悪役令嬢の弟。

❄️冬は つとめて

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優しく美しく怖い、笑顔。

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「私達の婚約解消。」
静まった玄関ホールに、セルビアの声が響いた。

『クシュン。』
寒い玄関ホールに、可愛いくしゃみが響いた ナルトの。
メイド達が、冷たい目を向ける。
「仕方ないだろ!! 埃が鼻に。お前ら、掃除してるのか!! 」
メイド達に、たこ殴りにされる ナルト。
「アリス、花瓶は止めろ!! 死ぬって、死ぬ!! 」

「アリスさん、止めなさい。」
執事がアリスを止める。
「助かった、爺さん。」
アリスは、大きな花瓶を頭の上に掲げぷるぷる している。
「それは、高う御座います。こちらに。」
執事は、掃除で使っていた水の入った小さな樽を差し出す。
貧乏公爵家で有ったが、人が出入りする玄関ホールや応接間、その間の廊下は高い物を置いていた。
アリスは そっと花瓶を下ろすと、小樽を受け取った。
「俺が、悪かった!! きれい、きれいだ!! 頰刷り出来るくらい、きれいだ!! 」
ナルトは、床に頰刷りしてみせる。

「姉様。詳しくは、書斎の方で話します。此処は少し、寒いです。」
セルビィは、ナルトを見なかった事にした。
「助けろよ、おい!! 」
無視して、姉達とその場を離れていく。哀しい悲鳴が、後から聞こえる。令嬢達は振り返っていたが、セルビィは振り返らなかった。


父セラムの書斎。
セラムは、今砦に常駐しているので綺麗な物だった。
机と椅子、一組の応接用テーブルが有った。片側に姉達をソファにセルビィは、座らせる。対するようにセルビィも座った、何故かナルトも隣に座っている。
何とか危険を回避して、此処にいた。

「お前ら、セルビィの話を聞かなくていいのか? 」
「アリス、それを被せれば ここを掃除しなくては成らなくなるぞ。」
「セルビィの重要な話は、終わってしまうぞ!! 」
と、何とか危険を回避して、今安全地帯のセルビィの横に。
数少ない使用人達は、セルビィの話を聞く為に集まっていた。

「セルビィ、婚約解消とはどう言う事なの? 」
セルビアは、真面目な顔でセルビィに聞く。
「はい。姉様達と阿呆様達の婚約を解消しようと、思いました。」
微笑む。
「ありがとう、セルビィ。でも、駄目なの。」
セルビア達は、哀しそうに微笑んだ。セルビィの気持は嬉しかったが、豪の者の為には婚約解消をする訳には行かなかった。
「まさか、姉様。阿呆様達が、好きなのですか? 」
「「「「それは、ない!! 」」」」

辛そうに呟いたセルビィの問に、セルビア達は声を揃えて否定した。

「ああ、よかった。もし、姉様達が、阿呆様達好きなら 僕 哀しくて泣いてしまいます。」
セルビィは、手を合わせて喜んだ。しかし首を傾げる。
「どうして、駄目なのです? 」
令嬢達は、顔を見合わせて頷いた。静かに話し出す。

「セルビィ。豪の大地は、ルナの地と呼ばれるほど荒れているわね。」
「はい。」
セルビアは、哀しそうに微笑んだ。
「水も食料も、この国オースト国に頼っているの。」
アイリーンは、優しく話を続ける。
「私達が、婚姻をする代わりに豪の者に援助をして貰えるの。」
テレジアは、慈愛に満ちた微笑みを称えた。
「オースト国を安心させるには、私達が王都に。殿下達の婚約者、伴侶でいる必用があるの。」
メイド達の中には、啜り泣く者もいた。
「でも、大丈夫よ。私達が、伴侶になったら。」
「そう、全力を尽くして豪の者の待遇の改善をしてみせるわ。」
「皆の為に、頑張るわ。」
「姉様達を、信じてセルビィ。」
令嬢達は、明るく微笑んで見せた。その笑顔に、益々メイド達は啜り泣く。

「姉様達は、人質ですね。」
「セルビィ。」

「僕達、豪の者が反旗を振るわないように。」
「セルビィ君。」

「姉様達を、伴侶と言う檻に閉じ込める積もりです。」
「違うわ、セルビィ君。」

「姉様達が、辛い思いをする必用は有りません。」
「セルビィ君、私達。辛くないから。」
セルビィの言葉に、令嬢達は首を振って微笑んで見せる。

「本当よ、全然辛くないのよ。セルビィの 皆の為なら 私達喜んで、頑張れる。」
セルビアは、明るい声を出す。
「姉様。」
セルビィは、セルビア達に優しく微笑んだ。
「もう、大丈夫です。無理しないで、下さい。」
セルビィは、セルビアの手を取った。
「僕に、総てを 任せて下さい。」
まるで子供に諭すように、優しい口調で話す。
「もう、大丈夫です。総ては、整いました。後は、決行するだけです。」
見た事も無い大人びた表情のセルビィに、その場にいる者達は心奪われる。

「水も食料も、住む場所も総て用意しています。安心して下さい、姉様。」

「セルビィ。」
「「「セルビィ君。」」」
「「「「セルビィ様。」」」」
セルビィは、何とも言えない笑顔を称えた。其れは、優しく美しく怖い 笑顔で有った。


部屋の中が静まり返る。このままでは、話が進まないとナルトが声を掛けた。
「この事は、決行までオフレコで頼む。」
「そうです。決行まで、秘密です。」
セルビィは、人差し指を口元にあてて可愛らしく微笑んだ。其れは、何時もの天使の微笑みだった。
その場にいた者は、金縛りが解けたように溜息を付く。
「では、ナルト様。後は、御願いします。」
「丸投げか!! 」

そして、この十年間の行動をナルトは掻い摘まんでこの場にいる者達に話すので有った。
驚く姉達や使用人達を、セルビィは優しい笑顔で見詰めていた。

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