ある平凡な女、転生する

眼鏡から鱗

文字の大きさ
30 / 37

28話

しおりを挟む
「おっ、嬢ちゃん今日から本格的に活動するって言ってたのに、どうかしたか?」

にこやかに言ってきやがるわぁ

「初めての魔物退治が、大量のキモいゴブリンを退治する羽目になって、今は事後処理中です。」

遠い目をしながら言ってやったわ

言い終わると、なんとも残念な子を観るような眼差しで無言の末、ヒートさんは私の頭をぐりぐり撫でてきた。

「ちょっ、撫でないで下さい!しかも、なぜ無言?慰めの一言くらいかけてくれてもよくないですかね?」

「いやぁ~嬢ちゃんの不運な流れ、最早逃れられないんじゃないか?せめて、俺くらいねぎらってやらなきゃな。」

撫でるのをやめ、そんなことを言われた

ゔっ、本当のことで言い返せない

「それに、領主様の孫娘に声かけられる奴他に居ねぇぞ」

「ぐぐっ、まったく否定出来ません」

がっくり肩を落とす私

そう、私の正体ギルドメンバーはもとより領地中にバレてます。

まぁ、小さき頃よりインフラ整備であっちこっち行って顔バレしてるからねぇ

今更身分隠せるはずもなく、冒険者活動しても領地内ではお嬢様は隠せません。

けど、特別扱いは無しになってる

お祖父様より、ちゃーんと通達がいってるからさ

他の領地に行けばまだ、身バレは遅いとは思うけどキチンとギルドで確認すれば、私の正体は直ぐにバレます。

逆に確認もせず、馬鹿なことをすると制裁します

ギルド内で不正したり、冒険者ならランク上で理不尽な権力使ってきたりした場合などなど

不当な目にあわされそうなら、私自身で何処ぞにドナドナします

「話は変わりますが、報酬はいつも通り口座に。あと、残高通知書の発行お願いします。」

「相変わらず、マメだなぁ~。普通の冒険者なんか残高なんか気にしないのにな。」

困った奴を見る顔で言ってきた

「その気にしない方々が、支払い時によく残高不足であたふたしてますよね?キチンとしてる身内から、みっともないことにならない様に常々指導されてるんですよ。」

そう言い返した私

「おいおい、それって・・。」

お祖母様身内です。みっともないと、教育的指導が待っています。冗談抜きで怖いです。」

想像しただけで、恐怖で顔が強張るよ

「あの方なら仕方ねぇ。俺、あの指導はもう御免だぁ」

あっ、経験者だ

「恐怖体験の経験あるなら、唆さないでください。あの指導、はたから見ても言葉にならないんですから」

「ああ、アレは辛い」

すっかり、2人とも意気消沈

「ハッ、イケナイこんな話をしたら暗くなった!明るい話はありますか!?」

「お、おう。そうだなぁ~。嬢ちゃんが好きそうなヤツ、最新魔王国の情報なんてどうだ」

「最新?!何かありましたか!」

「お~、元気になったな。魔王国で今流行ってるモノが載った本が新入荷したんだよ。」

魔王国の歩き方以外にも、やっと流通がきた!

「ぜひ、購入させて下さい!」

元気良く申し出ました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

精霊士養成学園の四義姉妹

霧島まるは
ファンタジー
精霊士養成学園への入園条件は三つ。  1.学業が優秀な平民であること  2.精霊教神官の推薦を得られること  3.中級以上の精霊の友人であること ※なお、特待生に関してはこの限りではない 全寮制のこの学園には、部屋姉妹(スミウ)という強制的な一蓮托生制度があった。 四人部屋の中の一人でも、素行不良や成績不振で進級が認められない場合、部屋の全員が退園になるというものである。 十歳の少女キロヒはそんな情報を知るはずもなく、右往左往しながらも、どうにか学園にたどり着き、のこのこと「屋根裏部屋」の扉を開けてしまった。 そこには、既に三人の少女がいて── この物語は、波風の立たない穏やかな人生を送りたいと思っていた少女キロヒと、個性的な部屋姉妹(スミウ)たちの成長の物語である。 ※読んでくださる方へ  基本、寮と学園生活。たまに戦闘があるかも、な物語です。  人を理不尽に罵倒する言葉が出ます。  あなたの苦手な生き物の姿に似た精霊が出る場合があります。

無能だと思われていた日陰少女は、魔法学校のS級パーティの参謀になって可愛がられる

あきゅう
ファンタジー
魔法がほとんど使えないものの、魔物を狩ることが好きでたまらないモネは、魔物ハンターの資格が取れる魔法学校に入学する。 魔法が得意ではなく、さらに人見知りなせいで友達はできないし、クラスでもなんだか浮いているモネ。 しかし、ある日、魔物に襲われていた先輩を助けたことがきっかけで、モネの隠れた才能が周りの学生や先生たちに知られていくことになる。 小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿してます。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ
ファンタジー
 目が覚めると昔やり込んだ乙女ゲーム「白銀の騎士物語」の悪役令嬢フランソワになっていた!  本来ならメインヒロインの引き立て役になるはずの私…だけどせっかくこんな乙女ゲームのキャラになれたのなら思うがままにしないと勿体ないわ!  推しを含めたイケメン近衛騎士で私を囲ってもらって第二の人生楽しみます

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む

家具屋ふふみに
ファンタジー
 この世界には魔法が存在する。  そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。  その属性は主に6つ。  火・水・風・土・雷・そして……無。    クーリアは伯爵令嬢として生まれた。  貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。  そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。    無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。  その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。      だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。    そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。    これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。  そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。 設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m ※←このマークがある話は大体一人称。

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

処理中です...