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魔王、降臨。
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「秘密基地、とは? 」
伯爵達は、セラムを見た。
「ごめんなさい、父様。」
セルビィは、父親の足に抱き着いて許しをこう。
「『秘密』だと言われたのに、僕 僕。ごめんなさい。」
わあっ と、泣きなが父親に抱き着いた。セラムは膝を折り、セルビィを抱き締めた。
「もう、姉様は助けられません。ごめんなさい、ごめんなさい 父様。」
泣きじゃくるセルビィに、セラムは『恐怖』した。
「子供の戯言、聞かなかった事にしてくれ。」
少し声が、震える。其れが、真実味を持たせる。
「嫌、話して頂きたい。」
三人の一人が、言った。
「頼む、聞かないでくれ。これ以上は。」
セラムは、セルビィを抱き締め目を反らした。
「ランドール公、お願いする。話を、」
「これ以上、敬らを巻き込む訳にはいかない。」
「公爵殿!! 」
「帰って、くれ。頼む。」
セラムは、セルビィを強く抱き締めた。三伯爵は、セラムの前に膝を折る。
「聞かせて下さい、公爵様。」
「少しでも、娘を救える手立てが在るなら。」
「我等は、娘が憐れで成らないのです。公爵殿、解っていただけませんか。」
セラムは、三人を見た。
「解らすはず、ないで あろう。」
悔しそうに、セラムは顔を歪めた。愛する妹を奪われ、今度は娘まで奪おうとする国に対して。
「聞けば、後戻りは出来なくなる。それでも、」
「かまいません。」
即座に、三人は応えた。
「裏切りは、許さない。俺は、娘が可愛い。裏切れば、敬らを斬って捨てる覚悟だ。」
ごくり と、三人の喉が鳴った。セラムは目は、鬼気を孕んでいる。
「父様。」
セルビィは、父親を ぎゅっ と抱き締めた。
この日、三伯爵と公爵は未来を定めた同士と成った。
会議室の扉の所で、一部始終話を聞いていたナルトは。
(こ、怖ぇ。叔父さん、悪魔じゃ無い。魔王が、魔王が ここにいる。)
躰を振るわせて、立っていた。
数日後、三伯爵は荒れたルナの大地を北に進んでいた。伯爵領を越え、公爵領の町ランドまで二日。そこから、岩山の麓まで三日。
途中で、帰郷中の軍の小隊と合流した事で夜も強行の為一日で付くことができた。王都から、三日目でこの開拓地の前に三伯爵は立っていた。
「これは、」
三伯爵は、言葉を失った。目の前にある光景は、岩山の入り江にある島の様であった。段階に敷き詰められた土、遥か彼方には、森らしき物もある。何より水が、僅かだが足の下を流れている。
「この水は、何処から。」
「雪解け水です。」
その声に、三伯爵は振り返った。
「君は、ボルト君。」
「ご無沙汰です。三伯爵殿。」
「これは、君が? 」
「いえ、俺は ただの現場監督です。」
「では、軍師がいると言う事か。」
「ええ、恐ろしい知恵者です。貴方がたも、知る者です。」
三伯爵は、後ろに居る公爵を見た。
「いえ、其れはありません。あれは、脳筋です。」
三伯爵は、頷いた。
「おい、失礼だぞ。」
セラムは怒った、だが顔は笑っていた。
「しかし、雪解け水ですか。これ程、大量の。」
「上の方に、森が見えますか?」
「ああ、ありますな。」
「あの先に、堀があって そこに山から雪を落として 溶かして使います。」
「なるほど、山の上は万年雪ですからな。」
三伯爵は、感心する。
「土や木は森から、目を放すと雑草が凄くて。」
「其れは、嬉しい悲鳴ですな。我が領土は、雑草も生えない。」
歩きながら、ボルトは説明を続ける。
「雑草は、家畜に食べさせてます。畑も、稼動し始めました。家は、まあ。掘っ立て小屋ですが、これからと言う事で。」
ボルトは、目を閉じて息を吐く。
「ここまで、五年かかりました。」
「五年!! 五年も前から!? ここを!! 」
