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9.洋服のプレゼントの意味って……!?
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俺、「サーラを幸せにする!」って真面目に誓っていたのに。
気付いたら俺は、採寸室でフィンと二人きりになっていた。
「さて。採寸しようか」
「えっ、採寸って……お店の人がやるんじゃないの?」
「他の人に触らせたくないんだ。私がする」
フィンはきっぱりとした声で、俺の意見をすぐに却下してきた。
そうして、俺は下着姿でフィンに採寸されることになってしまう。
フィンは微笑んで、メジャーを握りしめながら近付いてきた。
「ふふ、こんなに明るい部屋で下着一枚なんて、たまんない。ねえ、このまま抱きしめていい?」
「なっ、駄目に決まってるだろ!? 早く採寸しろよ!」
フィンはいつも俺と二人きりのときは、変なことを言って、からかうんだから。
「ごめんごめん、つい可愛くて」
「可愛いってなんだよ」
そうやって言い返したけど。
多分、フィンは偉い人だから、いつも人の上に立たなくちゃいけない存在なんだ。
いつも、気を張って過ごしているのかも。
そんな時に、俺みたいな身分とか立場とかと関係の無い友人ができて、ついはしゃいじゃってるのかもしれないな。
そう思うと、フィンもかわいそうだ。
じゃあ、俺の前でくらい羽目外したって、良いよな。
そう思ったら、フィンのじゃれ合いも「可愛い」なんて思えた。
まあ、だからと言って、ツッコまずにはいられないんだけどな!
「真面目に測るから。ほら、まっすぐ立って」
頭、肩、腕、脚……俺の背中側から迷いなくメジャーを当てて素早く測っていく。
俺も素直に測ってもらっていた。
そしたら突然、フィンがクスクスと笑い出す。
「な、何?」
「ふふふ。これで君の身体の全部を、私は知れたのかと思うと、嬉しくて」
そして、フィンの指が俺の首から肩を軽く撫でてくるから、背中がびくっと震えてしまった。
「ひゃっ、っちょっ、何言ってるんだよ!」
「動いたら駄目だよ、ほら、まっすぐ立って」
一度フィンの手を意識し始めたらもう、恥ずかしくて仕方ない。
フィンの指が、俺の貧相な身体に触れているんだから。
耳のすぐ後ろで聞こえる息づかい。
首筋をかすめる指先。
メジャーが滑るたび、俺の身体が熱くなる気がした。
「君は細いな。訓練を始めて少しやせたんじゃないか? ちゃんと食べないと、体力が持たないぞ」
「わ、悪かったなっ。運動を始めたら、やせちゃったんだよ」
フィンは少しだけ心配そうに眉を寄せた。
「そうか、確かに運動すると引き締まるからね。
けれど、あんまり食べないと、倒れてしまうよ。食事は取れてるのか? 絶対に無理はしないでくれ」
「なんだよ。子ども扱いするなよ。 俺だって筋肉がついたらそんな細くなんかない。
みんなと同じに重いものを持って筋トレとかしたら、俺だってっ」
「そうか。でも、無理な筋トレは、けがの元だ。それよりも肉を付けたほうがいい。これからたくさんおいしいものを、食べさせてあげるから。
ほら、みて、腹筋が少しついて来てるじゃ無いか。きれいに縦すじが入っている。
努力がちゃんと形になってるんだ。焦ることは無いよ」
「っ……!」
フィンは耳元で囁きながら、俺の腹をつつっと撫で、下腹部を指先で押してきた。
やめろよ!
フィンにとっては何気ない仕草だったのかもしれないけど。
俺には刺激が大きいんだってば!!
俺は瞬間、息が止まる。
顔から火が出そうだ。
……やばい、やばい。
俺、勃っちゃった。
だってさ、しょうがなくない?
こんなとこ、誰にも触られたことないもん。
俺には、刺激が大きすぎるよ!
(お願い、フィン、気が付かないで!!)
俺は、ひたすら前のめりになって、はやく収まることだけを願う。
フィンは俺の気持ちを察したのか、俺のそれを見ても、何も言わない。
そのまま採寸表を持って、部屋の外へ出ていった。
「恥ずかしすぎる!」
俺は一人、採寸室でのたうち回った。
でも、フィンに何か言われたら、もっと俺のダメージは大きかったに違いない。
フィンが気付かないふりをした気遣いに、ちょっと感謝したけど。
考えてみたらさ。
俺がこんなことになったのって、フィンのせいだよな!?
やっぱり感謝なんかするもんか!!
