幼馴染

ざっく

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高校生

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高校も浩一とは同じだったが、修也はワンランク上の高校へ行った。
心愛ちゃんも修也と同じ高校を受けたが、落ちた。
心愛ちゃんは浪人か、私立の二択になって、私立を選んだ。
ようやく学校が分かれた!これで接点が減ったと喜んだのに、修也が私の家に来る頻度は減らない。
「進学校生!勉強しろよ」
「飯」
お前は関白か!
何故か、浩一までも家に来るようになっていた。
「何故だ」
「お前、料理上手だよな」
「何故夕食を食べる!?」
「ちゃんと食費払うから」
修也に聞いたらしい。
人数が増えれば、手間は同じで収入があがるというおいしい特典がつくが、彼氏ができにくいという悲しい事実もついてくる。
しかも、恋人ができにくいというのは、私にだけ付属するという悲しいお知らせだ。

バレンタインの日。
大量のチョコレートを持ち込む阿保三人。
修也と隼人と浩一だ。
「食う?」
食うさ!もちろんだ!
「お前のは?」
「私?今はやりの友チョコか?学校で食べ終わった」
修也の言葉に返すと、悲しそうな顔をされた。
「オレは貰ってない」
お隣の兄弟。
「オレはひとかけだけだったぞ」
浩一。

ひとかけでもやったじゃないか。
「こんなにあるのに、まだいるの?」
呆れて問いかけると、三人とも当然のように頷く。
私にくれるほどあるんだったらいらないんじゃないのか?
「まだ残ってたかなあ?」
チロルチョコくらいはあった気がする。
チョコを探していると、ドアベルが鳴って、心愛ちゃんがやってきた。
「バレンタインのチョコです!」
すごくきれいなチョコケーキだった。
「お菓子なら、ちょっと自信あるの!」
うふふ。と可愛らしく笑う。
お菓子ならね。包丁使わないからか?料理全くできないものだと思っていた。
チョコの大袋を持っていた私は、心愛ちゃんに横目で笑われた。
いや、こいつらがいるって言ったから、わざわざ出してきたんだよ?
―――ちょっと、恥ずかしかった。
男三人衆は、チョコケーキに感動しながら、私にチョコをねだったことなど忘れ去って大切そうに持ち帰っていた。
「オレ甘いの苦手なんだよね」
くらい言いやがれ。
―――疲れる。

心愛ちゃんが、私を嫌いなことは知っていた。
大体いじめられている事件だってそうだ。
心愛ちゃんが流した噂。隼人と修也に私の仕業だと訴えた。
多分、お隣の兄弟を独り占めしたかったから。
その気持ちは分かるよ。
二人に囲まれていると、お姫様みたいだった。
でも、いつまでその状態を続けるのかなあと思っていた。

「やめて、私のために争わないで!」
笑っていいところですかっ?
大学生になったというのに、相変わらず、私のうちのリビングで何故か勢ぞろいするご兄弟と心愛ちゃん。
時々来ては一応手伝いなどをしてくれる浩一。
心愛ちゃんの叫びに首を伸ばせば、兄弟が睨みあっていた。
「そろそろ独り立ちする頃だろうと言っただけだ」
隼人が弟を睨み付ける。
「兄さんは心愛を独り占めしたいだけだろう?」
どうでもいい。
そうして、独り立ちは、全員がしてくれ。
大人なんだから、食事くらい自分でどうにかしようという努力を。
「心愛、俺には君が必要なんだ」
「心愛っ!もう限界だ。どちらか選んでくれ」
修羅場は勘弁してほしいなあと思っていると、隣でお皿を抱えていた浩一がリビングに向かった。
―――ちょっと、ショックだった。
「わ、私っ……二人とも大好きだもん。一人だなんて」
泣きそうな声が聞こえる。
「修也も隼人も落ち着けよ。いきなり無理だろう」
「浩一君…っ」
もう、リビングをのぞけなかった。
結局、私はただのご飯担当で。
いないものとして扱われてリビングでは一昔前のメロドラマが展開されて。
ご飯出来たよと声をかけるときには、お隣のご兄弟だけがむっつりと残っていた。
―――お前らも帰れ。

それから、三角関係だか、四角関係だかが、どう動いたのか知らない。
聞く気もなかったし、聞きたくもなかった。
女子としての尊厳はごりごり削られて、あんなに大好きだったオシャレとかどうでもよくなって、大学生時代にも彼氏一人できなかった。
それなのに、相変わらず修也も隼人も浩一も心愛ちゃんまでもご飯を食べにくる。
修也と隼人だけがお互いがいるときは、後から来た方が帰ることだけが変わったこと。
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