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恋の駆け引き5
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「………」
「………」
「……ああ、緊張した」
伯爵が部屋を出ていくのを待って、リオは体の力を抜いた。
グレンとオリヴィアは固まったまま動けない。
「ごめんなさいね。高位の方と話すと、どうにも口調が固くなってしまうのよ。偉そうに話せと言われてるのよ」
あ、座って座ってと、グレンにソファーを勧めるリオは、いつものリオだ。
今でこそ、公爵夫人となっているが、元々は男爵令嬢。伯爵なんて、様を付けても呼びかけることなどなかった人相手に、偉そうになんて難しいことを言わないで欲しい。
「違うのよ。今のは。グレンの『長官に言いつけるぞ』っていうのは理解したんだけど、そんなの、こっちだって言いつけてやるんだから!っていうのを、格好良く言ったのよ」
リオとしては、もっと冗談ぽく返す予定だった。
けれど、あの口調で冗談は難しい。どうしても嫌味っぽくなるし、こっちが高位なだけあって、押さえつけるような言葉になってしまう。
なるほど、だから偉い人たちは冗談を言わないのかもしれない。新発見だ。
「……びびった」
ソファに遠慮なく座って・・・まあ、グレンの自宅なのだが。項垂れる姿は、なかなか見られないだろう。
「でしょうね~、それはそれで面白かった」
グレンとは、アレクシオの仕事の都合で、顔を合わせたこともある。しかし、リオにマッチョを近づけたくないアレクシオによって阻まれ、ほとんど話したことは無い。名前と顔が初めて合致した。
狩猟会で、オリヴィアを運んでいるときも顔を見ているはずだが、誰が誰やら見ていなかったのだ。
アレクシオのその態度を知っていたからこそ、『長官に言いつけるぞ』発言になったのだが、実際、リオもアレクシオに言いつけられるのは困る。
・・・・・・マッチョさんの自宅訪問だなんて、絶対怒られる。
「間違ったってのは、それでですか?」
「そうそう。伯爵様がえらく真っ青になったから、どうしようかと。でも、部屋出て行ってもらわないと話しできないし、外してくださる?とか言うと、また『お気を悪くされた』とか言われるし、どう言おうかと思ってたら、この発言使おうって思ったの。名案!」
リオがうまくいったと喜んでいる姿を、残念な子を見る目でグレンに見られた。
その視線の方が不敬だ。
「今度、アレクシオ様の前で『あら、グレン。お久しぶり』って、親しげに挨拶してやる」
「自爆もしますよね!?」
うん。危険な賭けだ。
「さて、オリヴィアからの感謝の手紙を無視していたって聞いたのよ」
「リオ様っ!」
「いや、無視はしてないでしょう?」
リオの率直な言葉に、二人が同時に反応した。
オリヴィアは真っ赤になり、グレンは不本意そうだ。
「お礼は何が欲しいか聞かれたら、『君の愛がほしい』くらい言いなさいよ」
「リオ様っ!?」
「それは高望みでしょう?」
またもや、リオの率直な言葉に、二人が同時に反応した。
オリヴィアはさらに真っ赤になり、グレンは気に入らなそうだ。
「くれたら貰うの?」
「え、もちろん」
口をパクパクして言葉が出ないオリヴィアを尻目に、当たり前のように返事をするグレン。
「ちょうだいくらい言えばいいのに」
「ちょっと助けたくらいで、こんなむさいのが寄ってきたら嫌でしょう」
「全然」
リオが答える声に、『そりゃあんたはな』というグレンが心の中でつぶやいていると、
「そっ・・・そんなことありません!」
一拍遅れて、オリヴィアが悲鳴のような声をあげた。
リオとグレンの視線がオリヴィアに同時に向いて、その視線から逃れたいかのように俯いて、オリヴィアは放す。
「グ、グレン様は格好いいです。嫌なんかじゃありません。わたっ、私・・・・・・!」
勢いをつけて言おうとするオリヴィアと、その先の言葉を察して、期待を込めて待つグレン。
そして、
「あ、ちょっと待って」
水を差すリオ。
「・・・・・・奥様・・・・・・?」
「そんな怖い顔しないでよ!このまま話し進んだら、私居場所がないのよ!先に帰るから、グレン、オリヴィアを送ってね」