ひたすら深呼吸して、俺がやっと落ち着いてきたころ、フィンが新しい服を持って現れた。
「既製服はあまりなかったけど、これなら君に合うと思うんだ」
差しだされた服は、深い碧が特徴のチュニックだった。
これ、フィンの瞳と同じ色だ。
偶然なんだろうけど、なんだかドキッとした。
「……ありがと」
おずおずと受け取ろうとすると、フィンがにっこり笑う。
「服を贈ったらね、その服を脱がせてもいいって暗黙の了解があるんだ。いつか、私の寝室でそれを着てくれるのを楽しみに待ってる」
「だ、誰がお前の寝室になんか行くかぁっ!」
つい、フィンのこと”お前”って言っちゃったよ。
フィンは、「あはは」と笑ってる。
俺も、さっきまでの恥ずかしさやぎこちなさはどこかへ飛んで行ってしまった。
そのことに、少しだけほっとした。
きっと、そのためにフィンは、あんな冗談言ったんだな。
やっぱり、フィンはすごいよ。
気付いたら俺は、採寸室でフィンと二人きりになっていた。
「さて。採寸しようか」
「えっ、採寸って……お店の人がやるんじゃないの?」
「他の人に触らせたくないんだ。私がする」
フィンはきっぱりとした声で、俺の意見をすぐに却下してきた。
そうして、俺は下着姿でフィンに採寸されることになってしまう。
フィンは微笑んで、メジャーを握りしめながら近付いてきた。
「ふふ、こんなに明るい部屋で下着一枚なんて、たまんない。ねえ、このまま抱きしめていい?」
「なっ、駄目に決まってるだろ!? 早く採寸しろよ!」
フィンはいつも俺と二人きりのときは、変なことを言って、からかうんだから。
「ごめんごめん、つい可愛くて」
「可愛いってなんだよ」
そうやって言い返したけど。
多分、フィンは偉い人だから、いつも人の上に立たなくちゃいけない存在なんだ。
いつも、気を張って過ごしているのかも。
そんな時に、俺みたいな身分とか立場とかと関係の無い友人ができて、ついはしゃいじゃってるのかもしれないな。
そう思うと、フィンもかわいそうだ。
じゃあ、俺の前でくらい羽目外したって、良いよな。
そう思ったら、フィンのじゃれ合いも「可愛い」なんて思えた。
まあ、だからと言って、ツッコまずにはいられないんだけどな!
「真面目に測るから。ほら、まっすぐ立って」
頭、肩、腕、脚……俺の背中側から迷いなくメジャーを当てて素早く測っていく。
俺も素直に測ってもらっていた。
そしたら突然、フィンがクスクスと笑い出す。
「な、何?」
「ふふふ。これで君の身体の全部を、私は知れたのかと思うと、嬉しくて」
そして、フィンの指が俺の首から肩を軽く撫でてくるから、背中がびくっと震えてしまった。
「ひゃっ、っちょっ、何言ってるんだよ!」
「動いたら駄目だよ、ほら、まっすぐ立って」
一度フィンの手を意識し始めたらもう、恥ずかしくて仕方ない。
フィンの指が、俺の貧相な身体に触れているんだから。
耳のすぐ後ろで聞こえる息づかい。
首筋をかすめる指先。
メジャーが滑るたび、俺の身体が熱くなる気がした。
「君は細いな。訓練を始めて少しやせたんじゃないか? ちゃんと食べないと、体力が持たないぞ」
「わ、悪かったなっ。運動を始めたら、やせちゃったんだよ」
フィンは少しだけ心配そうに眉を寄せた。
「そうか、確かに運動すると引き締まるからね。
けれど、あんまり食べないと、倒れてしまうよ。食事は取れてるのか? 絶対に無理はしないでくれ」
「なんだよ。子ども扱いするなよ。 俺だって筋肉がついたらそんな細くなんかない。
みんなと同じに重いものを持って筋トレとかしたら、俺だってっ」
「そうか。でも、無理な筋トレは、けがの元だ。それよりも肉を付けたほうがいい。これからたくさんおいしいものを、食べさせてあげるから。
ほら、みて、腹筋が少しついて来てるじゃ無いか。きれいに縦すじが入っている。
努力がちゃんと形になってるんだ。焦ることは無いよ」
「っ……!」
フィンは耳元で囁きながら、俺の腹をつつっと撫で、下腹部を指先で押してきた。
やめろよ!
フィンにとっては何気ない仕草だったのかもしれないけど。
俺には刺激が大きいんだってば!!
俺は瞬間、息が止まる。
顔から火が出そうだ。
……やばい、やばい。
俺、勃っちゃった。
だってさ、しょうがなくない?
こんなとこ、誰にも触られたことないもん。
俺には、刺激が大きすぎるよ!
(お願い、フィン、気が付かないで!!)
俺は、ひたすら前のめりになって、はやく収まることだけを願う。
フィンは俺の気持ちを察したのか、俺のそれを見ても、何も言わない。
そのまま採寸表を持って、部屋の外へ出ていった。
「恥ずかしすぎる!」
俺は一人、採寸室でのたうち回った。
でも、フィンに何か言われたら、もっと俺のダメージは大きかったに違いない。
フィンが気付かないふりをした気遣いに、ちょっと感謝したけど。
考えてみたらさ。
俺がこんなことになったのって、フィンのせいだよな!?
やっぱり感謝なんかするもんか!!
ひたすら深呼吸して、俺がやっと落ち着いてきたころ、フィンが新しい服を持って現れた。
「既製服はあまりなかったけど、これなら君に合うと思うんだ」
差しだされた服は、深い碧が特徴のチュニックだった。
これ、フィンの瞳と同じ色だ。
偶然なんだろうけど、なんだかドキッとした。
「……ありがと」
おずおずと受け取ろうとすると、フィンがにっこり笑う。
「服を贈ったらね、その服を脱がせてもいいって暗黙の了解があるんだ。いつか、私の寝室でそれを着てくれるのを楽しみに待ってる」
「だ、誰がお前の寝室になんか行くかぁっ!」
つい、フィンのこと”お前”って言っちゃったよ。
フィンは、「あはは」と笑ってる。
俺も、さっきまでの恥ずかしさやぎこちなさはどこかへ飛んで行ってしまった。
そのことに、少しだけほっとした。
きっと、そのためにフィンは、あんな冗談言ったんだな。
やっぱり、フィンはすごいよ。
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