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第3章
第 39 話:はじまり
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12月の厳しい寒さの中、俺は部室の窓際で数学の問題集を開いていた。
「はい、和人くん」
光が俺の机に缶コーヒーを置いた。
俺の好きな甘いミルクコーヒーだった。
「ありがとう」
俺がそう言うと、光は自然に俺の肩についていたホコリを取る。
何も言わず、当たり前のように。
付き合い始めてから数ヶ月。
「あーあ、今日もイチャイチャしてますね」
扉から入ってきた三上が、呆れたような声を出す。
でも、その表情は楽しそうだった。
「イチャイチャじゃない」
「そうよ、自然な気遣いです」
俺と光が同時に否定すると、三上がクスクスと笑った。
「はあ、こっちが胸焼けしますよ。夫婦ですか」
「それも熟年夫婦だな」
東城が部室に入ってきた。
バスケ部の練習前に、よく問題解決部に顔を出してくれるようになっている。
「くっつくの遅すぎたくらいだろ」
「うるさい」
俺は頬を赤らめながら問題集に視線を戻した。
光が俺の横に座って、自分のノートを開く。
彼女は俺の飲みかけのコーヒーを何気なく手に取って、一口飲んだ。
俺も光のペンを無意識に借りて、問題集にメモを書き込む。
そんな自然な様子を見ていた三上が、小さくため息をついた。
「でも」
三上が窓の外を見ながらつぶやく。
「もうすぐ先輩たちは三年生になっちゃうんですね」
その声に、わずかな寂しさが混じっているのを俺は聞き逃さなかった。
「ああ、そうだな」
俺は問題集を閉じて、三上の方を向く。
「俺たち、もうすぐ受験生になる」
「大変になりますね」
三上が俺たちを見つめる。
その瞳に、わずかな不安のような色が浮かんでいるのが分かった。
でも彼女は何も言わなかった。
ただ、いつものように微笑んでいるだけだった。
「みんなでもっといろんなことをして」
俺は立ち上がって、窓の外を見る。葉を落として裸になった木々が寒々しく見える
「俺たちがいなくなっても、三上が寂しくないくらいに思い出をいっぱい作ろう」
光が頷く。
「そうね。大切に過ごしましょう」
三上が静かに微笑んだ。
「ありがとうございます」
でも俺には分かった。
彼女の笑顔の奥に、まだ言えない想いが隠されていることを。
その日の夕方、俺と光は図書館で二人だけで話し合った。
参考書を開いてはいたが、実際はこれからのことについて相談していた。
「その前に、今から勉強を頑張っておいて、三年になっても部活に顔を出せるようにしておきたいの」
光が小さな声で言った。
「それで柚葉ちゃんと一緒に過ごす時間も確保できるし」
「そうだな。これからはデートの時間もできるだけ勉強デートにしないか?」
俺も提案した。
「二人で図書館に行ったり、家で一緒に勉強したり」
光が俺の手を取る。
「そうすれば、柚葉ちゃんと三人で過ごす時間をもっと増やせるでしょ?」
「ああ、そうだな」
俺は光の提案に頷いた。
◇
私は一人で決意を固めていた。
放課後の教室で、窓の外を眺めながら考えていた。
夕日が机の上に長い影を作っている。
教室には私一人だけで、時折聞こえる掃除の音が静寂を破っていた。
(私にはまだ、部活以外のつながりが少ない)
先輩たちが三年生になって受験で忙しくなる前に、自分も成長しなければ。
(先輩たちに心配をかけたくない)
安心して卒業してもらうために、自分にできることを考えた。
三上は自分のノートを見つめる。
そこには高校生活で得た友達の名前がわずかしか書かれていない。
翌日、私は東城先輩を呼び止めた。
放課後の廊下で、人通りが少なくなった頃を見計らって。
「東城先輩、お時間ありますか?」
「ん?どうした?」
東城先輩が振り返る。
バスケ部のバッグを肩にかけた彼は、少し汗をかいていた。
