田楽屋のぶの店先日記~深川人情事件帖~

皐月なおみ

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朔太郎のでんがく

徳次の決意

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 朔太郎に危険はないようだと知りひとまず安堵したのぶはそのままお文の家がある材木町を目指す。
 手先はお文から"家へ寄らせるから少し帰りが遅くなる"としか聞いていないようで、いったいなぜそうしたのかは知らなかった。
 お文の家がある裏の通りに足を踏み入れると、なにやら楽しそうな子どもの声が聞こえてくる。
 朔太郎だ、と思った瞬間のぶの身体が勝手に動く。駆け出して、お文の家の戸を声をかけるのも忘れて勢いよく開ける。

「さく⁉︎」

 二畳ほどの家の中は、半紙で埋め尽くされた。突然現れたのぶに驚いてふたりともが振り返った。

「さく、お文ちゃん……?」

 部屋いっぱいの半紙には、練習で書かれたと思しきたくさんのいろはの字。筆を持っているのは朔太郎だ。頬に墨がついている。

「あ、おかみさん。殿ちびちゃん、おかみさんが迎えにきてくれたよ」

 屈託なく朔太郎に話しかけるお文に啞然とする。なぜ朔太郎がお文の家に寄ったのか、具体的な理由を考えていたわけではないけれど、これは予想外だった。

「これは……もしかして、お文ちゃん、手習いをおしえてくれてたの……?」
「そうです。だいぶ上手になりましたよ。ねー殿ちびちゃん」
「まあまあだ」
「上手だよ、これなんか、ほら」

 もっと驚きなのは、そんなやり取りをする朔太郎が楽しそうなことである。手習いをしているとは思えないくらい目が輝いている。
 ぽかんとして見ていると、お文が少し申し訳なさそうにした。

「そこで殿ちびちゃんと会って話をしてたら手習いがうまくいかないって言うから」

 ちょうど見かけた菊蔵の手先に伝言を頼んで、家に連れてかえりおしえていたのだという。

「もしかしておかみさん心配されました? すみません。ちょっとのつもりが夢中になっちゃって……」
「おいらが頼んだんだ」

 朔太郎がお文の言葉を遮った。その内容に、のぶは目を丸くする。

「ええ⁉︎ さくがお文に字の練習を一緒にしてほしいって頼んだの?」

 まったくわけがわからない。
 あんなに手習いが嫌いだったのに、いったいどういう風の吹き回しだろうと、訝しむのぶに、朔太郎が口を尖らせた。

「かかあは、おいらの字はへただと思ってるんだろ」
「へ、へた⁉︎ ……そ、そんなこと、い、言ってないじゃない……」

 どきまぎしながら、のぶはあたふたと否定する。
 が、心あたりがありすぎた。
 朔太郎が持ち帰るいろはの字は止めも跳ねもはっきりせず、"に"か"け"か、"め"か"あ"かもはっきりしない時がある。
 でもここのところののぶは、それを咎めることはしていない。
『よく頑張ったね』『上手だよ』と声をかけるようにしている。
 好きではないながらも机に向かって書いたのだから、そこを褒めたいという気持ちだった。
 けれどどうやら耳のいい彼には通じなかったらしい。のぶがやや無理をしているというのはお見通しだったというわけだ。
 もはや取り繕うのは得策ではないと思い、のぶも口を尖らせる。

「かかさまは、さくが頑張ったことを褒めてるんです」
「やっぱりへただと思ってたな」
「そ、それがだめなんて言ってないじゃない」

 そんなやり取りをしていると、お文がくすくすと笑った。

「殿ちびちゃん、おかみさんを喜ばせたいって思ったんですよ。びっくりさせたいからこっそり練習できたらいいなって言って。字をきれいに書くのって、ちょっとこつがあるじゃないですか。それだけおしえたら送っていくつもりだったけど、わたしも楽しくて気がついたら遅くなっちゃった。結局、ばれちゃったね」

