あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
342 / 1,104
第09部 魔王たちの産声 歪

第4幕 第11蒐 戦の残り

しおりを挟む
「じゃ、行くぞー」
5人全員タイミングを合わせて核に魔力を込めた武器を振りかざす、デカいだけで暴れるだけの的など彼らは簡単に仕留められる。
「まずい、爆発か、千歳さん皆さんを収納へいれて下さい。嵌められましたね」
「分かった」
核を同時に破壊された瞬間に核が赤く輝いたのを確認した蒐集家が声を上げる、千歳がその場にいた兵士達含む全員と自分を収納に入れようとした所、蒐集家だけ収納出来なかった。
「なっ!?」
「あー別に良いですよ、平気ですし。どうぞ」
冷えた眼で蒐集家が千歳を見つめ、千歳もその場に留まった。
「破壊魔法発動」
「塵に還れ」
判断に迷いも無いがない2人が同時に言葉を紡ぐ、核を破壊されたゴーレムは足元が砂になり崩れていき、4つの異形の顔とゴーレムの顔が破裂し跡形もなくゴーレムが消え去った。
「それは異界の魔法だね?いや魔法なのかな」
「ノーコメントです」
「秘密主義だね、そしてこの世界の生物でもない」
「ノーコメントで、出したらどうです?」
「僕としてはもっと話したい所だけれど?」
「話す事はないです」
「そう、残念。皆終わったよ」
「千歳ちゃん、大丈夫?爆発って聞いて驚いたんだから」
「大丈夫ですよ、蒐集家さんのお陰でご覧の通り」
「蒐集家ちゃんも無事そうだね」
「ええ」
「んだよ、最期はこんなもんかよ。なあ、おっさん達は回復魔法使えんの?」
「使えはしないが札はある、ケガ人がいるのか?」
「いる、大勢な死体に変わってなけりゃこっちの陣営にいるぜ、大勢」
「急ぐ…」
「状態が酷いようなら《島船》に行こう」
千歳の収納空間から出て来た舵が2人に駆け寄る、魔人の少年が跡形も無くなったゴーレムを睨み舌打ちしてこの先を指す、グローリーが転移魔法で皆を運んだ。

「おい、チビ」
「んだよ、おっさん」
「この戦はどの国とやっているんだ?大将は?」
少年の陣営…旗1つのみ、怪我人や命からがらゴーレムから逃げた兵士達数十名が地面に転がっている最早陣営ととも拠点とも言えない場所だった。
「なんだ此処は」
「《コオン》て国、こっちは反乱軍。向こうの敵は俺が落とした、こっちの大将はゴーレムに喰われた。先に逃げて戻った奴らがケガ人見捨てて逃げたな」
「へえ、お前すごいじゃん」
「うるせー」
ジラが少年の頭を撫でてやると煩わしそうに頭を振るう、ラジカと舵と千歳が大河が懐記や崇幸達に連絡を取り《島船》に運ぶ事にする。
「なあ、親父。《コオン》落としてよ」
「……?悪い国?」
「こいつら、《コオン》の奴隷とか農民とかでクソ国王のやり方が気に入らないから反乱起こしたんだ。悪い国かどうか知らねー」
「《コオン》は奴隷制度と人身売買等を大腕振って行っている国です、国王が推奨しています」
「あの国とその周辺の国は身分制度がはっきりとした国なので、農民や奴隷が死のうがどうでも良いんです。税が納められなければ即奴隷落ち、他国から罪人も買い取り戦わせたり魔物に喰わせたりもする愉快な国ですよ」
「なんだコイツ、性格わりぃな」
「よく言われます」
少年がグローリーに頼めばグローリーが首を傾げる、ラジカと蒐集家が補足するが蒐集家の言い方に少年が嫌そうな顔をし蒐集家かは愉し気に口元を歪ませ嗤った。
「滅ぼしたら嬉しい?」
「嬉しくねーけど、国王は気持ち悪い。あの国の闘技会に出たらあの国の国王に気に入られたって理由で寝所に呼ばれた。気持ち悪いから行かなかったら、追われてそのまま反乱軍に入っただけ」
「……………」
「あ、グローリーさん行くなら城の案内しますよ?国王の顔も分かります、最短で潰しにいきませんか?」
「行く…教えて」
「父さんコイツヤバいから、俺も行く」
「止めたらダメだよ…?」
「はい」
「やれやれ困ったね、グリ君怒っているねー。」
「グリ、止めないが俺も行く。1つ約束しろ、やるなら国王とそいつに味方するやつだけにしろ」
「分かった…《島船》でご飯食べてお風呂入って待っていて…ウォルとカーテスパパと子供達といてね」
「ん…」
少年の台詞にざわりと言い知れない何かがグローリーに這うように上がってくる、よく分からないが蒐集家の言葉にそのざわりが反応したのでその言葉に従い少年の気分を害した国王を屠りに、イザラと蒐集家と大河を連れて《コオン》に向かう為に転移魔法を発動させた。

「行かせて良かったのか?まあ、大河がいるから国王とその周辺で甘い蜜に集っていた虫共だけ消えるだろうが」
「蒐集家…厄介な存在だね。でも手元に置いて置くしかない、あれは…この世界から外れている」
「千歳…」
「さ、急ごうか。大丈夫大河君がいるしイザラ君がいる、グリ君は絶対自分の子を傷つけないから」
「そうですね、流石に《コオン》が気の毒ですね、魔神皇に目を付けられた」
「仕方ない、いけない事をしたのはあちらだから罰を受ける、それだけさ」
ジラの心配に千歳の表情は暗いそんな千歳の側にラジカが沿う、千歳が笑い千歳が周辺の怪我人達を全て《島船》へと運んだ。

……《コオン》……蛮族の王が支配する、身分と差別と貧富の国…だった。
「造った人形が壊れた…」
「魔神がいたなら仕方ない~あ~壊されたしお腹空いたし帰んない~?」
《コオン》国の王城謁見の間で8歳程の深緑の髪とサファイアの様な瞳に、自分と同じ身長程の継ぎはぎだらけのぬいぐるみを抱えた子供と深緑の波打つ髪に屍の様な肌と濃い目の下の隈の痩せた小柄な男がガランとした謁見の間でケタケタ笑っていた。
「壊れた…」
「仕方ないじゃん~あははは~お兄ちゃんが不細工なゴーレム造るから~」
「不細工じゃない」
「この国の王さまで造ったゴーレムなんか不細工じゃん」
「材料がわるい…」
「ねぇ~もう帰ろうよ~、魔神来ちゃうし」
「むぅ…分かった」
どう見てもお兄ちゃんと言った方が兄にしか見えないが、男が子供を抱えて渦巻く闇色の空間を出現させて消えていく。
シン…とした伽藍洞の主のいない城になり、静寂だけが残された…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~

ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」 義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。 父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。 けれど―― 公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。 王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。 さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。 そして下されたのは――家ごとの褫奪。 一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。 欲しがったのは肩書。 継いだのは責任。 正統は叫びません。 ただ、残るだけ。 これは、婚約を奪われた公爵令嬢が “本当に継がれるべきもの”を証明する物語。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

処理中です...