あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

第3幕 第35話 島船にて

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「皆さん、食事をどうぞ」
「ミルクも飲んで下さい」
「食事が済んだら薬を飲んで下さい」
「熱がなく身体が動く人は風呂へどうぞ着替えもありますよ」
「使い方は説明するからなー」
「おーい、水くれー」
島船の宴会場を広げ治療所として解放、《ガルディア》の住民や皇国のドラゴンに下街の住民達、ラージュから《クイトナ》の兵士達や薬師が派遣され、《トイタナ》の住民達も店で作った料理の提供、奴隷達も懐記達の所で調理補助を行い精力的に行動していた。
「肉ダンジョンの肉追加ねー」
「薬草ダンジョンのドロップ品持って来ました」
「怪我している奴はいるか?治療するぞー」
「みんなー順番に休憩回していくよー」
『はーい』
「ラジカちょっといいか」
「はい」
声を掛け合い状況を確認しつつ詠斗達が世話しなく動き回る、戻って来て薬草を調合していたジラが手を休め、町や村人達の症状や名前を確認しタブレットに打ち込んでいくラジカに声を掛けた。
「ちょっと離れるわ」

詠斗達に声を掛けラジカを連れて適当な空き室に入る、ベッドにジラが腰掛けラジカを見据えた。
「あの魔法騎士、魔王の気配がしたぞ」
「私も感じましたよ、12位の手駒でしょうね」
「人と狼の合成獣を連れていたぞ、しかもあの町の領主だ。んでもって子供を何人も喰ったやつらしい」
「領主の屋敷に行った方が良いのかもしれませんね」
「だよな、調べるか。あの町もダメかもな、で、あの子供なんだありゃ」
「後で教えますよ」
「ふうん、ま、千歳になんか言われる前にでるか。後はラインする」
「まだお付き合いはしていませんから問題ないでしょう」
「まだねぇ、お前と2人で屋敷に行くとめんどそうだから千歳にも声掛けるか」
「お任せしますよ、《ホウラク》に着いた後に行きましょう」
「だな、じゃ戻るか」
「ええ」
手短に会話を済ませ部屋を出る、まだまだやる事は多い、今日は眠れないだろうなとジラは思った。

「俺達は《アウトランダーズ商会》です、皆さんを助けた理由は特にないです、金も取りません。治療が済んだら家に送ります。仕事や住む家等がない人達はこちらで住む家を用意します」
治療や食事や入浴を済んだ人々に向けて詠斗は声を出す、夜はもう大分深いガヤガヤと騒がしいながら皆詠斗の話しに耳を傾けた。
「この伝染病はしっかりとした睡眠と栄養と薬で治り、2、3日で皆さん回復します」
「希望は順番に聞きます、治療が終わるまで皆さんは此処で過ごして下さい」
綴とラジカが告げ皆が真摯に受け止める、詠斗達は苦しむ自分たちの目の前に現れた救世主の様に見えるだろう。
「今日はゆっくり休んで下さい」
詠斗の優しく穏やかな声を聞き皆静かに頷く、千眼、千華と舵と2、3時間おきに交代でここを見守る事にし各々の束の間の休息に就いた。

「懐記さん、少し休んで下さい」
「んー、そうするわ。明日の朝はスープと崇幸っちのパンで」
「そうしよう、ジラも少し休もう」
「ああ、ミルク飲みたいな」
ラウラスが働き詰めの懐記達を気遣う、料理の手伝いをしていた崇幸も薬草を調合していたジラを誘い一度引き上げる事にした。

「大河君、率君、晴海君、僕達も一旦休もう。後は交代で」
「ああ」
「そうですね」
「少し眠いや」
住民達に水や布団を配り終えた千歳達も一旦落ち着いたのを確認し、休憩に入る事にする。
色々あった1日だ色々摩耗している、状態異常無効があるからといって精神の疲労は拭えなかった。

「先生、具合どう?他の皆も」
「シア君こそ身体は平気ですか?ごめんね、無理をしようとしたと聞きましたよ?」
「貴方がこの少年達の孤児院の院長先生ですか?」
「いえ、孤児院などそんなちゃんとはしていないですが…。あ、私はこの子達の面倒といいますか一緒に暮らしているトーカンといいます」
「私は《アウトランダーズ商会》の職員で《ラズライール商会》のラジカと申します」
敷かれた敷布の上で身体を起こして、子供達7人に囲まれていた男トーカンがゆるりと頭を下げた。
「今現在《トイタナ》で我々が支援している孤児院があります、教室で授業なども行い子供達に仕事や手伝いをして貰い給金を渡し皆で助け合い生活しています。こちらの子供達と院長先生もよければ《トイタナ》の孤児院で暮らしませんか?部屋等も準備していますし、こちらの孤児院でも是非と話しは着いています」
「良いんですか?教育も…大変ありがたい事です、後、私の親友の冒険者が今出稼ぎに行ってくれているんです…彼も…」
「分かりました、冒険者ギルドに言付けを頼みましょう。皆さんが回復した後は《トイタナ》へ、ではゆっくり休んで下さい。シアさん、少しお話しがあるのでよければ一緒に来てくれませんか?」
「シア、行っておいで」
シア1人が行ってしまう事にユーリィや他の子供達も不安がるが、トーカンが子供達に笑顔を向け安心させた。
「は、はい」
ラジカに名を呼ばれそっとトーカンがシアの背中を押す、シアはこくこくと頷きラジカと共に治療所を出る際、舵や千眼、千華に詠斗達を呼び会議室に皆を集めた。
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