【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。

❄️冬は つとめて

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私の婚約者の、自称健康な幼なじみとの関係。

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「俺と一緒に、カノンの面倒を見てくれないか? 」

「「「はぁ? 」」」

オスカーはルミナスの手を取って、真剣に訴える。

「俺達のの面倒を見る予行練習と思って、カノンを俺と見てくれないか? 」

「オスカー様と私との子供! 」
ルミナスは真っ赤になった。

「ち、ちょっと待ちなさいよ!! じゃないの!? 」

「婚約解消!! つまり婚約破棄、国外追放、素敵なお兄様!! ルミナス!! 僕と一緒に、モガモガモガ…… 」
ハルクはカノンが脱ぎ捨てた毛布をナルシスの頭から被せた。

「すまない、続けてくれ。」
大きなてるてる坊主を押さえ付けて話を促す。

「婚約解消? もうするのか婚約もしてないのに気が早いな。」

ルミナスの手を握りながらオスカーはエリーゼをキョトンとした顔で見る。

「私達じゃないわよ!! ルミナスとあなたよ!! 」

「何故俺が? ルミナスを。」

「あ、愛してる、て!! 」
ルミナスは茹で蛸になった。

「だって、あの子を選んで婚約解消を言い出すと思うじゃない!! 」

オスカーは無言で残念な人を見る目で、エリーゼを見詰めた。

「なにこれ、私が間違ってるの!? 」
茫然と佇むエリーゼの肩をハルクは優しく掴んだ。

「間違ってない。私もそう思った。」
エリーゼは涙ながらにハルクに抱き付いた。

「婚約解消ですって、お兄様。」
キラキラとした瞳でカノンはオスカーに聞いてくる。

「ざまぁですわ、お兄様!! 意地悪で、嘘つきだからルミナス様に振られるのですわ! おーほほ、ゴホゴホッ!! ゴホゴホ、ゲボッ!! 」
吐いた。

「キャーー!! カノン様!! 」
「大丈夫ですわ、先ほど飲んだココアですわ。」
ルミナスの悲鳴に、カノンは袖で口を拭きながら応える。
確かに今回はココアだった。

「惨めですわ! ざまぁですわ、お兄様!! おーほほ、ゴホゴホッ。」
悪いんじゃないのか、カノン!! いつ俺がルミナスに振られたって!? 」

「わたくしの耳は地獄耳ですわ。わたくし健康ですので、何処も悪くありませんわ。うっ、ガボッ!! 」
吐いた。

「キャーー!! カノン様!! 」 

「大丈夫ですわ、ゴホゴホッ!
さっき飲んだ、ゴホゴホッ!!
ココアですわ、ゴホゴホッ! 」

「血だろ!! 」
どう見ても赤い血であった。

「健康なわたくしが、ぜぃぜぃ。血を吐くわけ、ぜぃぜぃ。ありませんわ、はーー。」
「お前は、休め!! 」
カノンはソファに蹲った。

「ざまぁですわ! お兄様は、はーー。嘘つきだから振られるのですわ、はーー。」
「だから、休めと言ってるだろ!! 」
カノンは口元の血を拭って、オスカーを見据えた。

「お兄様は、はーー。嘘つきですわ、はーー。遊園地に、はぁはぁ。独りで行っても、はーー。」

「お前、遊園地に行って来たのか? よく死ななかったな。」
オスカーは、驚愕した。

「独りでは、はーー。面白くありませんでしたわ、ゴホゴホッ。」

「カノン様、もう話しをやめて休みましょう。」
主治医のタクトがカノンに付きそう。

「子供の頃、はぁはぁ。独りで行ったなんて嘘ですわ。誰かと、はぁはぁ。一緒に遊園地へ、はーー。」
タクトを押し退けて、オスカーに言い張る。

「嘘つきだから、ルミナス様に振られるのですわ!! ざまぁですわ、お兄様!! ガボッ!! 」
カノンは言い切って、血を吐いた。

「俺が振られるとしたら、お前の所為だ!! 」
「キャーー!! カノン様!! 」

オスカーとルミナスは同時に叫んだ。カノンの吐いた血はオスカーに見事にかかり、カノンはそのまま貧血を起こしてソファに倒れ気を失った。

オスカーとカノンの間には、恋愛の感情は無く。
カノンのオスカーに対する気持ちは、であり。オスカーのカノンに対する気持ちは、であった。
 




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