私は少し躊躇してから口を開いた。
「友達の作り方を、教えていただけませんか?」
東城先輩が驚いたような表情を見せる。
「俺でいいのか?天野とかの方がいいんじゃないか?」
「先輩方に心配かけたくないんです」
真剣な表情でお願いする。
「お願いします」
東城先輩が苦笑いした。
「分かった。でも今度は焦らずに、じっくり行こうな」
◇
俺たちは本当にたくさんの思い出を作った。
二年生の冬、俺と光は約束通り勉強と部活動を両立させていた。
毎日図書館で勉強した後、問題解決部の部室に顔を出すのが日課になっていた。
冬にはみんなでスキーに行った。
三上は初めてのスキーで、最初は転んでばかりだった。
「きゃー!」
三上の悲鳴が雪山に響く。
彼女が転ぶたびに、光が心配そうに駆け寄っていく。
「柚葉ちゃん、大丈夫?」
「はい、雪が柔らかくて痛くないです」
三上が雪まみれになりながら笑っている。
俺も偉そうなことは言えなかった。
調子に乗って急斜面に挑戦した結果、雪玉のようになって転げ落ちてしまった。
「黒瀬先輩、雪だるまみたいです」
三上が写真を撮りながら大笑いしている。
その屈託のない笑顔を見て、俺も光も嬉しくなった。
お正月にはみんなで初詣に行って、その帰りに光の家でお雑煮を食べた。
光の両親は俺たちを家族のように迎えてくれて、三上も東城も自然に溶け込んでいた。
「おせち料理、全部手作りなんですか?」
三上が感心しながら光の母親に尋ねる。
「ええ、光も手伝ってくれたのよ」
「光先輩、お料理上手なんですね」
三上が尊敬のまなざしで光を見つめる。
光は少し照れながら微笑んでいた。
カラオケにも行った。
光が実は音痴だということが判明して、みんなで大笑いした。
「私、歌は苦手なの」
光が赤い顔で言い訳している。
「でも、それはそれで可愛いですよ」
三上がフォローすると、光がさらに赤くなった。
東城に彼女ができた時は、みんなでおしゃれな服を買いに行った。
意外と女性慣れしていない東城の慌てぶりが面白くてみんなでからかった。
「この服、どうかな?」
試着室から出てきた東城が、恥ずかしそうに聞く。
「似合ってますよ」
三上が率直に答えると、東城がホッとした表情を見せた。
春になり、三年生になった俺たちは新入生募集のために色々なイベントを実施した。
部活動紹介では、俺たちが作った学園祭アプリの改良版をデモンストレーションした。
結果として、俺の妹の凜花と、引きこもりで授業をボイコットしていた女子、植物オタクの男子が入部してくれた。
「お兄ちゃん、プログラミング教えて」
凜花が俺に甘えるように言う。
「また今度な」
「えー、ケチ」
凜花が頬を膨らませると、光が笑いながら言った。
「和人くん、お父さんがご飯食べに来いって言ってたよ」
「あー、また光輝さんが?」
俺が苦笑いすると、光がクスクスと笑う。
「酔うとずっと絡んでくるんだよなあ」
「和人くんのこと気に入ってるのよ」
そういって光が俺の頭を撫でる。
三年生になってからは、俺と光は受験勉強が本格化した。
夏以降は部活動への参加も控えめになったが、それでも時々顔を出すようにしていた。
「先輩たち、受験勉強で忙しいのに来てくれてありがとうございます」
ある日の放課後、三上が心配そうに言った。
俺と光は参考書を抱えて部室に顔を出していた。
「大丈夫だよ、息抜きも必要だから」
俺が答えると、光も頷く。
「たまには柚葉ちゃんたちの顔を見たいからね」
三上も、東城のアドバイスを受けながら、少しずつだが確実に新しい友達を作っていた。
焦らず、じっくりと。
ある日の放課後、三上が他のクラスの女子と一緒に帰っているのを見かけた。
二人は楽しそうに話しながら歩いている。
「良かったね」
光が俺の腕に手を回しながらつぶやく。
「ああ。もう大丈夫だな」
◇
そして卒業式の日がやってきた。
三月の空は晴れ渡り、校庭の桜が満開だった。
体育館での卒業式は厳粛な雰囲気に包まれていた。
