをやめた。

「勃った」
小次郎君が僕の手を股間へと導く。小次郎君の股間のモノが既にズボンからグゥ~ンと元気よく起き上がっている。
「あ、…それはもう駄目だよ。この間は、仕方なく互いのモノを擦り合ったけど…」
「ちんちん」
何故だか言いなおされる。
「そのちんちんをだね、擦りあったけど。通常、そういう事はしちゃいけないんだ」

そう。先日のことだ。3年ぶりくらいに小次郎君が家に泊りに来た。僕は断ったけれどどうしても一人寝が寂しいというので仕方なく泊めたのだ。
寝ていると僕のお尻に小次郎君の勃起したちんちんが当たっていて、無視してあげるのが優しさだと我慢していたのだ。
そう思っていたら、小次郎君が僕の首をハムハムと噛みだした。普段は何も思わないけど、その時は僕のちんちんまで勃起してしまった。
それがバレて、互いに欲望を手で擦りあったのだ。


「……俺はしたい」
「っ!気持ちよかったのは分かるよ!僕もそれは癖になるような気持ちよさだった。でも、君はアルファだから女の子かオメガとするべきなんだ。僕としちゃ駄目だよ」
「え?」
その瞬間、小次郎君は目を見開いて驚いた。


僕は、キツク言い過ぎたのかな。でも、やっぱりアルファの君の遺伝子は大事だと思うんだ。本当は、もっと他に目を向けろと言ってあげたいけれど、離れるのは少し寂しいから言えないでいる。


「オメガと…?」
「あぁ。アルファとオメガが番になる事は知っているよね。こうして僕の首を噛むみたいに
オメガの首を噛むと番が成立するんだ」

小次郎君はとっくの昔に知っているだろうけど、なんだかとても驚いているようなので僕は再確認のつもりでアルファとオメガについて説明する。

オメガの事を話すたびに小次郎君の顔色が悪くなる。もしかして体調が悪いのかな?
黙りこくっていた小次郎君だけど、話しはじめた。

「……男のオメガとはどうセックスするの?女の子みたいに挿れる場所ないよな?」
「…え、と。男のオメガとはお尻に挿れるんだ。発情期になれば女の子みたいにお尻が濡れるらしいから」
もしかして、屋上であったキレイなオメガの子を想像しているのだろうか。

小次郎君とあの子、並んだ時に凄くお似合いだった。僕なんかじゃとても似合わない。

「…………一緒にいていいって言った癖に」
「え?」

小次郎君の声があまりに低くて上手く聞き取れなかった。
次に小次郎君が顔をあげた時、声をあげて笑った。

こ、小次郎君が…声をあげて笑う!?


「けど、そっかぁ。なんだ」
「ど、どうしたの?なにかいい事あったの?」
「ねぇ、オメガの事分からないからもっと教えて?」
「……」
やっぱり、小次郎君はオメガのあの子も事を思い出していたんだ。

「間違って、在学中に子供出来たら大変だろう」
「はっ!!そうだね。で…でも、僕が教えられる事あるかな?」

僕はベータだから、それほどオメガについて詳しくない。第2次性についての勉強も、無関係だと思って頭に入っていかなかった。

悩んでいる間に僕のズボンに手をかけてズルリと剥ぎ取ってしまう。

「あっ!!何を!??」
驚いている間に小次郎君が僕の足をパッカリと開いた。マジマジと僕の股間をみつめている。

「ここに挿れるの?」
「あぅうっ!」
小次郎君がいきなり僕のお尻の真ん中をふにっと指で突いた。急に突かれてキュッとお尻に力が入ってしまう。ほんの少しだけ小次郎君の指を挟んでしまった。
「こんな可愛い小さいところに、ちんちん挿れるのか…」
「…こ、小次郎君?ぼ、僕はベータだよ?オメガじゃないよ」
小次郎君は何をしようとしているんだ。

「でも、あっちゃんの説明だと、お尻が濡れたらオメガだよな?」
「え?」
すると、小次郎君が急にガバリと僕の身体を押し倒した。
あまりの力強さに驚いていると、小次郎君の唇が僕の唇に押し付けられた。

