異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

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積み残し編……もうちょっと続くんじゃよ

雇用面接

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 さてどうしようか悩む。
 あくまで個人的意見だが、実はこの変態を雇うことに抵抗は無い。
 この変態、変態ではあるのだが仕事はきちんとするし、能力も高いのだ。ただし変態である。

 多分ステータス的な意味では全体的に低いのだろう。
 だけどステータスには現れない部分、言うなれば人間力的なものは高いのだ。ただし変態ではある。それは覆せない。

「ほら、レオっちってアレじゃん?  チーレムやってるじゃん?  俺もそれにあやかりたい」
「不採用で」
「ごめんやで」

 こういった気楽な会話のできる相手が欲しいというのもある。
 当然、よめーずとは気楽な感じで接しているが、やはり同性で気楽な相手は必要だ。
 そういう理由でディムたちを誘おうとしていた俺が言うのだから間違いない。
 誘いたいのだが、ケイトの件があるので二の足を踏んでいるのだ。

 あれ?  今の俺って友達居なくない?
 ディムたちのことは俺は友達認定しているけど、向こうはどうなんだろ……

 これ以上は俺が傷付くだけな気がするから辞めておこう。
 今は変態のことだ。

「えー、なんなら出来るんすか?」
「トラックの運転なら……」
「何運ぶんすか?」
「それは御館様が運べと言うものを!」

 残念、それはウルトで事足りてる。
 むしろウルトなら積み下ろし作業も無いし、整地までやってくれる。
 最大積載量インフィニティだし。

「それ、俺のトラックが勝手にやってくれるんで他は無いんですか?」
「トラックが勝手に?」

 ウルトの能力に関しては、あまり王国には知られていないようだ。
 まぁ詳しく知ってるのは俺とよめーず、あとはマークやダニエルみたいなクリード侯爵家家臣の中でも上位の人くらいだろうね。

「俺のトラック全自動なんで。だから他になにか特技ないっすか?  ほら、自己PRおなしゃす」
「某国立大学法学部卒業なんで法律知識には自信があります!  天気予報士の資格も持ってるんでお天気お兄さんにもなれます!  暇つぶしに医学書も読み漁ってたんで知識だけはあります!  運行管理、整備管理も持ってますし社労士の資格もあるんでなんでも出来ます!  なんなら税理士の資格も取ってきます!」

 ホントこの人なんでトラック乗ってるんだろうね?
 言ってないけど、簿記とかその辺の資格も当然持っていることを俺は知っている。
 しかも、この人高校時代U-18の野球日本代表の4番だったらしい、ホント何してるんだろうね?

 更に語学も達者で、日常会話レベルなら日本語を始めとして英語、ドイツ語、中国語、韓国語とありとあらゆる語学を使いこなす。
 天才とか神童と呼ばれるにふさわしい人なんだよね。変態なのに。

 本人はこんな軽い性格をしているし、どうやらとあるシリーズ物の映画を見てトラックに憧れて乗り始めたらしい。
 まぁ業界的に一般的な志望動機ではあるんだけど、今までの経歴などを見ると行動も変態的と言わざるを得ない。

 とはいえ、今この世界で語学は必要無いし、法律知識も日本式簿記だったり税制の知識は不要。
 お天気とかそれこそ人によっては魔法で雨を降らせたり、反対に雨雲を散らしたりも出来るのでどうにも……

 医学知識に関しては……外科的なのは魔法で治るし、内科的なものもサーシャたち元聖女の治癒士ならどうにかしてしまう。

 日本だとスーパーチートな変態も、この世界では器用貧乏だな。

 けど、逆に言えばそれだけの知識をため込める先輩ならこの世界の知識を覚えることも可能なわけで……
 学ぶ環境さえあればこの人は誰より凄い人材になりうるんだよな。アラフォーの変態だけど。

 まぁアラフォーとはいえ見た目は20代後半でも通用するし……これは関係ないか。

 なんでかBtoB、倉庫間輸送ばかりしているのに謎の営業力を発揮して仕事取ってくることもあった人だから人と人を繋ぐことも出来る。

 ヤバい、考えれば考えるほど有能だわ……

 ホント変態でさえ無ければ完璧超人だよな。
 変態だからこそバランスが取れるのか?

 その変態は今、ウルトの前で両手を組んでキラキラした目を俺に向けてきている。可愛くない。

「うーん……」

 俺の……というか、マークとダニエルの下につければ最高の成果を出すんじゃなかろうか?  そんな気がしてきた。

「先輩、年下で後輩の俺の下につくことに抵抗とか無いんですか?」
「くりちゃんは何を言ってるんだろうね?  この世界ではくりちゃんの方が先輩ださは、地位も名誉もある。なら俺はそんなくりちゃんに対し膝を折ることに抵抗なんて無いさ!」

 すごい自信満々にドヤ顔で言ってるけど、言ってる内容は情けないような……
 しかもまたくりちゃんって言った。

「分かりました。先輩が色々とやべぇ奴なのは知ってますし、前向きに検討してもいいです」

 使い倒してやろう。

「あざっす御館様!  やったぜ、これで俺もハーレムだ!」
「それは今後の先輩次第っす。出来たらいいっすね」
「ハーレム王に、俺はなる!」

 こんなんだから超絶ハイスペックなのに結婚出来ないんだよな。
 日本でもモテてはいたんだが、素直に「ハーレム作りたいんです」って言うからフラれるんであって、1人に絞ればすぐ結婚出来ただろうに。

 あとは、細かい能力というか、スキル系の確認だな。

「先輩、そのトラックは神器ですよね?  なにか特殊能力的なのはあるんすか?」
「へへっ、先輩だなんて辞めてくだせぇ御館様。あっしみたいな三下のこたぁ変態とでも呼んでくだせぇ」
「分かったよ変態。それで能力は?」
「やだ辛辣」

 急に揉み手でヘコヘコし始めた先輩をスルーして能力を聞き出す。
 相手してたらいつまで経っても終わらないのだから。

「特にこれと言っては無いかな?  軽油じゃなくて魔力で動くくらいかな?  だから途中魔力切れで動けなくなってここに来るまで数日掛かっちゃったんだよね」
「じゃあ積載量とかも?」
「積載量とか操作性とかその辺は何も変わってないよ」

 そうなのか。ウルトとは大違いだな……

「あ、傷とか凹みは勝手に治るみたい。魔力吸われるけどね。あとは日本の頃よりはるかに頑丈かな」

 一応自己修復はあるのか。

「分かりました。それで、先輩のスキルは?」
「説明してもいいけど、とりあえず見た方が早くない?」
「それもそうっすね」

 この人は嘘をついてはいないだろう。
 俺はそう感じたし、ウルトも何も言ってこない。

 少しだけ警戒を解いて、俺はウルトから降りた。
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