卒業証書を受け取った後、俺たちは問題解決部の部室に集まった。
新入部員たちが騒いでいる中で、三上が部長として的確に指示を出している。
「はい、みんな静かに」
三上の一言で、部室が静かになった。
凜花や他の一年生たちが、素直に三上の指示に従っている。
「今日は先輩方の卒業式ですから、ちゃんとお祝いしましょう」
三上の成長した姿を見て、俺は胸が熱くなった。
人見知りだった彼女が、こんなにも堂々とリーダーシップを発揮している。
「すごいな、三上」
俺が感心すると、光も頷く。
「本当に頼もしくなったわね」
その時、凜花が手を上げた。
「柚葉先輩、花束の準備できました」
「ありがとう。じゃあ、みんなでお渡ししましょう」
新入部員たちが用意してくれた花束を受け取りながら、俺は目頭が熱くなるのを感じた。
「もう大丈夫ね」
光が俺に向かって小さくつぶやく。
「ああ。三上は俺たちよりずっとちゃんとしてる」
「それにあんなにいい子なんだもん」
光が三上を見つめる。
その時、三上が俺たちの方に歩いてきた。
新入部員たちも後ろに続いている。
「先輩方、ご卒業おめでとうございます」
三上が深々と頭を下げる。
その姿に、一年生たちも続いて頭を下げた。
「私、先輩たちと出会えて本当に良かったです」
その瞳に、これまで見たことのないような強い光が宿っている。
三上の声が少し震えている。
「一年前の私は、友達を作ることもできなくて、一人で図書館にいることがほとんどでした」
俺と光は静かに三上の言葉に耳を傾けた。
「でも、問題解決部に来て、先輩たちと一緒に過ごしていくうちに、私の世界がどんどん広がっていって」
三上が新入部員たちを見回す。
「こうして後輩たちもできて、クラスにも友達ができて」
彼女の目に涙がにじんでいるのが分かった。
「先輩たちが教えてくれたんです。人は急には変われないけれど、毎日少しずつでも前に進んでいけば、きっと変われるんだって」
三上が俺を見つめる。
「だから、私ももっともっと前に進みたくて」
俺は三上の成長した姿に、胸が熱くなった。
「私、夢ができたんです」
「ゲームプログラマーになりたい」
三上の声に、確かな決意が込められている。
「自分で世界を作ってみたくて。先輩のように、誰かを笑顔にできるようなプログラムを作りたいんです」
「そうか」
俺は三上の肩に手を置いた。
「三上らしい、良い夢だな」
「いつか一緒に仕事ができる日が来るのを楽しみにしてる」
光も微笑んで言った。
「その時は私も一緒にお仕事したいな」
三上の目に、再び涙がにじんだ。
でも今度は、悲しみの涙ではなく、希望の涙だった。
「はい。その日まで、頑張ります」
三上が深々と頭を下げる。
「ご卒業おめでとうございます。」
部室の窓から差し込む春の日差しが、俺たちを優しく照らしていた。
桜の花びらが風に舞って、新しい季節の始まりを告げている。
◇
それから三年後。
大学三年生になった俺と光は、都内のマンションで同棲を始めていた。
二十階建てのマンションの十五階、窓からは夜景が見える。
俺は自分で作ったアプリで起業し、小さいながらも順調に会社を経営していた。
光はモデルとして、今では海外の雑誌にも登場するようになっている。
「おかえり」
光が玄関で俺を迎えてくれる。
彼女は、高校生の頃よりもさらに美しくなっていた。
大人の女性の魅力を身につけながらも、あの頃の純粋さは変わらない。
「ただいま」
俺はリビングに向かう。
そこにはノートパソコンが三台並んでいて、三上が真剣な表情でコードを書いていた。
大学二年生になった三上は、俺の会社でプログラマーとして働いてくれている。
高校時代の人見知りの面影はもうほとんどなく、今では立派な技術者になっていた。
「お疲れさま、三上」
「お疲れさまです。バグ、直りました」
三上が振り返って、俺に向かって笑顔を見せる。
その表情には、自信と達成感が満ちている。
「ありがとう。助かった」
俺が三上の隣に座ると、光がお茶を持ってきてくれた。
