絶対、手に入れて見せる!

ざっく

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突然、雰囲気を変えたリアム殿下に驚きながらも、いつもよりずっと近い距離に顔が赤くなる。
寝転がっているアニータに覆いかぶさるようにリアム殿下は、アニータの顔を覗き込んできた。
普段ではありえないほどの薄い布越し。
胸や腕が彼の同じ場所に触れている。
その逞しさを感じられて、アニータは胸がどきどきした。
「アニータ、目を閉じて」
大きな手に頬を包まれる。
リアム殿下が、息遣いさえ感じられそうな至近距離でアニータの目を閉じろという。
アニータは、言われるがままに目をぎゅっと閉じた。
言われずとも、その距離で顔を覗き込まれるなど、目を開けたままでいるなんて恥ずかしくてできない。
アニータが目を閉じた瞬間、ふにゅっと唇に柔らかな感触がした。
何があったのかと目を開ければ、アニータのその反応を予想していたかのように、
「目は閉じておくように」
リアム殿下はそう言ってアニータの瞼にキスをした。
い、今のって……!
今度は、唇を濡れた何かが……いや、もう分かっている!
リアム殿下の舌がアニータの唇を潤すように舐めていく。
時々、唇で啄むようにアニータの唇を食む。
ちゅぱっと、わざとさせたような大きな音を立てて唇が吸われた。
「んっ」
背筋にぞわっとした感触が走って、思わず鼻から抜けたような変な声が出てしまった。
それが恥ずかしくて顔を背けようとすると、頬を包んでいた手がアニータの頭の後ろへ回り、頭を固定してしまう。
「リアムでん・・・」
恥ずかしいですと伝えようとした口は、深くふさがれて、声が出なくなった。
彼の舌がアニータの唇の間からゆっくりと入ってくる。
ふるっとアニータが震えると、後頭部に回った指先が髪の中に潜り込んで優しくすいていく。
リアム殿下の舌が、アニータの舌と絡まりくちゅくちゅと音を立てた。
その音が恥ずかしくて、音を立てないように、アニータは口を閉じようとする。
それはリアム殿下の舌を噛んでしまうことになり、歯に柔らかい感触があたって、驚いてしまった。
彼が息を吐き出して笑う雰囲気が伝わってきたが、痛くなかったのだろうか。
(すごく柔らかかった)
その柔らかいものは、今はアニータの口の中を探検中だ。
舌を絡められ、歯列を辿られた。
歯だなんて、感触も何もない場所だと思っていたのに、リアム殿下の柔らかい舌が辿ると、もどかしいようなぞわぞわした感触が背筋を駆け抜けていく。
息苦しくて肩を叩くと少しだけ距離ができた。
はふはふと一生懸命息を吸い込んでいる間も、目元や頬にキスが落ちてくる。
苦しくて涙でにじんだ目を少し開けて見上げると、霞んだ視界に微笑んだリアム殿下がいた。
「アニータ、鼻で息をするんだ。でないと窒息するよ」
鼻でって言ったって、思うように自分の体が動かない。
笑いながら、キスを受けるときのレクチャーをされたことにムッとして、リアム殿下の頬をつねった。
すると、つねられて歪んだ顔で、リアム殿下がびっくりした顔になるから、面白くて笑った。
「経験豊富っぽいことを言わないでください。嫉妬で襲いますよ」
アニータがいたずらっぽく睨むと、リアム殿下も笑う。
「私が襲っているんだがな?」
面白そうに目を細めて、リアム殿下はアニータに口づけを再開する。

「ふぁ……でんか…」
角度を変えるたびに漏れる自分の鼻に抜けたような甘ったるい声をやめたいのに、彼がやめさせてくれない。
口づけを繰り返す彼の瞳が甘くとろけているのを見たくて、アニータは目を開けたままでいる。
それに苦笑を漏らすだけで、リアム殿下が何も言わないのでアニータは彼を見つめ続ける。
アニータの声が漏れるたび、アニータの息が荒くなるのを喜ぶように、リアム殿下の瞳が柔らかく緩む。
「アニータ……」
低くてかすれた声に名前を呼ばれて、アニータの胸がどくんと音を立てる。
すごく、求められているような声だった。

リアム殿下の、アニータの後頭部を支えていた手とは反対の手が動き始める。
アニータにキスをしながら、リアム殿下の手がアニータの胸に触れる。
自業自得ではあるが薄いスリップドレス一枚のアニータは、ほぼ直接触れられたようなものだった。
「ふぁんっ」
びくんと体を揺らすアニータの頭を撫でながらも、リアム殿下の手は止まらない。

柔らかな胸をこねるように、大きな手で包み込んでしまう。
殿下の大きな手にもあまるほどの大きな胸が、寄せられたり持ち上げられたりしている。
「は…あ、リアム殿下…あっ、恥ずかしぃ」
ようやく口が離れていったと思って、そう口にすれば、にっこりと笑われた。

「アニータ、既成事実が欲しいんだろう?」
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