あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
540 / 1,104
第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

終戦のナギep.5

しおりを挟む
「わ、あの辺一面綺麗な黄色の花畑だー」
「あれ…うまい…詠斗おにぎり」
「はい、梅干し。気になるな、降りてお昼とかにしたいね」 
「いいですね、飛行船の中ばかりでは退屈ですから。風早降りても問題ないですか?」
『………はい、周りに危険な生物はいません』 
「ありがとうございます、懐記君達は大丈夫ですか?合流出来ましたか?」
『……出来ました、ジラ様達は戦の最前線へ向かい、外神様達は《ノゼバ国》に残り兵士の治療を行っています…』
「そうですか…暫く掛かりますか」
『………はい』
懐記と崇幸から心配を余り掛けたくない、詳しくは言わずに伝えてくれと言われている、マスターに全てを話せないのは心苦しいがきっと詳しく話せば《ノゼバ国》へ向かうと言うだろう、傷付くだけだだからここにいて欲しいと風早は思う。
「あ、あの花うまいすね。酒や果実水、料理に使っても美味す。俺とチグリス様が運びますからみんなでいくすよ」
「準備して降りよう」
《ノゼバ国》にゴーレム体に入り連絡を取れなくなった外神達と連絡を取る為にイシュターの背中に乗り合流してから1時間程、本当なら詠斗も綴も晴海もピクニックを楽しんでいる内心では無いが、子ども達に不安を見せたくない一心で明るく振る舞っていた。
「みなさん、一緒にお昼の準備をしましょう」
『はーい』
『ぴぎゃ』
ウズラも明るく手を挙げ、ラウラスとチグリスと一緒に厨房で準備を行った。

「重症者はそっちだ」
「軽いケガ人は此方だ」
「スープとパンと果物ありますよ!順番に渡します」
城の庭で続々と怪我人達や途方に暮れて縋る物が此処しかない者達が集まり、手当てや食事を貰い…絶望と憔悴した表情を浮かべていた。
「うう…あなた…」
「おかあさん!」
「なあ、俺の子どもがいないんだ!」
「私の父親も…」
「ああ…おじいさん」
「うわわん、いたいよー」
「助けて下さい!」
次々来る人々、外神と千眼は街中に呼び掛け動けない者に薬を運ぶ、絶叫、慟哭、悲鳴、嘆きを聞きながら崇幸達は懸命に身体を動かす。
「………」
耳を塞いでしまいたい、そんな思考を振り払い崇幸は薬を渡し、泣く人々、嘆く人々、並べられていく無惨な死体にこの世界の惨さを目の当たりにした。
「崇幸っち、吐くのも泣くのもキレんのも後にしよ」
「懐記君…ああ、すまない」
「ん」 
そんな崇幸の肩に手を置き懐記が前を見据える、それだけ伝え懐記も人垣に呑まれ怪我の手当てを行う。
「…………」
「………僕は無力です」 
千眼と外神が向き直る、やるべき事は出来たようだ。
「この国…土地は呪われる…」
「浄化しても暫くは住めません…」
「《アタラクシア号》で《ガルディア》に運ぶか」
「ゆき…飛行船ならあれがある…」
「あ、あれかあ」
崇幸がこの土地にいられないのであれば《ガルディア》へと運ぶつもりだが、千眼がある提案を行う。
「あ、あれなら治療に専念出来るし部屋数もあるし…」
「戻るのは手間だ…」
「そうだな、よし、出すか!」
「ああ…」
崇幸は覚悟を決めて趣味満載、色々な意味で色々詰め込んだ飛行船を出した…。

