異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

文字の大きさ
67 / 266
第3章……迷宮攻略編

62話……決闘を終えて

しおりを挟む
 決闘に勝利してステージを降りると両側からリンとケイトに抱きつかれた。

「やったわクリード!  大儲けよ!」
「ありがとうクリードくん!」

 ケイトは……賭けてないよね?  純粋に俺が勝ったから喜んでるんだよね?

「あぁ、うん、分かったから離れよう?  周りみて?  俺すごい目で睨まれてるからね?」

 周りの目が真剣に怖い。
 客観的に見てリンもケイトも見目麗しい女性だ。

 そんな2人に抱きつかれている男を見ればどう思うだろうか?
 答えはこの現状である。

 周囲の視線に気付いた2人が離れてくれたので一先ず安心、3人でカルロスの治療をしているテントへと移動、様子を覗いてみるとそこにはサーシャ含め数人の医療班がカルロスを治療している姿と難しい顔でカルロスを見下ろしている男の姿があった。

「サーシャどう?  治りそう?」
「クリード様!  お疲れ様でした。はい、このくらいなら問題ありませんよ」

 それは良かった。
 思った以上に思い付き技【雷神剣】の威力が強かったので少し心配したのだ。

 いなきら俺からケイト……パーティメンバーを奪おうとしたとはいえ再起不能まで追い込むのはね……

「貴殿がクリード殿か、この度はウチのバカが申し訳ない」

 サーシャと会話していると、カルロスを見下ろしていた男が声を掛けてきた。
 30を過ぎたばかりくらいに見える金髪を短く切りそろえたキリッとした目が特徴の美丈夫だ。

「貴方は?」
「これは申し遅れた。私はディーン、このバカの兄で剣士の誇りのリーダーだ」
「そうか、自由の翼リーダーのクリードだ、よろしく」

 ディーンさんは弟の不始末が申し訳無いのか握手を求めて来なかったのでこちらから手を差し出すと少しはにかみながら俺の手を取ってくれた。

 カルロス本人には思うところはあるが兄弟、パーティリーダーとはいえディーンさんは別人だからな。

「いやすまない。ウチのバカが決闘を挑んだと聞いて慌てて止めに来たのだが間に合わず……クリード殿のお手を煩わせたこと心より謝罪する」

 頭を下げようとするディーンさんを止めて構わないと告げる。

「まぁカルロスにはね、思うところはあるけどそれでディーンさんを責めるつもりは無いよ。決闘の約束もあるし今後手を出してこなければ俺は構わないよ。まぁリーダーとして、兄として最低限の教育くらいはお願いしたいかな?」
「うむ……約束しよう」

 約束してくれるなら蟠りは無いよ。

「なら俺とディーンさんに確執は無いよ。俺は剣士の誇りとは敵対したい訳じゃない」
「承った。私としても自由の翼とことを構えるつもりは無い。それと呼び捨てで結構だ」
「なら俺のことも呼び捨てで構わないよ」

 それから少しディーンと会話したが真面目で筋の通った武人というイメージだ。
 いつか手合わせ願いたいところだな。

「それで可能であれば答えて欲しいのだが、クリードは魔法剣士で間違いないか?」
「なんと言うか……あまり吹聴する気は無いからあまり広めないで貰いたいんだけど……」
「もちろんだ。他人の情報を簡単に広めたりはしない」

 言いふらさないけど特別隠さない、結構難しいけど今の方針はこれだからな。

「俺の職業はトラック運転手、ちなみにこの世界の生まれではなくて勇者召喚でこの世界に喚ばれたんだよ」
「なんと……」

 俺の職業を明かすとディーンは絶句、まぁこんな場所で勇者の1人に会うなんて夢にも思わないよな。

「すまない、取り乱した。私は魔法剣士だからな、もしクリードが魔法剣士なら手合わせをと思ったのだが」
「いやそれはこちらからも是非お願いしたい。ところで剣士の誇りには剣闘士が2人いると聞いていたのだけどディーンは違うのか?」

 確かパーティ名を決める時にそう聞いたと思うんだけど……

「あぁ、カルロスの他にもう1人剣闘士が居る。剣士の誇りのリーダーが魔法剣士というのも締まらんが魔法剣士も剣を持てば剣士だからな……」

 まぁ確かに。

「しかしクリード、よくカルロスに勝てたな。奴はあんな性格だが才能は間違いなくある。魔法剣を用いたとしてもあそこまであっさりとカルロスを倒すとは……」

 魔法剣?