いつものように、俺の好きな甘いミルクティーだった。
「今日、海外の雑誌からオファーが来たの」
光が嬉しそうに報告する。
彼女の手には、英語で書かれた契約書の写しがあった。
「パリでの撮影だって」
「すごいじゃないか」
「光先輩、もうトップモデルですもんね」
三上が感心したように言う。
「でも、一週間も留守にするのは心配なの」
光が俺を見つめる。
「会社のこともあるし」
「大丈夫だよ。三上もいるし」
俺が答えると、三上が力強く頷いた。
「お任せください」
その時、玄関のチャイムが鳴った。
「あ、東城くんたちかな」
光が立ち上がって、玄関に向かう。
今日は久しぶりにみんなでご飯を食べることになっていた。
数分後、東城と彼女、そして俺の妹の凜花がリビングに入ってきた。
凜花は今では大学1年生になり、俺の会社で時々アルバイトをしている。
「お疲れさん」
東城が俺の肩を叩く。
東城は大学バスケ部で活動しながら、プロチームにも所属している。
「お兄ちゃん、今日は何作るの?」
凜花が期待に満ちた表情で俺を見る。
彼女も大学で情報技術を学んでいて、将来は俺たちの仲間になりたいと言っている。
「今日はカレーだ」
「やったー!」
凜花が飛び跳ねる。
みんなでキッチンに立って、料理を作る。
光が野菜を切り、三上が米を研ぎ、東城が肉を炒める。
まるで昔の部活動のように、みんなが自然に役割分担をしている。
「なんか、家族みたいですね」
三上がつぶやく。
フライパンから立ち上る湯気が、彼女の顔を柔らかく照らしている。
「まあ、遠からずだな」
俺が答えると、みんなが笑った。
夕食の時間、俺たちはテーブルを囲んで座った。
俺が口を開く。
「高校の時を思い出すな」
「そうですね」
三上が微笑む。
「あの時は、こんな風になるなんて想像もしてませんでした」
「人生って面白いよね」
光が俺の手を握る。
「一つ一つの出会いが、少しずつ俺たちを変えていく」
俺はテーブルの向こうに座る仲間たちを見回した。
東城とその恋人、三上、凜花、そして隣に座る光。
みんなそれぞれの道を歩きながら、まだこうして繋がっている。
「最初は単純なコードから始まって、少しずつ機能を追加していく」
「バグが出ても、一つずつ直していけばいい」
三上が俺の言葉に頷く。
俺はふと思い出す。
最初にHello, World!をコンソールに出力した時のこと。
光のPCを直した時のこと。
三上と初めて話した時のこと。
光が俺の手をそっと握る。
言葉はないが、彼女も同じことを考えているのが分かった。
夕日が完全に沈んで、部屋に温かい電気の明かりが灯る。
テーブルの上には、みんなで作ったカレーと、たくさんの笑顔があった。
急がなくていい。
焦らなくていい。
毎日少しずつ、前に進んでいけばいい。
そうやって積み重ねていけば、きっといつか、みんなが幸せになれる素晴らしいプログラムが完成する。
俺は改めてテーブルの向こうの仲間たちを見回した。
三上が楽しそうに笑っている。
昔とは比べものにならないほど、自信に満ちた表情だった。
光が俺の手を握りながら微笑んでいる。
高校生の時よりもさらに美しくなったが、その優しさは変わらない。
東城が恋人と幸せそうに話している。
彼はより大人っぽくなったが、面倒見の良さは相変わらずだった。
凜花がカレーをおいしそうに食べている。
彼女も自分の道を歩み始めようとしている。
みんながここにいる。
みんなが笑っている。
窓の外では、夜空に星が瞬いている。
都市の明かりに負けない程度の明るい星たちが、俺たちを見下ろしているようだった。
新しいコードを書くように、新しい物語を紡いでいこう。
時には思うようにいかないこともあるだろう。
バグが見つかって、デバッグに時間がかかることもあるかもしれない。
でも、大丈夫だ。
俺たちにはもう分かっている。
「そういえば、先輩また別のバグ見つかったんですよ」