「みなさん、遠くへは行かないようにまとまって大人の人と行動しましょう」
『はーい』
「少し遊んだらご飯にしよう」
『やった』
ラウラスと詠斗が昼食の準備を始める、辺り一面可憐な黄色い花の海の様な場所で綴とチグリスが子ども達と一緒に周囲を見て歩いていく。
「ほら、空綺麗だね」
「う?」
空をおんぶした晴海が黄色い花を摘んで見せると首を傾げる、晴海は笑って詠斗達の側で花を摘んで籠に入れていく。
「綺麗だなーまた来よう、皆で」
「中継器置いとこうか」
「うん」
詠斗が収納袋から中継器を取り出し置いておく、皆で来ようとこの綺麗な花畑でまた遊ぼうと詠斗は微笑んだ。
「さあ、お昼たべるっすよー」
『はーい』
『ぴぎゃ』
花を食べていたウズラも子供たちと一緒に向かう、黄色い花が舞いそれはとても綺麗な物だった。

「うまい!へえ、こんなのはじめて食べた」
「たくさんありますからいっぱい食べて下さい」
「こっちは手当終わったぞ」
「うん」
「風呂出すか、血や汚れが酷い」
「飯渡してくるよ」
「これをお願いします」
「死んだ奴の身体焼いて来たぞ、生き残っているのが不思議な位だな」
「よく持ちこたえたよー」
ナギと生き残った兵士達がトゥナーが作ったスープやパンを焼いた肉を貪るように食い、ギーギスとイザラとイデア、ジラが手当を行い食事をトゥナーから受け取りは運んでいく、フォン、フェシェスタが亡くなった者達の身体を焼いて戻って来る。
「ご苦労様です。ジラ君達とフォンさん達も休んで下さい、お風呂は用意しておきますから、ここの皆さんは全員で入って貰って僕達は2人ずつで入りましょう」
「ああ、イザラとイデアは先に入れ」
「うん」
「分かった、ナギだっけ?一緒に入る?」
「ふろ?良いの?入る」
トゥナーが収納袋から、アルケールとアゲイル、レグが作った持ち運び浴場、木で出来た小屋に脱衣所と岩をはめ込んだ風呂場と石鹸やシャンプーやタオル、簡易的な服まで備えた物を2つ出して兵士達や傭兵達奴隷達も目を見開きながらされるがまま案内を受け風呂に入る、ナギもイザラ達に誘われ入ってみる事にし、トゥナーはその間果物や飲み物を用意し、洗える物等は詠斗に教えて貰った風魔法と水魔法で渦を生み出し洗剤を入れて回していった。
……戦場の最前線の緊張感が一気に無くなった瞬間だが、誰も気を抜かずに周囲に気を配りつつこの後の事をトゥナーは考えた…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です

結城芙由奈@コミカライズ連載中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】 私には婚約中の王子がいた。 ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。 そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。 次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。 目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。 名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。 ※他サイトでも投稿中

【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!

しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。 けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。 そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。 そして王家主催の夜会で事は起こった。 第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。 そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。 しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。 全12話 ご都合主義のゆるゆる設定です。 言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。 登場人物へのざまぁはほぼ無いです。 魔法、スキルの内容については独自設定になっています。 誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。

婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~

ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」 義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。 父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。 けれど―― 公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。 王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。 さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。 そして下されたのは――家ごとの褫奪。 一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。 欲しがったのは肩書。 継いだのは責任。 正統は叫びません。 ただ、残るだけ。 これは、婚約を奪われた公爵令嬢が “本当に継がれるべきもの”を証明する物語。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

攻略. 解析. 分離. 制作. が出来る鑑定って何ですか?

mabu
ファンタジー
平民レベルの鑑定持ちと婚約破棄されたらスキルがチート化しました。 乙ゲー攻略?製産チートの成り上がり?いくらチートでもソレは無理なんじゃないでしょうか? 前世の記憶とかまで分かるって神スキルですか?

モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。 モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。 実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。 あらゆるモンスターへの深い知識。 様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。 自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。 降って湧いた凶悪な依頼の数々。 オースはこれを次々に解決する。 誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。 さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。 やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。

処理中です...