三伯爵は、驚いた。
「よく、バレなかったな。視察とかは? 」
「視察は最近まで、なかったな。」
「最近、あったのか? 」
「よく、無事だったな。」
ボルトは、頭を掻いた。
「まあ、視察はランドの町をな。」
「なるほど。」
三伯爵は、再び感心する。
「資金は? 」
ボルトは、目線を反らした。
「ランドール家への援助金だ。」
「其れは、横領か!? 」
「いや、豪の者の援助の為の金を。豪の者の為に使う。これは、横領とは言わないらしい。」
「た、確かに。だが、 」
「何か、うん。」
「しかし、そうだな。」
確かに、理に適っていたが理不尽を感じる。
「まあ、気にするな。」
後から、公爵が軽く言った。何故か、彼は機嫌がよかった。
「昨日から、気になっていたんだが。」
「うん、なんだ。」
「あれは、軍用馬車に 軍馬だよな。」
「ああ、そうだな。」
公爵は、明るく応えた。
「なぜ、ここに!?」
「て、ゆうっか!! 砦の護りは!? 」
「なぜに!? 小隊が、ここに!? 」
三伯爵の言葉が、崩れた。
「いやー。セルビィが、軍兵の体力作りと移動訓練と指揮系統訓練の為にここでどうだって。」
公爵は、鼻を擦りながら嬉しそうに言った。
「セ、セルビィ君!? 」
三伯爵は、顎が外れる程口を開けた。
「いやー。うちの子、天使なうえに、天才で。」
満面の笑顔で、公爵は話す。
「もしかしたら『転生者』かも て なんてな。」
高らかに、笑いだした。
三伯爵は、ボルトを見た。ボルトとは、開拓地の完成図案を三人に見せた。
其れは、どう見ても子供が描いた絵だった。上の空白には、
『水が、いっぱい欲しい時は 雪崩を起こして堀に雪を落として下さい。』
と、子供のつたない文字が書かれてある。
「俺からの忠告だ。あれは、敵に回すとやばいぞ。」
そう言って、ボルトは引き攣った笑いを三人に向けた。
『悪魔は、天使の顔でやって来る。』
その言葉の意味を、三人は噛み締めるのであった。
セルビィの望む、姉 セルビアの婚約破棄に一歩 近付いた。其れは、オースト国の崩壊に一歩 近付いた事を意味していた。
伯爵達は、セラムを見た。
「ごめんなさい、父様。」
セルビィは、父親の足に抱き着いて許しをこう。
「『秘密』だと言われたのに、僕 僕。ごめんなさい。」
わあっ と、泣きなが父親に抱き着いた。セラムは膝を折り、セルビィを抱き締めた。
「もう、姉様は助けられません。ごめんなさい、ごめんなさい 父様。」
泣きじゃくるセルビィに、セラムは『恐怖』した。
「子供の戯言、聞かなかった事にしてくれ。」
少し声が、震える。其れが、真実味を持たせる。
「嫌、話して頂きたい。」
三人の一人が、言った。
「頼む、聞かないでくれ。これ以上は。」
セラムは、セルビィを抱き締め目を反らした。
「ランドール公、お願いする。話を、」
「これ以上、敬らを巻き込む訳にはいかない。」
「公爵殿!! 」
「帰って、くれ。頼む。」
セラムは、セルビィを強く抱き締めた。三伯爵は、セラムの前に膝を折る。
「聞かせて下さい、公爵様。」
「少しでも、娘を救える手立てが在るなら。」
「我等は、娘が憐れで成らないのです。公爵殿、解っていただけませんか。」
セラムは、三人を見た。
「解らすはず、ないで あろう。」
悔しそうに、セラムは顔を歪めた。愛する妹を奪われ、今度は娘まで奪おうとする国に対して。
「聞けば、後戻りは出来なくなる。それでも、」
「かまいません。」
即座に、三人は応えた。
「裏切りは、許さない。俺は、娘が可愛い。裏切れば、敬らを斬って捨てる覚悟だ。」
ごくり と、三人の喉が鳴った。セラムは目は、鬼気を孕んでいる。
「父様。」
セルビィは、父親を ぎゅっ と抱き締めた。
この日、三伯爵と公爵は未来を定めた同士と成った。
会議室の扉の所で、一部始終話を聞いていたナルトは。
(こ、怖ぇ。叔父さん、悪魔じゃ無い。魔王が、魔王が ここにいる。)
