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俺の婚約者の、可愛い妹。
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「お姉さま~お帰りなさい~。」
可愛らしい声と共にピンクのドレスとふわりとした金の髪を揺らしながらルミナスの妹のミッシェルがオスカーの腕に抱き付いた。
「ミッシェル。むやみに殿方に抱き付いては駄目だよ。」
ルミナスはやんわりと妹を叱る。
「もー。お姉さまのいじわる。オスカーさまはミッシェルの事が好きなの。ねっ、オスカーさま。」
ミッシェルは可愛らしく首を傾げる。下から目線で微笑む。
「ああ、ミッシェルは可愛いよ。」
オスカーはミッシェルに向かって微笑んだ。ミッシェルはますますオスカーの腕に絡みついた。
「ほら、オスカーさまもミッシェルがいいって。お姉さまはお着替えでもしてきたら? オスカーさまはミッシェルとお茶をしましょう。」
「ミッシェル。」
ルミナスは妹をたしなめる。
「オスカーさま~こわ~い。お姉さまはいつもミッシェルをいじめるの~。」
「ミッシェル。」
妹をたしなようとした時オスカーがルミナスを制した。
「オスカー様…。」
「では、お部屋までエスコートの名誉を頂けますか? 」
オスカーは仰々しく紳士の礼を取りミッシェルに手を差しだした。
「よろこんで、オスカーさま。」
ミッシェルはオスカー手にちょこんと可愛らしい手を乗せた。
「ルミナス、君は着替えてくるといい。俺はお茶を頂いてくるよ。」
「もー。オスカーさまはミッシェルのパートナーなんだからお姉さまを見ないで~。」
「ああ、ごめんごめん。」
オスカーは笑顔で優しくミッシェルの頭を撫でる。チラリとミッシェルは勝ち誇ったように、姉のルミナスを見た。
「オスカー様、ミッシェル。」
「お嬢様。」
リンダが、ルミナスを着替えるように部屋へと促した。
「ミッシェル様にも困ったものです。」
リンダがルミナスの着替えを手伝っている時に話しをする。
「旦那様や奥様が、甘やかしているせいで。私に任せて貰えれば、ルミナス様のように立派な淑女に教育させて頂くのに。」
「そうね、少し甘やかしているわね。」
ルミナスは着替えを終えるとそっと、宝石箱に手を掛ける。昨日オスカーにプレゼントされた首飾りを取ろうと蓋を開ける。そこにあるはずの首飾りが無い。
「ミッシェル。」
ルミナスは急いで妹の元に走った。
応接室で楽しそうにお茶をしているミッシェルとオスカー。そこにはルミナスの母親も茶会に加わっていた。
「如何したのルミナス? そんなに慌てて、淑女に有るまじき行為ですよ。」
「お母様。」
母親の叱咤にルミナスは一呼吸置いた。
「ミッシェルが私の首飾りを持ち出したんです。」
「ミッシェル、そうなの? 」
母親はミッシェルを見た。
「だって~可愛かったの~。ミッシェルの方がにあうもん。」
ミッシェルは首飾りをわざと見せびらかすようにドレスから出した。
「返して、それは!! 」
「ルミナス、大声を出さないで。」
母親はルミナスを叱咤する。
「お願い返して、ミッシェル。」
ルミナスの言葉にミッシェルは目に涙を溜める。
「ひどい~。お姉さまはいっぱい持ってるんだから、一つくらいミッシェルにくれてもいいのに~。」
「他の物をあげるから、それは返して。」
「いや!! ミッシェルは、これがいいの!! お母さま~。」
グスグスと泣き始める。
母親は溜息を付いて、
「ルミナス。一つぐらいあげてもいいでしょう、お姉さんなんだから。」
「でも、お母様。」
(それはオスカー様から頂いた物なの。)
ルミナスは手を握り締めた。
「ミッシェル。」
オスカーが優しくミッシェルに声を掛ける。
「ミッシェルには俺が新たに可愛らしい物をプレゼントするからそれはルミナスに返してくれないか? 」
「ほんと、オスカーさま。ミッシェルにプレゼントをくれるの? 」
「ああ、だから… 」
「うれしい。あしたミッシェルとデートね、オスカーさま~。」
ミッシェルはオスカーに抱き付いた。
「あしたは何を着ようかな。」
そう叫ぶとミッシェルは、急いで部屋に戻って行った。
「待って、ミッシェル。首飾りを……。」
茫然と立ち尽くすルミナスに、母親は
「後で似たような物と取り替えるから今は我慢をして。」
「…はい、お母様。」
母親は溜息を付いてオスカーを見て言った。
「御免なさい、オスカー様。あの子、おませさんで。」
「いえ、ルミナスの可愛い妹ですから。」