「魔法剣ってあの【魔力撃】に属性魔力乗せるやつことか?」
「そうだ。もしかして知らずに使っていたのか?」
「あぁ……うん、まぁ……」

 魔法剣どころか魔力撃も今日初めて使ったよ。

「まぁ相性とカルロスの油断、侮りが勝因かな」

 ぶっちゃけ最初から本気で来られててかつ魔法剣思いつかなかったら普通に負けてた気もするし。
 まぁその時はウルトでドンするから負けは無い。
 勝負に負けて試合に勝つだな。

「たしかに慢心はしていたが……クリードも紛うことなき強者だ、自信を持つといい」
「ありがとう、ディーンに言われるとそう思えるよ」

 ディーンは明らかに強者だ。それもカルロスなんて比べ物にならないほど。

 ディーンとさっきと同じ条件で戦うなら俺は間違いなく初手からウルトを出すね。

「是非近いうちに一度」
「こちらこそ」

 もう一度握手を交わしてディーンと別れる。
 会話中にカルロスの傷も回復したようだが意識までは戻っておらずディーンが背負って去って行った。

「クリード様、少し早いですが戻りながら情報のすり合わせを行いませんか?」
「そうだね。食べ物は大量に買い込んで来てるからたくさんあるしそうしようか」

 リンたちも異存は無いようで頷いている。

 そうと決まればさっさと移動、街から出てウルトに乗り込み出発だ。

「それで……俺たちの方はさっぱりだったんたけど、サーシャたちは何か掴めた?」
「そうですね、近々王国最強の騎士ゴルドと勇者ヒデオが試合をするそうです。その試合に勇者ヒデオが勝てば魔物との実戦訓練が始まるそうです」

 俺たちとは違いサーシャはしっかりと情報を手に入れている。
 やはり諜報員でも居るのだろうか?

 聞いても教えてくれないだろうしここはスルーか……

「それよりもクリード様、決闘お疲れ様でした」
「僕のせいでごめんね……迷惑かけて……」

 話が勇者の動向から決闘に移るとすぐにケイトが謝罪してきた。

「気にしなくていいよ。勝てたんだから問題ないさ」
「うん……だけど……」
「もう謝るなよ?  パーティメンバー守るのもリーダーの仕事なんだから気にしなくていい」
「あら?  リーダーはまだリンだろ?  って言ってたのにもう自覚したの?」
「茶化すなよ……」

 だがおかげで空気は軽くなった。
 多分だけどリンはこういうことを狙ってやっているんだからすごいと思う。
 俺ならただ空気読めてない発言になっちゃうね。

「それでさ、カルロスが決闘中に【剛腕剛撃】とか【疾風加速】ってスキル使ってきたんだけどあれは【剛腕】と【疾風】の上位スキルって認識でいいのかな?」
「そうね、下位のスキルより効果が遥かに高くなって持続時間も伸びてるスキルね。クリードはよくあの攻撃を防げたと思うわ」

 確かにかなりキツかった。
 ケイトとの訓練が無ければあっさり終わってたと思う。

「少しだけどケイトから剣術を学んどいて良かったと心から思ったよ」
「そんな……僕が教えたことなんてほんと基本だけだよ」

 謙遜しているが俺はその基本が出来てなかったからね。
 基本を知ってるか知らないかだけでも大きく違うから。

「あとはステータスの暴力だな。カルロスの【剛腕剛撃】に【剛腕】で対抗できたのは純粋にレベルを上げてステータスがあがってたからだね。これは完全にウルトのおかげだと思う」
『マスターの努力の賜物です』

 そうは言うがそもそもウルトと同期してなかったら俺のステータスなんてそこまで高くないぞ?

 リバークまでの道中、ずっと褒められるという謎の時間を過ごした。
 少し褒められるくらいなら嬉し恥ずかしで気持ちいいのだがここまで絶賛されると……ね。
 慢心しそうになるから気を引き締めないとな。
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~

下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。 二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。 帝国は武力を求めていたのだ。 フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。 帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。 「ここから逃げて、田舎に籠るか」 給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。 帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。 鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。 「私も連れて行ってください、お兄様」 「いやだ」 止めるフェアに、強引なマトビア。 なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。 ※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

処理中です...