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★ノモンハン事件★
【帰国】
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来賓用宿舎から出て歩哨に満州要塞の石原少将に極めて秘匿性の高い緊急事態を連絡するように言った。
2人のうち一人が、それに応えて士官室に向かい、残ったもう一人に言い忘れていた軍医の手配を頼んだ。
急に軍医の手配を頼まれた歩哨が、宿舎の見張りが誰も居なくなるからと断ったが、私が代わりに歩哨に立つ旨を伝えて急がせると彼もまた走って士官室に向かった。
その間に薫さんを逃がすと救出したロッシ書記官に「あの女性は?」と聞かれたので、日本側が貴殿たちのために特別に用意したボディガードだが、特殊な任務のため素性はもちろんその行動もたとえ同じ日本軍であろうと教えることは出来ないから貴殿もあの女性の存在は秘密にするようにと注意した。
ロッシ書記官は、急に笑顔になり言った。
「Oh!つまり、スペシャルエージェントですね。素晴らしい‼感謝!感謝です!!」と。
本来なら軽はずみな行動をとった責任を感じるべき立場の者の、この言い草にカチンときたがそれをここで言っても仕方がない。
だから顔は平然としたまま、“この、女好きのデカち〇野郎が……” と心の中で彼を罵倒した。
そののち石原少将が来て、事件を内密に処理してくれた。
次の日、いつもどおり外務省の男性に戻った薫さんを連れて司令部に赴くと、その石原が薫さんの額に出来た微かな傷を見て意味ありげに、ご苦労様と言って笑った。
“ひょっとして、すべてお見通しなのか?”
調査団を招いた事で、英仏伊の新聞ではソビエトによる満州への侵略を日本が阻止したことが報道され、国際連盟の場でもソビエトは注意されたらしい。
らしいと言うのは、私がこの時代に戻る前年の昭和8年に日本は連盟から脱退していたから事の詳細まではハッキリと分からない。
中国からも蒋介石個人としてだが、事実上感謝状ともとれる書簡を頂いた。
既に基本路線として何年かかるかは未だハッキリしていないものの、日本政府は永続的に満州を支配しない旨を非公式ではあるが伝えているし、日中間で平和協定が締結される頃には満州の中国への返還も非公式ではなくなる。
中国政府も今回のソビエトによる満州への侵略が、日本寄りに傾いている国民党への警鐘であることは十分理解したうえで、その地図上の立地からこの地がソビエトに奪われる事の危険性を認識したに違いない。
満州がソビエトに支配されれば、国民党の力の弱い場所。
つまり共産党の力の強い北京は、それを支援しているソビエトと陸続きになると言う事で、もしそうなれば現在の国民党軍と共産党軍のパワーバランスは崩れてしまう。
ただ、アメリカだけは何故か静観していた事が気になるところだが、全体的に見るとやはり事実を公にしたことに意義があったのは間違いない。
前史では、このノモンハンの戦いは時期をずらして2回あった。
今回は勝ったが、その前史で2回目の戦いはハッキリとした負けではないものの、痛い目に遭わされた。
そしてこのことで陸軍が考えていた北進(ソビエトとの戦争)は回避されたが、逆に南進(アメリカなどとの戦争)に切り替えられた。
中国国民党と平和協定が締結でき、ソビエトによる第2次ノモンハン事件も起こらなければベストなのだが、中国共産党を後押ししているソビエトが素直に引き下がるとは思えなかった。
とりあえず満州に残っていても出来ることはないので、一旦帰国することにした。
柳生さんにも声をかけたが、彼は第2次ノモンハン事件に備えてまだやらなければならないことがあると言って現地に残った。
2人のうち一人が、それに応えて士官室に向かい、残ったもう一人に言い忘れていた軍医の手配を頼んだ。
急に軍医の手配を頼まれた歩哨が、宿舎の見張りが誰も居なくなるからと断ったが、私が代わりに歩哨に立つ旨を伝えて急がせると彼もまた走って士官室に向かった。
その間に薫さんを逃がすと救出したロッシ書記官に「あの女性は?」と聞かれたので、日本側が貴殿たちのために特別に用意したボディガードだが、特殊な任務のため素性はもちろんその行動もたとえ同じ日本軍であろうと教えることは出来ないから貴殿もあの女性の存在は秘密にするようにと注意した。
ロッシ書記官は、急に笑顔になり言った。
「Oh!つまり、スペシャルエージェントですね。素晴らしい‼感謝!感謝です!!」と。
本来なら軽はずみな行動をとった責任を感じるべき立場の者の、この言い草にカチンときたがそれをここで言っても仕方がない。
だから顔は平然としたまま、“この、女好きのデカち〇野郎が……” と心の中で彼を罵倒した。
そののち石原少将が来て、事件を内密に処理してくれた。
次の日、いつもどおり外務省の男性に戻った薫さんを連れて司令部に赴くと、その石原が薫さんの額に出来た微かな傷を見て意味ありげに、ご苦労様と言って笑った。
“ひょっとして、すべてお見通しなのか?”
調査団を招いた事で、英仏伊の新聞ではソビエトによる満州への侵略を日本が阻止したことが報道され、国際連盟の場でもソビエトは注意されたらしい。
らしいと言うのは、私がこの時代に戻る前年の昭和8年に日本は連盟から脱退していたから事の詳細まではハッキリと分からない。
中国からも蒋介石個人としてだが、事実上感謝状ともとれる書簡を頂いた。
既に基本路線として何年かかるかは未だハッキリしていないものの、日本政府は永続的に満州を支配しない旨を非公式ではあるが伝えているし、日中間で平和協定が締結される頃には満州の中国への返還も非公式ではなくなる。
中国政府も今回のソビエトによる満州への侵略が、日本寄りに傾いている国民党への警鐘であることは十分理解したうえで、その地図上の立地からこの地がソビエトに奪われる事の危険性を認識したに違いない。
満州がソビエトに支配されれば、国民党の力の弱い場所。
つまり共産党の力の強い北京は、それを支援しているソビエトと陸続きになると言う事で、もしそうなれば現在の国民党軍と共産党軍のパワーバランスは崩れてしまう。
ただ、アメリカだけは何故か静観していた事が気になるところだが、全体的に見るとやはり事実を公にしたことに意義があったのは間違いない。
前史では、このノモンハンの戦いは時期をずらして2回あった。
今回は勝ったが、その前史で2回目の戦いはハッキリとした負けではないものの、痛い目に遭わされた。
そしてこのことで陸軍が考えていた北進(ソビエトとの戦争)は回避されたが、逆に南進(アメリカなどとの戦争)に切り替えられた。
中国国民党と平和協定が締結でき、ソビエトによる第2次ノモンハン事件も起こらなければベストなのだが、中国共産党を後押ししているソビエトが素直に引き下がるとは思えなかった。
とりあえず満州に残っていても出来ることはないので、一旦帰国することにした。
柳生さんにも声をかけたが、彼は第2次ノモンハン事件に備えてまだやらなければならないことがあると言って現地に残った。
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