 最後は朔太郎に言ってお文は舌を出す。
 その横で、朔太郎は照れたような仏頂面だ。だが『違う』と言わないということは、お文の言う通りなのだろう。
 のぶの胸にじわじわとあたたかいものが広がっていく。
 微妙な気持ちで無理に褒めていたことはばれていた。けれど、朔太郎の頑張りを褒めたいというのぶの思いは届いていたということだろうか。

「殿ちびちゃん手習いはあんまり好きじゃないって言うから、じゃあ、好きな言葉を書いたらいいんじゃない?って思って、書いてたんです。そしたらすごく楽しいって言ってくれて」

 お文の言葉に、のぶはあらためて散らばっている半紙を見る。
 そこに書かれていたのは、たくさんの力強い『でんがく』の文字。

「でんがく……さくの好きなもの?」

 朔太郎が照れたように笑みを浮かべそしてほんの少し、伺うようにのぶを見る。
 白い紙に黒々とした墨で大きく書かれたでんがくの文字に、熱いものが込み上げて、すぐに言葉が出てこない。

 ——大丈夫。

 不意にその気持ちが湧いてきた。
 この子は自分の力で生きていける。
 まだわずかに残っていた、無責任な人の言葉に惑わされ、胸の中に渦巻いていた心配ごとが、今すべて吹き飛んだ。
 それをしっかりと感じながら、のぶはある決意する。
 もっと自分も強くなろう。
 この子のそばにいられるただひとりの母として、もっと気持ちを強く持って、なにがあっても、この子の一番の味方でいるために。
 晃之進に言われた言葉が、しっかりと心に落ちてくるのを感じながら、朔太郎の頭を撫でた。

「とってもいい字……! いい字だよ。さくは……田楽が好きだもんね。この紙、店に貼ろう。お客さんにも見てもらおう」

 心からの言葉は真っ直ぐに彼に届いたようだ。照れくさそうにへへへと笑った。
 店の中に貼るだけなんてもったいない。いい大工に頼んで看板にして店の前に張り出そう。そしたら、田楽屋はもっともっと評判になる。
 朔太郎の思いが込められた字を背負い、彼と一緒に田楽を焼く。これほど幸せなことがあるだろうか。

「よかったね、殿ちびちゃん」

 自分のことのように嬉しそうにしているお文に、のぶは目尻を拭い頭を下げた。

「お文ちゃん、ありがとう」
「おかみさん、そんな大袈裟ですよ」
「でも、商売もあるのに」

 朔太郎のために心を砕いてくれた彼女は、ありがたいのひと言だ。
 彼女はこのあたりではそこそこ知られているからから売りだ。とはいえ、行商人はその日暮らし、歩く時間が少なくなれば、その分売上は減る。それでも彼女は朔太郎に字をおしえてくれたのだ。

「殿ちびちゃんは、弟みたいなもんですから」
「……なんてお礼をしたらいいか」

 彼女は、のぶには考えもつかない方法で朔太郎に楽しく手習いをさせてくれた。
 いつもならこんな時は、気合いを入れて彼女の好きなお菜を作り田楽屋で待つところだ。けれど彼女はまだ、田楽屋へ来られるようになっていない。まだ複雑な気持ちの中にいるのだろうと思うと、礼をしたいから来いとも言えなかった。

「それにお礼は、さっきもらいました」

 そう言ってお文は乾かしている途中の一枚の半紙を指差した。
 半紙には、でんがくのほかにも、"かかあ"や"とと"もある。朔太郎が思いつく限りの好きな言葉を書いたようである。
 そしてその中に"ぶん"もあった。

「お文ちゃんの名前?」
「そうです。くれるんだよねー」

 お文が朔太郎に向かって言う。
 朔太郎は眉を寄せた。

「もっと上手く書けたやつをやる」
「え、十分だよ」
「今から書く。もう一回」

 そんなやり取りをするふたりは、歳が離れた姉と弟そのものだ。ふたりを見るうちに、のぶはさっき朔太郎に感じたと、同じことをお文に対しても思う。
 親が子にしてやれること。
 できたことは手を叩いて褒めてやる。
 ……そして、失敗して泣いていたら抱きしめてやる。
 少し前に感じた、彼女になにもしてやれないもどかしい気持ちと、そんな未熟な自分への悔しさに、答えが出た気がした。

