あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第09部 魔王たちの産声 歪

第022話 おやつと皇国

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「みんなーおやつ作るよー」
『はーい』
「行こう…」
「……」
「行きましょ、カヌイさん」
「おう、行くぞ!こう見えて料理は得意だ」
「ほら、行くぞ」
「行こ」
昼食を食べ暫くして詠斗達がおやつ作りにと子供達や周辺の大人達を誘い、《島船》の食堂へ向かう、カヌイはびくびくしながらグローリーに手を繋がれ向かった。
カイムは仕事と部屋の準備でカジノタワーにトラング達に案内されて向かう、カヌイはちらりとカイムの背を見ていた。
「気にすんなよ、あんな嫌味な奴」
「うん、早くおやつ作ろ」
「はい……」
「今日はグループ分けして、フルーツ飴とホットケーキにジャム作りとミルクアイスだよ!」
晴海がはしゃぐ、詠斗はトイ達と新たにスキルで果物の木が増えたのでそれを植えに行くと畑へ戻った。

「随分良い場所だ」
「私がこの上だ」
「私はその上の最上階です」
「……何処でも良いが気に入った」
「すごい眺めですね」
「テンちゃん借りる?」
「い、いえー僕は支配人の家の方が落ち着きます」
「そう言われると嬉しいな」
大河の転移でカジノタワーに戻った、カイム、デュスノア、蒐集家、テンテスト、トラング、カトゥーシュカ、最上階から数えて3階下の1フロアをカイムに提供すると決め、テンテストが窓から下を見下ろし意地悪げにトラングが言えば首を振ってきっぱり言うのでカトゥーシュカが嬉しげに顔を綻ばせた。
「落ち着くんです」
「上司2人いてか?俺ならごめんだ」
「荷物は?」
「それほど無い」
「なら、部屋の使い方の説明をする」
「ああ」
「じゃ、待ってるわ。カジノの見学と制服の合わせもあるし~」
「なんだかんだ支配人してますね」
ソファにトラングが座ると蒐集家がからかうように笑う、ゴーレム達がいつも間にか必需品を運び込み部屋を整えていく、デュスノアのどかりと座り足を組んでいる、テンテストは興味深くゴーレム達を観察していた。
「異界の救世主様達は面白い物を生み出すな」
「面白いというよりかは便利で快適な物をこの世界に持ち込んでいる感じだ。お前とテンテストの分のスマホだ、使い方の説明をする」
「いや、俺はいい。読み取った、通話、文書、絵を写す魔法具か」
「すごいな」
「魔人の特性だ、貰おう」
「じゃ、テンちゃんには家で説明する。カイムっちゴーレム達が部屋を整えてくれるからカジノ行こ、遊ぼ」
「そうだな」
「私もカジノに行くか少し退屈していた」
「私は店に戻ります」
「手伝おう」
「どうも」
大河と蒐集家は店へ、トラング達はカジノへと分かれた。

「あーぅ」
『ベル様まだ食べられませんよ』
『……』
「あう!」
「ベルちゃん、ちょっと待ってね。すぐだから」
お菓子作り、ベルが早く食べたいとだだを捏ねるのを舵とタイタンとプロメテウスが宥めている。
その隣で芸術的な飴細工をエクトとセレネ達が作り上げ、晴海とイデアとイザラも飴を果物に掛けていく、ヒビカとシアとエニューがパンケーキを何枚も積み重ねていき、ベルン達は小麦粉やミルクや卵で種を混ぜていた。
キッキやユラヴィカやラキとライル達はいくつかのジャムを甘さを変え煮て、他の子供達は果物を切ったりアイスを作る為に混ぜている、皆手慣れた手つきで行っていた。
ナイデル達が見守り、チキがゴーレム達も参加している方に混ざりおやつをねだり頭の上のヒヨコもパンケーキの欠片を嬉しそうにつついていた。
『うまいなー出来たてうま』
「ほら、チキちゃん食べるのはみんなとね。味見はほどほどに」
『あと少しだけ!』
「もおー」
カーテスがイビヤを背負い苦笑いを浮かべる、イビヤは指をしゃぶりうとうとしていてカルンはニアの背で寝ていた。
「うまいかコォン?」
『魔王に美味しいも不味いも無いのね~ん』
「でも同じ物食べるとうまいうまい」
『かもね~』
先に味見でゴーシュが作ったパンケーキを貰いコォンが尻尾を振り、ゴーシュが笑って頭を撫でた。

『いただきまーす』
おやつは1プレートにパンケーキとミルクアイスに甘さを控えたジャムを乗せ果物の飴で飾り付けた物、皆で頂きますをし賑やかに食べていく、ヒビカの兄弟達も味のついていないパンケーキと果物を貰い、他の魔物や動物達も甲板でノースと一緒におやつを食べていた。
『のす』
海の風が気持ち良い、ノースは毛に埋もれた目を閉じて気持ち良さを味わった。
ゴーレムやヒヨコや小さい動物達はノースの毛に埋もれて遊び、各々ゆっくりと過ぎる時間を楽しんだ。

「皇国の孤児院の土地はここか、落ち着いた雰囲気でいいな」
「ああ、《トイタナ》の孤児院と連携を取り学ばせて貰おう」
「よろしくお願いします、崇幸さん」
「ああ!」
龍皇国の街の中心部の土地をラージュとライガルに案内され、崇幸と千眼とイシュター、ジラ、ナイル、チグリス、千華が訪れ確認していた。
「どうせならカジノタワーの様な高い建物が良い」
「店も入れて商業エリアに繋げて貰いたいのですが、雇用の促進にも繋げたいので」
「もちろん!」
『崇幸様建物の管理は私とゴーレム達にお任せ下さい』
「風早、いつも悪いな」
『いえ、子供達を安心安全な環境で育てて行きましょう』
「本当に綴君には感謝だな」
崇幸のスマホから風早の声が聞こえ、崇幸が笑みを浮かべ早速開けた場所でテーブルを出し鉱物を準備し建物を造り上げていく。
「ラージュ、そちらの孤児院の管理者は決まったのか」
「それが、まだ決まらず。何名か候補は上がっていますが…」
「教師の選定にも時間が掛かりましたし、管理者も我も我もと…」
「暇なドラゴンが多いのか?皇国は」
イシュターが魔石に魔力を注ぎ粘土の様に捏ねて、ニジェルガとライガルに聞けば困った様に溢す2人。
皇国の孤児院を造るに辺り教師陣や職員が決まり、ナイデルとアルケールの元、アゲイルやレグのサポートで《トイタナ》の孤児院で実習など行っている現在、孤児院の管理者即ち院長決めが難航していた。
「多い…」
「やりたいやつ全員にやらせてそのうち孤児院を増やして行けば良いだろ?筆頭はイシュターがやっとけ誰も文句は言わないだろ?」
ジラの話しにイシュターが暫し考え頷く、《ガルディア》や《ホウラク》《ロメンスギル》にも孤児院を造るもよしだと資金があるからこそ成せる提案にイシュターは乗る事にした。
「そうしよう、今から院長になりたいと言う者達全て此処に集めよ」
『はっ』
ニジェルガとラージュが即時動く、戦災孤児や家族を失い路頭を彷徨う子供達は待ってはくれない、速やかな対応こそが今求められている事だった…。
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