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恋の駆け引き6
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「ってことになったのです~~~!」
きゃあああん!と、両頬に手を当てて悶えるオリヴィアから、そっと視線を外す。今日、何回目だその話。しかも、聞くたびにグレンの形容が増えていって、いまや、グレンは王子様のようにキラキラしい姿で説明されている。
ダレダ、それ。
「リオ様はすごいですわ!」
「すごい?」
興奮気味に話すオリヴィアに、首を傾げた。
「ええ。私は無視されていたと思っていたグレン様の御心に気がつかれていたのでしょう?」
でなければ、あんなに強気に出られるはずがない。…と、オリヴィアは思っている。
「想いはしっかりと伝えなければ、分からないものなのよ」
リオは偉そうに言っているが、実際は分かっていない。
大好きです!オレもだ!ババーン!・・・・・・となったと思っていた。
実際は、オリヴィアが恥じらって言葉にできず、それを笑顔で受け止めるグレン。
グレンが緊張して怖がった。でも、許されるなら・・・のくだりはいいだろう。
オリヴィアが夢みたいです。って答えて・・・・・・?
さっきまでオリヴィアの話を聞いて、「え、それだけ?」と何度言いそうになったか。
愛してるとかの言葉は無いのか。
それだけでお互いが通じ合うだなんて。何それ、未知すぎる。
「ですから、私に恋の指南をお願いしたいのです!」
オリヴィアは大真面目だ。
周りの侍女が笑いそうになって震えていても、たまたまその場にいた家令が悲しそうな顔をしても、大真面目だった。
今の話を不思議そうにしていたことに、オリヴィア以外の人間は気がついていた。
「至難・・・・・・」
意味が違うのは分かっている。ちょっとした冗談だ。
「私にそんなこと無理ですわ。力不足です」
リオは素直に答えた。
「そんなことありません!だって、閣下とあれほど愛し合ってらっしゃるではありませんか!お二人でいるときの幸せそうな空気。羨ましいですわ」
リオが断るのに、オリヴィアはリオを信じ切っていた。
伯爵家に着いた後の落ち着いた会話や、グレンに対していい込めた時のリオは、見惚れるほどに格好良かった。
オリヴィアだって、リオが勉強をすごく頑張っていたことを知っている。
だからこそ、男爵令嬢から公爵夫人へと自分を追い抜いて行ってしまったリオに対する嫉妬は無い。
彼女がどれだけの苦労をしたのか知っているから。そして、その苦労は今現在も進行中であることも。
普通ならば、今まで通り仲良くだなんて、出来なかったかもしれない。
いや、今まで通りにできることの方がおかしいのだと、オリヴィアは思う。
カーディ商会での経験と、その勉学のおかげで、ひけらかすほどの知識を有していると、この間の会話で実感した。
それをさりげなく会話に忍び込ませる対人術。
それは、あの閣下を骨抜きにするほどのテクニックとなり、活用されているのだろう。
と、オリヴィアは理解した。
「どうしたら、公爵夫妻のようになれるのでしょう?」
ほう…、とオリヴィアはため息を吐いた。
それに返事もできずに、リオは考えていた。
アレクシオとはいつも仲良しだ。それは分かる。
どうやって、アレクシオを骨抜きに・・・・・・と?
そんなの、毎日毎日「大好き」だと言い続けて、「素敵です」と誉めそやしていたから、かな?