ミッシェル・フォン・フレンダ 8歳。大人を夢見る可愛い少女であった。
可愛らしい声と共にピンクのドレスとふわりとした金の髪を揺らしながらルミナスの妹のミッシェルがオスカーの腕に抱き付いた。
「ミッシェル。むやみに殿方に抱き付いては駄目だよ。」
ルミナスはやんわりと妹を叱る。
「もー。お姉さまのいじわる。オスカーさまはミッシェルの事が好きなの。ねっ、オスカーさま。」
ミッシェルは可愛らしく首を傾げる。下から目線で微笑む。
「ああ、ミッシェルは可愛いよ。」
オスカーはミッシェルに向かって微笑んだ。ミッシェルはますますオスカーの腕に絡みついた。
「ほら、オスカーさまもミッシェルがいいって。お姉さまはお着替えでもしてきたら? オスカーさまはミッシェルとお茶をしましょう。」
「ミッシェル。」
ルミナスは妹をたしなめる。
「オスカーさま~こわ~い。お姉さまはいつもミッシェルをいじめるの~。」
「ミッシェル。」
妹をたしなようとした時オスカーがルミナスを制した。
「オスカー様…。」
「では、お部屋までエスコートの名誉を頂けますか? 」
オスカーは仰々しく紳士の礼を取りミッシェルに手を差しだした。
「よろこんで、オスカーさま。」
ミッシェルはオスカー手にちょこんと可愛らしい手を乗せた。
「ルミナス、君は着替えてくるといい。俺はお茶を頂いてくるよ。」
「もー。オスカーさまはミッシェルのパートナーなんだからお姉さまを見ないで~。」
「ああ、ごめんごめん。」
オスカーは笑顔で優しくミッシェルの頭を撫でる。チラリとミッシェルは勝ち誇ったように、姉のルミナスを見た。
「オスカー様、ミッシェル。」
「お嬢様。」
リンダが、ルミナスを着替えるように部屋へと促した。
「ミッシェル様にも困ったものです。」
リンダがルミナスの着替えを手伝っている時に話しをする。
「旦那様や奥様が、甘やかしているせいで。私に任せて貰えれば、ルミナス様のように立派な淑女に教育させて頂くのに。」
「そうね、少し甘やかしているわね。」
ルミナスは着替えを終えるとそっと、宝石箱に手を掛ける。昨日オスカーにプレゼントされた首飾りを取ろうと蓋を開ける。そこにあるはずの首飾りが無い。
「ミッシェル。」
ルミナスは急いで妹の元に走った。
応接室で楽しそうにお茶をしているミッシェルとオスカー。そこにはルミナスの母親も茶会に加わっていた。
「如何したのルミナス? そんなに慌てて、淑女に有るまじき行為ですよ。」
「お母様。」
母親の叱咤にルミナスは一呼吸置いた。
「ミッシェルが私の首飾りを持ち出したんです。」
「ミッシェル、そうなの? 」
母親はミッシェルを見た。
「だって~可愛かったの~。ミッシェルの方がにあうもん。」
ミッシェルは首飾りをわざと見せびらかすようにドレスから出した。
「返して、それは!! 」
「ルミナス、大声を出さないで。」
母親はルミナスを叱咤する。
「お願い返して、ミッシェル。」
ルミナスの言葉にミッシェルは目に涙を溜める。
「ひどい~。お姉さまはいっぱい持ってるんだから、一つくらいミッシェルにくれてもいいのに~。」
「他の物をあげるから、それは返して。」
「いや!! ミッシェルは、これがいいの!! お母さま~。」
グスグスと泣き始める。
母親は溜息を付いて、
「ルミナス。一つぐらいあげてもいいでしょう、お姉さんなんだから。」
「でも、お母様。」
(それはオスカー様から頂いた物なの。)
ルミナスは手を握り締めた。
「ミッシェル。」
オスカーが優しくミッシェルに声を掛ける。
「ミッシェルには俺が新たに可愛らしい物をプレゼントするからそれはルミナスに返してくれないか? 」
「ほんと、オスカーさま。ミッシェルにプレゼントをくれるの? 」
「ああ、だから… 」
「うれしい。あしたミッシェルとデートね、オスカーさま~。」
ミッシェルはオスカーに抱き付いた。
「あしたは何を着ようかな。」
そう叫ぶとミッシェルは、急いで部屋に戻って行った。
「待って、ミッシェル。首飾りを……。」
茫然と立ち尽くすルミナスに、母親は
「後で似たような物と取り替えるから今は我慢をして。」
「…はい、お母様。」
母親は溜息を付いてオスカーを見て言った。
「御免なさい、オスカー様。あの子、おませさんで。」
「いえ、ルミナスの可愛い妹ですから。」
ミッシェル・フォン・フレンダ 8歳。大人を夢見る可愛い少女であった。
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