異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

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第3章……迷宮攻略編

65話……昇格

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 訓練を行い昼食を適当な店で済ませて冒険者ギルドへ。
 受付嬢にギルドマスターから呼ばれて来た旨を伝えて今は呼び出されるのを待っている。

「自由の翼のみなさまお待たせ致しました、こちらへ」

 声を掛けた受付嬢ではなく以前ギルドマスターと話した時にもいた職員が俺たちを呼びに来てくれた。
 俺たちのパーティ名は受付嬢から聞いたのだろう。

「おう!  待ってたぜ」

 職員に案内されてギルドマスター執務室を訪ねると相変わらずの大きな声で挨拶をされた。

「それで今日は?  ミスリルランク昇格の件?」
「もちろんだ。まずはおめでとう。クリードとケイトのミスリルランク昇格は無事認められた。これが新しい冒険者証だ」

 ギルドマスターは机の引き出しから薄緑に光る冒険者証を取り出して俺とケイトに手渡す。

 タグの部分を見てみると、しっかりとクリードと名前が掘られている。

 今付けているゴールドランクの冒険者証を外してギルドマスターに返却、これで晴れて俺とケイトはミスリルランク冒険者だ。

「これでお前たちはミスリルランクだが、特典は知っているか?」
「いや……今でも結構優遇されてると思うんだけどまだなんかあるのか?」

 通行税無料に各種割引、さらに今は素材買取金額まで割増されてるのにまだ何か特典あるの?

「まずは宿の無料宿泊だな。ミスリル証を提示すれば無料で泊まれる。もちろんこれはギルドと提携している宿が条件だ」

 ギルドが代わりに払うってことかな。

「それから提携店に限るが装備品の購入額が半額、手入れもある程度なら無料で出来る」

 おぉ……今回はグレートウルフの素材の売却と引き換えに無料で装備品作ってもらってるけどこれからは半額でいいのか……

「さらに」
「まだあるのかよ!?」

 これだけでも十分過ぎると思うんだけど!?

「あるぞ。飲食店、これはどこの店でもだがミスリル証を提示することで3割引になる」
「ん?  これは提携とか関係ないのか?」
「無いな。ただし割引を利用するなら伝票にサインが必要だ。飲食店側がそれをギルドに提出することで差額をギルドが支払うことになる」

 それって宿とか装備品もそうしたらいいんじゃ……
 まぁ利用率とかそんなんもあるのかな?

「それから……ちょっと耳かせ」

 ギルドマスターは他の人に聞こえないよう俺の耳元で囁く。

でも冒険者証を提示すれば半額で遊べるぞ。これは本人だけだがな」
「……」

 これは……
 返事はしないけど頭の片隅に留めておこう。

 ギルドマスターから離れると5人は不思議そうな顔をしていたが無視、これは言えない。

「俺からは以上だ。これからの活躍を期待する」
「あぁ、俺たちからも1つ話があるんだ」

 書類に顔を向けかけたギルドマスターはもう一度こちらを見た。

「実は本気で迷宮を攻略しようと考えている。問題はあるか?」
「迷宮をか?  出来るものならやってみろ。攻略された迷宮がどうなるかは分からんがそれを知るためにも出来るのならやってもらいたい」

 あら、案外問題ないのね。
 迷宮は資源だから攻略されて消えたら困る!  とか言われて止められるかと思ってた。

「いいのか?  もし消えたとしても責任は取れないぞ」
「構わない。消えるかどうかも分からないからな。消えるようなら今後攻略するのは禁止になるかもしれんがまずはどうなるか知ることが大切だろう」

 さっきまでの溌剌としたどこか楽しげな表情はなりを潜め恐ろしく厳粛した表情でこちらを見るギルドマスター。

「今まで多くの冒険者が挑み成せなかったことだ。それに本気で挑むと言うなら俺はきみたちを心から尊敬するし応援する。どうか攻略して見せてくれ」

 どうしたギルドマスター?
 そんな態度取られたら思わず敬語使っちゃいそうになるじゃないか……
 初めからその態度だったら敬語使ってたぞ絶対……

「まぁ……挑戦はしてみるけど……失敗したらごめんなさい」
「それは気にするな。そもそも意気込みで攻略出来るならとうの昔に俺が攻略してるさ」

 はは、と自虐気味にギルドマスターは笑う。
 ほんとどうしたよ?

「じゃあ許可も降りたってことで……」

 俺は仲間に目配せをしてそそくさとギルドマスター執務室を立ち去った。


「急に態度変わったわねギルドマスター」
「いや驚いたよ。急に変わるから俺もどう対応していいか……」

 今はウルトに乗って迷宮へと向かっている。
 先程のギルドマスターの豹変ぶりにみんなで話しているところだ。

「多分……なんかあったんスよね」
「そうですね。全力で挑んで何かを失って失敗、おそらくそのようなことかと」
「我々はそうならないよう細心の注意を払う必要がありますね」
『到着しました』

 もしも失うものが仲間だとしたら……俺は絶対に嫌だ。
 石橋を叩いて渡る気持ちで挑戦しようか。
 ……挑むのは俺たちというよりウルトだけど……

 迷宮前で子供たちに飯を振る舞ってから突入、最近では他の冒険者も稼げたら子供たちに食べさせているらしい、いいことだ。

 こうやって先輩冒険者が子供たちを食べさせて成長した子供がまた下の子供たちに食べさせてみたいなサイクルが出来ればいいな……
 1番は孤児にならないことなんだけど、こういう世界じゃそれは避けられないだろうしね。

 全てが終わったらそういう活動をするのもアリかな?
 そんなことを考えながら攻略するために迷宮へと踏み込んでいく。
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