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下衆達。
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会場内の貴族と子息達は、王と聖教長の言葉に落ち着きを取り戻した。
「そうだな、セルビィ殿が此方に折られるのだから。」
「セラム殿が砦を取り戻してくれる。」
都合のいいことを言い始める。
「そうですわ、陛下の言うとおりですわ。」
「神は私達を見捨てなかった。」
「ええ、セルビィ様をこの国にお残しになさった。」
下卑た笑いを、腕を後ろ手に縛られ王の前に兵士に寄って跪かされ捕まっているセルビィに向ける。
「僕は、人質にはなりませんよ。」
セルビィは言い張った。王や貴族達は強がりだと鼻で笑った。
「人質になるかならないかは、儂が決めることだ。」
「「「そうだ、我等がオースト国王陛下がお決めになること!! 」」」
貴族達は国王陛下を称える。
「子供だからと自由にさせて折ったのに。」
「監禁する事も無く、学園にまで通わせてあげていたというのに。」
王と聖教長は、セルビィに言葉を投げかける。
「本当だ、豪の者の分際で。」
「学園に通わせて貰っていた事に、陛下に感謝をするべきですわ。」
大人達がセルビィを責める。
「名ばかりの爵位を貰って、いい気になっていたのでしょう。」
「王太子様の婚約者としての名誉に地に頭を擦りつけて感謝をするべきでしたわね。」
貴族子女達も親に習って、セルビィを嘲笑う。
「我々の優しさが分からなかったようですね。」
聖教長はセルビィの前に立ち、黒髪を持って顔を上に向かせる。
「ですが、今回の事は褒めてあげましょう。」
聖教長は微笑みを称える。
「豪の者達が、我々には大切な物だと気づかせてくれたことに。」
「そうだな、こやつは大切にしまって置かなければな。」
王は見下ろす。
「ええ、綺麗な鳥籠に入れて。」
聖教長は意味ありげに笑った。
「それはいい。あの鳥籠に入れて、可愛い声で鳴いてもらおう。」
セルビィが茫然と二人を見ていると。
「王城にある一角の塔です。あそこは下からは入れません。」
「そうだ、儂の部屋から吊り橋を通さねば行くことが出来ぬ。」
聖教長の手が厭らしくセルビィの頬を撫でた。
「あなたの伯母のセーラー殿が居られた場所です。」
「儂らが可愛がって、よく可愛い声で鳴いておった。」
下卑た笑いをセルビィにかける。
「あなたはセーラー殿に似てとても可愛らしいですよ。」
厭らしく笑う。
「儂らが可愛がってやろう。」
「ええ、情けをかけて差し上げましょう。」
王と正教長は欲情有る眼で、セルビィを見詰める。
「宜しゅうごさいましたな、セルビィ殿。」
「陛下と公爵様に情けをかけて貰えるなど。」
「名誉有る、行いですわ。」
「陛下の為に、いい声で鳴いて差し上げて下さい。」
「有難き、処遇ですわ。」
厭らし笑いでセルビィを包み込む。大広間の中に残る貴族達は、セルビィを嘲り笑うのであった。
「安心するがいい、独りでは寂しかろう。逃げた三羽の小鳥も捕まえて一緒に飼ってやろう。」
「ええ、よい声で囀ってくれるでしょう。」
案に令嬢達をセルビィと同じく、鳥籠に入れて可愛がってやると言っている。
「まあ、なんと誇らしい。」
「宜しゅうございますわ、セルビィ様。」
「情け深い陛下、お優しい公爵様。豪の者はなんと幸せで御座いましょう。」
王と聖教長を称賛する。
「猛獣はこの国を護るために働いてくれるだろう。今までのように。」
「ええ、可愛い小鳥を護るために。我々の為に。」
「素晴らしです。」
「なんと言うお考え。」
「さすがで、御座います。」
「「陛下!! 」」
「「公爵様!! 」」
「「「我等の太陽!! 我等の神!!」」」
貴族達は王達を称え、称賛する。
大広間は歓喜に震えた。
すっと、公爵が手を上げると貴族達は静まり返る。
「豪の者は、神から我々に与えられた贈り物なのです。」
静まり返った大広間に公爵の声が響き渡る。セルビィに向かって下卑た微笑みを見せる。
「屑だと思っていましたが、下衆でしたか。」