「……お文ちゃん。わたしはね、いつもお文ちゃんの味方だよ」

 唐突に関係ないことを言い出したのぶに、朔太郎の半紙を覗き込んでいたお文は、顔を上げて首を傾げた。その彼女に、今の気持ちを口にする。

「わたしはね、勝手にお文ちゃんの親代わりのつもりなの。だから、たとえばお文ちゃんが、失敗したり悲しいことがあったりしたら、家に来て泣いたっていいんだからね」

 徳次の件をのぶが知ってからしばらく経つ。時間が解決してくれるだろうと思ったけれど、おそらくまだ彼女の傷は癒えていない。
 色恋ごとで負った傷は自分で乗り越えるしかないと晃之進は言った。
 それはそうかもしれないけれど、ならばせめて、彼女の泣く場所でいられたらとのぶは思う。彼女がまた頑張れるように。明日という日を、明るい気持ちで歩き出せるように。
 思いを込めて見つめると、お文は口を一文字に結ぶ。みるみるうちに目に涙が溜まっていく。
 ああ、やっぱり、この子には泣く場所が必要だ。
 たったひとりで頑張っているのだから。

「——言ったところで、なにになるんだろうって何回も思ったんです」

 お文が押し殺したような声を出した。
 徳次の話だ。

「迷惑にしかなかないって。……でもなかったことにするのも苦しかった」

 日焼けした頬を、ぽろぽろと涙が溢れ落ちる。
 なかったことにするには、ふたりの思い出がありすぎたのだろう。

「だけど、話したところでどうにもならないのもわかっているし。今よりもっとつらくなるかもしれないし……怖くて……わたし」

 この部屋でひとり泣く日々はどれだけつらかっただろう。これ以上は耐えきれないと怯えるのは当然だ。
 けれどそれでも愛おしい人の本当の想いを聞きたいという気持ちの狭間で迷い苦しんでいる。
 子のやることに親が口出しするのは場合によっては邪魔になる。それは重々承知だが……背中を押してやるのが必要な時もある。

「お文ちゃんが自分にとって一番いいと思うことをしたらいいよ。わたしはお文ちゃんの味方だから、つらくなったら家においで」

 思いを込めてそう言うと、お文が膝に置いた手をぎゅっと握りしめて心に決めたようにのぶを見た。

「おかみさんにそう言ってもらえて、わたし、決めた。と、徳次さんと話をする。わたしの思っていることを全部話す! 話してどうなるものでもないけど、とにかく全部聞いてもらう。こ、後悔のないように」

 明日という日を、前を向いて生きるために。

「おかみさん、その後、わたしの話を聞いてくれますか? ……田楽屋に、行ってもいい?」
「もちろんだよ」

 のぶは力強く頷いた。

「愚痴でも泣き言でもなんでも聞くからね。お文ちゃんの好きなものどっさり用意して待ってるよ。お文ちゃんが元気になるまでそばにいる」

 袖でぐいっと涙を拭くと、お文の目に強い力が宿った。

「全部言う。わたしの気持ち」
「頑張って」

 拳を作って彼女に見せる。
 もちろん徳次には徳次の葛藤がある。けれど今この瞬間はお文の味方だ。

「いつか後悔するんだから、わたしと一緒になればよかったって。そのくらい、わたしいい女になってやる」
「お文ちゃんほどいい女はそうそういないよ。しっかりしてて、強くて、子どもたちに優しくて。こんないい子、江戸中探しても見つからないんだから」
「ふふふ、おかみさん褒めすぎ」
「あら、本当のことよ」