・・・・・・と、すると、リオには知らぬ間に恋の駆け引きというものを習得してしまっていたということだろうか。
「自然体でいれば、簡単でしょう?」
リオが困惑気に尋ねても、
「まあぁ。素晴らしいですわ。自然体だなんて、それが難しいことなのですわ!自然にやってのけるだなんて」
オリヴィアは感嘆するばかりだ。
・・・・・・なるほど。リオは恋のエキスパートらしい。
オリヴィアの言葉に、リオは頷いた。
そうなれば、友人のお願いを断る理由はない。
「お任せください。お二人がラブラブになれるよう、出来る限りのお手伝いをさせていただきますわ!」
きゃあああん!と、両頬に手を当てて悶えるオリヴィアから、そっと視線を外す。今日、何回目だその話。しかも、聞くたびにグレンの形容が増えていって、いまや、グレンは王子様のようにキラキラしい姿で説明されている。
ダレダ、それ。
「リオ様はすごいですわ!」
「すごい?」
興奮気味に話すオリヴィアに、首を傾げた。
「ええ。私は無視されていたと思っていたグレン様の御心に気がつかれていたのでしょう?」
でなければ、あんなに強気に出られるはずがない。…と、オリヴィアは思っている。
「想いはしっかりと伝えなければ、分からないものなのよ」
リオは偉そうに言っているが、実際は分かっていない。
大好きです!オレもだ!ババーン!・・・・・・となったと思っていた。
実際は、オリヴィアが恥じらって言葉にできず、それを笑顔で受け止めるグレン。
グレンが緊張して怖がった。でも、許されるなら・・・のくだりはいいだろう。
オリヴィアが夢みたいです。って答えて・・・・・・?
さっきまでオリヴィアの話を聞いて、「え、それだけ?」と何度言いそうになったか。
愛してるとかの言葉は無いのか。
それだけでお互いが通じ合うだなんて。何それ、未知すぎる。
「ですから、私に恋の指南をお願いしたいのです!」
オリヴィアは大真面目だ。
周りの侍女が笑いそうになって震えていても、たまたまその場にいた家令が悲しそうな顔をしても、大真面目だった。
今の話を不思議そうにしていたことに、オリヴィア以外の人間は気がついていた。
「至難・・・・・・」
意味が違うのは分かっている。ちょっとした冗談だ。
「私にそんなこと無理ですわ。力不足です」
リオは素直に答えた。
「そんなことありません!だって、閣下とあれほど愛し合ってらっしゃるではありませんか!お二人でいるときの幸せそうな空気。羨ましいですわ」
リオが断るのに、オリヴィアはリオを信じ切っていた。
伯爵家に着いた後の落ち着いた会話や、グレンに対していい込めた時のリオは、見惚れるほどに格好良かった。
オリヴィアだって、リオが勉強をすごく頑張っていたことを知っている。
だからこそ、男爵令嬢から公爵夫人へと自分を追い抜いて行ってしまったリオに対する嫉妬は無い。
彼女がどれだけの苦労をしたのか知っているから。そして、その苦労は今現在も進行中であることも。
普通ならば、今まで通り仲良くだなんて、出来なかったかもしれない。
いや、今まで通りにできることの方がおかしいのだと、オリヴィアは思う。
カーディ商会での経験と、その勉学のおかげで、ひけらかすほどの知識を有していると、この間の会話で実感した。
それをさりげなく会話に忍び込ませる対人術。
それは、あの閣下を骨抜きにするほどのテクニックとなり、活用されているのだろう。
と、オリヴィアは理解した。
「どうしたら、公爵夫妻のようになれるのでしょう?」
ほう…、とオリヴィアはため息を吐いた。
それに返事もできずに、リオは考えていた。
アレクシオとはいつも仲良しだ。それは分かる。
どうやって、アレクシオを骨抜きに・・・・・・と?
そんなの、毎日毎日「大好き」だと言い続けて、「素敵です」と誉めそやしていたから、かな?
・・・・・・と、すると、リオには知らぬ間に恋の駆け引きというものを習得してしまっていたということだろうか。
「自然体でいれば、簡単でしょう?」
リオが困惑気に尋ねても、
「まあぁ。素晴らしいですわ。自然体だなんて、それが難しいことなのですわ!自然にやってのけるだなんて」
オリヴィアは感嘆するばかりだ。
・・・・・・なるほど。リオは恋のエキスパートらしい。
オリヴィアの言葉に、リオは頷いた。
そうなれば、友人のお願いを断る理由はない。
「お任せください。お二人がラブラブになれるよう、出来る限りのお手伝いをさせていただきますわ!」
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