「柚葉ちゃん、今日一日ずっとそれで悩んでたのよ」
「ん、あとで直しておくよ」
while(true) {
end();
}
「はい、和人くん」
光が俺の机に缶コーヒーを置いた。
俺の好きな甘いミルクコーヒーだった。
「ありがとう」
俺がそう言うと、光は自然に俺の肩についていたホコリを取る。
何も言わず、当たり前のように。
付き合い始めてから数ヶ月。
「あーあ、今日もイチャイチャしてますね」
扉から入ってきた三上が、呆れたような声を出す。
でも、その表情は楽しそうだった。
「イチャイチャじゃない」
「そうよ、自然な気遣いです」
俺と光が同時に否定すると、三上がクスクスと笑った。
「はあ、こっちが胸焼けしますよ。夫婦ですか」
「それも熟年夫婦だな」
東城が部室に入ってきた。
バスケ部の練習前に、よく問題解決部に顔を出してくれるようになっている。
「くっつくの遅すぎたくらいだろ」
「うるさい」
俺は頬を赤らめながら問題集に視線を戻した。
光が俺の横に座って、自分のノートを開く。
彼女は俺の飲みかけのコーヒーを何気なく手に取って、一口飲んだ。
俺も光のペンを無意識に借りて、問題集にメモを書き込む。
そんな自然な様子を見ていた三上が、小さくため息をついた。
「でも」
三上が窓の外を見ながらつぶやく。
「もうすぐ先輩たちは三年生になっちゃうんですね」
その声に、わずかな寂しさが混じっているのを俺は聞き逃さなかった。
「ああ、そうだな」
俺は問題集を閉じて、三上の方を向く。
「俺たち、もうすぐ受験生になる」
「大変になりますね」
三上が俺たちを見つめる。
その瞳に、わずかな不安のような色が浮かんでいるのが分かった。
でも彼女は何も言わなかった。
ただ、いつものように微笑んでいるだけだった。
「みんなでもっといろんなことをして」
俺は立ち上がって、窓の外を見る。葉を落として裸になった木々が寒々しく見える
「俺たちがいなくなっても、三上が寂しくないくらいに思い出をいっぱい作ろう」
光が頷く。
「そうね。大切に過ごしましょう」
三上が静かに微笑んだ。
「ありがとうございます」
でも俺には分かった。
彼女の笑顔の奥に、まだ言えない想いが隠されていることを。
その日の夕方、俺と光は図書館で二人だけで話し合った。
参考書を開いてはいたが、実際はこれからのことについて相談していた。
「その前に、今から勉強を頑張っておいて、三年になっても部活に顔を出せるようにしておきたいの」
光が小さな声で言った。
「それで柚葉ちゃんと一緒に過ごす時間も確保できるし」
「そうだな。これからはデートの時間もできるだけ勉強デートにしないか?」
俺も提案した。
「二人で図書館に行ったり、家で一緒に勉強したり」
光が俺の手を取る。
「そうすれば、柚葉ちゃんと三人で過ごす時間をもっと増やせるでしょ?」
「ああ、そうだな」
俺は光の提案に頷いた。
◇
私は一人で決意を固めていた。
放課後の教室で、窓の外を眺めながら考えていた。
夕日が机の上に長い影を作っている。
教室には私一人だけで、時折聞こえる掃除の音が静寂を破っていた。
(私にはまだ、部活以外のつながりが少ない)
先輩たちが三年生になって受験で忙しくなる前に、自分も成長しなければ。
(先輩たちに心配をかけたくない)
安心して卒業してもらうために、自分にできることを考えた。
三上は自分のノートを見つめる。
そこには高校生活で得た友達の名前がわずかしか書かれていない。
翌日、私は東城先輩を呼び止めた。
放課後の廊下で、人通りが少なくなった頃を見計らって。
「東城先輩、お時間ありますか?」
「ん?どうした?」
東城先輩が振り返る。
バスケ部のバッグを肩にかけた彼は、少し汗をかいていた。
私は少し躊躇してから口を開いた。
「友達の作り方を、教えていただけませんか?」
東城先輩が驚いたような表情を見せる。
「俺でいいのか?天野とかの方がいいんじゃないか?」
「先輩方に心配かけたくないんです」
真剣な表情でお願いする。