確かに、この先のオリヴィアの言葉を聞いて、グレンが返し、そうして・・・・・・。
ここがぎりぎりだったということだ。
了承の意を伝えると、リオはするんとソファから立ち上がり、告白の途中で止まったままのオリヴィアに声をかけて一人で部屋を出て行った。
オリヴィアは、勢いをそがれて、もうリオと一緒に帰ってしまいたいと思っていた。
それはそれで後悔するかもしれないが、今は緊張しすぎて窒息しそうだ。
オリヴィアがリオを追うようにふらりと立ち上がると、隣にグレンが立っていた。
「あの、わ、わたし・・・・・・」
すでにさっきまでの勇気はない。隣にリオがいなくなってしまったのも大きい。
続きを言えと言われても、口にできる気がしなかった。
助けを求めるように、ドアに視線をやるオリヴィアに気がつきながらも、グレンはそっと、オリヴィアの手を取った。
壊れ物を扱うように、力加減が分からなくて恐々と触るかのように、手をゆっくりと握られて、オリヴィアの頭の中は真っ白になる。
「オリヴィア様」
こんな至近距離で名前を呼ばれるなど、恥ずかしすぎて、どうしていいか分からない。緊張して、喉から音を出すことができない。
「無視をしていたつもりは無かったのです。あなたの美しさに、緊張して話もできない自分が笑われそうで怖かった」
思っても見ないことを言われ、驚いてグレンの顔を見上げた。
そこには、初めて会った時のように優しそうに微笑む顔があって、オリヴィアの心に歓喜が湧き上がった。
「望んでも構わないのなら・・・許されるならば、私はあなたが欲しい」
オリヴィアの瞳に涙が揺らめき、光に反射してキラキラと光った。
それが、恐怖や悲しさからくるものではないことを、グレンは正確に理解し、嬉しそうに笑った。
グレンは、オリヴィアの涙を吸い取るように目尻に口づけ、声が出せないまま震える小さな体を抱き寄せた。
オリヴィアは頬に感じる、自分と同じように早く、高く刻む鼓動にほっと息を吐いた。
「夢、みたいです」
小さな小さな声で呟いて、おずおずとグレンの服に手を伸ばし、ぎゅっと抱き付いた。
「それはこちらのセリフだ。こうして触れられるなんて、思わなかった」
笑っているような声が落ちてきて、オリヴィアも微笑みを浮かべた。
「………」
「……ああ、緊張した」
伯爵が部屋を出ていくのを待って、リオは体の力を抜いた。
グレンとオリヴィアは固まったまま動けない。
「ごめんなさいね。高位の方と話すと、どうにも口調が固くなってしまうのよ。偉そうに話せと言われてるのよ」
あ、座って座ってと、グレンにソファーを勧めるリオは、いつものリオだ。
今でこそ、公爵夫人となっているが、元々は男爵令嬢。伯爵なんて、様を付けても呼びかけることなどなかった人相手に、偉そうになんて難しいことを言わないで欲しい。
「違うのよ。今のは。グレンの『長官に言いつけるぞ』っていうのは理解したんだけど、そんなの、こっちだって言いつけてやるんだから!っていうのを、格好良く言ったのよ」
リオとしては、もっと冗談ぽく返す予定だった。
けれど、あの口調で冗談は難しい。どうしても嫌味っぽくなるし、こっちが高位なだけあって、押さえつけるような言葉になってしまう。
なるほど、だから偉い人たちは冗談を言わないのかもしれない。新発見だ。
「……びびった」
ソファに遠慮なく座って・・・まあ、グレンの自宅なのだが。項垂れる姿は、なかなか見られないだろう。
「でしょうね~、それはそれで面白かった」
グレンとは、アレクシオの仕事の都合で、顔を合わせたこともある。しかし、リオにマッチョを近づけたくないアレクシオによって阻まれ、ほとんど話したことは無い。名前と顔が初めて合致した。
狩猟会で、オリヴィアを運んでいるときも顔を見ているはずだが、誰が誰やら見ていなかったのだ。
アレクシオのその態度を知っていたからこそ、『長官に言いつけるぞ』発言になったのだが、実際、リオもアレクシオに言いつけられるのは困る。
・・・・・・マッチョさんの自宅訪問だなんて、絶対怒られる。
「間違ったってのは、それでですか?」
「そうそう。伯爵様がえらく真っ青になったから、どうしようかと。でも、部屋出て行ってもらわないと話しできないし、外してくださる?とか言うと、また『お気を悪くされた』とか言われるし、どう言おうかと思ってたら、この発言使おうって思ったの。名案!」