何の感情も表さない瞳で声で、セルビィは言う。
「僕は、人質にはなりませんよ。」
「ハハハハッ!! 舌でも噛んで自害でもするつもりか? だが舌を噛んだくらいでは人は死なないぞ。」
王の笑い声が響く。周りの貴族達も王に習って、セルビィを笑った。
「ち、父上……。」
アラン達は戸惑っていた。一度は愛した女性と弟のように可愛がっていた者に対しての父達の余りの言い方に。彼等は阿保で頓珍漢で屑であったが、まだ下衆にはなっていなかった。
「アランお前は小鳥を逃がした罪で、謹慎を命ずる。」
「父上……。」
「シモン、あなた達もです。小鳥が戻って来るまでは、殿下と一緒に謹慎していなさい。」
茫然とするアラン達四人。
「北の塔に連れて行きなさい。」
公爵は近衛騎士の何人かに命令を下す。命に従った十人の内の二人が王太子を促した。
「その令嬢も連れて行きなさい。」
「えっ!? 私も、どうして? 」
フローネもオロオロしながらアラン達と共に会場内から塔へと幽閉されるために連れて行かれた。
「使えぬ。」
「ええ、使えないならいりません。」
二人の冷たい声がセルビィにも聞こえた。貴族達は王達の声に既にアラン達は亡い者として考えた。
「此所を護る兵士達よ。」
王は近くの会場を護る護衛兵士を何人か呼び寄せた。
「小鳥を鳥籠に入れるよう城に連れて行け。」
王は四人の兵士達に命令を下す。
「公爵家の馬車をを使いなさい。城の門番にこの信書を渡せば、近衛騎士に後を任せて帰って来なさい。」
そう言って、公爵は近くの兵士に信書を渡す。公爵印の付いた信書。
「この会場を護っている兵士は皆行け。小鳥を奪われてはならん。」
「しかし、会場内の護りが。」
隊長らしき兵士が王の前で、膝を折る。
「構いません、近衛騎士が我等を護ります。」
「御意に。」
隊長は王達に頭を下げた。
既に二十人程の兵士が出口の処に集まっていた。隊長はセルビィを立たせると出口へと歩き出す。
「帰ったら可愛がってやろう。」
下卑た笑いを発する王、それに習う貴族達。その笑いの中をセルビィは兵士達に連れられて、会場を後にする。
「さあ、パーティーの続きを始めましょう。」
パンパンと手を叩いて、公爵は貴族達に笑いかけた。既に猛獣達に首輪を付けたと確信をして。
「そうだな、セルビィ殿が此方に折られるのだから。」
「セラム殿が砦を取り戻してくれる。」
都合のいいことを言い始める。
「そうですわ、陛下の言うとおりですわ。」
「神は私達を見捨てなかった。」
「ええ、セルビィ様をこの国にお残しになさった。」
下卑た笑いを、腕を後ろ手に縛られ王の前に兵士に寄って跪かされ捕まっているセルビィに向ける。
「僕は、人質にはなりませんよ。」
セルビィは言い張った。王や貴族達は強がりだと鼻で笑った。
「人質になるかならないかは、儂が決めることだ。」
「「「そうだ、我等がオースト国王陛下がお決めになること!! 」」」
貴族達は国王陛下を称える。
「子供だからと自由にさせて折ったのに。」
「監禁する事も無く、学園にまで通わせてあげていたというのに。」
王と聖教長は、セルビィに言葉を投げかける。
「本当だ、豪の者の分際で。」
「学園に通わせて貰っていた事に、陛下に感謝をするべきですわ。」
大人達がセルビィを責める。
「名ばかりの爵位を貰って、いい気になっていたのでしょう。」
「王太子様の婚約者としての名誉に地に頭を擦りつけて感謝をするべきでしたわね。」
貴族子女達も親に習って、セルビィを嘲笑う。
「我々の優しさが分からなかったようですね。」
聖教長はセルビィの前に立ち、黒髪を持って顔を上に向かせる。
「ですが、今回の事は褒めてあげましょう。」
聖教長は微笑みを称える。
「豪の者達が、我々には大切な物だと気づかせてくれたことに。」
「そうだな、こやつは大切にしまって置かなければな。」
王は見下ろす。
「ええ、綺麗な鳥籠に入れて。」
聖教長は意味ありげに笑った。
「それはいい。あの鳥籠に入れて、可愛い声で鳴いてもらおう。」
セルビィが茫然と二人を見ていると。
「王城にある一角の塔です。あそこは下からは入れません。」
「そうだ、儂の部屋から吊り橋を通さねば行くことが出来ぬ。」