小次郎君の舌が僕の口腔内を弄る。くちゅ…くちゅ…っと次第に唾液の音が聞こえ始める。
「あぁ…んんっ。小次郎君…んあぁ、こういう事はオメガ、んんっ」

オメガとしなくちゃダメだという声は小次郎君が口を塞いだせいで声にならなかった。キスだけで緩く兆し始めた僕のちんちんを小次郎君は容赦なく擦り始める。
「んんっ!んあぁ…ん」
「濡れてきた。あっちゃん気持ちいい?俺のちんちんも合わせて一緒に擦るからそれでイこうな」
「あんっ待ってっ熱いよぉ!」
この前と同じように小次郎君が腰を振りながら僕のちんちんとこすり合わせる。互いに濡れ合っている液体がぬめって気持ちいい。

小次郎君が僕の服を胸まであげて、胸の乳首をパクリと咥える。
「あぁんっそこ、男の子は舐めないんだよぉっ」
そう言ってもちゅうちゅうっと小次郎君が僕の乳首に吸い付いて離れない。

乳首をイジメられながら僕は射精してしまった。
小次郎君はそれから何度か往復を繰り返して、僕の目を見ながら射精した。

「……はぁはぁはぁ」
「くくく」
小次郎君が先ほどからずっと笑っている。どうしたのだろう。

僕は自分の身体を見た。
「ほら。あっちゃんみて、お尻濡れているよ。これでオメガだよな?俺のさ、大事なオメガなんだよな」

僕の下半身は前は僕自身が吐き出した精液でお尻は小次郎君の出した精液でドロドロになっていた。
なんて恥ずかしい恰好なんだ。

そして、僕の首に歯を立てた。
「んっ!」
「はは。これで、あっちゃんと俺は番だよ」
「……」

これは、間違っている。
僕の説明が足りないせいで小次郎君に間違った認識を与えてしまった。
首を横に振ったが、小次郎君は違わないと言った。

「ずっと、傍にいていいって言っただろう。あっちゃんがそう言った時からあっちゃんは俺のオメガなんだ」

「こ、小次郎君……」
小次郎君が先ほどからずっと笑顔を崩さない。あんなに無表情だったのに。


そういえば、小次郎君はあまり人の匂いが好きではなかった。
鼻が敏感すぎて人の匂いに酔うそうなのだ。あれは中学校の時、可愛いオメガが小次郎君に近づいて小次郎君は匂いで失神してしまった。
でも、僕の事は生まれてからずっと傍にいるからかいい匂いだと言っていた。
僕だけがいい匂いだと。

小次郎君は僕の濡れたお尻に指を挿れて、よくほぐした後、ちんちんを挿れた。
大きくてとてもお腹が張ったけど、「頑張ったなぁ。あっちゃんは偉いよ。さすが俺のオメガだよ。俺のお嫁さん」と優しく撫でてくれたので僕はうっとりしてしまった。

小次郎君が僕の腸内に精液を沢山出してくれる。その事に不思議ととても嬉しい気持ちになった。

アルファだがらすごい量の精液だった。お尻からトロトロと精液が溢れ出る。まるで尻から愛液が出ているようだ。


満ち足りたような気分がする。


「僕は君のオメガだったのか…」





きみはオメガ 終わり
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

毒花令嬢の逆襲 ~良い子のふりはもうやめました~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:45,917pt お気に入り:3,673

天宮のノベル倉庫

BL / 連載中 24h.ポイント:85pt お気に入り:86

要注意な婚約者

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,088pt お気に入り:426

負け組スタート!(転生したけど負け組です。)

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:958pt お気に入り:2

リス獣人の溺愛物語

BL / 連載中 24h.ポイント:134pt お気に入り:2,456

異世界にきたら天才魔法使いに溺愛されています!?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:25,589pt お気に入り:930

双月の恋

恋愛 / 完結 24h.ポイント:433pt お気に入り:27

わたしはお払い箱なのですね? でしたら好きにさせていただきます

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:29,574pt お気に入り:2,540

処理中です...