【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。

❄️冬は つとめて

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私の親友の、自称素敵なお兄様。

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総ての授業が終わり、ルミナスとエリーゼは学園の玄関に向かって歩いていた。玄関の手前で一人の男性が立っていた。

学生服では無く、少しお洒落な服装でそこで格好付けて立っていた。年もルミナス達より年上に見える。

誰かの婚約者か、親族であると思い当たる。

「すまない、ルミナス。」
男性は金色の髪を掻き上げた。

「僕の大切なルミナスが、辛い思いをしていたなんて。」
男性は壁に片手を付いて苦悩する。

「だから僕は反対だったんだ、ルミナスの婚約にあんな子供などと。」
もう片手を握り締め、首を振った。

(えっ、ルミナス? )
この人はルミナスの知り合いなのかと、エリーゼは彼女を見た。 ルミナスはただ茫然と立ち尽くしている。
無理もない、金髪碧眼で少しは格好いいが動きがひとつひとつ派手でまるで芝居をしているように見受けられる。

(私なら知り合いだとは知られたくはないわ。)
エリーゼは心配そうにルミナスを見詰めた。

「ああ、君がエリーゼだね。ルミナスの親友の。」
「えっ、私の事をご存じなの? 」

「勿論、知っているさ。手紙には君のこともよく書かれている。」
「あなたは、誰? 」

見知らぬ男性が自分のことを知っているのにエリーゼは不愉快になる。男性はエリーゼの問い掛けに何故か両腕を広げた。

「僕はルミナスの、さ。」
「えっ、ルミナスのお兄様!? 」

(自分に『素敵な』を着けるなんて、痛いわ。)
エリーゼは親友の兄だと言う男性に愛想笑いを浮かべる。

(ルミナスには似ても似つかない、軽そうなお兄様ね。)
エリーゼは少しがっかりした。
ルミナスの兄なら素敵な男性だと思っていたからだ。

「3年前に、ディザート国に留学されたと言うルミナスのお兄様ですか? 」
「ああ、ディザート国は愛溢れる素敵な処さ。」

男性は何故かその場でクルリと回った。言い方が何故か鼻につく、エリーゼは笑顔を引き攣らせた。

(無理、無理だわ、この人。)

「ああ、ルミナス。僕が留学をしてしまった所為で、辛い思いをさせてしまったね。」
髪を掻き上げる。

「あの婚約者は、ルミナス以外の女性に現を抜かしていると言うではないか。」
苦悩し、額を押さえ上を向く。

(いやーー、キモい!! )
エリーゼは、目を反らした。

(ルミナスのお兄様がこんなナルシストのキモい性格だなんて…… )
エリーゼは隣に立ち尽くし、顔を引き攣らせたルミナスを見る。

(あ、ルミナスも引いてるわ。)

「だが、もう大丈夫さ。」
男性は再び両腕を広げた。
目は期待してルミナスを見詰める。

(抱き付いて来いと言う事かしら? )
エリーゼは、嫌そうな顔で男性を見た。

「ルミナスを幸せに出来るのは、僕だけだ。さあ、おいでルミナス結婚しよう!! 」

「はあ!? 何言ってんのこいつ!! 」
エリーゼは、つい声に出してしまった。

(兄妹同士で、結婚で着るわけないじゃない!! )

「さあ、ルミナス。僕の腕の中へ!! 」
目をきらめかせ、男性は両腕を広げている。

「えっ、と。誰ですか? 」
青ざめた顔でルミナスは男性に声を掛けた。

「えっ、お兄様じゃないの!? 」
エリーゼはルミナスの言葉に声を上げた。

「ハハハハ。ルミナス、幼い時僕を『兄様』と呼んでくれたではないか。」
男性は、笑いながらルミナスに近づく。ルミナスもエリーゼも訳が分からず固まった。

「僕は気づいたんだ、ルミナスを妹の様に思っていた。いや、違うルミナスは立派な女性だ。」
頭を振りながら満面の笑みでルミナスに近づく。

「ルミナスが、恋心を持っていたのは解っていた。でも家の決めた政略結婚に幼い僕達は引き裂かれた。」
ルミナスは何かの間違いだと、頭を何度も振った。

「でもディザート国に行って、愛が何ものにも揺るがないモノだと知ったのだ。『真実の愛』それは尊い。」
自称『素敵なお兄さま』は、自分に浸りきっていた。

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