「お願いします」
東城先輩が苦笑いした。
「分かった。でも今度は焦らずに、じっくり行こうな」
◇
俺たちは本当にたくさんの思い出を作った。
二年生の冬、俺と光は約束通り勉強と部活動を両立させていた。
毎日図書館で勉強した後、問題解決部の部室に顔を出すのが日課になっていた。
冬にはみんなでスキーに行った。
三上は初めてのスキーで、最初は転んでばかりだった。
「きゃー!」
三上の悲鳴が雪山に響く。
彼女が転ぶたびに、光が心配そうに駆け寄っていく。
「柚葉ちゃん、大丈夫?」
「はい、雪が柔らかくて痛くないです」
三上が雪まみれになりながら笑っている。
俺も偉そうなことは言えなかった。
調子に乗って急斜面に挑戦した結果、雪玉のようになって転げ落ちてしまった。
「黒瀬先輩、雪だるまみたいです」
三上が写真を撮りながら大笑いしている。
その屈託のない笑顔を見て、俺も光も嬉しくなった。
お正月にはみんなで初詣に行って、その帰りに光の家でお雑煮を食べた。
光の両親は俺たちを家族のように迎えてくれて、三上も東城も自然に溶け込んでいた。
「おせち料理、全部手作りなんですか?」
三上が感心しながら光の母親に尋ねる。
「ええ、光も手伝ってくれたのよ」
「光先輩、お料理上手なんですね」
三上が尊敬のまなざしで光を見つめる。
光は少し照れながら微笑んでいた。
カラオケにも行った。
光が実は音痴だということが判明して、みんなで大笑いした。
「私、歌は苦手なの」
光が赤い顔で言い訳している。
「でも、それはそれで可愛いですよ」
三上がフォローすると、光がさらに赤くなった。
東城に彼女ができた時は、みんなでおしゃれな服を買いに行った。
意外と女性慣れしていない東城の慌てぶりが面白くてみんなでからかった。
「この服、どうかな?」
試着室から出てきた東城が、恥ずかしそうに聞く。
「似合ってますよ」
三上が率直に答えると、東城がホッとした表情を見せた。
春になり、三年生になった俺たちは新入生募集のために色々なイベントを実施した。
部活動紹介では、俺たちが作った学園祭アプリの改良版をデモンストレーションした。
結果として、俺の妹の凜花と、引きこもりで授業をボイコットしていた女子、植物オタクの男子が入部してくれた。
「お兄ちゃん、プログラミング教えて」
凜花が俺に甘えるように言う。
「また今度な」
「えー、ケチ」
凜花が頬を膨らませると、光が笑いながら言った。
「和人くん、お父さんがご飯食べに来いって言ってたよ」
「あー、また光輝さんが?」
俺が苦笑いすると、光がクスクスと笑う。
「酔うとずっと絡んでくるんだよなあ」
「和人くんのこと気に入ってるのよ」
そういって光が俺の頭を撫でる。
三年生になってからは、俺と光は受験勉強が本格化した。
夏以降は部活動への参加も控えめになったが、それでも時々顔を出すようにしていた。
「先輩たち、受験勉強で忙しいのに来てくれてありがとうございます」
ある日の放課後、三上が心配そうに言った。
俺と光は参考書を抱えて部室に顔を出していた。
「大丈夫だよ、息抜きも必要だから」
俺が答えると、光も頷く。
「たまには柚葉ちゃんたちの顔を見たいからね」
三上も、東城のアドバイスを受けながら、少しずつだが確実に新しい友達を作っていた。
焦らず、じっくりと。
ある日の放課後、三上が他のクラスの女子と一緒に帰っているのを見かけた。
二人は楽しそうに話しながら歩いている。
「良かったね」
光が俺の腕に手を回しながらつぶやく。
「ああ。もう大丈夫だな」
◇
そして卒業式の日がやってきた。
三月の空は晴れ渡り、校庭の桜が満開だった。
体育館での卒業式は厳粛な雰囲気に包まれていた。
卒業証書を受け取った後、俺たちは問題解決部の部室に集まった。
新入部員たちが騒いでいる中で、三上が部長として的確に指示を出している。
「はい、みんな静かに」
三上の一言で、部室が静かになった。
凜花や他の一年生たちが、素直に三上の指示に従っている。