聖教長の手が厭らしくセルビィの頬を撫でた。
「あなたの伯母のセーラー殿が居られた場所です。」
「儂らが可愛がって、よく可愛い声で鳴いておった。」
下卑た笑いをセルビィにかける。
「あなたはセーラー殿に似てとても可愛らしいですよ。」
厭らしく笑う。
「儂らが可愛がってやろう。」
「ええ、情けをかけて差し上げましょう。」
王と正教長は欲情有る眼で、セルビィを見詰める。
「宜しゅうごさいましたな、セルビィ殿。」
「陛下と公爵様に情けをかけて貰えるなど。」
「名誉有る、行いですわ。」
「陛下の為に、いい声で鳴いて差し上げて下さい。」
「有難き、処遇ですわ。」
厭らし笑いでセルビィを包み込む。大広間の中に残る貴族達は、セルビィを嘲り笑うのであった。
「安心するがいい、独りでは寂しかろう。逃げた三羽の小鳥も捕まえて一緒に飼ってやろう。」
「ええ、よい声で囀ってくれるでしょう。」
案に令嬢達をセルビィと同じく、鳥籠に入れて可愛がってやると言っている。
「まあ、なんと誇らしい。」
「宜しゅうございますわ、セルビィ様。」
「情け深い陛下、お優しい公爵様。豪の者はなんと幸せで御座いましょう。」
王と聖教長を称賛する。
「猛獣はこの国を護るために働いてくれるだろう。今までのように。」
「ええ、可愛い小鳥を護るために。我々の為に。」
「素晴らしです。」
「なんと言うお考え。」
「さすがで、御座います。」
「「陛下!! 」」
「「公爵様!! 」」
「「「我等の太陽!! 我等の神!!」」」
貴族達は王達を称え、称賛する。
大広間は歓喜に震えた。
すっと、公爵が手を上げると貴族達は静まり返る。
「豪の者は、神から我々に与えられた贈り物なのです。」
静まり返った大広間に公爵の声が響き渡る。セルビィに向かって下卑た微笑みを見せる。
「屑だと思っていましたが、下衆でしたか。」
何の感情も表さない瞳で声で、セルビィは言う。
「僕は、人質にはなりませんよ。」
「ハハハハッ!! 舌でも噛んで自害でもするつもりか? だが舌を噛んだくらいでは人は死なないぞ。」
王の笑い声が響く。周りの貴族達も王に習って、セルビィを笑った。
「ち、父上……。」
アラン達は戸惑っていた。一度は愛した女性と弟のように可愛がっていた者に対しての父達の余りの言い方に。彼等は阿保で頓珍漢で屑であったが、まだ下衆にはなっていなかった。
「アランお前は小鳥を逃がした罪で、謹慎を命ずる。」
「父上……。」
「シモン、あなた達もです。小鳥が戻って来るまでは、殿下と一緒に謹慎していなさい。」
茫然とするアラン達四人。
「北の塔に連れて行きなさい。」
公爵は近衛騎士の何人かに命令を下す。命に従った十人の内の二人が王太子を促した。
「その令嬢も連れて行きなさい。」
「えっ!? 私も、どうして? 」
フローネもオロオロしながらアラン達と共に会場内から塔へと幽閉されるために連れて行かれた。
「使えぬ。」
「ええ、使えないならいりません。」
二人の冷たい声がセルビィにも聞こえた。貴族達は王達の声に既にアラン達は亡い者として考えた。
「此所を護る兵士達よ。」
王は近くの会場を護る護衛兵士を何人か呼び寄せた。
「小鳥を鳥籠に入れるよう城に連れて行け。」
王は四人の兵士達に命令を下す。
「公爵家の馬車をを使いなさい。城の門番にこの信書を渡せば、近衛騎士に後を任せて帰って来なさい。」
そう言って、公爵は近くの兵士に信書を渡す。公爵印の付いた信書。
「この会場を護っている兵士は皆行け。小鳥を奪われてはならん。」
「しかし、会場内の護りが。」
隊長らしき兵士が王の前で、膝を折る。
「構いません、近衛騎士が我等を護ります。」
「御意に。」
隊長は王達に頭を下げた。
既に二十人程の兵士が出口の処に集まっていた。隊長はセルビィを立たせると出口へと歩き出す。
「帰ったら可愛がってやろう。」
下卑た笑いを発する王、それに習う貴族達。その笑いの中をセルビィは兵士達に連れられて、会場を後にする。
「さあ、パーティーの続きを始めましょう。」
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