あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

第30話 次の国へ

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「おは、おはようございましゅ」
「おはようございます、ファミさんお疲れ様ですね」
「はぃい…昨日から色々処理を行ったので~」
「よければ差し入れをどうぞ、商会の皆さんと食べて下さい。それとこれはうちの商会の薬屋の栄養ドリンクです。試作品ですが味は保証しますよ」
「はぅう、あ、ありがとうござまいしゅ」
朝、ラジカと共にファミの元へ訪れた千歳、目の下の隈とどんよりしたファミ、商業ギルドもバタバタとしていた。
「《ドーン商会》の販売をしていた従業員の手続きは終わりましたので」
「はい、ありがとうございます。では、店に連れて行きます」
「それが終わればこの国を出ます、中継器を使えば《グシャグ》を経由して《ガルディア》の商業ギルドに着きますからそこで手続きをすれば仕入れや店を出せます。ファミさん色々ありがとうございました」
「い、いえ!こちらこそありがとうございます、商業ギルド楽しみです」
千歳が感謝を込めて頭を下げればファミは噛まずに笑顔で礼を伝える、間も無くこの国と別れ次は《ナイアジナ皇国》へ向かう、《空船》も現在その方角に向かっている。
やる事は多いが千歳は楽しくて仕方ない、ファミも表向きはああいう風に装ってはいるがかなりのキレ者で頭の回転が早い、《ドーン商会》の件を1日で片付ける技量と采配だ擬態が上手すぎる、次の国ではどんな曲者に会えるのか楽しみだ。
「千歳、顔」
「あ、ごめん」
ラジカが嗤う千歳の表情を指摘し口元を引き締め、店へと向かった。

「肉ダンジョンと魚ダンジョン面白いな」
「おかえりーフィズちゃん」
「ただいま」
「おかえりなさいーフィズさん」
「フィズーおかえりー」
「沢山ドロップしたようだな!」
ベルン達のテント、世話になるのだからと食料を獲りにダンジョンへ向かって戻ったフィズを舵やベルン達が出迎える。
「カーク殿達とフユーゲル殿達と数を競ってみたが、勝った」
「すごいーランキング塗り替えたんですね」
「カトゥーシュカ殿の記録は抜けなかったな、また挑戦してみよう」
ドロップした肉と魚等をが入った時間停止収納袋を舵に渡し、ニトが拍手を贈る。
最近はただダンジョンに潜るのもと、1日の個人での最大ドロップ量をランキング形式で出している。
1位カトゥーシュカ、2位はフユーゲル、カーク、エンフ、カルで競い合っている中にフィズが入った形になった。
「明日はベルン達の仕事を手伝った後に、鉱物ダンジョンにでも入ろうか」
「疲れないの?」
「動きたいからな」
ベルンとカタンを抱え笑うフィズ、体力が有り余っているらしい。
「肉と魚干すよー手伝ってー」
『はーい』
舵とニトが外へ出ればトイからちょうどラインが入り、崇幸達と食事をしている画像が添付されていた。
「戻ったらみんなでパーティーしようね」
舵はにこりと笑ってそう返信し、皆の写真も送った…。

「このコーヒー美味しいですね…さて、仕事をしましょうか。ファミ」
『はい、コーカス様』
《空船》の自室にてコーカスはラウンジで用意し運ばれたコーヒーを嗜み、ソーサーに置かれたクッキーを口に運んでテーブルの上のひび割れた水晶に語り掛けた。
「お疲れ様でした、蒐集家には感謝しましょう。《ドーン商会》を片付けてくれて」
『手間が省けました』
「それにしても、相も変わらず貴方の演技力は大した物ですよ」
『恐れ入ります、魔王殿には見抜かれましたが』
「育ちの良い坊っちゃん程度だと思っていましたが中々にキレ者ですね」
水晶の向こうの話し相手は、雰囲気をガラリと変えた《ガーネ商会》支配人ファミだった。
『色々と此方も片付いたので、魔王殿には感謝します。あの屋敷の件も』
「ふふ、最強の数外魔王に住み着かれてましたからね」
『大人しいものだから良かったですが、いつどうなるか分かりませんし』
「おや、貴方ならなんとか出来るでしょう」
『ご冗談を、魔王は討てませんから。それと例の物が手に入りました』
「ふ…《ナイアジナ皇国》へ運んで下さい」
『承知致しました』
「ご苦労様でした」
『ええ、それとコーヒーと芋や食料はこちらにも回して下さい』
「珍しい、気に入りましたか?」
『はい』
「分かりました、カジノタワーの商業エリアで仕入れをしておきますよ」
『お願いします、では』
そう言って通信が切れる、コーカスが指を鳴らし識を呼ぶ。
「識さん、すみません。うちの商会の者がコーヒーや芋等を購入したいそうなので手配をお願いします。リストは後程お渡しします」
『おっけーよーん、その通信機音割れが酷いわね~聞き取り
辛いんじゃないかしら~此方の声も酷いわね~せっかくのイケボなのに向こうには雑音にしかならないんじゃなぁい』
「声を褒めて貰えて嬉しいですね、声も商売には欠かせない物ですから。古い物ですが思い入れは有るものなので、中々手放せません。向こうも慣れてますよ」
『あら、物を大事にする美形はタイプよー』
「恐れ入ります」
水晶を収納袋に入れてにこりと笑う、コーヒーの追加も頼みコーカスは引き続き空からの眺めを楽しんだ。
「空からの地上は美しい物です、ずっと眺めていたい。《アタラクシア》は地上よりも空が美しい…」


「失礼します、陛下」
「どうかしたのか?」
「それが」
龍皇国の皇城の皇帝ニジェルガの執務室、普段は離宮の宰相の執務室で仕事をこなすライガルが前触れもラインも無く訪れたので仕事の手を止め顔を上げた。
「アガニータ殿の領主交代に関して長から謁見の申し入れがありました」
「来るだろうと思っていたがアガニータ殿に…聞くか…」
「承知しました…それと手帳に記された4ヵ国の代表の皆様には此方からの書状を送り《ナイアジナ皇国》皇帝陛下から返信がありました」
「内容は?」
 「承知したと警告感謝する旨、救世主の方々と是非とも話をしたいと、土地と店も用意しよう。歓迎するとあります」
「だろうな、千歳達に伝えておくとしよう。他はまだ戻らないか」
「はい」
「彼らの命を奪える様な存在などそうはいないが、共通点は不明…」
「或いは深く探れば…止めておきます」
「そうだな、どうだ、ライガル茶を淹れるから飲んでいくと良い」
「兄上、私が…」
「座っていろ、ナイルからドーナツをわたされた。ライガルと食べろと」
「…頂きます」
執務室に置かれた魔石コンロにポットを乗せ湯を沸かす、ライガルは椅子に座り一時の休憩を穏やかに過ごした…。
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