「今日は先輩方の卒業式ですから、ちゃんとお祝いしましょう」
三上の成長した姿を見て、俺は胸が熱くなった。
人見知りだった彼女が、こんなにも堂々とリーダーシップを発揮している。
「すごいな、三上」
俺が感心すると、光も頷く。
「本当に頼もしくなったわね」
その時、凜花が手を上げた。
「柚葉先輩、花束の準備できました」
「ありがとう。じゃあ、みんなでお渡ししましょう」
新入部員たちが用意してくれた花束を受け取りながら、俺は目頭が熱くなるのを感じた。
「もう大丈夫ね」
光が俺に向かって小さくつぶやく。
「ああ。三上は俺たちよりずっとちゃんとしてる」
「それにあんなにいい子なんだもん」
光が三上を見つめる。
その時、三上が俺たちの方に歩いてきた。
新入部員たちも後ろに続いている。
「先輩方、ご卒業おめでとうございます」
三上が深々と頭を下げる。
その姿に、一年生たちも続いて頭を下げた。
「私、先輩たちと出会えて本当に良かったです」
その瞳に、これまで見たことのないような強い光が宿っている。
三上の声が少し震えている。
「一年前の私は、友達を作ることもできなくて、一人で図書館にいることがほとんどでした」
俺と光は静かに三上の言葉に耳を傾けた。
「でも、問題解決部に来て、先輩たちと一緒に過ごしていくうちに、私の世界がどんどん広がっていって」
三上が新入部員たちを見回す。
「こうして後輩たちもできて、クラスにも友達ができて」
彼女の目に涙がにじんでいるのが分かった。
「先輩たちが教えてくれたんです。人は急には変われないけれど、毎日少しずつでも前に進んでいけば、きっと変われるんだって」
三上が俺を見つめる。
「だから、私ももっともっと前に進みたくて」
俺は三上の成長した姿に、胸が熱くなった。
「私、夢ができたんです」
「ゲームプログラマーになりたい」
三上の声に、確かな決意が込められている。
「自分で世界を作ってみたくて。先輩のように、誰かを笑顔にできるようなプログラムを作りたいんです」
「そうか」
俺は三上の肩に手を置いた。
「三上らしい、良い夢だな」
「いつか一緒に仕事ができる日が来るのを楽しみにしてる」
光も微笑んで言った。
「その時は私も一緒にお仕事したいな」
三上の目に、再び涙がにじんだ。
でも今度は、悲しみの涙ではなく、希望の涙だった。
「はい。その日まで、頑張ります」
三上が深々と頭を下げる。
「ご卒業おめでとうございます。」
部室の窓から差し込む春の日差しが、俺たちを優しく照らしていた。
桜の花びらが風に舞って、新しい季節の始まりを告げている。
◇
それから三年後。
大学三年生になった俺と光は、都内のマンションで同棲を始めていた。
二十階建てのマンションの十五階、窓からは夜景が見える。
俺は自分で作ったアプリで起業し、小さいながらも順調に会社を経営していた。
光はモデルとして、今では海外の雑誌にも登場するようになっている。
「おかえり」
光が玄関で俺を迎えてくれる。
彼女は、高校生の頃よりもさらに美しくなっていた。
大人の女性の魅力を身につけながらも、あの頃の純粋さは変わらない。
「ただいま」
俺はリビングに向かう。
そこにはノートパソコンが三台並んでいて、三上が真剣な表情でコードを書いていた。
大学二年生になった三上は、俺の会社でプログラマーとして働いてくれている。
高校時代の人見知りの面影はもうほとんどなく、今では立派な技術者になっていた。
「お疲れさま、三上」
「お疲れさまです。バグ、直りました」
三上が振り返って、俺に向かって笑顔を見せる。
その表情には、自信と達成感が満ちている。
「ありがとう。助かった」
俺が三上の隣に座ると、光がお茶を持ってきてくれた。
いつものように、俺の好きな甘いミルクティーだった。
「今日、海外の雑誌からオファーが来たの」
光が嬉しそうに報告する。
彼女の手には、英語で書かれた契約書の写しがあった。
「パリでの撮影だって」
