あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
297 / 1,104
第8部 晴れた空の下手を繋いで…

第13話 クラークラック

しおりを挟む
服に着替えて風魔法で穴の下へと降りていく、崇幸が光魔法の灯玉を作りそれを懐記達の周囲に浮かばせた。
「明るい明るい、奥で団子になっているな」
「ん、ヒヨコから話は聞いているだろ?」
「出ておいで」
「怯えている気配がするなー」
奥で怯えている気配がするので無理強いをするつもりも無いので、じっと4人で待つことにすると暗がりから1匹のクラークラック、ハリネズミを倍の大きさにし針の代わりに色とりどりの鉱物を背中に生やした生き物がのそのそと出て来る。
「舵っちとか晴海っちが喜びそうな生物だわ」
「綺麗だね、可愛いし」
「こんな見た目だから愛玩用とで人が狩りまくって絶滅したって聞いてたが、こんな下にいるとは」
「食い物とかあるのか?」
「んー自分の背中のその石?食ってるって、でも腹は減るって。ケガしているやつがいるんだろ?治せるから連れて来な」
「生存ギリギリなんだね、大丈夫ご飯もあるから。さ、ケガしている子を見せて」
千歳がしゃがみ込んで1匹の黒い目を見つめると、こくりと小さな鼻先を動かし暗がりに戻っていく、千歳が灯玉を奥に飛ばすと30匹以上のキラキラと光るクラークラックが震えて団子状に重なり合っていた。
「これは可愛いね」
「そうだな可愛い」
「クラークラックって臆病な性質だが火魔法と土魔法と水魔法にちょっとした回復魔法も使えるから長時間での戦闘は手ごわい手ごわい」
「へぇ、結構強いんだ。ほらケガしているやつ連れて来てよ。早く治して上に行くぞ」
『むなぁ…』
のそのそと身体の小さいクラークラックが泣きながら懐記の前に歩いてくる、右前足が…傷つき満足に治療も出来なかったせいか壊死してしまっていた。
「すぐ治す」
回復札で治療を施すと綺麗な前足に戻り、他のクラークラック達も懐記達の方に寄って来てお礼を言っている。
「果物とかは食べられるのかな?トイ君達に持ってきてもらおうかな、ミルクも飲むかい?」
『むなぁ』
「じゃ、トイっち達にラインするわ。千歳っちの収納入って」
「すぐに出すからね、少し我慢してくれるかな」
『むな』
一番最初に出て来た1匹が頷き千歳が開いた空間に入っていく、懐記が治療した1匹は懐記を気に入ったようで足元から離れないので抱きかかえてやる。
「硬そうな見た目だけど柔らかいわ」
「懐かれたね、戻ろう」
「転移で外出るか」
「そうだね」
「可愛い物分かりの良い生き物で良かった良かった」
「アンタがいたからだろ、可哀想に」
「少し威圧しただけだけ」
ゴーシュが良かったと言えばジラが方で息を吐く、何せドラゴンの抑え気味とはいえ威圧を喰らえば危険な生物も(・・・・・・)萎縮してしまうだろう、ジラも正直ドラゴンには碌な思い出がないのでそのまま千歳達と戻った。

「カノリとカウンに野菜とかいろいろ持って来ましたよ、ナイルさんからドーナツも貰ってきましたよー、わ、可愛い」
「クラークラック、良く生き残っていたな。ん?妖精の気配…」
「これはこれは初めまして《追放の妖精王》様」
「ふん、その2つ名は好きじゃないぞ、ラピスと呼べ」
「私の事はトーリカとお呼び下さいませ、ラピス様。暫く龍皇国で商人として店を構えますので是非御贔屓に…そちらの妖精の血が入った貴方も…」
「は、はい!僕はトイと申します」
「よろしく…トイ」
クスクスとどこか淫靡な笑みを浮かべるトーリカ、ラピスがトイの目の前を塞ぎベルンの元へと連れて行く、その後ろ姿を暖色の色が交じる瞳が濃く染まった。

「可愛いー」
「柔らかいですね」
「きれいー」
『むなぁ』
「果物と野菜沢山食べて下さいね、収穫したばかりですよー。足りなければまた収穫しますから」
『むなぁ』
トイが収納袋から山ほどカノリとカウンに、リンゴもどきやレモンもどきを置いてクラークラック達が夢中で食べている。
「ほら、食べに行ってくれば」
『むなぁ』
「ん、ほら」
懐記の腕から降りたがらないクラークラックが懐記き食べさせてとおねだりするので、カノリを食べさせてやる。
『むな!』
「沢山食えば」
「雑食だから肉も出すか」
「魚もありますし」
『むなぁ』
「カウンとカノリが美味しいって」
「わあ、嬉しいです」
あまりの食欲に肉と魚も出してやるが食いつきが良いのは、カノリとカウンだった。
「それで、この生物達が温泉を作っていた原因でそれを取り除いたという事で良いのか?」
「どうやらずっと地下を掘り進めて時々外に出て獲物や食料を獲る生活をしていたようだけど、それでその子がケガしてって所かな、彼らはちょっとした疲労の回復や簡単な病等は自力で回復させることが出来るけどケガは治せないようだから」
「それで、なんとかしようと水魔法と火魔法と回復魔法を地下で掛け続けていたら、お湯が溢れてああなったみたいだな」
「あの臭いは?」
「この子達が危険な目にあったり感情が昂ったりすると出す臭いみたいだね、もう今はしないと思うよ。千眼さん結界解いてみて」
「ああ…」
「本当に臭いしないな」
「本当ですね!」
千眼が結界を解いてもあの臭いはしない、ロックスが胸を撫で下ろすが覚悟は決めている。
「あ、あのこの臭いの原因を突き止めてくれてありがとうございます!」
「良かったな、ご両親が残してくれた物だから大事にしてくれ」
「は、はい!あ、あの図々しいお願いかとは思いますが。温泉は無くなりましたが先ほどの話しこの辺り一帯を買い取って大きな宿を作る話しはやっぱり…無くなりましたよね?」
「んーいや、保養所は作りたいし。温泉は無くなったが風呂は何処でも作れるからな!」
「あ…はい!」
「風呂造りは任せて頂こう!」
「ええ、良い物造りますよ」
「崇幸っち、ロックスっちーこの子達がお礼したいってー。宿の地下の事で迷惑を掛けてごめんてー」
「い、いやでもこうして皆さんと会えたから…」
ロックスが崇幸の言葉にぱぁっと明るくなり、クラークラックの謝罪に首を横に振る。
「では、問題が解決したようなので。商業ギルドで周辺の土地の購入をしに行きましょうか。ロックスさん貴方も来て下さい」
「は、はい!行きます!」
「僕も行くよ」
「ええ、行きましょうか」
「じゃ、俺もお供に」
「では皆さん1度船に戻りましょう、祭りの出店の話しもしたいですし」
『はーい』
『むなぁ』
千歳達は商業ギルドに転移魔法で向かい、食事が終わったクラークラック達と共に綴たちは船へと戻った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~

ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」 義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。 父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。 けれど―― 公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。 王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。 さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。 そして下されたのは――家ごとの褫奪。 一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。 欲しがったのは肩書。 継いだのは責任。 正統は叫びません。 ただ、残るだけ。 これは、婚約を奪われた公爵令嬢が “本当に継がれるべきもの”を証明する物語。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

処理中です...