躰を振るわせて、立っていた。
数日後、三伯爵は荒れたルナの大地を北に進んでいた。伯爵領を越え、公爵領の町ランドまで二日。そこから、岩山の麓まで三日。
途中で、帰郷中の軍の小隊と合流した事で夜も強行の為一日で付くことができた。王都から、三日目でこの開拓地の前に三伯爵は立っていた。
「これは、」
三伯爵は、言葉を失った。目の前にある光景は、岩山の入り江にある島の様であった。段階に敷き詰められた土、遥か彼方には、森らしき物もある。何より水が、僅かだが足の下を流れている。
「この水は、何処から。」
「雪解け水です。」
その声に、三伯爵は振り返った。
「君は、ボルト君。」
「ご無沙汰です。三伯爵殿。」
「これは、君が? 」
「いえ、俺は ただの現場監督です。」
「では、軍師がいると言う事か。」
「ええ、恐ろしい知恵者です。貴方がたも、知る者です。」
三伯爵は、後ろに居る公爵を見た。
「いえ、其れはありません。あれは、脳筋です。」
三伯爵は、頷いた。
「おい、失礼だぞ。」
セラムは怒った、だが顔は笑っていた。
「しかし、雪解け水ですか。これ程、大量の。」
「上の方に、森が見えますか?」
「ああ、ありますな。」
「あの先に、堀があって そこに山から雪を落として 溶かして使います。」
「なるほど、山の上は万年雪ですからな。」
三伯爵は、感心する。
「土や木は森から、目を放すと雑草が凄くて。」
「其れは、嬉しい悲鳴ですな。我が領土は、雑草も生えない。」
歩きながら、ボルトは説明を続ける。
「雑草は、家畜に食べさせてます。畑も、稼動し始めました。家は、まあ。掘っ立て小屋ですが、これからと言う事で。」
ボルトは、目を閉じて息を吐く。
「ここまで、五年かかりました。」
「五年!! 五年も前から!? ここを!! 」
三伯爵は、驚いた。
「よく、バレなかったな。視察とかは? 」
「視察は最近まで、なかったな。」
「最近、あったのか? 」
「よく、無事だったな。」
ボルトは、頭を掻いた。
「まあ、視察はランドの町をな。」
「なるほど。」
三伯爵は、再び感心する。
「資金は? 」
ボルトは、目線を反らした。
「ランドール家への援助金だ。」
「其れは、横領か!? 」
「いや、豪の者の援助の為の金を。豪の者の為に使う。これは、横領とは言わないらしい。」
「た、確かに。だが、 」
「何か、うん。」
「しかし、そうだな。」
確かに、理に適っていたが理不尽を感じる。
「まあ、気にするな。」
後から、公爵が軽く言った。何故か、彼は機嫌がよかった。
「昨日から、気になっていたんだが。」
「うん、なんだ。」
「あれは、軍用馬車に 軍馬だよな。」
「ああ、そうだな。」
公爵は、明るく応えた。
「なぜ、ここに!?」
「て、ゆうっか!! 砦の護りは!? 」
「なぜに!? 小隊が、ここに!? 」
三伯爵の言葉が、崩れた。
「いやー。セルビィが、軍兵の体力作りと移動訓練と指揮系統訓練の為にここでどうだって。」
公爵は、鼻を擦りながら嬉しそうに言った。
「セ、セルビィ君!? 」
三伯爵は、顎が外れる程口を開けた。
「いやー。うちの子、天使なうえに、天才で。」
満面の笑顔で、公爵は話す。
「もしかしたら『転生者』かも て なんてな。」
高らかに、笑いだした。
三伯爵は、ボルトを見た。ボルトとは、開拓地の完成図案を三人に見せた。
其れは、どう見ても子供が描いた絵だった。上の空白には、
『水が、いっぱい欲しい時は 雪崩を起こして堀に雪を落として下さい。』
と、子供のつたない文字が書かれてある。
「俺からの忠告だ。あれは、敵に回すとやばいぞ。」
そう言って、ボルトは引き攣った笑いを三人に向けた。
『悪魔は、天使の顔でやって来る。』
その言葉の意味を、三人は噛み締めるのであった。
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