「すごいじゃないか」
「光先輩、もうトップモデルですもんね」
三上が感心したように言う。
「でも、一週間も留守にするのは心配なの」
光が俺を見つめる。
「会社のこともあるし」
「大丈夫だよ。三上もいるし」
俺が答えると、三上が力強く頷いた。
「お任せください」
その時、玄関のチャイムが鳴った。
「あ、東城くんたちかな」
光が立ち上がって、玄関に向かう。
今日は久しぶりにみんなでご飯を食べることになっていた。
数分後、東城と彼女、そして俺の妹の凜花がリビングに入ってきた。
凜花は今では大学1年生になり、俺の会社で時々アルバイトをしている。
「お疲れさん」
東城が俺の肩を叩く。
東城は大学バスケ部で活動しながら、プロチームにも所属している。
「お兄ちゃん、今日は何作るの?」
凜花が期待に満ちた表情で俺を見る。
彼女も大学で情報技術を学んでいて、将来は俺たちの仲間になりたいと言っている。
「今日はカレーだ」
「やったー!」
凜花が飛び跳ねる。
みんなでキッチンに立って、料理を作る。
光が野菜を切り、三上が米を研ぎ、東城が肉を炒める。
まるで昔の部活動のように、みんなが自然に役割分担をしている。
「なんか、家族みたいですね」
三上がつぶやく。
フライパンから立ち上る湯気が、彼女の顔を柔らかく照らしている。
「まあ、遠からずだな」
俺が答えると、みんなが笑った。
夕食の時間、俺たちはテーブルを囲んで座った。
俺が口を開く。
「高校の時を思い出すな」
「そうですね」
三上が微笑む。
「あの時は、こんな風になるなんて想像もしてませんでした」
「人生って面白いよね」
光が俺の手を握る。
「一つ一つの出会いが、少しずつ俺たちを変えていく」
俺はテーブルの向こうに座る仲間たちを見回した。
東城とその恋人、三上、凜花、そして隣に座る光。
みんなそれぞれの道を歩きながら、まだこうして繋がっている。
「最初は単純なコードから始まって、少しずつ機能を追加していく」
「バグが出ても、一つずつ直していけばいい」
三上が俺の言葉に頷く。
俺はふと思い出す。
最初にHello, World!をコンソールに出力した時のこと。
光のPCを直した時のこと。
三上と初めて話した時のこと。
光が俺の手をそっと握る。
言葉はないが、彼女も同じことを考えているのが分かった。
夕日が完全に沈んで、部屋に温かい電気の明かりが灯る。
テーブルの上には、みんなで作ったカレーと、たくさんの笑顔があった。
急がなくていい。
焦らなくていい。
毎日少しずつ、前に進んでいけばいい。
そうやって積み重ねていけば、きっといつか、みんなが幸せになれる素晴らしいプログラムが完成する。
俺は改めてテーブルの向こうの仲間たちを見回した。
三上が楽しそうに笑っている。
昔とは比べものにならないほど、自信に満ちた表情だった。
光が俺の手を握りながら微笑んでいる。
高校生の時よりもさらに美しくなったが、その優しさは変わらない。
東城が恋人と幸せそうに話している。
彼はより大人っぽくなったが、面倒見の良さは相変わらずだった。
凜花がカレーをおいしそうに食べている。
彼女も自分の道を歩み始めようとしている。
みんながここにいる。
みんなが笑っている。
窓の外では、夜空に星が瞬いている。
都市の明かりに負けない程度の明るい星たちが、俺たちを見下ろしているようだった。
新しいコードを書くように、新しい物語を紡いでいこう。
時には思うようにいかないこともあるだろう。
バグが見つかって、デバッグに時間がかかることもあるかもしれない。
でも、大丈夫だ。
俺たちにはもう分かっている。
「そういえば、先輩また別のバグ見つかったんですよ」
「柚葉ちゃん、今日一日ずっとそれで悩んでたのよ」
「ん、あとで直しておくよ」
while(true) {
end();
}
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