リオがうまくいったと喜んでいる姿を、残念な子を見る目でグレンに見られた。
その視線の方が不敬だ。
「今度、アレクシオ様の前で『あら、グレン。お久しぶり』って、親しげに挨拶してやる」
「自爆もしますよね!?」
うん。危険な賭けだ。
「さて、オリヴィアからの感謝の手紙を無視していたって聞いたのよ」
「リオ様っ!」
「いや、無視はしてないでしょう?」
リオの率直な言葉に、二人が同時に反応した。
オリヴィアは真っ赤になり、グレンは不本意そうだ。
「お礼は何が欲しいか聞かれたら、『君の愛がほしい』くらい言いなさいよ」
「リオ様っ!?」
「それは高望みでしょう?」
またもや、リオの率直な言葉に、二人が同時に反応した。
オリヴィアはさらに真っ赤になり、グレンは気に入らなそうだ。
「くれたら貰うの?」
「え、もちろん」
口をパクパクして言葉が出ないオリヴィアを尻目に、当たり前のように返事をするグレン。
「ちょうだいくらい言えばいいのに」
「ちょっと助けたくらいで、こんなむさいのが寄ってきたら嫌でしょう」
「全然」
リオが答える声に、『そりゃあんたはな』というグレンが心の中でつぶやいていると、
「そっ・・・そんなことありません!」
一拍遅れて、オリヴィアが悲鳴のような声をあげた。
リオとグレンの視線がオリヴィアに同時に向いて、その視線から逃れたいかのように俯いて、オリヴィアは放す。
「グ、グレン様は格好いいです。嫌なんかじゃありません。わたっ、私・・・・・・!」
勢いをつけて言おうとするオリヴィアと、その先の言葉を察して、期待を込めて待つグレン。
そして、
「あ、ちょっと待って」
水を差すリオ。
「・・・・・・奥様・・・・・・?」
「そんな怖い顔しないでよ!このまま話し進んだら、私居場所がないのよ!先に帰るから、グレン、オリヴィアを送ってね」
確かに、この先のオリヴィアの言葉を聞いて、グレンが返し、そうして・・・・・・。
ここがぎりぎりだったということだ。
了承の意を伝えると、リオはするんとソファから立ち上がり、告白の途中で止まったままのオリヴィアに声をかけて一人で部屋を出て行った。
オリヴィアは、勢いをそがれて、もうリオと一緒に帰ってしまいたいと思っていた。
それはそれで後悔するかもしれないが、今は緊張しすぎて窒息しそうだ。
オリヴィアがリオを追うようにふらりと立ち上がると、隣にグレンが立っていた。
「あの、わ、わたし・・・・・・」
すでにさっきまでの勇気はない。隣にリオがいなくなってしまったのも大きい。
続きを言えと言われても、口にできる気がしなかった。
助けを求めるように、ドアに視線をやるオリヴィアに気がつきながらも、グレンはそっと、オリヴィアの手を取った。
壊れ物を扱うように、力加減が分からなくて恐々と触るかのように、手をゆっくりと握られて、オリヴィアの頭の中は真っ白になる。
「オリヴィア様」
こんな至近距離で名前を呼ばれるなど、恥ずかしすぎて、どうしていいか分からない。緊張して、喉から音を出すことができない。
「無視をしていたつもりは無かったのです。あなたの美しさに、緊張して話もできない自分が笑われそうで怖かった」
思っても見ないことを言われ、驚いてグレンの顔を見上げた。
そこには、初めて会った時のように優しそうに微笑む顔があって、オリヴィアの心に歓喜が湧き上がった。
「望んでも構わないのなら・・・許されるならば、私はあなたが欲しい」
オリヴィアの瞳に涙が揺らめき、光に反射してキラキラと光った。
それが、恐怖や悲しさからくるものではないことを、グレンは正確に理解し、嬉しそうに笑った。
グレンは、オリヴィアの涙を吸い取るように目尻に口づけ、声が出せないまま震える小さな体を抱き寄せた。
オリヴィアは頬に感じる、自分と同じように早く、高く刻む鼓動にほっと息を吐いた。
「夢、みたいです」
小さな小さな声で呟いて、おずおずとグレンの服に手を伸ばし、ぎゅっと抱き付いた。
「それはこちらのセリフだ。こうして触れられるなんて、思わなかった」
笑っているような声が落ちてきて、オリヴィアも微笑みを浮かべた。
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