 急に盛り上がりだした女ふたりに、朔太郎が首を傾げる。
 ——そこへ。

「お文‼︎」

 ほとんど怒鳴るような声がして、同時に戸がばんっ!と開く。
 目を丸くしてそちらを見ると、徳次が立っていた。
 かくぜんの羽織を身に着けている彼は走ってきたのだろうか、はあはあと肩で息をしている。

「と、徳次さん……⁉︎」

 目を剥くお文に、歩み寄り両肩をがしっと掴んだ。

「お文、おれと一緒になってくれ」
「え? ……ええ⁉︎」
「今すぐじゃなくて、おれが店を独立して一人前になったらだ。絶対にそうするから、その時は一緒になるって約束してくれ」
「と、徳次さん……! そんな、だって、養子の話は?」
「断ってきた。おれはお前と一緒になりたい。旦那さまにもそうお話して、さっき了承いただいた。独立できるよう店で修行を続けさせてもらえることになった」

 成り行きを見ているのぶは、そんなまさかと思うけれど、徳次は真剣である。きっと悩んで悩み抜いて決めたことなのだろう。

「お文、おれは嫌か?」

 徳次の言葉に、お文は涙を流して首を横に振っている。その彼女を徳次がしっかりと抱き寄せた。

「わたしのために……あんなにいい話を断るなんて……。徳次さん、ごめんなさい」
「お前のためじゃねえ、おれのためだ。おれはお前以外の女を嫁に取るのが嫌だった」

 ひしっと抱き合うふたりに、のぶの胸がいっぱいだった。
 若いふたりの決断に、世間の人は眉をひそめるかもしれない。険しい道かもしれないが、自分だけは味方でいようと決意する。
 袖口で涙を拭い、ふたりを見つめていたのぶは、ぽかんとしている朔太郎に気がついてはっとする。
 徳次はこちらに気がついていないし、お文も頭に血がのぼっている。このままでは子どもに見せるべきではないものを見せることになりそうだ。
 頬を寄せ合い、見つめ合うふたりに、申し訳ないと思いつつ、ごほんごほんと咳払いした。
 ふたりがはっとこちらを見て赤くなって慌てて離れた。
 意図せず邪魔者になってしまい気まずいが、なにはともあれ嬉しかった。
 徳次は今頃のぶがいることに気がついたようで、気まずそうに小さくなった。

「おかみさん……あんなに励ましてくださったのに、すみません」
「謝ることなんかないよ」

 徳次もお文もどちらものぶにとっては大切な子。だからふたりともが幸せになれるなら、世間がどう言おうとのぶは味方をするつもりだ。
 それをそのまま口にすると、徳次も安堵したように息を吐く。
「おかみさんに、そう言ってもらえて少し安心しました。……亡くなった母はきっと許してくれないと思いますから。それは仕方のないことで、それでもおれはこの道を選んだんですが」
 確かに、義理人情に厚く躾が厳しかったという彼の母が生きていたら、この決断には難色を示しただろう。
 ……でも、とのぶは思う。
 親が子の生き方に、あれこれ口出ししてしまうのは、たいていは子の幸せを願ってのことなのだ。
 たとえ子が思ったのと違う道を選んだとしても、それが子にとって本当の幸せなのだとわかったら……

「……そうね、もしかしたら反対されるかもしれないね」

 のぶはにっこりと笑みを浮かべた。

「でもそれはすべて徳次さんの幸せを願ってのことでしょう? 徳次さんがかくぜんの旦那さんからの恩を忘れずに、その上で自分で決めたことを貫いて、お文ちゃんと幸せになれたら、その時は喜んでくださるんじゃないかな」

 亡くなった人の気持ちはわからない。
 それは重々承知だけれど、同じ子を持つ親としては、そんなふうにのぶは思う。
 のぶの言葉に、徳次がぐっとなにかを堪えるような顔になる。
 そしてお文の手を取り、神妙に頷いた。

「ありがとうございます。……なら必ず、おれたちは幸せになります。亡くなった母と、お文の親にも喜んでもらうために」
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